第八保育園の指定管理者選定の経緯と矢野・朝木両「市議」の情報操作


東村山市議会の9月定例会も、明日(29日)が最終日ですね。「東村山市民新聞」はと言えば、28日付の更新はなく、28日午後4時前に「最終更新日」が29日付に修正されていただけでした。やっぱり「久米川駅東住宅管理費等不払い事件判決」については報告するつもりがなさそうです(「管理費未払い問題」のカテゴリーも参照)。


そういえば、トップページで〈官製談合疑惑の中心人物・市児童課長、9月17日の決算委員会で、社福法人・土の根会との癒着の事実を答弁拒否!〉とか、〈市立第8保育園業務委託(指定管理者選定)契約で、市児童課長らに官製談合の疑惑!疑惑急浮上で決定業者が返上騒ぎ。〉などと騒いでいる件についても、その後、動きがありませんねえ。やっぱり、りんごっこ保育園問題から目をそらすために騒いでいただけですか?(9月16日付〈「官製談合疑惑」は5年前の出来事の繰り返し?〉参照)


一方、矢野・朝木両「市議」とは違って指定管理者問題のことをきちんと考えている薄井市議は、〈第八保育園の指定管理者選定の経緯〉(9月24日付)と題する記事で、市所管の資料をもとにこれまでの経緯をまとめてくれています。


それでは、薄井市議がまとめてくれた経緯に、東村山市民新聞官製談合疑惑の「内部告発」も〉の記述を組み入れてみましょう。薄井市議の記事では、薄井市議自身による補足の部分が緑色の文字で示されていますが、ここでは「東村山市民新聞」の記述だけを区別して、桃色の文字で示します。市民に対する情報提供という面での、薄井市議と矢野・朝木両「市議」のスタンスの違いをおわかりいただけるでしょう。なお、「東村山市民新聞」の記事に付してある丸付数字は「#」の記号に変更するとともに、3羽の雀による補足を〔 〕で示しました。
【追記】(9月29日)薄井市議がその後アップしてくれたいくつかの関連資料にもリンクしました。

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昭和18年 戦時託児所として東京市が設立。戦後、児童福祉法が制定され、東京都立東村山保育園になる。
昭和63年 東京都が保育園運営等撤退、設置主体が東村山市となる。運営は暫定的に東京都福祉振興財団が肩代わりし、都の職員が派遣されて保育事業を展開。
平成9年4月 社会福祉法人ユーカリ福祉会に運営を委託し、公設民営園(園長=須藤氏)としてスタート。同時に延長保育、産休明け保育、障害児保育、地域活動、育児相談、都制度「一時保育」を始める。
平成12年4月 副園長の倉田新氏が園長となる。
平成14年4月 国制度「一時保育」定員10人で開始。野村明洋氏が園長となる。
平成15年9月 改正地方自治法の一部が改正され、「公の施設の管理」手法がこれまでの「管理受託者制度」から「指定管理者制度」に移行。3年の経過措置が設けられ、管理委託している施設については平成18年9月1日までに指定管理者制度による管理運営を行わなければならなくなった。
平成17年7月27日 保健福祉部児童課が「指定管理者制度に伴う第八保育園の考え方について」という文書を作成。保育事業は継続的かつ安定的でなければならないし、保育実績も問題なく、保護者からの苦情などもないことから、暫定期間5年を付加した条件付き特命とするよう検討を求めている。
平成17年8月9日 保健福祉部児童課が「第八保育園の指定管理者制度導入における方針」という文書を作成。暫定期間を3年とした条件をつけ特命とすることで決裁を求める。
平成17年10月 指定管理者制度に関する内容を盛り込んだ東村山市保育所条例を施行(指定管理期間は3年間とし、指定管理者制度への移行時であり、3年後にはプロポーザル等により指定管理者を選定することとした)。
平成17年12月2日 12月定例会で議案「東村山市立第八保育園の指定管理者の指定」が可決。
平成18年4月 社会福祉法人ユーカリ福祉会が指定管理者となり、現在に至る。
平成19年7月 指定管理者制度検討会が案として「制度導入に関する基本的な考え方について」をまとめる。
平成19年10月 「案」が取れ、「制度導入に関する基本的な考え方について」〔PDFファイル〕が市の方針となる。
#花さき保育園の運営主体は、社会福祉法人土の根会。
#昨年来、東村山市保健福祉部保育所管(児童課)ぐるみで、社会福祉法人土の根会の設立に関与した。
#今年3月まで、東村山市保健福祉部保育担当次長だった人物(3月退職)は社会福祉法人土の根会の設立に関与し、退職後4月から、社会福祉法人土の根会が運営する「花さき保育園」副園長に天下りした。(当然、この天下りした次長も「土の根会」設立に関与しており、自分の天下り先を、自分も関与して用意したことになる。)
#「花さき保育園」園長は、市長の諮問機関である児童育成計画推進部会の部会長を過去5年間継続して担当し、市長、部長、児童課長とも関係があった。

