やっぱり意図的ねつ造だったんですね
祐天寺美桜さんや松沢呉一さんが中田国際法律事務所について書いていますね。私は、同事務所の所属弁護士紹介のURLが全部「lower_***.html」になっているところがとても気になります。矢野・朝木両「市議」やりんごっこ保育園の顧問をはじめ、怪しげな弁護活動ばかりしている自分たちは、しょせん三流以下だと自覚しているのでしょうか。それとも、lawyer(弁護士)のつもりで間違えたのでしょうか。大丈夫か、中田国際法律事務所。(文末に追記あり)
さて、今日もどうせ「最終更新日」の修正だけでしょうから、早めに記事をアップしておきましょう。昨日の記事の追記で触れておいた、読売新聞記事ねつ造放送の「訂正放送」らしきものについてです。
まずは、アシスタントの女性が今度はどのように記事を読み上げたか、紹介しておきましょう。太字が追加部分です。(*)は読売新聞の記事が終わったところです。音源は「さ〜さ、お耳を拝借〜(^v^)/」より。
はい、4月17日、読売新聞より、「市議が市議提訴」という記事です。
東村山市の薄井政美市議は16日、虚偽の情報を流されるなどして名誉を傷つけられたとして、同僚の2市議らに慰謝料1000万円の支払いなどを求める訴訟を地裁八王子支部に起こしました。
訴状などによると、同僚市議らは2007年4月以降、立候補前に風俗情報出版社に勤めていた薄井市議について、ホームページなどに「立候補する資格すらなく辞職すべき」「性風俗特殊営業の宣伝で、職業安定法などに違反した疑惑がある」などと掲載しました。コミュニティーFMラジオでも、同様の発言をしたとしています。
薄井市議は「犯罪への関与は事実無根」と主張しています。(*)
これまでにも市民新聞では繰り返しお伝えしてきましたが、薄井政美さんは昨年4月の東村山市議選で当選しましたが、市議の任期が始まった後も、昨年2月から始めたインターネットのアダルト動画サイトで、本人の実名、顔まで出して、ソープランドやヘルスなど、特殊性風俗について紹介する発言を続けていました。
「セクハラ情報」だとか「女性蔑視」「女性差別」などの厳しい批判に対して、薄井さんはこの間沈黙を守っていて、いっさい反論はしていませんでしたが、知り合いの性風俗評論家、風俗ライター、そして風俗嬢と呼ばれる関係者らが、インターネット上にホームページなどを作って、「薄井市議を守れ」などという宣伝活動をしていました。
はい。後半が読売新聞の記事でないことは、注意深く聞いていればいちおうわかるようになったようです。しかしこのあと矢野「市議」は、「この記事も前に紹介したんですが、ちょっと抜けていたところとかありましたので、えー、補った形にしたいと思ってるんですが」と前置きするだけでコメントを開始。何の説明も謝罪もありません。
これではたして読売が納得するのかどうか。少なくとも「訂正放送」と呼べるような代物ではなさそうです。矢野「市議」がかつてやっていたという学習塾では、「間違ったことをしたら、隠せ、ごまかせ、謝るな」と指導していたんですかね。
矢野「市議」のコメントもおもしろすぎるので、全部おこしてみました。あとで取り上げるところは太字にしてあります。
【矢野】はい、えーっとですね、この記事も前に紹介したんですが、ちょっと抜けていたところとかありましたので、えー、補った形にしたいと思ってるんですが。
えーっとですね、この「市議が市議を提訴」という、よくわからない記事なんですが、これは薄井市議という人物がですね、えー、私、矢野ほかを提訴したということなんですね。
で、この読売新聞の記事で、やはりちょっとこれ事実に反する部分、これはその、薄井市議が裁判所に提出した訴状自体に問題があるのかどうか、これからははっきりすると思うんですが、えーっとですね、こういうふうに書いてありましたね。訴状などによると、同僚市議らは2007年4月以降、立候補前に風俗情報出版社に勤めていた薄井市議について、ホームページなどに――というふうに書いてあります――「立候補する資格すらなく辞職すべき」というふうなことが書いてありますが、えっと、私たちがこの薄井市議について批判をしてるところというのはですね、立候補前に風俗情報出版社に勤めていた事実については何の問題も取り上げてないわけですね。特殊性風俗のソープとかヘルスとかに関する、そのー、出版物を出したり、あるいはアダルト動画サイトをやっているところに勤めていたということを問題にしているんではないんですね。
だからこの点については読売新聞は、ちょっと、訴状を引いたのかもしれませんが、「訴状などによると」というふうに書いてありますから、訴状を参考にしてこういうふうにまとめたっていうことなんでしょうが、えーっと、立候補前に性風俗関係の会社にいたからといってですね、このことを私どもは問題にしているというようなことは、いっさいありません。
これは何回もですね、前の番組でもお伝えしてるんですが、えーっと、こういうですね、えー、ソープランドとか、それからヘルスとかいう特殊性風俗の宣伝をですね、薄井という人物は、この関係する会社がやっていたアダルト動画サイトでですね、立候補を決めたときはもちろんのこと、それから立候補して、当選をして、そしてそのあとですね、市議の任期が始まった昨年の5月1日のあとも、このアダルト、アダルト動画サイトでソープランドとかヘルスとかの宣伝をいっしょうけんめいしてたわけですね。
で、この点について、自分で自ら、えー、削除してくれとかいう、あるいは削除しなきゃいけないとか、そういう意思をまるで、えー、表したことがない。どこが悪いんだという態度だったわけですね。
