「借金1億円!」の人々


今日も「最終更新日」の修正だけみたいですから、こちらも引き続き新聞記事の紹介でお茶を濁しておくとしましょうかね。エアフォース「りんごっこ保育園問題とは何か(第2部)」第14回で触れられていた、札幌市の認可保育所による借金隠し事件です。

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有印私文書偽造・行使:福祉法人、保育園認可で虚偽申請 /北海道
毎日新聞7月2日朝刊】◇札幌市、刑事告訴の方針
 札幌市は1日、社会福祉法人つばめ福祉会の女性理事(47)=当時=が法人設立の際に認可申請書を偽造していたと発表した。月内にも元理事を有印私文書偽造・行使などの疑いで刑事告訴する方針。
 市監査指導室によると、理事は03年、経営していた無認可の「こぶし共同保育所」を認可保育園にするため、社福法人の設立を市に申請。認可保育園の運営には自己資金が必要だが、申請書では借金があることを隠したうえ、NPO法人から寄付を受けたように偽装した。理事は「お金がなく、これしか方法がなかった」と偽造を認めているという。市の特別監査で今年6月に発覚し、理事は同30日付で解雇された。
 市は「巧妙、悪質で前代未聞の不正行為」として法人への行政処分を検討しているが、認可取り消しは行わない方針。同法人の栗原清昭監事は「理事会として正常化に向けて努力していく」と話した。【内藤陽】

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北海道新聞札幌の保育園 書類偽造し認可受ける 市、刑事告発を検討」(7月2日配信記事)でもう少し詳しく報告されていますが、要は認可保育所の設立時に必要な自己資金4000万円がなかったため借金をしたのに、それを隠していたという話です。認可保育所となって以降、市から支出されてきた運営費や補助金は4年間で約3億6000万円。


それでもまだ3000万円近い借金が残っているようで、自宅前の空き地を職員用駐車場にして月額6000円を徴収するやら、職員に寄附を強要するやらやっていたようです。元園長は『札幌プレハブ保育園』とか『だっこ練習ノート』などの著書も出していますが、そこでも「借金1億円!」などとフカシていたとか(北方ジャーナル公式ブログ7月1日7月9日付記事も参照)。


私財を投げうって」などと言いつつ、りんごっこ保育園の開設資金ほぼ全額(1億3500万円)を多摩中央信金(たましん)から借金していた高野園長の場合、市保健福祉部との協議の場にたましんの関係者が同席していたそうですから、刑事告訴される心配はなさそうですね。逆に言うと、札幌市では東村山市とは違って、借金を保育所設置のための「経済的基礎」と認めることなど最初から考えられなかったということでしょうか(エアフォース「りんごっこ保育園問題とは何か(第2部)」第11回も参照)。