妄想の「殺害予告」に怯えたふりして八つ当たり街宣を敢行する在特会に、公的機関はそろそろ「きちんと対応」を


維新政党・新風本部は、支部に対し、在特会の集会には「新風」の名前で後援も協賛もしないように通達しているそうです。党として公式に「民族差別を許さない」と声明している以上、当然の対応だと思いますが、瀬戸弘幸・元新風副代表などはどう考えているんでしょうね。



他方、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20100411/p1:title=法的措置の可能性を忠告してもらったらマジで「殺害予告」と思ったらしくて警察にまで駆け込んじゃった在特会副会長]が、在特会茨城支部として井上哲士参議院議員にとんちんかんな八つ当たりをするようです。


共産党参議 井上哲士の人権侵害を糾弾するぞ! 街宣&公開質問状提出
共産党の参議院議員 井上哲士が3月25日に参議院外交防衛委員会で在特会らの京都朝鮮学校に対する抗議活動を取り上げ、批判しました。その国会での質問が基になっているのでしょうが、「朝鮮学校への抗議活動を知って以来、情報収集をしながら成り行きを見守っている」と言っている『小さな正義を信じて』なるブログの管理者が在特会副会長兼茨城支部長の八木を名指しして「直撃弾が来ても知りませんよ」と脅迫声明を出しました。直撃弾に脅えているばかりでは何も進展しません。脅迫声明の大元を糺すため、井上哲士の人権侵害を糾弾する声をあげます。
〔後略〕


P2Cさん(「小さな正義を信じて」本館管理者)の言う「直撃弾」が仮処分決定書なり内容証明なり訴状なりを意味していること、そしてP2Cさんがこう書いた背景には在特会側が京都地裁の仮処分決定書を受け取っていないなどと言い訳してきた経緯があることは、4月11日付エントリーで説明した通り。「小さな正義を信じて」本館の該当エントリーにあくまでリンクしようとしないところを見ると、これが「殺害予告」「脅迫声明」でないことはすでにわかっていて、被害者面をするために空騒ぎを続けることにしたものでしょう。本当に矢野穂積・朝木直子両「市議」や中村克サン(『最後のパレード』著者)とそっくりです。


しかも、当初は左翼の連中が3月28日の集会で出した宣言民族差別・外国人排斥に反対し、多民族共生社会をつくりだそう!朝鮮学校への攻撃をゆるさない!3・28集会 集会宣言)が原因ではないかと言っていたわけですからね。思いつきで言いがかりをつけるにもほどがあります。


ちなみに、参院外交防衛委員会における井上哲士議員の質疑は次の通り

○井上哲士君 現に、この朝鮮学校の〔高校無償化〕適用についてはもう先延ばしになっているわけですね。そして、そういう国会でのいろんな議論や動きの中でいろんなやっぱり問題が起きているんです。
 今回のこの人種差別撤廃委員会の報告書では、さらに、朝鮮学校に通う子供を含む集団に向けられた明白かつ重大な発言や行動に懸念を表して、コリアンに対する暴力行為及びこの点における当局の対応が不適切であるとする報告に懸念し、政府が当該行為を防止し、それに対処するためのより断固とした措置をとるよう勧告をしているわけですね。
 外務省として、当然、関係省庁との連携や具体的な措置をとっていくことが必要かと思いますが、この勧告をどういうふうに受け止めて対応されるつもりでしょうか。
○国務大臣(岡田克也君) 先ほど申し上げましたように、この勧告自身は法的拘束力を持つものではありませんが、その中で述べられた今委員の引用された部分というのは、これはやはり、そういったことは子供には全く罪はないわけでありまして、それに対して差別的な言葉を投げ付けるとかいろいろな嫌がらせ行為があるというようなことは、これはやはり看過し得ないことだというふうに思います。
 したがって、関係省庁ともよく連絡を取りながら、そういう事実があればきちんと対応をしていく必要があるというふうに思っております。
○井上哲士君 私は京都住まいでありますが、その南区というところに朝鮮第一初級学校というのがありまして、ここでも最近本当にひどい嫌がらせがありまして、一月に京都弁護士会の会長が声明を出されております。
 これは、授業中に正門前で、ある市民グループが拡声機で約一時間にわたって大音量で罵声を投げ付けたと。朝鮮学校、こんなものは学校でない、スパイの子供やないか、朝鮮学校を日本からたたき出せと、こういうようなことが授業中に行われたということで、これは明白な人権侵害であり一連の国際条約にも反するということで、弁護士会の声明が出されております。これは京都だけでなくて、様々この間、全国でもあるわけですね。今大臣もおっしゃいましたけれども、拉致は許し難い行為ですけれども、何の責任もないこういう子供たちが言わば報復的に人権侵害を受けるようなことは、私はあってはならないと思うんですね。
 私は、この間の一連のそういう一部閣僚の発言とか、それに基づく政府の動き、例えば、国交がないので教育内容が分からない、何かえたいの知れない学校かのような発言が出されたりしました、こういうことがむしろこういう発言や差別行動を助長しているんではないかと、こういう懸念があるわけですね。そういうことをやはり外務大臣として閣内等でも問題提起をして正していくべきじゃないかと、こう思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(岡田克也君) そこまで行きますとちょっと、何といいますか、想像にわたる部分があるのかなというふうに思います。閣僚の発言がそういった行為を助長しているというふうには私は思いませんが、しかし、委員が今御指摘のようなことがあちこちで起きているとすると、それについては、政府としてもどういった対応ができるのかよく議論してみる必要があるというふうに思います。先ほど申し上げましたように、やっぱり子供たちに全く罪はないわけでありまして、そこについてきちんと対応していく必要があると、そういうふうに思っております。
○井上哲士君 今挙げた南区の例は昨年末のことですので、これは直接関係あるということを申し上げる気はないんですが、やはりそういう空気を醸成するようなことは慎むべきだと思うんですね。


これをどう読めば「脅迫声明の大元」などという戯言が口に出せるのでしょうか。「公開質問状」も提出するということですが、どんな荒唐無稽な主張が開陳されるのか、公開を楽しみに待ちたいと思います。そして、岡田外相には、「きちんと対応していく」という宣言を一刻も早く履行していただきたい。


ついでに、3月20日付〈国連広報センターはレイシスト団体「在特会」に情報提供の枠を超えた便宜供与を行なうべきではない〉で触れた国連広報センターへの抗議行動について、桜井誠・在特会会長が報告していなかったいくつかの事実がブログ旗旗〈人種差別撤廃条約の講座に参加してきました〉で明らかになりましたので、お知らせしておきます。
「審査委員が日本人でないのがけしからん」
「われわれを批判するようなNGOだけが意見を述べることができるのはおかしい」
「そんなこと言っても英語がしゃべれないんだ!どうしてくれる」

などと騒いだら、そりゃ失笑されるわ。在特会の「反論書面」に対するつっこみは、以下のエントリーを参照。


〔この記事は4月20日の朝にアップしたものです。〕