【徳島県教組襲撃事件】12月1日の有罪判決についても(ほぼ)ダンマリを決め込み続ける在特会幹部


東村山市民新聞は2日空けて「最終更新日」が修正され(12月1日付、2010/12/01 15:43:39)、ふたたび1日空けて同様の処理が行なわれ(12月4日付、2010/12/03 18:13:52)、さらに翌日同様の処理が行なわれた(12月5日付、2010/12/04 19:21:54)だけでした。市議会12月定例会初日(11月29日)でも、自分達の一般質問(12月2日)でも、何ら悪口のネタが拾えなかったのでしょうか。


12月定例会の初日の様子については何人かの市議さんから報告されていますが、初めて起立採決方式が採用された結果、ずっと座りっぱなし(=反対してばかり)の矢野穂積朝木直子両「市議」(草の根市民クラブ)はやはり異彩を放っていたようです。
「起立採決になったので、議案ごとに賛成の場合は何度も立ったり座ったり、ちょうどいい運動になります。ずっと座っている方も中にはいらっしゃいますが…」おくたに市議
という感想もありましたが、佐藤市議の報告が詳しいので引用しておきましょう。

また、これも今議会からですが、採決方法を挙手から起立に変更しました。
改めて思うのもおかしいのですが、議案に対する賛否はもちろんですが、議会運営に関して賛否を問われる回数が意外なほど多い、ということに気づかされました。
会期(今回は21日間)を決定する際にも、議案や請願を各常任委員会に付託する際にも、議長は「以上の通り決することに賛成の方の起立を求めます」と言い、議員は立ったり座ったり。
まあ今回も、議会の基本である会期の決定にすら立たないのは矢野・朝木議員でしたし、これまでも予算や決算委員会の委員に自らが指名されてもその決定に一切賛成してきてませんので(そうは言っても委員会には出てきます)来年3月議会でも同様の態度を取るのでしょう。
また、議員提出議案として「北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃についての抗議決議」と、「尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書」「容器包装リサイクル法を改正し、発生抑制と再使用を促進するための法律の制定を求める意見書」の採択を諮りましたが、こちらも矢野・朝木議員は今回も謎の退席、残り全員による「全会一致」で採択となりました。
(佐藤市議ブログ〈12月議会が始まりました。〉)


さて今更の話題ですが、徳島県教組襲撃事件で起訴された6名のうち3名(いずれも事件当時、在特会メンバー)について、徳島地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました(12月1日)。


県教職員組合の事務所に怒鳴りこんで業務を妨害した罪に問われていた在特会、「在日特権を許さない市民の会」のメンバー3人に、1日、執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。判決を受けたのは、いずれも在特会のメンバーで関西在住の中谷良子被告34歳ら3人です。判決によりますと、3人はことし4月、徳島市北田宮1丁目の県教職員組合の事務所に拡声器で怒鳴りながら侵入した上、「売国奴」などと大声で罵り、業務を妨害した罪に問われていました。1日の判決公判で、武田正裁判官は、「犯行は悪質で、業務が完全に妨害されており、精神的影響も大きい」と、しながらも、「被告らが行き過ぎた行為を認め、在特会を辞めると述べている」などとして、中谷被告には、懲役2年執行猶予5年を、ほか2人に対しても、執行猶予がついた懲役8カ月の有罪判決を言い渡しました。
(太字は引用者=3羽の雀)


NHK徳島のニュースによれば、判決では
「一方的な主張のために事務所に侵入したことに酌むべきものはなく、警察官が到着しても怒号をやめておらず悪質だ」
とも指摘されたとのこと。けっきょく、中谷良子被告人(求刑2年)に対して懲役2年(執行猶予5年)、星エリヤス被告人(求刑8カ月)に対して懲役8カ月(執行猶予3年)、犯行時19歳の少年だった被告人(求刑8カ月)に対して懲役8カ月(執行猶予4年)の刑が言い渡される結果となりました。判決の詳細は、講談社『g2』vol.6〈「在特会」の正体〉という力作を発表した安田浩一氏がいち早くツイッターで速報してくれたので、その後の反響も含め、Togetter〈【在特会】徳島県教組襲撃事件で被告人3名に有罪判決(執行猶予付)〉にまとめてあります。


