りんごっこ保育園は秘密結社か


26日付の更新も「最終更新日」の修正だけだったようです。ちょっと前に「東京・荒川区の認証保育所虚偽申請:認証初の取り消し 必要な保育士置かず――都方針」(毎日新聞3月21日付東京版)という報道がありましたが、「包囲網が狭まってきた」と対策に追われているのかもしれません。


それにしても、エアフォースの連載「りんごっこ保育園問題とは何か」第4回(園名の公表を拒否した事業主)を読むと、りんごっこ保育園の閉鎖性にはあらためて驚かされます。いくら個人立の園とはいえ、補助金をもらって保育という公的事業をやろうというのに、園名も事業主も「個人情報」としてぎりぎりまで公表を拒んでいたというのですから、保育の公共性についての自覚がまったくないと言わざるを得ません。


運営委員会の構成も「個人情報」を理由に明らかにしておらず、矢野・朝木両「市議」が運営委員であることが非公式な形で確認されているのみ(佐藤市議ブログ「りんごっこ保育園…一般質問から明らかになったこと」〔2008年3月7日付〕)。秘密結社でしょうか。


ここまで閉鎖的な姿勢を見せられると、カルト的なにおいさえ漂ってきます。〔カルト〕セミナーというサイトに掲載されている「総論:カルトに関する基本的理解」によると、カルトにはたとえば次のような特徴があるそうです。

  • 信者に対して偏った情報、偽りの情報を提供することがしばしばある
  • 組織から離脱した人間からの情報に接することを禁じる
  • 家庭や社会との関わりで多くのトラブルを生じている
  • 社会からの迫害意識を持ち、それをかえってバネにする
  • 外部に対して正体を隠す傾向がある


りんごっこ保育園だけではなく、シンブンそのものにも当てはまりそうな特徴が少なくありませんね。矢野・朝木両「市議」はシンブン・サイト上でときどき他人を「カルトチック」と非難していますが、人のことを言えた義理でしょうか(ちなみに「カルトチック」というのは和製英語で、cultic か cultlike が正しい表現です)。


ちなみに、エアフォースで取り上げられている市議会厚生委員会でも言及があったようですが、厚生省児童家庭局長通知「保育所の設置認可等について」(平成12年3月30日、児発第295号)では、社会福祉法人以外の者(個人を含む)による保育所の設置認可申請を審査する際の基準が次のように定められています(丸付数字はカッコ付数字に変更)。

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(三) 社会福祉法人以外の者による設置認可申請
(1)審査の基準
社会福祉法人以外の者から保育所の設置認可に関する申請があった場合には、以下の基準に照らして審査すること。
ア 保育所を経営するために必要な経済的基礎があること。
イ 経営者……が社会的信望を有すること
ウ (ア)及び(イ)のいずれにも該当するか、又は(ウ)に該当すること。
 (ア) 実務を担当する幹部職員が、保育所等において二年以上勤務した経験を有する者であるか、若しくはこれと同等以上の能力を有すると認められる者であるか、又は、経営者に社会福祉事業について知識経験を有する者を含むこと。
 (イ) 社会福祉事業について知識経験を有する者、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含む運営委員会(保育所の運営に関し、当該保育所の設置者の相談に応じ、又は意見を述べる委員会をいう。)を設置すること。
 (ウ) 経営者に、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含むこと。
エ 保育所を経営する事業に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者でないこと
オ 財務内容が適正であること。

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予算の適正な執行を確保するために、議会がこうした点についても行政任せにせず確認しようとするのは当然のこと。法的に開示を義務づけられていないもの以外はできるだけ情報を隠そうとすること自体、「不正又は不誠実な行為をするおそれがある」と疑われてもしかたがないのではないでしょうか。