保育園の規制緩和を無批判に受け入れ、便乗してガイドラインを攻撃する「市議」=りんごっこ保育園理事・監事 ※追記


ああ、瀬戸サンは逃げちゃいましたか。それはそれなりの受け取り方をされるだけですから別にいいんですが、さっさと洋品店関連裁判の結果を紹介し、「万引きでっちあげの店」などと誹謗中傷を続けるお仲間にストップをかけていただきたいものです。また、「犯罪歴報道被害者の会」の活動の一環として、かつて横領事件を起こした市職員の実名と顔写真を12年後にわざわざあらためて晒し、自己弁護のために同事件を利用し続ける矢野穂積・朝木直子両「市議」についても厳しく批判していただくことを望みます*1


さて東村山市民新聞」の10月26日付更新(2009/10/25 19:10:34)ですが、ガイドライン(東村山市私立保育園設置指導指針)について騒ぎ立てている囲み(トップページ)の下に、もうひとつ囲みが加わりました。


裁判所からも「保育所設置認可には適用されない」と警告されていた
時代に逆行する認可保育園の「規制強化」を謀った「東村山市のガイドライン」
「市長の意見書」で 保育園設置認可を妨害する悪質手口

を公表しておきましょう。待機児保護者の願いを踏みにじる「ムラ議員ら」の暴挙です。


なるほど、矢野・朝木両「市議」は保育所関連の規制緩和には全面的に賛成で、もっとやればいいという立場なのですね。新規ページ〈「市長の意見書」を悪用する法令無視の「ムラ」の手口とは?〉でも、〈時代に逆行する「規制強化」〉と書いています。



新規ページでは、いまさらながらにガイドライン全文を掲載し、これがなぜ「参入障壁」になるのかについて説明を試みているようです。ガイドラインに問題があると考えるなら、他人が紹介する前に自分達で公表して市民に問えばよろしいのにと思いますが、ともあれ、要約すれば次のように言いたいのだと思われます。


(1)児童福祉施設最低基準(32条5号)や厚労省の通達では、保育所に屋外遊技場(園庭)がなくても、それに代わる場所(公園・境内地等)が近くにあればいいとされている。
(2)しかるに、ガイドライン第3の3では「最低基準を超えた設備及び運営の向上に関する調整」について定めており、調整項目には「園庭」も含まれている。
(3)したがって、ガイドラインは「違法な参入障壁」である。


だいぶ無理があるような気がしますね。


まず(1)についてですが、これ自体は間違っていません。なお、矢野「市議」らが言う「厚労省の通達」とは、「待機児童解消に向けた児童福祉施設最低基準に係る留意事項等について」(平成13〔2001〕年3月30日付雇児保第11号)を指すのではないかと思われます。


もっとも、「したがって、東京都でも、この『児童福祉施設最低基準』第32条5号を適用し、駅前のビルの上層階に全く屋外遊戯場(園庭)のない多数の保育園が認可をうけて運営されています」という主張は眉唾ものです。1990年代中盤からいわゆる駅型(駅前)保育所の設置が推進されてきたことは事実ですが、その圧倒的多数は認可外保育所(東京都の認証保育所A型も含む)じゃないんですかね。まあ、都下の認可保育所の設置場所をすべて調べるほど暇ではありませんので、「多数の」駅型・駅前保育所が「認可をうけて運営されて」いる根拠を提示していただければ幸いです。


それはさておき、りんごっこ保育園の開園にあたり、園庭の問題が重要な要素のひとつであったことは確かなようです。高野博子・りんごっこ保育園園長が提訴しなかった平成17年附帯決議では「東村山市私立保育所設置指導指針に基づいた園庭の確保、設備の改善など、子供が主人公の園づくり」が求められていますし、開園前に行なわれた児童育成部会の会合でも、次のようなやりとりがあったと報告されています。

須藤〔児童育成部会副会長〕 たとえば、100坪であれば、せめて60名ぐらいの定員にして、ゆとりある建物にする相談をしたんですが。
高野〔りんごっこ保育園園長〕 そうですね、最初のときに、私は、この計画が出されましたね、そのときにいろいろありましたんですが、やはり、そのときも銀行の方が一緒だったんですが、それで、そんなこともありまして、あのー……。
須藤 返済のこともありますね。
高野 まあ、そういうこともあります。ですので、ええと、私はちょっとうっかりしてたんですが、その場に、その銀行の方が、「あのときに市の方、市の方から『じゃあ81人でいきましょう』というふうにいわれましたので、よく覚えてますよ」といわれたので、「ああ、そういわれればそうだったね」というふうな感じで、あのー、記憶してるんですね。その間に、ありましたんですが、それがどなたかというのは、私はよく覚えてはいないんですが。
(エアフォース〈りんごっこ保育園問題とは何か(第2部) 第17回〉)


