りんごっこ保育園:市民が本当に知りたいこと ※加筆しました


まとまった記事を書いている時間がありませんので、とりあえず、「東村山市民新聞」のもうひとつの更新箇所(9月13日付)を簡単に報告しておきましょう。トップページに次のような見出しが登場しています。

都の定期監査で「りんごっこ保育園は、児童福祉施設最低基準の上で特に問題なし」の結論を講評、文書交付で終了。(9月10日)


ふーん。〈特に問題なし〉ですか。〈結論を講評〉という日本語もなんだか変ですが、まったく問題がなかったというわけではなさそうですね。


こういう場合、最近の「東村山市民新聞」の傾向からすれば、〈文書〉とやらのスキャン画像が勝ち誇ったかのようにアップされるのが通例だと思いますが、それはもうちょっと待っていればいいんでしょうか。それとも、監査結果の具体的内容については例によって教えてもらえないんでしょうか。


ところで、国庫補助金は返したんですか?


9月10日が最終期限だったそうですけど。


市民が説明してほしいことは他にも腐るほどあるはずですが、それにはいっさい答えずにこんな見出しを載せられても、不信感はさらに募るばかりですよ。


続きはあとで書きます。


・・・と書いてけっきょく翌日(14日)になってしまいましたが、いつのまにかりんごっこ保育園グループのHPにも、〈東京都の定例監査も特に問題もなく終わりました。〉という一文が9月15日付で加わっていました(9月1日付の更新については文末資料参照)。「定期監査」なのか「定例監査」なのか、はっきりさせてほしいものです。


この件については、「凪論」の凪さんが、〈東村山市の『りんごっこ保育園』問題 〜「定期監査」で「特に問題なし」という嘘〜〉という記事を書いてくれています。私には的確な要約が難しいので、それぞれお読みください。凪さんは、国庫補助金未返還問題についても〈東村山市の「りんごっこ保育園」問題に対する一方策〉という記事で触れており、住民監査請求を検討してはどうかと提案されています。


いずれにせよ、「東村山市民新聞」やりんごっこ保育園グループのHPで〈特に問題なし〉という中身のない報告を行なうだけでは、保護者・市民の不安や疑問を払拭することにはならず、かえって“何を隠したいんだろう”と思わせるだけでしょう。


そもそも、認可保育所である以上、児童福祉施設最低基準に違反していてはならないのは当たり前のことで、問題は、どうしてそれを市が確認・確保しようとするたびに大騒ぎになってしまうのかということです。「東村山市民新聞」では、市所管の対応や他の市議の議会質問については〈間抜け〉だの何だのと口汚く罵るくせに(6月16日付「保育関係者とは思えない攻撃性と口汚さから透けて見えるのは?」など参照)、具体的問題についての情報はまったくと言っていいほど明らかにしません。


児童福祉施設最低基準では、「保育所の長は、常に入所している乳児又は幼児の保護者と密接な連絡をとり、保育の内容等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない」(第36条)とも定められています。努力義務ですから、よっぽどのことがなければ基準違反とは判断されないでしょうが、誠実な努力が行なわれていれば、次のような不安の声が次々と市に寄せられることにはならないでしょうし、東村山市における転園希望者・実現者のおよそ4人に1人がりんごっこ保育園の園児という事態も生じないでしょう(いずれも佐藤市議の報告より)。


「保育士に笑顔が見られない」
「職員の入れ替わりが激しく子どもがなじめない」
「保育の方針が理解できない」
「緊急時の対応が不安」
「大量退職について十分な説明がない」
「土曜日の保育を急に頼むと受けてもらえない」
「玄関から中へ入れないので、何が行われているのかわからず非常に不安」
「園と信頼関係が持てない」
「中古の本や中古のおもちゃしかない」


また、児童福祉施設最低基準はあくまでも「最低」基準であり、保育所は「最低基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させなければならない」(第4条)とされていますが、この点についても同様です(3月31日付「保育環境維持向上の責任をどう考えるか」も参照)。。りんごっこ保育園では、保育材料費は全園平均の約10分の1に過ぎず、園児1人あたりの有効面積も3.96平方メートルとずば抜けて狭いことが明らかになっています。


この点も、基準に照らせば〈特に問題なし〉かもしれませんが、“だから文句を言うな”と言わんばかりの態度では、ご自慢の〈オールA評価〉が泣くというものです。保護者のロックアウト問題についても同じ(3月25日付「よい保育施設の選び方10か条」も参照)。


りんごっこ保育園側の不誠実な姿勢は、とうとう市所管をして、「今後は『協力をお願いする』という表現は用いない」と答弁させるに至りました(佐藤市議の報告参照)。国庫補助金未返還問題でも、市からの度重なる返還請求を3ヶ月近くも無視しているわけですから()、それも当たり前でしょう。本来、〈市民が行政・議会・一部のネット族を監視するための辛口情報紙・東村山市民新聞〉とやらで真っ先に取り上げるべき問題だと思うんですけどね。


このような不誠実・非協力的な姿勢がNPO法人化によって変わることは、まったく期待できません。NPO法人には理事会があるはずですが、そしてその構成はHPでは公開されていませんが、間違いなく矢野・朝木両「市議」が加わっていることでしょう。そもそも、島崎市議の記事によれば、今回の再認可申請は、市として設けている事前協議の手続を経ることなく行なわれたとのこと。最初から、市と協力する気などさらさらないということです。


このような園に、はたして安心して子どもを委ねることができるのか。認可申請に関する市の意見書は19日に都に提出されるそうで、数日前の記事では「そこからまた山場が始まりそうですね」と書きましたが、「市長へのEメール」などさまざまな手段を活用して、市民としての意見を伝えていくことはまだできるはずです。不安や疑問をお持ちの市民は、ぜひ忌憚のないご意見を市や都に伝えてください。


【資料】りんごっこ保育園グループのHP更新状況
あれこれと取り上げなければならない問題が多くて報告が伸び伸びになっていましたが、りんごっこ保育園グループのHPは9月1日付でトップページ【今月の取り組み】が更新され、〈暑さもおわり、収穫の秋、職員も元気いっぱいです。〉という一文が加わっていました。〈苦情処理について〉のページの更新は、前回と同じパターンです。


ちなみに今回(9月15日付)の更新では、上記の部分も〈収穫の秋、職員も園児も元気いっぱいです。〉と修正されていました。要は報告すべき取り組みなど行なえていないということですね。