納得いかないコーナー「第三者委員」(本編)
東村山魑魅魍魎ブログによると、子どもたちがお遊戯をボイコットしたというお楽しみ会(2月23日)の後、りんごっこ保育園には次のような趣旨の貼り紙が掲示されたそうです。
苦情があったら第三者委員に申し出てください(用紙は園に用意してありますので 必要な際にはお申し出下さい)中田国際法律事務所
美桜さんと同じく、ツッコミどころが多すぎてどこから手をつければいいのか困りますね。
そもそも、これまで第三者委員についての周知はしていなかったのか? もしそうなら、「2006(平成18)年度に、苦情処理第三者委員に提出された苦情はありませんでした」(りんごっこ保育園HP「苦情処理について」)というのは当たり前だと思いますが。
また、2007年度にも第三者委員への苦情はなかった旨が2008年2月29日現在で報告されていますが(りんごっこ保育園HP「苦情処理について」)、貼り紙が掲示されて1週間もたってませんよ? なぜ年度末を待たずにこんな報告をしたのか、ますますわけがわかりません。
そもそも「用紙を取りに来い」ってどういうこと? 美桜さんが書いているように、「用紙を貰いに行った時点でアウト」でしょ。用紙を用意しておいてもいいんですが、第三者委員の連絡先を明示したうえで「直接連絡してくださっても結構です」と書いておくのが当然ではないでしょうか。
実際の貼り紙には連絡先が書いてあったのかもしれませんが、だからといってわざわざ苦情を申し立てる保護者がいるとも思えない。佐藤市議が指摘するように、ここは矢野・朝木両「市議」の代理人弁護士が開設している事務所ですから。
というわけでちょっと中田国際法律事務所のHPをのぞいてみました。 「法的紛争解決だけでなく、夢の実現と未来の創造を200%支援するプロフェッショナルの集団」という素敵な事務所のようです。「夢」や「未来」の中身はともかく。ちなみに事務所は千代田区平河町です。保護者から万一苦情が出された場合、東村山まで来てくれるんでしょうか。
ここの中田光一知弁護士は、けっこう前から矢野・朝木両「市議」の代理人を務めているようです。資料には中田「康一」という名前で登場しており、どうやら改名した模様ですが、それは個人の趣味ですからとやかく言いますまい。
たとえば矢野・朝木両「市議」に対し、創価学会への謝罪広告の掲載と損害賠償200万円の支払いが命じられた裁判、矢野・朝木両「市議」が聖教新聞等に謝罪広告の掲載と損害賠償の支払いを求めて却下された裁判などで、中田弁護士が両「市議」の代理人を務めています。りんごっこ保育園の問題でも、市議会「りんごっこ保育園設置者の資質及び特定議員の関与に関する調査特別委員会」に対し、委員会による園舎視察の延期を求める通知、高野園長の出席を拒否する通知などが中田弁護士名で議会事務局に送られています。
つまり中田弁護士はりんごっこ保育園の利益のために継続的に動いている。弁護士が依頼者の利益のために行動するのは当然のことですからとやかくは言いませんが、りんごっこ保育園の「第三者委員」まで引き受けるのはちょっと筋違いではないでしょうか。「弁護士職務基本規程」等に違反するわけではないのでしょうが、だれが見ても「第三者」ではないでしょう。
厚生省通知「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針について」(平成12年6月7日)では、第三者委員について次のように述べられています。
○ 第三者委員の要件
ア 苦情解決を円滑・円満に図ることができる者であること。
イ 世間からの信頼性を有する者であること。
(例示)
評議員(理事は除く)、監事又は監査役、社会福祉士、 民生委員・児童委員、大学教授、弁護士など
○ 人 数
第三者委員は、中立・公正性の確保のため、複数であることが望ましい。 その際、即応性を確保するため個々に職務に当たることが原則であるが、 委員相互の情報交換等連携が重要である。
というわけで、りんごっこ保育園はきちんと「世間からの信頼性」と「中立・公正性」を備えた人を第三者委員に選任するべきだと思います。だれを選任しても苦情が申し立てられることはないでしょうが、せめて形ぐらいは整えておかないとね。