瀬戸弘幸は、東村山の洋品店襲撃という事態を招いたことについて、矢野穂積・朝木直子両「市議」とともに「深く反省し何らかの意見表明を行なうべき」である ※追記あり


東村山市議会12月定例会も終了しましたが、東村山市民新聞は最終日前日の19日に「最終更新日」を修正しただけでした(12月20日付、2010/12/19 14:53:49)。いまのところ12月定例会については「秋水園リサイクルセンター計画に関する調査特別委員会」に関する殴り書きのような更新(12月11日付)で触れただけですが、この1回きりで終わってしまうのでしょうか。早く年間60日分以外の議員報酬を返上なさればよろしいのに


もっとも、矢野穂積「市議」はここ数日、「官製談合」などと攻撃していた企業からブログエントリー削除の仮処分命令申立てを受けた天目石(あまめいし)要一郎・武蔵村山市議への助言等に忙しかったようです*1。ちなみに、審尋を迎えて不安な天目石市議に付き添ってあげた清瀬市オンブズマンの石田さん」とは、「越境通勤市議」問題に関わって、佐藤まさたか市議の家族の自宅周辺で朝木直子「市議」とともにストーカーまがいの張り込みをしていた人物でもあります*2


さて、最近は毒にも薬にもならずネタにしかならない記事ばかりなので割と安心して見ていられる瀬戸弘幸サンですが、久しぶりに少々看過し難いエントリーをアップしましたので、反応しておきましょう。〈在日の若手活動家に問いかける〉(12月20日付)というエントリーです。


このエントリーで瀬戸サンは、12月4日の「勧進橋児童公園奪還一周年記念 在日特権粉砕デモ行進」で集団暴行を受けた「黒い彗星」氏*3について触れ、
「日本社会に生まれたことの意味を良く噛み締め、そこに住まわせてもらっているという感謝の念を常に持つべきではないか。/それを忘れて日本人を憎むことだけを考えるから、日本社会に溶け込むことが出来ないのだと私は思います。差別を作り出しているのは日本人社会ではなく、自分達の方であることを先ず認識してもらいたい」
などと噴飯物のお説教をしています。これ自体も大いに批判されるべきですが、私が呆気にとられたのは、講談社『g2』vol.6に掲載された安田浩一「在特会(在日特権を許さない市民の会)」の正体〉をめぐる次のような記述です。


 また、昨日同じく桜井会長より伺った話ですが、反対派が桜井会長の自宅周辺をうろつき、職場にまで押しかけているようです。
 それを煽っているのが創価学会信者のりゅうブログですが、このような事態を招いたことを講談社やジャーナリストの安田氏は深く反省し何らかの意見表明を行なうべきと思います。
 桜井会長は以前から私達に本名や職業、住所を伏せてきたのは、彼らが押しかけて生活権を奪われる恐れがあるということを先ず挙げておられました。
 今回の報道で正にその事が現実となったのです。創価学会池田大作にしてもあれだけ巨大な組織のトップであってもマスメディアはしっかりとプライバシーは守っています。
 そのことは出版社やライターであれば、誰だって理解していた筈です。「在特会」のトップだからと言ってプライバシーを侵害されても良いなどという判断は明らかに間違いなのです。


安田浩一氏のせいで中核派から爆殺されるかもしれないと騒いでいる桜井誠・在特会会長の妄想に何の疑問も持っていないようですが、「反対派が桜井会長の自宅周辺をうろつき、職場にまで押しかけている」ことが事実だとして、安田浩一氏や講談社の責任を問うことは無理です。このあたりについては安田氏自身がツイッター上で説明していますので、Togetterまとめ〈安田浩一【「在特会」の正体】(講談社『g2』vol.6)へのもうひとつの反響〉を参照。


他方、桜井会長はニコニコ生放送で「黒い彗星」氏の大学名を公にし、
「是非みなさんねぇ。×大の方に抗議を。現在×大の方に急いで問い合わせを行っています。責任を取って頂きます。そんな人間を国民の税金でもって運営される大学から叩き出さないといけない」
などと煽動しています。瀬戸サン自身、今回のエントリーで、「黒い彗星」氏自身は進んで明らかにしていない実名を勝手に公表している。言ってることとやってることがこれほど即座に食い違っていてなお平気でいられる神経が、私にはさっぱりわかりません。


1月に起きた催涙スプレー噴射事件でも、主権回復を目指す会の連中や有門大輔が、少年の通う学校に押しかけて「退学を含めた厳重処分を要求」するとともに、少年法の趣旨を完全に無視して少年の実名や学校名を宣伝していました(1月29日付〈子どもを徹底的に追い込もうとする、情けなさ丸出しの「主権回復を目指す会」〉参照)。少年のやったことはやったこととして、瀬戸サンがこのような行為を容認するのであれば、桜井会長自身の基準によって「きわめて危険な反社会的組織」である在特会のトップの個人情報が晒されるのを非難することもできないでしょう(『g2』の記事では桜井会長の「本名や職業、住所」は公にされていませんが)。


それ以前に、瀬戸サンは洋品店襲撃事件のことをどう考えているのか。瀬戸サンは、東村山の洋品店が万引き「でっち上げ」に加担したなどという虚偽宣伝を正面から否定した一連の判決について一切言及しないまま、襲撃事件後も洋品店への嫌がらせを煽るような発言をする矢野穂積「市議」らとともに、この襲撃を一貫して擁護してきました。この件については今年も何度か取り上げてきましたが、ダンマリを決め込むばかりですね。


