在特会に対する行政の毅然とした対応は広がるか


9月27日の「柳原滋雄コラム日記」裁判/「重要容疑者」裁判(11月17日控訴審判決言い渡し予定)*1に続き、10月3日には佐藤まさたか市議ブログ名誉毀損裁判控訴審第1回口頭弁論が開かれましたが(12月21日判決言い渡し予定)、東村山市民新聞ではひたすら「最終更新日」だけが修正され続けています*2


一方、瀬戸弘幸サンが久しぶりに「ヒット(しないで)&(リング外へ)アウェイ」戦法を繰り出してきました。8月23日付の記事でも述べたように、無責任な「内部告発」ネタについて説明責任(東村山の洋品店への公式な謝罪も含む)を果たせない瀬戸サンが何を言おうと応えてあげる義理などないわけですが、まあ後半で簡単に触れておきます。


その前に、門真市議会(大阪府)で在特会/チーム関西をはじめとする「襲撃する運動」の問題が取り上げられたというので、紹介しておきましょう。一般質問でこのような勢力に関する行政の姿勢を正したのは、やはり在特会/チーム関西の攻撃対象とされてきた戸田ひさよし門真市議です。市所管の答弁概要は、戸田市議自身の手で次のように要約されています

1)在特会らの外国籍住民への行為はf差別を助長し人権侵害しかねない行為と危惧する。
2)人種、民族、門地、国籍などを提まえての差別行為は許されるものではない。
3)門真市で差別怒号事件があれば→人権を守る立場から見解表明し、毅然たる対応を取る。
4)在特会らが役所に押しかけたら→業務妨害や不当要求行為があれば厳しく対処する。
(太字は引用者=3羽の雀)


さらに詳しい答弁内容も紹介されていますが、
「議員ご指摘の特定団体が在日韓国・朝鮮・中国人のほか外国籍住民の方々に対して行っている行為については、本市条例の理念からしても、差別を助長し、人権を侵害しかねない行為であると危惧するものであり、人種、民族、門地など人が生まれながらにして持ち、自ら選択する余地のない点や国籍などの属性を捉まえての差別行為は、許されるものではないと考えるものであります」(市民部長)
「今後市内で差別落書きは勿論のこと、差別を煽動すると思われる行為があった場合の対応ですが、当該事象の事実収集や詳細な調査を行った上で、その事実が社会に重大な影響を及ぼす悪質かつ陰湿な行為である場合は、市民の人権を守る立場の市として必要に応じて明確な見解を公に示すなど毅然とした対応を行うとともに、さらに一層、人権に関する市民啓発事業の充実に努めていきたいと考えております」(同)
など、確かに相応に踏み込んだ答弁が行なわれたようで、今後の実践に期待します。また、
「さらに憂慮すべきは、これらの行為が成長過程にある青少年にも多大なる影響を与えるということ」(同)
という認識もきわめて重要で、とくに京都市/府をはじめ関西の自治体にはこのような認識を共有・表明・実践することが強く求められるところです*3


ちなみに、本日行なわれたチーム関西の場外乱闘京都市役所への「イヤキチ行動」)では、京都市役所によって毅然とした対応がとられたようで何よりでした*4


10月9日(日)から自称桜井誠・在特会会長が関西を徘徊する予定で、数カ所で行政機関も訪れるようですが、そもそも会長自身の基準に照らして「きわめて危険な反社会的組織」である在特会を交渉相手として遇すること自体に強い疑義が呈されるところ、業務妨害行為、公衆への迷惑行為、不当要求行為等があった場合には直ちにこれらと同様の毅然とした対応で臨むべきでありましょう。なお、このあたりの話についてはTogetterおつるを起点とする増木・西村修平界隈からチーム関西、そして民族派・右翼団体への数珠繋ぎという非常に興味深いまとめがwochakaiさんによって作成されていますので、あわせて紹介しておきます(追記:続編のおつると行動界隈数珠繋ぎ:暴力団排除条例と右翼団体、そしてチーム関西から再びおつるへも参照)。


