裁判では「転落死」、市議会では「殺害」となぜか言葉を使い分ける矢野穂積「市議」 ※請願審査の見通しについて追記


東村山市民新聞の12月22日付更新(2009/12/21 18:46:24)は、「最終更新日」の修正だけだったようです。けっきょく、東村山市議会12月定例会の報告は、他の保育園で起きた死亡事故をネタに佐藤市議を攻撃する〈東村山市議会12月定例会 速報〉だけだった、という話になりそうですね。市議会について一度も報告しなかった昨年12月よりはマシ・・・と、果たして言えるかどうか。


一方で、裏ではいろいろうごめているようです。まずは「柳原滋雄コラム日記」裁判(「重要容疑者」裁判)について、りゅうさんが矢野穂積「市議」の訴状を公開してくれたので、まとめWikiの方にもさっそく転載しておきました。りゅうさんによれば、謝罪広告の請求では柳原滋雄コラム日記」そのものの閉鎖・削除まで求めているようで、まったく言論封殺体質はあいかわらずですな。たとえば以下の記事を参照。


これから法廷での議論が始まることもあり、訴状の内容についてはコメントを控えますが、一読して気付いたのは、矢野「市議」が一貫して「朝木明代議員の転落死」という表現を用いていることです。


「被告柳原は・・・何の根拠もなく、公選による公職者たる原告矢野が、朝木明代議員の転落死に関し犯罪の重要容疑者であると決めつけ、・・・」


ほう、「殺害」ではないんですね。普段の姿勢とは異なるこの言葉遣いは、実に興味深いものです。


かと思えば、市議会ではあくまでも「殺害」だと言い張るのですね。矢野「市議」が紹介議員となって提出された「朝木明代議員殺害事件に関する請願」の内容を、佐藤市議がさっそく紹介してくれました(追記:市議会のホームページにも「21請願第12号」として掲載されました)。

<請願の趣旨>
1.朝木明代殺害事件における「殺害」という文言を、理由なく、発言取り消しの扱いとし、会議録副本から削除した理由を、東村山市議会本会議において、速やかに説明を行うよう、議長に求めます。


<請願の理由>
1.最高裁で本年7月14日に確定した朝木明代議員殺害事件に関する最新の判決では、「朝木明代議員事件は“他殺”と考えうる相当な理由がある」と判示されていますので、市議会が、司法の最終判断に従わないことは許されません。
2.先の2009年8月30日の選挙を機に、国民は、朝木明代殺害事件への関心を強く持ち続けています。貴議会においても最高裁判決に従い、事実を正確に取り扱うべきです。


平成21年12月9日
 請願人(印)
 紹介議員 矢野穂積(印)


東村山市議会議長殿
(引用者注/「市報」は明らかな誤字と思われるので「司法」に修正した。「二重」の意味は不明)(引用者注/佐藤市議の訂正にあわせて修正)


請願は福島県在住の方から出されたものだそうです。ちょっと前に上申書 平21(ワ)24284号  損害賠償請求訴訟についてへの署名を集めていた「創価学会による司法汚染を防止する会」の事務局ではないかと思われる二本松アニマルポリスも福島に住所を置いていますが、まあ誰でもいいですな。つい最近、クロダイくんたちが二本松アニマルポリス作成のビラを撒いていたらしいので、ふっと思い出してしまいましたが。


追記ほんとに二本松アニマルポリスだったようです。外国人参政権推進派であるはずの矢野穂積「市議」が、東村山市内で中国共産党・日本侵略計画第六段階」などという外国人参政権反対ビラをばらまく団体を利用しちゃってるわけですね。)


請願者が誰であれ、この内容は矢野穂積朝木直子両「市議」の意を受けたものであるとしか思えず、市議会議員による請願制度の濫用(あるいは少なくとも請願制度の本旨を外れた行動)という感想を強く持ちます。矢野・朝木両「市議」が薄井市議を盛んに攻撃していた時期、いずれも朝木直子「市議」が紹介議員となって、

  • 「薄井政美市議への辞職勧告についての請願」(19請願第7号)
  • 「薄井氏に対する辞職勧告を求める請願」(19請願第2号)
  • 「『19請願第2号』の政策総務委員会への差し戻しを求める請願」(19請願第12号)
  • 「『19請願第7号』の差し戻し審査を行うことを求める請願」(19請願第14号)
  • 「政策総務委員長に猛省を促し辞職を求める請願」(19請願第13号)

――が立て続けに提出されたときも同じことを感じましたが(4月26日付〈薄井市議に関する請願について「1分も審議されませんでした」などとウソを書く中村克氏〉参照)。


