保育環境維持向上の責任をどう考えるか


31日付の更新は、佐藤市議に関する昨日のひねりのない記述を推敲しただけでした。変更点は昨日の記事に追記しておきます。


さて報道で話題になっていた東京都荒川区認証保育所ですが、本日(3月31日)付で認証取消しです。その理由等が東京都福祉保健局から公式発表されていました。


★東京都福祉保健局「東京都認証保育所の認証取消しについて」
(平成20年3月21日)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/03/20i3la00.htm


職員配置の虚偽申請等を理由として東京都で初めて認証を取り消されることになったのは、(株)日本保育支援協会(社長/三谷忠士氏)が南千住で経営する「じゃんぐる保育園」。東京には東京都認証保育所協会(とにんぽ)という団体がありますが、そちらには未加盟でした。ちなみに、りんごっこ第1保育園も未加盟です。東村山には5つの認証保育所がありますが、そのうち3施設は加盟しています(会員保育所検索「とにんポータル」)。


(株)日本保育支援協会は千葉県市川市で同じ「じゃんぐる保育園」という名前の認可保育所も経営していますが、そちらもいろいろと問題が指摘されているようです。日刊ゲンダイで「“イカサマ保育園”経営者のトンデモ素顔」という記事が配信されていましたが(3月24日本紙掲載)、記事には関係者の話として次のような談話が載っています。どうもどこかで聞いたような。


市川市のケースでは、あまりのヒドさに職員らが改善を申し入れると、三谷氏は『県の認可があるから問題ない』と逆ギレ。地元の県議がこの問題を追及してホームページに掲載すると、『記事を削除しなければ法的措置を取る』との抗議文を送りつけました。全然、反省していないのです」


まあ「じゃんぐる保育園」とりんごっこ保育園では事情の違う部分もありますので、両者をただちに同列に並べて「包囲網が狭まってきました」などと即断するつもりはありません。矢野・朝木両「市議」ならやるでしょうけど(3月21日付記事「矢野・朝木両『市議』のやり口:そんなの関係ねぇ!のに・・・」参照)。


しかし保育のとらえ方、外部との関わり方といった点からは、いろいろと考えさせられる問題でもあります。週刊金曜日「金曜アンテナ」(3月21日付)でも「東村山市議が運営委員の認可保育園に法令違反か」という見出しでりんごっこ保育園のことが短く取り上げられていますが、矢野・朝木両「市議」は、金曜日ライターの取材に対し、「『お前は無関係だろう』『話すことはない』などと一方的にまくし立て、何も話そうとはしなかった」そうです。問題がないなら、どうして堂々と説明できないのでしょうね。


市川市の「じゃんぐる保育園」については、千葉県保育問題協議会会長名で〈「じゃんぐる保育園」の認可及び認可運営継続容認に対する抗議アピール〉も出されています(2007年12月14日)。そこで指摘されていることは東村山市にも当てはまる内容だと思うので、少々長くなりますが抜粋しておきましょう。東村山市と東京都はどう考えるでしょうか。

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 市川市の企業立「じゃんぐる保育園」(設置・運営:株式会社日本保育支援協会)は今年2月に県の認可を受け運営を開始しました。しかし、施設・設備及び運営などについて、既存の認可保育所では考えられないほど劣悪な実態であることが、そこで働く保育士たちにより明らかにされ、保育士・父母がいっしょになって経営者に改善を求めてきました。
(中略)
 このような中、市川市保育所入所希望者に、これまでの経緯の説明と保育所の見学をさせて、了解した保護者の子どもを「じゃんぐる保育園」へ新たに入所させています。
 市川市は待機児が多く、特に当該地域はなかなか入所できない地域となっています。
 このような状況下で、保護者が入所を断ることは考えにくく、「保護者が納得しているので入所させている」というのではあまりにも無責任であると言わざるを得ません。
「認可基準」は60年前に「この基準をこえて、設備及び運営を向上させなければならない」として定められ、その後ほとんど改善されていない「最低基準」にほぼ等しいもので、現実とは大きく乖離していることを知りながらこの基準で保育所を認可したことは、法の精神・条文に反し、営々と法に基づき改善を進めてきた市町村の努力を無にすることです。(中略)
 世界有数の経済発展をとげ、子育て支援が重要視されている今、認可権者は時代遅れの「60年前の最低基準」の文言にのみとらわれるべきではなく、法の精神や既存の認可保育所の水準をこそ「認可基準」とする見識を持つべきです。
 東京都でも事業実施要綱違反の疑いの指摘がある「じゃんぐる保育園」の認可保育所としての存在は、千葉県の今後の保育水準向上に大きく立ちはだかる負の壁であり、千葉県の子どもの保育環境破壊の発信源となるものであり、とうてい容認できるものではありません。「じゃんぐる保育園」の認可を取り消すために、多様な行動をおこすことを広く訴えるものです。

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