その点を市議として、あるいは立候補する人として、公職立候補者、公職候補者として適格なのか、資質に問題がないのかということを問題にしているわけでして、そこんところをですね、読売新聞もちょっと履き違えてるんじゃないかなということをお伝えしたいと思います。
性差別の問題を横において、「職業差別」だなんていうですね、ことを平気で言ってるんですが、ソープランドとか、あるいは性風俗の、えーっと、ヘルスというその業界がですね、職業として認められているかも大きな問題点ですから、このことと同時にですね、アダルト動画サイトでインターネットに自分の名前も顔も出して、えーっと、ソープランドとかですね、聞くに堪えないような、あー、ヘルスの内容についてですね、業界の内容について、非常に卑猥な態度でですね、いっしょうけんめいその宣伝の活動をしていた薄井市議についてですね、どういう、その、名誉、社会的な評価が低下したというですね、その社会的評価がもともとあったのかどうなのか、まあこのへんについてもですね、大きな争点ですので、ぜひともですね、はっきりと、えー、自分のどこに社会的評価が下がった点があるのか、ご主張になると思いますので、非常に興味のあるところですし、逆に私どもの名誉をかなり、職業差別などと言ってですね、えー、低下させた部分がありますので、この点もあわせて、この裁判では私のほうも、えー、問題としていきたいなというふうに、非常に興味を持って考えているということはお伝えしておきたいと思います。では次です。
はい。それにしても矢野「市議」はヘタを打ちましたね。前回の放送はうっかりミスなどではなく、意図的なねつ造だったことを自白しているようなものではありませんか。
うっかりミスということにして謝ってしまうという手も、矢野「市議」には残されていました。誰も信じてくれないにせよ、とりあえずとりつくろうことはできます。アシスタント・パーソナリティに責任をなすりつけてもよかったでしょう。無責任で卑怯な対応ではありますが、いまさらその程度のことで驚く人はおらず、「まあ矢野っちらしいよね」で済んだはずです。しかしこんなふうにこそこそと対応したことで、もはやその手は通用しなくなってしまいました。
また、前回の放送では読売新聞の記事内容については何も言っていなかったのに、今回はしきりにイチャモンをつけています。
「この『市議が市議を提訴』という、よくわからない記事なんですが」
「ちょっとこれ事実に反する部分〔がある〕」
「読売新聞もちょっと履き違えてるんじゃないかな」
だったら前回言っとけばよかったんじゃないかな。どうして急に「よくわからない記事」になってしまうんでしょうか。けっきょく、後半のねつ造部分を読売新聞の記事として偽装できなくなったためにこんなことを言い出したのは、明らかです。
薄井市議についても、前回は使わなかった「薄井(市議)という人物」という悪意のこもった表現も使ってますしね。どうせ読売新聞社から抗議があってこんな放送をしたのだろうと思いますが、よっぽど悔しかったんですね。
矢野「市議」のコメント内容も、呆れたものです。「薄井市議の前職は問題にしていない」というのは、「職業差別」だと全国から批判を受けてからあわてて言い出したことですが、よく言うよ。きりがないので、決定的な証拠をひとつだけ挙げておきましょう。矢野「市議」は、なぜかシンブンのサイトにはバックナンバーとして掲載されていない紙版「東村山市民新聞」158号(2007年8月29日付)第3面(発行人・矢野議員の頁)で、次のように述べています。
人権否定の性風俗(有害業務)関係者を議会で徘徊させるわけにはいきません。
はい、これが前職を問題にしている発言ではなくて何でしょうか。
「職業差別」と言われて名誉が低下したとも文句を言っていますが、いまさら何を言っているのか。性風俗を一方的に「存在自体が違法かつ反社会的」であると決めつけ、「存在を否定されたとしても、また差別されたとしても、許されない違法行為ですから当然の帰結」とか、「批判されたり、存在が否定されたり、差別されるのがいやなら、その『特殊性風俗=売春類似業を』やめればいいだけの話」などと、“聞くに堪えない”差別的言辞を弄してきたのはいったいどこのどいつなのか(たとえば〈「『職業』差別論」の破綻(総括)〉のページを参照)。
だいたい、この放送自体が下劣な差別意識に満ち満ちています。最後の段落など、「性風俗関係者に名誉とか社会的評価などはない」と言っているようなものです。アシスタントに読ませた元ねつ造記事の最後の部分で、矢野・朝木両「市議」に抗議して薄井市議を擁護した人々が「性風俗評論家、風俗ライター、そして風俗嬢と呼ばれる関係者ら」しかいなかったかのような印象操作をしているのも、性風俗関係者に対する社会的差別意識を利用し、強化しようとしているものにほかなりません。
まあ、今回の裁判を通じてこうした矢野「市議」の差別意識もどんどんあぶりだされていくことでしょう。“非常に興味を持って”見守らせていただきます。
【追記】ちなみに「中田」は「ナカダ」と読むのが正しいみたいですが、弁護士紹介のURLは「lower_nakata.html」。こういうのが気になる依頼人もいますので、業者にまかせきりにせずにちゃんとチェックしたほうがいいんじゃないでしょうか。あと、中田国際法律事務所には女性弁護士がひとりいたような気がするんですが、いま見るといませんね。気のせいかな。それとも辞めたのかな。