昨年3月ごろ、公明らの戦前並み「発言取消し」要求ついに破綻!ととんちんかんな勝利宣言をしていたこともあるだけに、なおさらです(2008年6月15日付〈「朝木明代議員○○事件」 幻だった勝利〉参照)。


もとより、この請願には理由がありません。最高裁で本年7月14日に確定した朝木明代議員殺害事件に関する最新の判決」とは『東村山の闇』事件の東京高裁判決を指しますが、そこでは、
「控訴人らが本件転落死につき他殺の可能性を示す証拠があると信ずるについて相当の理由がなかったとはいえない」
と判断されただけです(判決書〔PDFファイル〕34ページ)。言い換えれば、
『東村山の闇』の出版当時(2003年11月)*1矢野穂積朝木直子、朝木明代の転落死は他殺だったかもしれないと考えたのはまったくデタラメだったというわけでもない”
ということです。「朝木明代議員事件は“他殺”と考えうる相当な理由がある」などとは、どこにも書いてありません。


むしろ、朝木明代市議「殺害」説の真実性は「創価問題新聞」事件において真っ向から否定されているわけですから(「本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」)、司法の最終判断に従えと言うなら、矢野・朝木両「市議」こそ市議会で「殺害」などと騒ぐのをやめなければいけない。


矢野・朝木両「市議」は、「創価問題新聞」事件判決が『東村山の闇』事件判決によって覆されたかのような宣伝を必死になってやっていますが、通用しません(エアフォース〈「創価問題新聞事件」最高裁判決 〉第5回第6回第7回も参照)。そんな虚偽宣伝に市議会を巻き込もうというのですから、公私混同も甚だしい。


12月7日付〈自分達に都合のいい判決の時だけ「三権分立」を持ち出す矢野穂積「市議」〉でも書きましたが、ご都合主義も大概にしてほしいものです。裁判で「公選による公職者たる原告矢野」などと特権意識を振りかざすなら、「公選による公職者」にふさわしい行動をとっていただきたい。


【追記】(12月24日)
今回の請願ですが、付託先は矢野・朝木両「市議」ともメンバーになっていない議会運営委員会ですし、もとより理由のない請願ですから、審査(たぶん来年3月9日)*2にはそれほど時間がかからないのではないかと思われます。必要に応じて紹介議員や請願人に説明を求めることもできるはずですが、その必要はないと判断されるんじゃないでしょうか。


けっきょく、矢野・朝木両「市議」が請願審査にどのように対応するのか(議会運営委員会での説明を要求するか、請願審査を傍聴するか、本会議で不採択の結論が報告されたときに何らかの発言をするか等)、審査の結果を受けてどのような宣伝をするのかが焦点になりそうです。議会運営委員会では議会基本条例についても議論しなければならないというのに、まったく迷惑なことですな。


【追記2】(2010年1月27日)
薄井市議が次のような指摘を行なっていました。なるほど、私は「東村山の闇」にどっぷり漬かり過ぎてて気付きませんでしたが、言われてみればその通りです。

 私が奇妙だと思ったのは、この請願を出した人がどうして「朝木明代殺害事件における『殺害』という文言を、理由なく、発言取り消しの扱いとし、会議録副本から削除した」ことを知っているのか?……ということだ。
 もちろん議場では発言しているから、傍聴をしていた人なら、あとからできた会議録を見て「削除されている」とわかるだろう。しかし、この請願人は福島県に住んでいる方なんですよね。たまたま東村山市に来た時に傍聴したとは、ちょっと考えにくい。
 会議録を見ていただければわかるが、紹介議員になっている矢野議員の発言部分に所々空白がある。「何か言葉を削除されたのかな」ということはわかるが、どんな言葉が削除されたかは、議会を傍聴した人にしかわからない。
 ということは、請願人は傍聴者から内容を聞いたか、発言者自身から内容を聞いたか、あるいは発言者である矢野議員や朝木直子議員が管理するサイト「東村山市民新聞」の記事を見たのか……このいずれかだと思う。だとすれば、そういう伝聞情報で請願を出すのはいかがなものだろうか?
(薄井市議ブログ〈奇妙な請願〉)


【追記3】(2010年1月29日)
薄井市議ブログ〈続・奇妙な請願〉も参照。

*1:「小さな正義を信じて」出張所〈名誉毀損訴訟における相当性の判断基準時(1)〉参照。

*2:【追記】(2010年1月27日)佐藤市議の報告によると、2月15日に閉会中審査が行なわれることになったそうです。