NPO法人の説明責任


「最終更新日」は24日午後11時ごろ「2008年5月25日」に変わっていました。金曜日の夕方から土曜日の夜にかけてお出かけすることが多いみたいですね。こんなことを書くと、「最終更新日」も修正されなくなってしまうかな。


さて、今日は薄井市議に関する「セクハラ」ねつ造文書提出1周年の記念日です。この間、この文書の扱いがどうなったのかについて、またそもそもいったい何がどう「セクハラ」なのかについて、申出人の朝木直子「市議」と黒幕の矢野穂積「市議」から公的な説明・報告がなされることはいっさいありませんでした。もうすぐ薄井市議が起こした名誉毀損訴訟の第1回口頭弁論(6月2日)だそうですから(OymyNews5月9日付記事)、どんな主張を繰り出してくるのか、“非常に関心を持って”見守ることにしましょう。


ちなみに、「越境通勤市議」言いがかり裁判の東京高裁判決(4月30日)からそろそろ1か月が経過しますが、これについても何の報告もなされていません。トップページにはあいかわらず、「取調べ」とか「ダメなものはダメ!」とか「最高裁判決の壁!」という空虚な言葉が踊っています。もう訴えてほしいと言ってるとしか思えません。早く佐藤市議から訴えてもらえるといいですね。


そんなわけでもはや「説明責任」を口にする資格などない矢野・朝木両「市議」ですが(5月11日付〈「偏向報道」を要求する矢野・朝木両「市議」の「説明責任」〉も参照)、NPO法人である「多摩レイクサイドFM」の場合、あるいはNPO法人になろうとしている「林檎の木」の場合、裁判に訴えられるまで口をつぐんでいればいいというわけにはいきません。どれだけ実効性が期待できるかは別として、「市民への説明要請」制度というのがあるからです。内閣府にも同様の制度があるようで、「NPO見張番」というすごい名前のコーナーも設けられていますが、ここでは東京都の制度にしぼって見ておきます。


東京都HP〈「市民への説明要請」の実施について〉によると、これは「NPO法人に関する情報をできる限り広く市民に提供し、市民による選択・監視機能が一層発揮されるための環境を整備するために」、東京都「NPO法の運用方針」(PDFファイル)をもとに設けられた制度です。次のような場合などに実施されることになっています(「運用方針」7ページ以下)。


*認証段階では、「市民からの情報提供等により、何らかの法令違反に該当することが推認されるなど、申請書類のみをもってしては法定の認証基準に適合することが積極的に示されているとは認められない場合」
*監督段階では、「報告徴収・立入検査(NPO法第41条第1項)、改善命令(同第42条)の対象となり得る要件が認められた場合」
*「事業報告書等の全部又は一部が提出されていなかった場合や、不完全な書類しか提出されていなかった場合」


このうち報告徴収・立入検査(NPO法第41条第1項)の対象となり得る要件は、「特定非営利活動法人が法令、法令に基づいてする行政庁の処分又は定款に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるとき」です。このような事実が認められたとき、あるいはNPO法人の「運営が著しく適正を欠くと認めるとき」には、改善命令(同第42条)の対象となる可能性があります。


同様に、NPOとして認められるためのそもそもの要件を満たさなくなった場合も、改善命令の対象となる場合があります。たとえば次のような要件があります(NPO法2条2項2号)。
(イ)宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
(ロ)政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
(ハ)特定の公職・・・の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。


市民から寄せられた情報にもとづき、以上のような問題があると都が判断した場合、都は当該NPO法人に対して「市民への説明」を要請し、1か月以内に都に報告するよう求めます。NPO法人から回答があればそれを都のHPに原則2か月間掲載しますし、報告期限を過ぎても回答がなければ、回答があるまでその旨が都のHPで公開され続けます(詳しくは〈都に市民から情報等を寄せられたときの対応〉参照)。


このように、けっこう条件が厳しいため、「多摩レイクサイドFM」や「林檎の木」との関連でどのぐらい“使える”かはわかりません。NPOの認証基準(上記イ〜ハ)にしても、「どうなる多摩レイクサイドFM」という記事(4月23日付)の末尾で触れたように、違反しているかどうかの判断はなかなかむずかしいでしょう。「邪(よこしま)教」の教義を広めているから上記(イ)に違反すると言っても、なかなか相手にしてもらえそうにありません。


もっとも薄井市議については、「ニュースわい曲ワイド多摩」での数々の放送が上記(ハ)に抵触すると言えるかもしれない。千葉さんに対する名誉毀損放送、読売新聞記事ねつ造放送など、放送法の趣旨に反する行為もたびたびやっていますから(「ねつ造・名誉毀損放送問題」のカテゴリー参照)、かかる法令違反を是正するための改善命令を要求してもいいのではないか。「林檎の木」の認証申請との関連でも、行政による改善指導に難癖をつけて応じようとしない人物が申請者ですから、やってみる価値はありそうです。


これまでに「市民への説明要請」が行なわれた例を見てみると、たいていは事業報告書等の未提出が理由となっているのですが、東京都文京区で地域通貨「mom」なるものを発行していたNPO法人「地域産業文化活性化フォーラム」への説明要請はなかなかおもしろい。ホームページの記載事項が定款の内容と異なることについても、説明が求められています。


私は多摩レイクサイドFMの定款は見ていませんが、全国NPO法人情報で検索すると、「この法人は、東村山市民等に対して、地域情報の伝達、社会教育の推進等の事業を行い、もった〔ママ〕地域文化の振興、福祉の増進、コミュニティ醸成等に寄与することを目的とする」と書いてありますから、定款にも同趣旨のことが書いてあるのでしょう。これが実際の放送内容とは相当異なることについては、「市民への説明要請」をすることができそうです。


ちなみに、上記検索結果ではNPO法人多摩レイクサイドFMの活動分野も見ることができますが、「人権の擁護又は平和の推進を図る活動」や「男女共同参画社会の形成の促進を図る活動」にはチェックが入っていません。だからどうだというわけでもないのですが、矢野・朝木両「市議」らしいなと感じます。


多摩レイクサイドFMについては他にいろいろ思うところもありますが、それはまた次回に。とりあえず5月15日付でサイトが更新されてるみたいなので、「はてなアンテナ」に多摩レイクサイドFMのトップページを加えておきました。


なお、最近「はてなダイアリー」の仕様が一部変更されて「続きを読む」が使いやすくなったのですが、「続きを読む」をクリックすると記事が文字化けしてしまうトラブルがときどき発生するようです。その場合はいったんトップに戻り、記事タイトル(本文または左のサイドバーの「最新タイトル」)をクリックして全文を表示してください。