しかし、開園の過程で問題にされたのは、それだけではありません。エアフォースの連載(第1部・第2部)で詳細に報告されているように、根本的な問題は、設置者側の秘密主義的進め方と非協力的な姿勢にありました。高野園長が提訴した平成18年附帯決議で、次のように述べられている通りです。

 東村山市においては、次代を担う子供たちを健やかに育てるため、良好な保育環境の実現を目指し、東村山市私立保育所設置指導指針を定めている。しかるにりんごっこ保育園設置者は、設置及び開園に向けての事前協議においても調整への真摯な対応も行わず、さらに開園後においても、事務連絡以外、理事者や所管部の管理職が訪問しても、協議の場の設定に応じようとする姿勢が見られないとのことである。


このような流れを意図的に無視し、あたかも「園庭」問題だけが争点であったかのように見せかけるのが「アザ議員」たる矢野・朝木両「市議」の手口というわけですね。


そもそも、りんごっこ保育園名誉毀損裁判では、ガイドラインの運用のあり方について問題にされたとは言えても、ガイドラインそのものが「違法な参入障壁」であるという認定は行なわれていません。あくまでもガイドラインが「違法な参入障壁」だとおっしゃるのであれば、お得意の行政訴訟を起こして無効確認請求でもやればいいと思うんですが、いまのところそういう話は聞かない。市議会ではあれこれおっしゃっているようですが、次回市議選では、ガイドラインの廃止も堂々と公約に掲げていただきたいものです。


矢野「市議」らは東村山市行政手続条例との関連でも問題を指摘しており、今回の新規ページでも関連の条文を掲載していますが、私はむしろ矢野「市議」らが太字にしていない部分に注目したいと思います。



31条1項では、「申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を真摯に、かつ、明確に表明したにもかかわらず、当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない」と規定されているわけですが、2項では、
「その相手方の受ける不利益と行政指導の目的とする公益上の必要性(法令に基づく基本構想などの市の計画の実現及び市民生活の安全の確保を含む。)とを比較衡量し、行政指導に対する不協力が社会通念上正義の観念に反すると認められるような特段の事情が存在している場合」
には行政指導を継続することができるとも定められています。


たとえば、保育士虚偽申告事件における市側の指導は「市民生活の安全の確保」のためにどうしても必要だったと思いますし、その過程で6度もウソをついたりんごっこ保育園側の対応は、まさに「行政指導に対する不協力が社会通念上正義の観念に反する」事例であったと言えるでしょう。「一刻も早く、りんごっこ保育園に対して、坊主懺悔の謝罪をし、・・・納税者市民に陳謝しなければならないことを強く警告しておこう」(新規ページ)などと騒ぐ前に、この件についてきちんとした説明をしてはいかがなのでしょうか(追記:りんごっこ保育園は開園時にも職員体制の報告に関わって問題を起こしている。文末資料参照)。


市議会厚生委員会視察拒否問題にも表れている通り、りんごっこ保育園側の非協力的姿勢はいまだに続いています。


さらに、NPO法人「林檎の木」の理事・監事を務める矢野・朝木両「市議」は、公然たる“非協力宣言”まで行なう始末です。


このような保育園が存在し、その理事・監事が市議会を半ば私物化している以上、東村山市がこのガイドラインを放棄するわけにはいかないでしょう。市議会議員も、佐藤市議にだけ任せているのではなく、もっと積極的に発言していただきたいものです。とりわけ、「日本共産党はガイドラインの作成を提案」などと誇らしげに書き、保育所関連の規制緩和にも反対しているはずの日本共産党東村山市議団は、いつまで日和見主義的沈黙を続けるのでしょうか。


