請願潰し裁判で矢野穂積・朝木直子両「市議」(東村山市)が全面敗訴


現職市議が、請願で「公人たる市議としての適格性を欠いている」などと批判されただけで、対抗言論の機会をいっさい放棄し、市議会における審議を封殺する意図も込めて一般市民である請願人代表と紹介議員を訴え、500万円の損害賠償と謝罪広告を求めた前代未聞の請願潰し裁判は、無事、原告の全面敗訴という結果で終わりました(第1審)。

主文
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

(断片的な日々〈「請願」つぶし裁判についての補足〉より)


矢野・朝木両「市議」が問題とした矢野穂積朝木直子両市議に対する辞職勧告を求める請願」の趣旨は次の通り。

請願の主旨
 東村山市議である矢野穂積朝木直子両名は、自ら運営する「東村山市民新聞」ウェブサイトにおいて、一般市民への脅迫的・名誉毀損的発言ならびに誹謗中傷を繰り返し、市政に関する開かれた議論を妨げている。両名が公人たる市議としての適格性を欠いていることはもはや明らかであり、東村山市議会が、両名に対して自発的辞職を求める勧告決議を行なうよう、請願する。
(請願理由を含む全文は、「東村山市民新聞」の迷宮〈請願潰し裁判〉参照)


矢野・朝木両「市議」は、これが
「客観的真実に反するにもかかわらず、本件請願を読む東村山市内外の多数の者に対して、あたかも原告両名が一般市民に対して『脅迫』、『名誉毀損』を繰り返している人物であるかのように印象づけ、また何の根拠もなく原告両名が公人たる市議としての適格性を欠いているかのような印象づけた」
として(訴状参照)、請願に記載されていた請願人代表の住所・氏名を手がかりに、一般市民を法廷に引きずり出したわけです。請願提出後しばらくして開かれた市議会政策総務委員会を請願人代表が傍聴したところ、矢野穂積「市議」が
「お前は誰だ? ○○(請願人の実名)か!?」
「そのうち会うことになる」

と声を荒げたという報告(佐藤市議)もあります。提訴後にはこんなページもアップしていました。



『週刊現代』事件(損害賠償200万円+謝罪広告命令)、「東村山市民新聞」事件(同)、ブティック店主名誉毀損事件(損害賠償100万円)、FM東村山・東村山市民新聞併合事件(同20万円)、「創価問題新聞」事件(同10万円)、そして直近の「セクハラ市議」名誉毀損事件(同200万円+謝罪放送命令)等で何度も名誉毀損を認定されてきた公職者が、何を言っているのかという感じですね。


自分達が法廷に引きずり出した一般市民をおちょくって、こんなことも書いていましたっけか(2009年3月13日付更新)。


この市民新聞HPでの言論活動を理由に、矢野・朝木両議員に、何と「議員」辞職勧告を決議してなどとトンチンカンな請願を市議会に出した(紹介議員は佐藤・薄井市議)人物、弁論準備期日が延期になったことを代理人弁護士からも知らされなかったようで、3月12日午後、裁判所内をウロウロ。


けっきょく、東京地裁立川支部は請願内容の前提事実がいずれも真実であると認定し、そこで用いられている表現についても原告らの表現行為等に対する反論等として、意見ないし論評の域を逸脱したものということはできないとして、矢野・朝木両「市議」の主張を全面的に排斥したようです。「超セクハラ市議」「エロライター」「セクハラ活動家」等のデタラメな誹謗中傷については「市議会議員である原告薄井についての論評」であるという理由で名誉毀損を免れたものの、職業安定法・薬事法「違反」の言いがかりについては200万円の高額賠償を命じられた矢野・朝木両「市議」は、果たして今回の敗訴に対してどのような反応を見せてくれるでしょうか。


120名以上の市民が請願に名を連ねて批判した矢野・朝木両「市議」の行為については1年前の〈「東村山市民新聞」における矢野穂積・朝木直子両「市議」の「言論活動」とは〉(2009年3月13日付)で要約しておきましたが、あらためてkwout画像付で紹介しておきましょう(「東村山市民新聞」の迷宮〈請願潰し裁判の経過〉も参照)。