まきやすともが9月1日に東村山で街宣を行なった時も、10月2日の「朝木明代議員追悼の集い」襲撃する運動界隈の主要メンバーが終結した時も、洋品店のシャッターは降りていたといいます(10月2日は早仕舞いした模様)。瀬戸サンは9月1日について
今回は洋品店は何故か閉まっていた
ととぼけた筆致で書いていましたが、桜井会長の「生活権」を心配する前に、これが偶然ではないかもしれない可能性に少しは思いを至らせ、「このような事態を招いたことを・・・深く反省し何らかの意見表明を行なうべき」でありましょう。具体的には、東村山の洋品店が万引き「でっち上げ」に加担したなどという事実は存在しない(少なくとも裁判では一貫して否定されている)ことを公に認め、今後洋品店を標的にしない(標的にすることを支持しない)ことを明言するべきです。


また、12月17日には『ザ・コーヴ』上映粉砕街宣裁判で西村修平/主権回復を目指す会が完全敗訴し、西村らの行為が、
「原告会社〔(株)アンプラグド〕の正常な業務を妨害し、その信用及び名誉を毀損するとともに、原告加藤〔同社社長〕のプライバシーを侵害し、名誉を毀損し、生活の平穏を著しく侵害するものであるから、これが原告らに対する不法行為を構成することは明らかである」
「原告らの人格や存在自体を否定するような表現を頻繁に用いるとともに、被告らの要求に応じなければ何度も同様の行為を繰り返すかのような脅迫的な言辞を述べるという著しく不穏な態様のものであり、その態様自体、正当な政治活動あるいは表現行為として許容される範囲を逸脱していることが明らかというべきである」

などと断罪されています(りゅうオピニオン〈西村修平と界隈の街宣手法が糾弾された「ザ・コーヴ」(アンプラグド・社長宅「自宅街宣」)裁判〉参照)。抗議行動にも何度か参加するなどして西村らの行為を支持してきた瀬戸サンは、この判決をどのように受け止めているのでしょうか。


最後に、創価学会池田大作にしてもあれだけ巨大な組織のトップであってもマスメディアはしっかりとプライバシーは守っています」というのも、瀬戸サンが口にするのでは寝言以下ですね。瀬戸サンのブログをちょっと検索しただけでも、池田大作名誉会長の出自や名前をめぐる与太記事がずらずら出てきますよ。


土井たか子・朝鮮帰化人説の行方〉(2008年9月25日付)なんてエントリーもありましたね。そういえば、その後どうなったのか知りませんが、「コリアンジャパニーズ調査委員会」の宣伝も一時盛んになさっていましたよね。


まさに、松沢呉一さんの次の指摘がそのまま当てはまる事例と言えましょう。

瀬戸弘幸およびその周辺の人たちの特徴は、自分らが特別であるという根拠なき思いを抱いていることです。その特別な自分らが共感できる人たちの行動については無批判になり、そうではない人に対しては厳格さを求める。この点は「草の根」も同様。
それがダブルスタンダードになっていることさえもおそらく彼らは気づけない。自己愛が異常に肥大した精神的なフリークスである彼らには客観という視点が欠落しています。
松沢呉一の黒子の部屋〈お部屋1701/糞の鑑定結果を公開せよ〉)


なお、瀬戸サンはさらに安田浩一氏の記事をめぐるエントリーを3本アップしていますが()、大した内容でもないので今日はスルーしておきます。とりあえず、「ゴキブリ朝鮮人を日本から叩きだせ!」という桜井会長の発言がレイシズムとは無縁であるかのようなことを書いている瀬戸サンには、ジョン・W・ダワー容赦なき戦争――太平洋戦争における人種差別平凡社ライブラリー)でも読むことをお勧めしておきましょう。桜井誠西村修平・金友隆幸らがいかに当時のアメリカ人そっくりであるかがよくわかりますよ。同書から一例だけ引いておきます。

 この〔週刊誌・月刊誌〕レベルの反日感情の著しい特徴は、非人間的またはヒトより下等という表現を取り入れていたことだった。そのさい日本人は、動物、爬虫類、虫けら(猿、ゴリラ、犬、ネズミ、ヘビ、ゴキブリ、害虫――やや間接的に「牛の群れ」等)と見なされた。〔中略〕ヨーロッパでの敵は「まだしも人間だった」。けれども日本人はそうではなかった。彼らに対しては普通「人間」であれば使われる用語さえ使われなかったという意味では、たいていの場合、人間扱いされなかったのである。(同書160〜161ページ)


ま、544ページもある本ですから、偉人伝ばかり読んできたという瀬戸サンに読み通せるかどうかはわかりませんけどね。


【追記】(12月22日)
その後、瀬戸サンのブログで〈「G2『在特会』の正体について」への見解(3)〉もアップされましたので、本文の「2本」を「3本」に修正しておきました。とくに(1)と(2)に対する批判は、C.I.L〈せと弘幸「G2『在特会』の正体について への反論」への反論〉など参照。


また、桜井誠の暴言が一回辺り20分以上にも及ぶ長い演説の中での、数秒にしかならないゴキブリ発言に留まるものかどうかについては、3羽の雀の日記〈「ふざけんな」「この野郎」と言われただけで人権侵害と騒ぐ桜井誠・在特会会長の暴言ぶりを振り返る〉(2月19日付)参照。その一方、8月3日のイベントで、提訴の可能性を示唆されたら速やかに「ゴキブリ」発言の誤りを認めちゃったことについて、「小さな正義を信じて」本館〈8.3 「激突!ウヨクVS右翼」 その1〉など参照。