保育関係者とは思えない攻撃性と口汚さから透けて見えるのは?


いや〜、ずいぶん調子に乗っているようですね。16日付でトップページに〈所管課長失格の大失態!部長、市長も!!〉という見出しが登場し、次の新規ページにリンクが張られました。


■「児童福祉施設最低基準」さえ知らなかった市
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page172.html


小見出しでも、〈無知を繰り返しさらけ出した児童課長ら〉とか〈部長や市長までもが無知ぶり公表!〉などと言いたい放題です。本文でも、「例の騒いでいる一部とつながっていることが判明した東村山市保健福祉部、暴走し墓穴を掘るはめになった」、「所管失格の『児童課長』の間抜けさ」などと口汚く罵っています。


保護者のみなさん、仕事を探している保育士のみなさん、これがりんごっこ保育園の運営委員を務めている矢野穂積朝木直子両「市議」です。意に沿わない保育士や保護者に日ごろどんな対応をしているのか、容易に想像できますね?


ここで問題になっているのは、3月定例会のときから引きずっている見なし規定(乳児6人以上が入所する保育所においては、当分の間、保健師または看護師を1人に限って保育士と見なすことができる)の扱いです。とくに3月定例会・予算特別委員会における答弁が問題にされているのですが、なぜか予算特別委員会と決算特別委員会の議事録だけまだ市のHPで公開されていないので、確認できません。


いずれにせよ、上記のような見なし規定が存在することは確かです。厚生省児童家庭局長通知「保育所における乳児に係る保母の配置基準の見直し等について」(平成10年4月9日児発第305号)については、3月20日付「りんごっこには2匹の番犬がいるらしい」で抜粋しておきました。それと実質的に同じ内容が、児童福祉施設最低基準の附則(平成10年4月9日厚生省令第51号)として組み込まれているのも事実です。


この見なし規定について、矢野・朝木両「市議」は「都の監査を受けたことのある保育関係者ならを知らないことがあありえないこの常識」と書いています。ずいぶん興奮しているらしく、誤字だらけです。3月14日の予算特別委員会では「平成10年4月9日の厚生省局長通知」にのみ言及し、児童福祉施設最低基準の附則については触れていないようですから(佐藤市議ブログ3月17日付記事参照)、おおかた、あとから調べて「しめしめ」と思ったのでしょう。ちなみに、ここでは自分たちが「都の監査を受けたことのある保育関係者」であることも“自供”していると受けとれます。誰でも知ってることですから、いまさらどうでもいいんですけどね。


松沢さんも繰り返し述べているように、矢野・朝木両「市議」の言うことはいったん100%疑わなければならず、それどころかその逆こそが真実である可能性すら考慮に入れておかなければならないのですが、ここはとりあえず所管に答弁ミスがあったとしておきましょう。


だから何なんでしょうか。


法令・基準について所管が誤った理解をしていたとすれば、それは正してもらわなければならないにせよ、だからといってりんごっこ保育園の、そして同園の運営委員を務める矢野・朝木両「市議」の説明責任がなくなるわけではありません。


5月24日付「改善指導を『なかったこと』にしようとするりんごっこ保育園」でまとめておいたように、上記見なし規定を適用したとしても、2月8日の時点で保育士が少なくとも1名足りなかったことはどうやら事実らしい。2月18日付で改善指導の文書が送付された後、「2月1日付で新たに2名の保育士を採用している」(2月18日付で2月20日に送付された文書)などという“新事実”を明らかにしても、まさに改善指導を“なかったこと”にするための策動としか理解できません。


佐藤市議が「一般質問報告 その1」で明らかにしているところによると、4月1日および6月1日の時点では、少なくとも書類上は、そしてかなりぎりぎりではありますが、保育士は足りているようです。保健福祉部長も、「市が求めている書類の提出はないが、必要な保育士数が確保されて改善されている」と答弁しています。


このように保育士が足りているのであれば、何度も言っているように、所管の求めに応じて職員名簿(明記事項 職名、氏名、勤務時間、採用年月日、常勤、非常勤、資格有無、担当クラス)」や「新規採用職員履歴書」の写し等の必要書類を提出すればいいだけの話です。同時に、そのことを保護者にもきちんと明らかにして、安心してもらえばよい。


それなのに、「りんごっこ保育園グループ」のHPを見ても、そのあたりの事情はぜんぜん明らかにされていません。5月28日には「りんごっこ保育園お散歩マップ」とやらについて、6月1日には「今月のとりくみ」について、それぞれ益体もない自画自賛の記述を付け加えただけ。6月14日付の更新では、「苦情処理について」のページに早々と次のような記述が登場しています。


2008(平成20)年度、第三者委員に提出された苦情はありませんでした。(2008(平成20)年5月31日現在)


うん、そんなことは2008年度が終わってから報告すればいいと思いますよ。いったい何を隠したいんですか?(3月10日11日付記事も参照)


改善指導のもうひとつの根拠である東京都「保育所設置認可等事務取扱要綱」(PDFファイル)には、「留意すべき事項」として次のように書いてあります。

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(ア)職員会議等を通じて職員間の連携を十分図るとともに、各種研修への参加機会の確保等に努めること。
(イ)短時間勤務労働者の雇用管理の改善等に関する法律や雇用保険法等の労働関係法規を遵守し、不安定な雇用形態や低処遇の保育士が生じることのないよう留意すること。
(ウ)法第48条の3第1項に基づき、保育士の勤務実態の状況等について情報提供に努めること。

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(ア)と(イ)についてもいろいろ語っておきたいことはありますが、今日は(ウ)だけにしておきましょう。「法」というのは児童福祉法のことです。第48条の3第1項には次のように規定されています。

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保育所は、当該保育所が主として利用される地域の住民に対してその行う保育に関し情報の提供を行い、並びにその行う保育に支障がない限りにおいて、乳児、幼児等の保育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければならない。

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所管に対してさえろくろく「保育士の勤務実体の状況等」について情報提供をしようとしないりんごっこ保育園関係者に、所管を口汚く罵る資格があるんでしょうか。


もうひとつ、矢野・朝木両「市議」がけっして具体的に語ろうとしない問題があります。所管による改善指導を「不穏な動き」「邪(よこしま)な動き」などと決めつけてきた、その根拠です。6月13日付でトップページに〈示し合わせて「保育園つぶし」に連携した東村山市役所保育関係職員もいたことが判明!〉という見出しが登場したことは「『詳細は省く』のはそろそろやめましょう」という記事ですでにお知らせしましたが、いまだに見出しだけで具体的記事へのリンクはなし。にも関わらず、今回登場した新規ページでも「例の騒いでいる一部とつながっていることが判明した東村山市保健福祉部」などと書いています。


例の騒いでいる一部」とは誰のことなのでしょう? りんごっこ保育園の保育状況に不安を抱き、転園を希望する保護者も、ここには含まれるのでしょうね。


何の根拠も示さずにこのような妄想ネタを書き散らし、あげくのはてには児童課長を公然と「間抜け」などと罵る。いったい何を隠したいんですか? 佐藤市議も述べているように、市としても「しっかり調べて、その上で虚偽だった場合は公的な対応をとる」ことが求められるでしょう。


問題がないなら粛々と対応すればいいものを、おかしなことを言い続けていたら痛くもない腹を探られることにつながりますよ? まあ、これだけ攻撃的になるということは、間違いなく“痛い腹”を抱えているんでしょうけどね!