歴史の逆行、子どもの犠牲


あいかわらず忙しいし、「東村山死人シンブン市民新聞」も例によって「最終更新日」の修正だけなので今日は更新をサボろうかと思っていたのですが、これにはちょっと触れておかねばと。


★佐藤市議ブログ「待機児『数』を解消すればそれでいいのか?」(7月14日付)
http://satomasataka.blog110.fc2.com/blog-entry-196.html


厚生労働省認可保育所の設置基準を緩和して、子どもひとり当たりの面積については「子どもが健康に育つために必要な広さを確保する」という抽象的な基準に留め、あとは都道府県の判断にまかせる方針だそうです。


そんなことをしたら保育環境がますます悪化するのは目に見えていると思いますが、どういうつもりなんでしょうか。TBS時代に「ベビーホテル」問題を取り上げた堂本暁子・現千葉県知事は、「私の見たベビーホテル」というエッセイで、当時の状況を次のように報告しています。


「16畳ほどの部屋に0歳児から小学生までの子どもが46人。文字通り足の踏み場もないありさまだ」
「4畳半に赤ちゃんばかり10人も寝ている」


ベビーホテル等の劣悪な保育環境が社会問題になったから、認可外保育施設についても「指導監督基準」(PDFファイル)を設け、保育室については「概ね乳幼児1人当たり1.65平方メートル以上であること」などの基準を定めたのではないでしょうか。ちなみに1.65平方メートルがだいたい1畳ということになっています。


もちろん都道府県がしっかりした基準を定めればいいわけですが、待機児が多いところでは基準引き下げの誘惑に抗するのはなかなかむずかしいでしょう。これは東村山市としても国に対して意見書を上げるべきではないでしょうか。規制緩和総体を批判し、待機児『数』を解消できない市の責任を追及することには余念がないものの、目の前で起きている酷い現実にはちっとも向き合おうとしない会派」佐藤市議ブログ)、すなわち日本共産党はもとより、「目の前で起きている酷い現実」の元凶である草の根市民クラブも、よもや反対はいたしますまい。
【追記】(2009年11月25日)草の根市民クラブに関する私の見方は甘すぎたようなので、訂正しておきます。2009年10月26日付〈保育園の規制緩和を無批判に受け入れ、便乗してガイドラインを攻撃する「市議」=りんごっこ保育園理事・監事〉など参照。