負け惜しみめいた記事のせいで三たび訴えられた自称ジャーナリスト・瀬戸弘幸サン ※追記あり


東村山市民新聞では例によって「最終更新日」のみの修正が断続的に続けられているだけの状況です*1


一方、安田浩一さんの単行本ネットと愛国―在特会の「闇」を追いかけて講談社)がついに発売の運びとなりました。


ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)


図書館から借りた本がたくさんあるのでしばらくきちんと読む時間がとれそうにありませんが、雑誌『g2』の連載には書かれていなかった事実も多数盛り込まれた力作であることは、パラパラとページをめくるだけでわかります。とくに、国会議員や、関西をはじめとする自治体の関係者には本書を熟読していただき、国連・人種差別撤廃条約の加盟国としてしっかりとした対応策を打ち出してほしいものです*2


さて、いまだに「行動するジャーナリスト」を自称しながらろくな取材もせずに憶測や妄想を日々アップし続け、安田さんから著書を献本されてもその徹底した取材ぶりに感じ入る様子さえ見せない瀬戸弘幸サン*3が、ブログで
「是非本気でやってみれば良かったと言っておきます。その根性もないくせに口だけは達者です。ぶっ飛ばすとかぶっ殺すとか穏やかな話ではないが、所詮はこれがこの人物の正体なのでしょう」
などと書いていました。てっきり、あちこちで殺害・処刑予告を連発する、そしてシンポジウムの嫌がらせにはわざわざ足を運ぶくせに法廷で堂々と自分達の主張を述べることには及び腰らしい、自称桜井誠在特会会長のことを言っているのかと思いましたが、どうやら違ったようです


そんな瀬戸サンがまたも訴えられたことが判明しました*4

 平成24年4月16日、警視庁東村山警察署元副署長の千葉英司がブログの記事によって侮辱されたなどとして「行動する保守」Aを東京地裁立川支部に提訴したことがわかった。
 千葉は平成22年5月7日にも「行動する保守」Aとその弟子を提訴しているが、その際には「行動する保守」Aが千葉の要求を全面的に受け入れるとともに10万円を支払い、平成23年4月20日、和解が成立している。
 今回、千葉が問題としているのは「行動する保守」Aが運営するブログの平成23年9月1日付〈故朝木明代東村山市議殺害事件 16年目の命日を迎えて〉(以下、「記事1」)と題する記事および平成21年9月2日付〈告知と活動報告〉と題する記事(以下、「記事2」)。
 記事1については〈公然と、原告は異常で大嘘つきであると主張し、原告を侮辱するものである。〉と主張し、記事2については肖像権を侵害されたと主張している。
〔後略〕
(エアフォース〈千葉元副署長が「行動する保守」Aを再び提訴(速報)〉。リンクは引用者=3羽の雀)


てっきり瀬戸サンは第1次裁判(敗訴的和解/解決金10万円)と第2次裁判(敗訴/損害賠償10万円)だけで逃げおおせたものと思っていましたが、さすがに千葉さんが相手だと、そうは問屋が卸さなかったようです。


このうち「記事2」の後半で行なわれている肖像権侵害については、瀬戸サンも今更争うつもりもないでしょうから、謝って削除すればそれで済むかもしれません。というより、それ以外に選択の余地はないと思われます。


問題は、第1次裁判和解後に掲載された記事1です。


瀬戸サンは、2011年4月下旬にまとめられた和解条項において「原告〔千葉さん〕に対し、本件について、不適切な言動があったことを認め、遺憾の意を表する」とともに、「今後、相互に誹謗中傷しないことを確約」して、ブログから創価学会の4悪人」「大嘘つきの千葉英司元副署長」「千葉の虚偽発言」等の発言を削除していました。しかし、それから4ヶ月ほどしてアップした記事1では、和解前に提出していた陳述書を、
「当時捜査に当たった人物〔千葉さん〕が、その後もこのように執拗にこの事件に関わっている異常性を私は不気味に感じる」
などという前置きとともに全文掲載したわけです。そこには、たとえば次のように書かれています。


4 平成21年7月13日付ブログに記載した「大嘘つきの千葉英司元副署長」「大嘘つきの千葉英司元副署長に抗議」「千葉の虚偽発言」との文言及び原告の写真を削除せよ−について。
 この大嘘つきという文言は削除しません。なぜならばこれは裁判を傍聴していた我々に対して千葉氏が我々傍聴席を指し示すようにして、我々に対して事実と全く異なることを言い放ったからです。この裁判(千葉氏が黒田大輔氏を訴えた件)に関しては和解となっていますが、裁判の記録を取り寄せて読んで頂ければ、その真実は明らかだと思います。


