『ザ・コーヴ』配給会社とその社長宅前で執拗な街宣を行なった西村修平(主権回復を目指す会代表)に東京地裁が街宣禁止と損害賠償(110万円)を命令 ※追記あり


東村山市民新聞では「最終更新日」のみの修正が続けられています*1。東村山関連でいくつか拾っておきたい話題もありますが、りゅうさんが出張中でブログを更新できないこともあり(追記:判決詳細はりゅうオピニオン〈西村修平と界隈の街宣手法が糾弾された「ザ・コーヴ」(アンプラグド・社長宅「自宅街宣」)裁判〉参照)、『ザ・コーヴ』上映粉砕街宣裁判で西村修平主権回復を目指す会が完敗した件に触れておきましょう。


まずはこれまでの流れを簡単に振り返っておきます。


4月主権回復を目指す会、『ザ・コーヴ』の配給会社である(株)アンプラグドの事務所や同社社長の前・周辺で、『ザ・コーヴ』の上映中止を求める執拗な街宣を実施(7月に行なわれたものを含め、事務所前で計3回自宅前・周辺で計4回*2
4月21日東京地裁、(株)アンプラグドおよび同社社長宅前での街宣を禁止する仮処分決定(その後、主権回復を目指す会による保全異議も却下された)*3
6月25日:(株)アンプラグド、主権回復を目指す会の申立てによって東京地裁が行なった起訴命令を受け、西村修平主権回復を目指す会を相手取って本訴を提起。
9月17日本訴第1回口頭弁論
10月29日本訴第2回口頭弁論


そして今回(12月17日)判決が言い渡されたわけですが、結果は、西村修平/主権回復を目指す会に対し、(株)アンプラグドおよび同社社長宅周辺100メートルの区域内の街宣禁止と合計110万円の損害賠償を命ずるという、大方の予想通りの結果(西村修平、完全敗訴)で終わりました*4


今回の結果はいくつかのメディアでも報じられています。


 和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の配給会社「アンプラグド」側が、上映中止などを求める街宣活動を行った市民団体「主権回復を目指す会」などに、街宣活動の禁止と損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。
 阿部潤裁判長は「執拗(しつよう)に批判を繰り返し、正当な政治活動や表現行為から逸脱している」と述べ、同社事務所と加藤武史社長の自宅から半径100メートル以内での街宣活動の禁止と計110万円の賠償を命じた。
〔後略〕
(太字は引用者=3羽の雀)


判決では、
会社や加藤代表の自宅周辺で30人程度を動員し、拡声器を使うなどして街宣活動をしたのが業務の妨害や名誉毀損に当たるのは明らか
被告らは街宣活動が正当な政治活動と主張するが、拡声器を用いて脅迫的な言葉を述べるなど、正当な政治活動として許される範囲を逸脱している
脅迫的な言動も使う著しく不穏な態様は、正当な行為としての許容範囲を逸脱している

などとも指摘されているようです。


労働組合員が雇用主に対して行なった面談強要や自宅前街宣について違法性を認めた「旭ダイヤモンド工業事件」判決でも街頭宣伝活動の禁止と損害賠償の支払いが認容されており、きわめて順当な判決と言えるでしょう。西村修平側が控訴するかどうかは現段階では不明ですが、控訴しても勝ち目があるとは思えず、同様の蛮行が繰り返されないようにするための一定の抑止力となることが期待されます。まきやすともによるお礼参り的面談強要・街宣の被害を受けた中野区議らも、証拠をきちんと整えて提訴すれば勝訴の可能性がきわめて高いのではないでしょうか。


また、最近迷走に次ぐ迷走を重ねている日護会(日本を護る市民の会、代表=黒田大輔)も、よりによってこの判決の前日に、かつての仲間に自宅前街宣をかけたことが確認されています。昨日の裁判では、西村修平の支援者の間でもそちらの話題でもちきりだったようで、かつて日護会の実質的広報担当だったレックスからさえ、
「もう日護会はカルトですよ」
などと散々なことを言われていたようです(michael_myers1さんによる報告を参照)。西村も呆れ顔だったようですが、そもそも自宅前街宣という手法を率先して実行してきたのは西村修平です。日護会の高山あずさ事務局長が
自宅街宣じゃありませんよ。地域の皆さんに向けた街頭演説です
などととぼけたことをぬかしているのも、洋品店襲撃「表敬訪問」、批判者の自宅周辺での街宣を「安全パトロール」などと称してごまかしを図る西村流の手法のコピーにすぎません(追記:芋の煮えたもご存じない〈生妄想!? ──日護会・黒田大輔君の変わりよう〉も参照)。西村は、今回の完全敗訴を契機に、これまでの行動を自己批判的に総括するべきでありましょう。無理でしょうけど。


東村山の矢野穂積・朝木直子両「市議」は、こういう連中を相手に洋品店への嫌がらせを煽るようなセリフを吐き10月2日の朝木明代議員追悼集会にも西村やクロダイを招待するなど、いまだに密接な関係を保ち続けているわけです。そういえば、来週21日(火)には、矢野「市議」らの情報操作に引っ掛かって創価学会から訴えられたクロダイとまきやすともの裁判(対創価学会街宣名誉毀損裁判)の控訴審がありますが、まともな書面が提出されないのは確実と言わざるを得ません。


なお、『ザ・コーヴ』上映中止を要求する主権回復を目指す会の活動を支持し、抗議行動にも何度か参加した瀬戸弘幸サンも今回の敗訴のニュースは当然承知しているはずですが、12月18日午前10時現在、反応はありません。徳島県教組襲撃事件の有罪判決(確定)と同様、このままスルーする可能性が高いと思われます。


〔この記事は12月18日のお昼ごろアップしたものです。〕


【追記】
レックスが判決言い渡し後の動画をアップしました。あらかじめ「不当判決を許すな!」と書いた紙を用意していたようです。りゅうさんが動画の内容を少しつぶやいていたので、引用しておきます。

*1:12月12日付(2010/12/11 18:35:22)、12月13日付(2010/12/12 15:53:45)、12月14日付(2010/12/13 18:49:54)、12月16日付(2010/12/15 18:19:08)。なお、12月17日の更新(2010/12/17 18:25:23)では珍しく「最終更新日」を2日先の日付(12月19日付)にしていた。

*2:3羽の雀の日記〈【メモ】司法による仮処分決定を無視して『ザ・コーヴ』配給会社・社長宅への襲撃を続ける「主権回復を目指す会」〉なども参照。

*3:これ以降の詳細は、まとめWiki〈『ザ・コーヴ』上映粉砕行動関連裁判〉参照。

*4:主権回復を目指す会は540万円の損害賠償を求めた裁判と書いているが、訴状によれば請求額は110万円とのことなので、満額認容判決だったのではないかと思われる。/追記正確にはそうではなかったようです。