矢野「市議」には保育が公的事業という自覚はあるのか(いやない)


6月18日付「更新」は「最終更新日」の修正のみだったようです。早くも失速でしょうか。


しかし、いつJASRACから(刑事)告訴されてもおかしくない多摩レイクサイドFMでは、あいかわらず好調に暴走しているようです。「さ〜さ、お耳を拝借〜(^v^)/」に、久しぶりに「ニュースわい曲ワイド多摩」(6月17日放送分)の音源がアップされていました。あいかわらず“きりやまあい”ちゃんがアシスタント・パーソナリティを務めています。


今回のネタは、毎日新聞東京版に掲載された「新銀行東京:都担当幹部の出張記録、明らかに――共産党都議団/東京」(6月13日付)という記事。情報公開制度の意義を述べる矢野「市議」のコメントは、しかし、即座におかしな方向に流れていきます。情報公開制度のおかげで、佐藤市議と、東村山市役所の保育担当者との“おかしな”つながりが明らかになったと、得意げに述べ始めるのです。


矢野「市議」の説明を、背景説明も加えながら要約すれば、こういうことです。


りんごっこ保育園から5月15日付で東村山市保健福祉部長に送付された「質問書」を、佐藤市議はその3日後に情報公開請求して取得し、その後ブログで公表した。
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佐藤市議の情報公開請求文書を情報公開でとってみたら、そこには「質問書」という文書名まで特定されていた。
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市の保育担当職員の誰かが佐藤市議に「質問書が届いている」ということを具体的に教えないかぎり、文書の存在自体、わからないはず。
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これは、「自分たちが職務上知り得た情報を伝えてはいけない」という地方公務員法34条に違反して佐藤市議に情報を提供した職員が存在することの証拠である。


そして、矢野「市議」は次のように述べています。

佐藤市議は、市内のりんごっこ保育園の問題について、ずっとですね、まあ半分嫌がらせめいた事柄を必死になってやってるんですが、その、生半可な情報の発信源というか提供元が、実は、東村山市役所の保育の担当の職員の中にいることが明らかにわかるような関係が、このことでばれちゃったということなんですね。
さすがに、保健福祉部長は、「守秘義務は大事な決まりなんで、これを守るようにしなきゃいけない」というような答弁をしてましたけれども、問題はですね、どうもおかしな人たちが、職員の中にもですね、いるということがはっきりしたんですね。
〔中略〕
いまの私がお話した、佐藤市議と東村山市役所の保育の担当の職員の中の誰かとが、えー、関係があって、いろいろと、ごちゃごちゃとおかしな動きをしているということがですね、このことでもわかるんじゃないかということです。


この人は何を言っているんでしょうか。


地方公務員法34条では、確かに、「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」と定められています。矢野・朝木両「市議」の一般質問通告書では、2(3)として「部長・児童課長と地方公務員法34条の守秘義務」という質問項目がありましたが、このことを指していたんですね。


地方公務員法のこの規定について、矢野「市議」は放送で「職務上知り得た情報を伝えてはいけない」などと言っています。「情報」と「秘密」ではぜんぜん意味が違ってきますので、言葉は厳密に使ってもらわないといけない。「職務上知り得た情報を伝えてはいけない」ということになれば、地方公務員はまったく仕事ができなくなります。


それはともかく、りんごっこ保育園の園長から東村山市保健福祉部に提出された「質問書」はここでいう「秘密」に当たるのでしょうか。


国家公務員法100条1項でも同様の守秘義務が定められていますが、行政解釈によれば、ここでいう「秘密」とは次のような事実を指します。地方公務員法でも同様と判断してよいでしょう。

秘密の指定の有無にかかわらず、一般に知られていない事実であって、他に知られないことについて相当の利益を有するもの、すなわち、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実


問題となっている「質問書」は、補助金を受けて運営されている認可保育園・りんごっこ保育園が、市所管から受けた改善指導との関連で提出した文書です。そこには、秘密にすべき個人情報等はいっさい含まれていません。むしろ、公益の観点からすれば公表することのほうが望ましい。秘密にしておく必要性がないからこそ、佐藤市議が情報公開請求したらすんなりと開示されたのでしょう。


佐藤市議が提出から3日後に情報公開請求をしたというのも、まったく不審な点はありません。市所管による改善指導に対し、りんごっこ保育園がどのように対応するのかは、公的な関心事です。まして、りんごっこ保育園は5月16日(金)厳守で必要書類の提出を求められていたのですから(20東保児発第28号「改善計画書等の提出について(通知)」5月1日付)、期限が過ぎれば、佐藤市議でも、他の市議やジャーナリストでも、市所管に「書類は提出されたか」という問い合わせぐらいするでしょう。所管としても、「質問書」なる文書が送られてきたことを隠す必要はありませんし、むしろ隠すべきではない。問い合わせがあれば、「求めていた書類の提出はありませんが、質問書なるものが送られてきました」と回答するでしょう。何の問題もありません。


それを守秘義務違反とか「おかしな動き」と騒ぎ立てる矢野「市議」は、保育の公的性質についてまったく理解していないようです。仕事として子どもを預かる以上、保育というのは、認可を受けているか否か、補助金をもらっているか否かに関わらず、公的事業なのです。


まして、認可保育園として多額の補助金を得ている以上、それは公共事業にほかなりません。職員や利用者のプライバシーに関わる事項であればともかく、基本的には透明な運営を前提としなければならないものです。


こんなことさえ理解しない人が「りんごっこ保育園の運営委員」であり、おまけに「市議」ですって? 冗談でしょ!?


しかし矢野「市議」は、自らが作り出した陰謀妄想を本気で信じているようです。「おかしな人たちが、職員の中にもですね、いるということがはっきりしたんですね」という発言は、音源ファイルの再生を開始してから5分ほどで出てきますが、その口調は実に嬉しそうです。笑うのを通り越して背筋が寒くなってきますが、こうでなければカルトチック集団・〈邪(よこしま)教〉の首魁などは務められないのでしょう。


放送の最後に、矢野「市議」は得意げに次のように述べています。

いまの世の中ですね、うっかりしたことをやると、自分のやってることが全部ばれちゃうという、重大なお話ですね。


本当にそのとおりですね。