【資料】職員体制の報告をめぐって開園時にも問題を起こしていたりんごっこ保育園(10月27日追加)
平成16(2004)年10月30日・市議会本会議会議録より。

○18番(高橋眞議員) 報告第6号、専決処分事項(平成16年度東京都東村山市一般会計補正予算(第2号))の報告につきまして、自由民主党市議団を代表し、順次、質疑いたします。
・・・
 10番目です。今回の申請に当たって、他の園で登録されている職員名がダブって登録されていたやに聞きますが、問題となりかねません。今後、りんごっこ保育園の運営について、どのようにチェック機能を果たしていくのか、そして、どのように指導・監督していくのかお伺いいたします。
・・・
○保健福祉部長(柿沼一彦君) 多くの質疑の中から、保健福祉部関係について、答弁をさせていただきます。
・・・
 次に、10番目の職員の重複の関係でありますが、朝木議員の質疑が端を発したものであります。その質疑の趣旨は、弁護士から、りんごっこ保育園と認証保育所、りんごっこ第1保育園の職員が重複しているとの虚偽情報が流され、施設長が迷惑している、所管はそのような虚偽情報を流すのかと朝木議員の質疑がありまして、そのことに関して所管として答弁したものであります。まず、情報の外部提供の事実でありますが、外部提供の事実は一切ありません。しかし、係争中の事件でありますので、顧問弁護士には報告いたしました。次に、重複の事実でありますが、9月の認可申請の時点で、添付書類から職員体制の確認をいたしました。その際、提出された履歴書等から、野口町の認証保育所の職員数名が認可保育園に採用されていることがわかり、そのことから10月1日付認証保育所の職員名簿の提出を求めたところ、10月7日にその名簿が10月1日付で提出されました。ところが、その名簿によると、認可保育園で従事することになっている保育士5名、栄養士1名が、認証保育所の名簿に登載されておりましたので、今度は10月8日と15日の2回にわたり、認可保育園の職員名簿の提出を求めたところ、未提出であるため、10月20日に至り3回目の督促を行った結果、新しい認可保育園の10月1日付名簿が21日に提出され、それぞれの園の10月1日付職員体制が確認されたところであり、さらに10月28日に職員2名が両園を訪問し、出勤簿等で職員の勤務状況を確認したところ、問題はありませんでした。(不規則発言多し)
〔中略〕
○20番(島田久仁議員) 報告第6号、専決処分事項(平成16年度東京都東村山市一般会計補正予算(第2号))の報告について、公明党市議団を代表し、質疑させていただきます。
・・・
 3点目に、これも高橋議員の方から質疑がありましたが、保育園の職員体制ということで、ただいまお答えがありました。お答えの中で、新設認可保育園の職員の名簿と認証保育園の名簿がダブっていたということで、お答えを聞いて再質疑的にさせていただくのですが、10月1日付の名簿を提出するのに、なぜ3週間もの時間がかかってしまったのかということを、どのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。また、21日に、10月1日付の名簿が出て、それを今度、28日に職員が訪問し、確認したところ問題がなかったとありましたが、もし、ここに問題があったとしたら、10月1日付の職員の名簿を28日に確認したというのは、問題がなかったからよかったとは言えないのではないでしょうか、遅くはないでしょうか。(不規則発言多し)
〔中略〕
○保健福祉部長(柿沼一彦君) ・・・
 それと、職員の重複の関係で、時間がかかったということでありますが、我々職員から見れば、施設長の怠慢と考えております。(不規則発言多し)また、これは時間がかかったという部分では、提訴中のため取り下げていないということで、我々も慎重に対応した結果、若干かかってきたことも事実でございます。
〔中略〕
○4番(佐藤真和議員) ・・・
 それから、先ほども出ていた認証と認可の方の職員のダブりの問題ですけれども、事実だということがわかりました。正規職員を一遍に認証から認可へ送った関係で、職員体制が不安定で、保護者の間に不安が広がっていると聞きます。それから、先ほどの市の答弁を聞いていると、猶予を与えて、結局、問題はなかったことにしたのではないかという気がしてなりません。あわせて所管の見解を伺います。
・・・
○保健福祉部次長(石橋茂君) ・・・
 (4)、重複の件でございますけれども、朝木議員の質疑については既に答弁いたしました。また、認可申請時点で、認証から認可保育園に採用した保育士等を10月1日時点で認証保育所勤務にしておりますことから、認証の保育体制は従前どおり行われておるとの判断に至っております。(不規則発言多し)

*1:【追記】(10月27日)凪論〈瀬戸弘幸氏が「犯罪歴報道被害者の会」の活動を報告〉を見て思い出しましたが、「(瀬戸サンが)判決文をさらしたことによって、宇留嶋瑞郎の住所などの個人情報が明らかになって削除要求を受けてブログが長期間凍結した件」というのもありましたね。その情報をもとに千葉さん宅の襲撃を示唆するかのような書き込みが行なわれたのに、瀬戸サンはダンマリを決め込んでいたんでしたっけか。1月29日付〈【速報の後追い】瀬戸サン「出張所」凍結のお知らせ ※解除されました〉参照。