他に、襲撃のきっかけを作ったとも言える産経新聞でも報じられました。



量刑が求刑通りだったのは、凪さんが指摘するように、被害者に対する直接の謝罪が行なわれなかったこと等を反映したものかと思われます。また、「在特会を辞めると述べている」ことが情状酌量事由のひとつに挙げられたことは、組織犯罪処罰法こそ適用されなかったとはいえ、在特会という組織の悪質性が司法の場であらためて確認されたとも評価できるでしょう(5月22日付〈“仮処分決定に違反したら1日100万円”命令で暴力団並みの悪質な集団に認定された在特会〉なども参照)。桜井誠会長も、在日朝鮮人の横暴無法行為に憤るすべての皆さまなどと言っている場合ではありません。


今回の有罪判決については、京都朝鮮学校襲撃からちょうど1年目に当たる12月4日に仙台で行なわれた「対北朝鮮攻勢一周年記念 北朝鮮追放デモ行進」で、法務担当の八木副会長がようやく次のようなコメントを発しました(発言は要旨)。


「徳島の件は執行猶予がついたそうです。私としては納得できる判決ではない。朝鮮学校を支援する金は北朝鮮に行くだけ。日教組が募金だと人をだまして、そのお金が北朝鮮に流れた。まさしく殺人ほう助。殺人ほう助に対して威力業務妨害をするのは当たり前。人が殺されそうになったら妨害するでしょ。それで有罪判決はおかしい。・・・我々は不法占拠や募金詐欺に対して立ちあがった。恥ずかしいことはやっていない。徳島の件は判決が出てしまったので受けとめるしかないが、正々堂々とこれまでの主張を続けていきましょう」


とりあえず控訴はしない/勧めないようです。およそ裁判所で通用するような理屈ではないので当然だと思いますが、これでどうやって「正々堂々」たる主張を続けていくつもりなのでしょうか。桜井誠会長は、11月20日に行なわれたニコニコ生放送で、
桜井「徳島の件も何も、この間第1回公判があって、12月頭に判決が出るらしいから」
石黒(在特会宮城支部長)「それが終わってからですよね。全部終わってからにしましょう」
という趣旨の話をしていましたが、依然としてとくにコメントしていません(12月5日正午現在)。ひょっとして、京都地裁で併合審理される予定の川東大了・荒巻靖彦・西村斉各被告人の公判が終わるまでダンマリを決め込み続けるつもりなのかもしれません。京都の場合と同様に民事裁判を起こされれば、そうもいかなくなるわけですけれども。


一方、初公判(11月17日)の時に徳島地裁前で街宣を敢行し、在特会大阪、奈良支部の腑抜け・愚行を非難した主権回復を目指す会は、判決翌日の12月2日に徳島地裁前街宣の報告をアップしましたが、判決については触れていません。まあ「被告らは法治主義国家の国民として、法に触れた行為に関しては粛々と司法の裁きを受け入れるだけであり」と書いていますので、判決に文句はないのでしょう。


なお、
「徳島日教組の件で釈放されなかった三名と新たに一名逮捕との連絡を受けました。国家権力の大弾圧が始まりました」Posted by せと弘幸 at 2010年09月08日 10:09
「後日、不当逮捕・弾圧事件との立場で論評します」9月22日
などと発言・予告していた我らが瀬戸弘幸サンは、もちろんダンマリを決め込んでいます。いまさら驚くようなことでもありませんね。


そんな中で気を吐いているのは在特会/チーム関西に関わっていた女性陣で、懲役2年・執行猶予5年の判決を言い渡されたクロエは判決翌日に〈復活〉と題したエントリーをアップ。どうやら起訴を免れたらしいなかそちづ子さんも徳島県教組批判を再びヒートアップさせていますが、
私が抗議し、告訴をされて不起訴となった 徳島県教組が 日教組の『あしなが募金』名目で集めた『子供カンパ』を朝鮮総連傘下の朝鮮学校に渡した事件
という回りくどい表現に見られるように、「募金詐欺」という表現は注意深く避けているようです。時間があればこのあたりの発言についても整理してみたいとは思っていますが、関連エントリーはとりあえずまとめWikiの方に随時加えていますので、そちらをご参照ください。聖コルベの娘―マリアを通してイエズスへ―〈日教組の正体見たり〉も参照。


〔この記事は12月5日午後にアップしたものです。〕