平成20年6月1日 「市報ひがしむらやま」6月1日号に「市立第八保育園 指定管理者募集」の記事が掲載される。
平成20年6月13日 保健福祉部児童課が「東村山市立第八保育園指定管理者募集要項」と「東村山市立第八保育園指定管理者選定委員会設置要綱」をまとめる。
平成20年6月15日 「市報ひがしむらやま」6月15日号に「東村山市立第八保育園 指定管理者選定委員を募集します」という市民委員公募の記事を掲載。
平成20年6月17日〜7月11日 募集要項の配布。
平成20年7月 東村山市第八保育園指定管理者選定委員会設置要綱の制定。
平成20年7月4日 公募市民委員が決定。
#来年3月で契約が切れる市立第8保育園の業務委託契約の受託者(指定管理者)を決定する選定委員会の委員を決定(保健福祉部保育所管行政側5名、一般市民側7名)
平成20年7月9日 午後7時〜9時、第1回指定管理者選定委員会。内容は委員紹介、指定管理者制度や保育園の沿革、委員会等の説明。
平成20年7月14日〜18日 指定管理者応募者の申請受付。
#次期契約のための申請受付が、7月14日から18日に行われた。児童課長は、市内市立園長会でも、さかんに、応募するようよびかけていた。(応募資格は近隣5市の範囲内で 現に保育事業の実績が必要。応募者は限定されていた。)
#結局、花さき保育園、現指定管理者のユーカリ福祉会、つばさ保育園(いずれも市内保育事業の運営者)が応募した。

平成20年8月1日 午後7時〜9時、第2回指定管理者選定委員会。内容は応募団体より提出された業務計画書等の内容確認。
平成20年8月4日 午後7時〜9時30分、第3回指定管理者選定委員会。内容は応募団体より提案された内容の選考・審査。
平成20年8月5日 午後7時〜9時30分、第4回指定管理者選定委員会。内容は応募団体より提案された内容の選考・審査。
#8月6日内部告発、市に。
平成20年8月7日 午後7時〜9時、第5回指定管理者選定委員会。内容は応募団体より提案された内容の選考・審査および第1位候補者の決定。
 《選定委員会の結果》
  1位 「社会福祉法人土の根会」12人中10人が1位推薦、総評価点数1560満点中1205点。
  2位 1184点
  3位 1130点
#8月7日、選定委員会で花さき保育園が契約の受注決定。(行政側5人選定委員の評価は、土の根会(花さき保育園)が33点ユーカリ福祉会より高かったため、市民委員7人の評価はユーカリ福祉会が土の根会より12点高かったが、行政側選定委員の評価が「土の根会」(花さき保育園)が受注する決め手になった。〔後略〕
東村山市HP「東村山市立第八保育園指定管理者選定審査評価項目表」も参照。〕
平成20年8月8日 「内部告発文書」を保険福祉部が受け取る(8月6日に広報広聴課FAX受信)。
#〔前略〕市は「内部告発」を「気づかなかった」とし、不正もなかったとして前記決定を変更しなかった。
#各紙取材開始(8月7日以降)

平成20年8月8日〜11日 東村山市談合情報取扱要領に基づく「随意契約に関する調査委員会」を設置(財務部・政策室が担当所管)。内容は選定委員会委員ならびに事務局に対し直接事情聴取。結果は「内部告発文書」で指摘のあった事実は、一切確認できず、市としては今回の選定は公正かつ適正に行われたと確認する。
東村山市HP「東村山市立第八保育園の指定管理者選定について」も参照。〕
#8月11日付けで第8保育園を守る会が「質問書」を市へ。質問書には以下の内容が含まれていた。
「質問書
 1−(1) 市と新指定管理者とされる法人との関わりについて
「7月22日に役所の職員が市内の某保育園の園長に『問題のあるユーカリには降りてもらい、土の根の新保(園長)さんか岡庭(副園長)さんが第8(保育園)に言ってもらうことになる』と言っていたということを聞いた父母が複数いる、事実なのか」
 1−(2)
「4月の時点で『市の方から頼まれて第8を引き受けることになったから』ということを新保園長本人が複数の花さき関係者に話していたと言うことを聞いた父母が複数いるが、事実なのか」

平成20年8月12日〜13日 12日に毎日新聞東京新聞が、13日に朝日新聞が「内部告発文書」について報道。
平成20年8月13日 「社会福祉法人土の根会」(第1位指定管理者候補)辞退届受理。現在の指定管理者「社会福祉法人ユーカリ福祉会」(第2位指定管理者候補)との調整を実施する。
#8月13日、花さき保育園・新保園長、各紙、疑惑の記事掲載で、応募申請を辞退の文書を市長に提出。
東村山市HP「東村山市立第八保育園の指定管理者選定について」では、「8月13日の午前中に、第1位として選定されていた候補者より、『子供たちを混乱に巻き込みたくないので辞退したい』との申し出があり、市としては慰留に努めましたが、決意が固くこれを受理いたしました」と説明されている。市長の記者会見骨子(8月13日)も参照。〕
平成20年8月25日 午後7時〜9時、第6回指定管理者選定委員会。内容は選定委員会の結果およびその後の経過等説明。
平成20年9月10日 午後7時〜9時、第7回指定管理者選定委員会。内容は「社会福祉法人ユーカリ福祉会」と意見交換。
平成20年9月17日 「社会福祉法人ユーカリ福祉会」へ平成21年度からの指定管理者として引き受けるかの意思確認。
平成20年9月 9月議会へ議案として上程。

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