ついでに、まきやすともが在特会の方法論について面白いことを書いていたのでこれも引用しておきしょう。


中野のイベントは中止になった。
 ご皇室を侮辱し、震災の被災者を笑いのネタにする、殿方充が出演するイベント「苦肉祭」が中野駅近くのホールで予定されていたが、誰かが抗議の電話でも入れたみたいで中止となってしまった。
 何事もないように大人しく入場料を払って鑑賞する姿勢を示していれば、本人と対峙できただろうに勿体ないことだ。
 当日、中野駅に集合して会場へ抗議するという人に聞いた話を総合すると。
1、直接、本人に会うと暴力を振るって逮捕されてしまう。
2、抗議に行くことをネットで配信して人を集める。
3、情報を知って官憲が警備をする。
4、会場に近づけないので、「通せ」「妨害するな」、と官憲と押し合いになる。
5、この過激な場面をネットで公開する。
6、ネットを観たオタクの間で話題になり人が集まる。


在特会による反日芸人への抗議活動(9月29日)の件ですが、少々大げさにまとめているのではないかと思われる節もあるにせよ、会の趣旨とは関係なく、その時々の話題に飛びついて花火を打ち上げる在特会のやり方が端的に要約されているような気がします。なお、まきやすともは上告却下の件を依然として明言しないのですが、
原審・控訴審・上告審と全てにおいて被告である私の主張が退けられることも、当初から予想されていた事である
などとムニャムニャ報告していたところを見ると、やはり敗訴確定で間違いないようです。


さて瀬戸弘幸サンですが、いつものように産経新聞の記事に飛びついたエントリーで、唐突に次のように書いていました。


・・・暴力団を手先に使い組織を拡大してきた創価学会を擁護するブロガー達も、何故か朝鮮学校の側に与する主張をこれまで繰り返しています。3羽の雀の日記や凪などの反日ブロガーですが、このような連中も同様に批判しなければならないと思います。
 3羽の雀の日記や凪がこのような朝鮮学校の詐欺事件まがいの教科書改訂偽造に対して、どのような言い訳と援護射撃をするのかを待ちたいと思います。いずれにしても、このような事件については、今後とも徹底的に糾弾して、騙した朝鮮学校を擁護してきた連中の責任も追及していかねばならないと思います。


私も凪さんも在特会/チーム関西が京都の朝鮮学校に対して行なった犯罪(有罪確定)および不法行為をもっぱら批判してきたわけで、どうして「教科書改訂偽造」問題とやらについて「言い訳と援護射撃」を期待されるのか、さっぱり意味がわかりません。是々非々で物事を考えるのではなく、敵/味方の二分法でしか判断することしかできない、瀬戸サンの未熟さを象徴するものと言えましょう。だからいろいろ間違えるわけですが、もはや成長は期待できそうにありません。


そもそも産経新聞は、下記の通り朝鮮学校をめぐる群馬県知事の発言を捻じ曲げて報道するような新聞であるわけで、瀬戸サンも、「嘘吐き朝鮮民族」などとヘイト発言を連発する前に情報源の信憑性を検証する習慣を身につけるべきでしょう。それができないからいろいろ間違えるわけですが。



大久保王一・在特会副会長も、ちょうどこの記事を書いている最中にこんなことをツイートしていましたよ。



[http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111002/crm11100201320000-n2.htm:title=今回の産経新聞の記事]も、たとえばライプツィヒの夏〈[http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/d42e28275becbeb8c59850d180135759:title=読者をだますという点では巧みな記事だ]〉で指摘されているようにうさんくさい点が多いわけですが、一般論として、仮に「補助金や無償化を得るため公開用に訂正資料を準備し、偽装していた疑い」が事実であれば、それを擁護するつもりは私にはありません。はい、終わり。