前置きでは一応和解についても触れられていますが、瀬戸サンがこれらの文言を「不適切な言動」と認めてブログから削除したことは明示されていません。瀬戸サンも和解調書のスキャン画像を2011年5月10日付でアップしていましたが(アップ時の言い訳がましいエントリーも参照)、そこにリンクもされていません。こうした点について何の注釈もなく、「異常性」云々の前置きまでつけてこのような内容を公にするのでは、確かに、「今後、相互に誹謗中傷しないこと」という和解条項を無視していると思われてもしかたがないような気がします。


なお、「大嘘つき」云々の文言は、洋品店襲撃事件との関連で、2009年7月13日付エントリーで用いられたものです。記事2で問題にされている千葉さんの写真も、同様の文脈の中で掲載されています。


このあたりの話については2009年7月14日付〈大嘘つき? 大嘘つき? 大嘘つき?(大事なことなので3回反問しました)〉でも取り上げているので繰り返しませんが、千葉さんとしては、洋品店襲撃事件の問題をあらためて正面から突きつけたいという意図があって提訴することにしたのかもしれません。まあ、第1次裁判のグダグダの経緯を振り返れば、突きつけられた瀬戸サンの対応にはあまり期待できそうにありませんが。


ちなみに、この記事を書く過程で2009年7月13日付エントリーを再確認したところ、第1次裁判の過程でとっくに削除された(2010年6月30日確認)はずの千葉さんの写真が復活していたことに気付きました。何をやっているんでしょうか。



訴状はそろそろ送達されたのではないかと思いますが、今のところ瀬戸サンのブログではコメントがありません。瀬戸サンは記事1でも
「何回目の訴訟提起なのか、私は詳しくは聞いていませんが、もう十回近くに及ぶのではないでしょうか?」
と書いていましたが、西村修平主権回復を目指す会代表が第1審で敗訴した第2次街宣名誉毀損裁判では
「原告〔千葉さん〕が訴訟を乱発していると認めることはできない。かえって、・・・原告は訴訟を乱発する人ではないことが認められる」
と認定されていますので(3月10日付〈西村修平・主権回復を目指す会代表の「余りにも可哀相な結末」にダンマリを続ける瀬戸弘幸サン〉も参照)、コメントする場合でも表現に注意された方がよかろうかと思います。


なお本件については、どうせそんなに長引かない気がしますので、まとめWikiでは〈第2次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判〉のページで第3次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判としてフォローしていく予定です。


【追記】(4月21日)
なんだか四たび訴えられちゃったみたいです。


ジャーナリストが低劣右翼を提訴
 インターネット上でブログを発信しているネット右翼瀬戸弘幸に対し、東村山女性市議転落死デマ事件の真相を長年究明してきたジャーナリストの宇留嶋瑞郎氏が肖像権侵害を理由に20日、さいたま地裁川越支部に提訴していたことが明らかになった。
 訴状によると、被告瀬戸は取材活動を行っていた宇留嶋氏の写真を撮影し、自身のブログ上で事実とは異なる説明書き(キャプション)を付して無断掲載を続けており、不法行為にあたるとしている。
〔後略〕


同じく、まとめWiki第2次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判〉のページに第4次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判の項目を立てておきました。


肖像権侵害の問題だけならさっさと謝って写真を削除してしまえば済む話だと思うのですが、はたしてどうなりますか。

*1:4月10日付(2012/04/09 17:09:18)・4月11日付(2012/04/10 20:24:25)・4月12日付(2012/04/11 17:13:03)・4月13日付(2012/04/12 21:41:36)・4月14日付(2012/04/13 17:35:21)・4月15日付(2012/04/14 18:31:17)・4月16日付(2012/04/15 14:20:21)・4月20日付(2012/04/19 14:37:39)。

*2:2010年4月1日付〈「襲撃する運動」が野放しにされている状況こそ「世界の非常識」〉、2011年4月22日付〈京都朝鮮学校/徳島県教組襲撃事件の執行猶予付判決でますます高まるヘイトクライム犯罪化の必要性〉、同5月14日付〈大阪府・京都府は迷惑防止条例改正によるヘイトクライムの抑止を検討すべきではないか〉、2012年2月23日付〈在特会をめぐる経済産業省宛抗議文と自治体議員らの「特別決議」〉なども参照。

*3:なお、同書に対するさまざまな反応はTogetter〈安田浩一著:『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』発売記念! 反響の声 & 安田浩一 vs 佐東(ヨーゲン)幽玄〉を参照。

*4:追記〔4月22日〕:WAW〈【裁判】誹謗中傷記事は和解条項に違反=元副署長が元政党副代表を提訴〉も参照。