〈「草の根」の斗い〉(笑)こそ、単なるポーズだけ


4月2日付の更新も「最終更新日」の修正だけの模様。報道によれば3月31日付で東京都の教員20人(都立高校13校15人を含む)が国旗・国歌問題がらみの懲戒処分を受けたようですが(読売新聞4月1日付ほか多数)、ダンマリを決めこんでいますね。ちょうど卒業式・入学式シーズンでもあり、この点に関わる矢野・朝木両「市議」の姿勢を振り返っておきましょう。


市議さんたちのブログを見ていると、それぞれ近隣の小中学校等の卒業式に参加したという報告がちらほら見られます。4月に入りましたので、入学式についての報告もおいおいあるでしょう。


矢野・朝木両「市議」は、りんごっこ保育園は別として、こんなふうに来賓として学校行事に参加したりはしていないと思われます。とくに矢野「市議」など、議会でときどき少年犯罪のことを取り上げているときの様子からしても、子ども・若者が嫌いだとしか思えないし。まあ、“顔出し”をやらないというのも議員としてひとつの方針ですから(最近は少し方針転換が見られるようですが)、それはそれでいいでしょう。何より、来てもらっても迷惑なだけでしょうし。


しかしそれは、矢野・朝木両「市議」が学校現場のことを何ひとつ知らないということでもあります。それでいながら、昨年(2007年)の12月定例議会に提出された新教育長の人事案件について次のような記事を載せているのですね(トップページに12月22日ごろ掲載された後、新規ページに移行)。


共産党市議ら、教育現場に、日の丸・君が代を強制する新教育長の選任に同意!
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page151.html


これまたやまだKINGのpumaさんが「人権君が代憲法9条」という記事(12月21日付)で予想していたとおりの対応で、何のひねりもないのですが、それはともかく、朝木「市議」が新教育長として提案された人物について具体的にどのような質問をしたのかというと、次のとおりです(市議会12月20日本会議議事録)。


(1)日の丸掲揚、君が代斉唱を当市の教育現場で強制する考えを持っている人物なのかどうか。
(2)都教育委員会がこの問題で教師を処分していることについて、どのように受けとめている人物なのか。
(3)沖縄の集団自決が軍の強制であったとの記述を教科書から削除したことについて問題になっておりますが、この点についてどのような考えを持っている方なのか。


・・・こんな踏み絵のような質問をするばかりで、何を悦に入っているんでしょうか。学校現場のことを真剣に考え、「ものごとを具体的に、少しでもまともな方向に進めたい」(佐藤市議)と思うのであれば、もっとほかにきくことがあるのではないかと思われます。ひとつの例ですが、「児童生徒・保護者・教職員の自主性を尊重する人物か」という形で、「日の丸・君が代」を前面に出さずに新教育長の姿勢を質すこともできたでしょう。


そもそも日の丸掲揚・君が代斉唱は学習指導要領で定められていることであって、市長としても、「〔学習指導要領には〕国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するように指導するものというふうに記されておりまして、・・・その姿勢を学校に今後も指導いただけるものと考えている」ぐらいしか答えようがありません。「強制はいたしません」ということになれば東村山市に右翼が押し寄せてくる可能性も考えられるわけですが、矢野・朝木両「市議」にはそれに立ち向かう覚悟があるのか(いやない)。


(2)については、教師の処分権者は都教委ですから、市教育長がどのように受けとめようがあまり関係はない。権限の範囲で抵抗を試みれば相当の苦悩が生じると思われますが、そのとき矢野・朝木両「市議」は市教育長を全面的に支援するつもりがあるのか(いやない)。


(3)に至っては、単に時事的な問題を引っ張ってきただけとしか思えない。(2)と(3)については市長も「確認をいたしておりません」とあっさり答弁していますが、朝木「市議」の自己満足的な質問に答えるためにいちいち思想調査などやってられないでしょう。


最終的に、「草の根」会派は「憲法の定める思想・信条の自由を否定し、教育現場に日の丸掲揚・君が代斉唱を強制する新教育長は到底認められないとして、反対の討論をした」そうです。議事録では、もう少しあっさり、「日の丸・君が代を教育現場で押しつける指導をするような人物の選任には、草の根市民クラブは反対いたします」(朝木「市議」)と発言したことになっています。


何かと言えば「創価創価」とレッテル貼りに奔走する連中に「思想・信条の自由」を口にする資格があるとも思えませんが、それはともかく、矢野・朝木両「市議」は「日の丸・君が代」の問題に心から関心を持っているのでしょうか。裁判好きの矢野・朝木両「市議」がこの件で何らかの裁判を起こしているとも聞きませんし、東京「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟、「神奈川こころの自由裁判をすすめる会」など各地の「日の丸・君が代」裁判を支援しているという報告もない(断られたのかもしれませんけど)。折々の判決についてシンブン上で論評がなされることもない。冒頭で述べたように、東京都の教員20人が処分されても「最終更新日」をいじるだけ。


共産党市議を揶揄する前掲のページには〈「反対」は、単なるポーズだったの?〉という見出しもついていますが、矢野・朝木両「市議」こそ、「単なるポーズ」として「日の丸・君が代」問題を利用しているだけではないんですかね。


そういえば、「つくります」と言って一向に結成の報告がない〈東村山「憲法9条(2項)の会」〉(「特権廃止の議員をふやそう!」のページ)というのはどうなったんでしょうか。ネットで検索すると、2004年12月には「東村山9条の会」が結成され、富士見町や美住町にも「九条の会」ができているらしいことがわかりますが、シンブンでは何のお知らせもありませんね。


口先だけでいつまでも市民をたぶらかせるとは思わないほうがいいんじゃないですかね。