ところで、「詐欺事件まがいの教科書改訂偽造」などと騒ぐ瀬戸弘幸サンは、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20091127/p1:title=かつての盟友である千代信人氏(維新政党・新風北海道本部元代表)が正真正銘の詐欺容疑で逮捕された時]には、擁護も弁明も(自己)批判もせず、私の度重なる問いかけを受けてようやく「[http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52446559.html:title=その後どのような処分になったのか?自分で調べて論評すべきでしょう]」などと逆ギレしただけでした。これでよく
「このような事件については、今後とも徹底的に糾弾して、騙した朝鮮学校を擁護してきた連中の責任も追及していかねばならないと思います」
などと大見栄を切れるものです。


もちろん、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20110908/p1:title=京都朝鮮学校・徳島県教組襲撃事件で有罪判決が確定した]ことについても、何らコメントがありません。ちなみに今回のエントリーでは、当初はまとめWiki〈[http://www2.atwiki.jp/kusanonemaze/pages/118.html:title=在特会・京都朝鮮学校襲撃事件:民事裁判]〉にリンクが張られていたのですが([http://megalodon.jp/2011-1004-0645-53/blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52778538.html:title=魚拓])、何が都合の悪いことでもあったのか、あるいは単にブログにリンクする方が自然だと思っただけなのか、いつの間にかブログへのリンクに差し替えられていました。もはや瀬戸サンが在特会/チーム関西の犯罪について「どのような言い訳と援護射撃をするのか」など期待さえできないわけですが、いずれにせよ私のまとめWikiも見てくれていることが明らかになって何よりです。


「嘘吐き朝鮮民族」などとヘイト発言を連発する瀬戸サンに対しては、たとえば自称桜井誠・在特会会長が、実際には怪我人が出なかった事件について「爆発物を投げ込まれて怪我人を出しております」などと国連に報告した件*5、本当は「左翼ウォッチング」のために山下公園に行こうとしていたのにその目的を偽っていた可能性がきわめて高い件*6など、いろいろ訊きたいこともあるのですが、どうせスルーするのでしょうからやめておきます。そういえば、つい最近も
「朝鮮学校を支援する反日左翼側は民事訴訟を提起し、左翼運動展開のために敢えて訴訟を長期化させる戦術を取っています」
などと[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20110929/p1:title=適当なこと]を言っていましたっけ。


ともあれ、これまで瀬戸サンを批判してきた人々に何か言いたいなら、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20110525/p1:title=無責任な「内部告発」ネタ]についての説明責任([http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/searchdiary?word=%2A%5B%CD%CE%C9%CA%C5%B9%BD%B1%B7%E2%BB%F6%B7%EF%5D:title=東村山の洋品店]への公式な謝罪も含む)をきっちり果たしてからにしてくださいね、とあらためて要請しておきます。個人的には[http://www2.atwiki.jp/kusanonemaze/pages/112.html:title=ベランダウンコ事件]の総括も必須だと考えておりますので、よろしくお願いします。

*1:ただし裁判所の職権により10月7日に和解期日が入れられたとのこと。

*2:10月1日付(2011/09/30 10:42:16)・10月2日付(2011/10/01 19:26:09)・10月3日付(2011/10/02 12:40:17)・10月4日付(2011/10/03 17:36:13)・10月6日付(2011/10/05 18:00:34)。

*3:2010年4月1日付〈「襲撃する運動」が野放しにされている状況こそ「世界の非常識」〉、2011年4月22日付〈京都朝鮮学校/徳島県教組襲撃事件の執行猶予付判決でますます高まるヘイトクライム犯罪化の必要性〉、同5月14日付〈大阪府・京都府は迷惑防止条例改正によるヘイトクライムの抑止を検討すべきではないか〉なども参照。

*4:【追記】(10月6日)ニコニコ動画〈10月5日 観察規則無視!朝鮮組織等を庇う京都コンプラ課へ最終訪問〉もアップされました。aramasanさんのツイート(その1その2)も参照。

*5:2010年4月3日付〈無知とウソで塗り固めた「在特会」反論書面(1):「子供に向けられたものでない」などという見苦しい言い訳〉の後半参照。

*6:同11月15日付〈【在特会横浜デモ】山下公園訪問の目的をめぐる参加者ブログの興味深い改変〉参照。