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(1)矢野・朝木両「市議」による職業差別に抗議した250人以上の市民のうち、東村山市内在住と思われる者の名前(一部実名)だけを抜き出し、抗議文の趣旨をねじまげて性風俗=売春」肯定論者などと決めつけたあげく、「東村山市民新聞」サイト上にさらし者のような形で掲載。あげくに、性風俗=売春」肯定論者と思われたくなければ賛同署名を撤回しろなどと要求。



(2)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律風営法)等の規定をまったく無視して「性風俗はすべて違法」と決めつけ、「違法な職業は存在を許されておらず、差別されても当然」「差別されるのがいやならやめればいいだけ」などと、性風俗に従事する人々への差別的発言を連発。さらには、性風俗で働くのは「職業」であると主張すること、あるいはこれを「職業」として認めるよう要求すること自体が「違法な主張」などとして言論の自由を否定




(3)ネット上で矢野・朝木両市議を批判した一般市民に対し、目的を明らかにしないまま「1週間以内にお前の住所と実名を教えろ」などと要求。さらに、脅迫にはとうてい当たらない記事・コメントを「脅迫記事・脅迫投稿」「殺害予告投稿」などと決めつけて削除・謝罪等を請求。





(4)東村山市民新聞」サイト上に「[http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page116.html:title=薄井・佐藤支持『ネット政治集団』リスト]」なるものを掲載し、一般市民によるネット上での発言を、出典さえ示さず、文脈もまったく無視する形で抜き出してハンドルネームとともに列挙するとともに、明確な根拠も示さないまま、「脅迫投稿」「名誉毀損」「人権感覚麻痺者」「呆れた発想の持ち主」「批判拒否体質者」「違法行為を奨励」などと罵倒。[http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page049.html:title=それ以外のページ]でも、矢野・朝木両市議を批判した一般市民を「売春肯定論者」「セクハラ支持ネットオタク」などと罵倒。




(5)上記「[http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page116.html:title=薄井・佐藤支持『ネット政治集団』リスト]」において、ある市民のハンドルネームを別の市民のハンドルネームと取り違えて「逮捕された痴漢の被害者の写真をネット公開」とする誤報を犯しておきながら、訂正請求を受けても誠意ある対応を見せず、ようやく訂正しても謝罪等は行なわないまま。(なお、依然として[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20080603/p1:title=汚名を着せられている「てつ」さんはすでに亡くなっている]。)

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矢野・朝木両「市議」は、このような裁判で一般市民を2年半近く振り回したことを反省して控訴を諦めるとともに、自分達が「公人たる市議としての適格性」を有していることをその言論・行動によって明らかにしていくべきでしょう。それが無理だから、こんな裁判を提起したんでしょうけれども。


ところで、[http://www2.atwiki.jp/kusanonemaze/pages/17.html:title=幻のベストセラー『最後のパレード』の著者である中村克サン]も、今回の裁判では矢野・朝木両「市議」を全面的に擁護していましたね(外部の専門家〈[http://megalodon.jp/2010-0121-2231-13/gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13618401.html:title=読売をだました「最後のパレード」事件首謀者の知的レベル]〉、論談TV〈[http://rondan.tv/2009/06/04/%e3%80%8c%e6%9c%80%e5%be%8c%e3%81%ae%e3%83%91%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%89%e3%80%8d%e3%81%a8%e8%aa%ad%e5%a3%b2%e3%81%ae%e7%a4%be%e4%bc%9a%e8%b2%a2%e7%8c%ae%e5%a6%a8%e5%ae%b3%e2%91%a5-%e3%80%90%e4%b8%ad/:title=「最後のパレード」と読売の社会貢献妨害(6)【中村】]〉参照)。[http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/:title=今日(17日)は2つも記事をアップ]していてとりあえずお元気そうですから、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20100311/p1:title=「セクハラ市議」名誉毀損裁判]ともあわせてコメントをお聞かせいただきたいものです。