「議席譲渡」棚上げ問題に見る〈草の根〉のプライバシー観


9月30日付および10月1日付の更新は「最終更新日」の修正のみでした。コピー屋タイプの自称「ジャーナリスト」瀬戸弘幸氏も、もう矢野・朝木両「市議」からネタをもらえなくなってしまったのか、9月26日付の記事を最後に東村山ネタが出てきません。「久米川駅東住宅管理費等不払い事件」判決は無理にしても、矢野「市議」が〈創価本部に勝訴確定!〉と騒いでいる『FORUM21』座談会名誉毀損裁判最高裁判決(6月17日)ぐらい、地裁・高裁判決とともに掲載してくださればよろしいのに(8月11日付〈早く判決を掲載してください〉等参照)。


一方、橋本玉泉さんはさっそく〈職業差別・セクハラ捏造事件〉の連載を開始しました。柳原滋雄さんの〈「草の根」の闇〉も3回まで進んでおり、本物のジャーナリストによるこのような動きを刺激したという点では、瀬戸氏の功績も認めなければなりますまい。怪我の功名ですけど。ちなみに、橋本さん、柳原さん、宇留嶋さんはAMSお笑いトリオ(この場合、Uが抜ける)とは違いますので、連載でも「つづくぜり」などとはけっして書きません。これからも書かないでください。


さて、私は9月27日付の記事に続き、矢野・朝木両「市議」のプライバシー観について触れておきましょうかね。


連絡先も告げずに松山市に帰ってしまった矢野「市議」と連絡をとろうと、議会事務局長心得が住民票や戸籍謄本を閲覧したことについて、矢野「市議」は「何やら変質性を感じるような行動ぶり」と評していました。しかし、同じ会派である朝木直子「市議」が、当然のことながら矢野「市議」の意を受けて、佐藤市議に対してストーカーまがいの行為を行なっていたことのほうに、いっそうの「変質性」を感じる人は多いでしょう。


何しろ、西口再開発問題をめぐる住民投票運動がまさに盛り上がっていたそのころ(薄井市議ブログの記事の末尾参照)、佐藤市議の家族が住む日野市のマンション前に不審な車を停め、ベランダの洗濯物を撮影したり、マンション内に立ち入ってドア付近を撮影したりしていたのですよ(論談・目安箱の投稿も参照)。しかもその“成果”を得々と「東村山市民新聞」152号(2006年10月31日付)などで報告しているのですよ。


このような行為について、矢野・朝木両「市議」は、東村山市民新聞〈答えて薄井さん!こんな人が市議に?!市議選第14位で当選した「薄井政美」という人物〉で次のように正当化しています。直接的には薄井市議に向かって呼びかけている文章ですが、佐藤市議にも触れているので引用しておきましょう。西口再開発問題について云々している点にも、注目。

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 あなたは「西口再開発」では行政に対して「説明責任」を果たすよう、そして情報公開を強く要求してきたはずです。「西口再開発」に反対ではないとしても、「百メートル再開発ビル」の見直しは叫んでいたのでしょう。
 今度は自分について「情報公開」をしなければなりません!「市議」は「公人」、公人の場合、プライバシーを丸裸にされても甘受せざるをえないときがあります。他人のプライバシーは公表する一方で、「越境通勤」しながら、生活の本拠が日野市多摩平にある事実を隠匿するために「プライバシー」を持ち出し逃げ隠れしている佐藤まさたかさんと同じようなことはしない方がよろしい、と思いますよ、いずれ、公の場で問題にされますから。佐藤さんの場合、「公人」であるとすれば、被選挙権はあるのか(「生活の本拠」はどこか)という根本問題につき、プライバシーを丸裸にされても甘受せざるをえないのです。あなたの場合も、「公人」としての基本にかかわる問題ですからネ。
 東村山市民新聞は、あなたが「辞職表明」され「公人」の立場を捨てることをしないかぎり、あなたの差別意識が公人としての立場で許されるか、について徹底して説明を求めていきます。

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まあ、このような理屈でストーカーまがいの行為が正当化されるかどうかはともかく、一般論としては、公人はプライバシーを一定程度制約されてもしかたがないというのは、間違っていません。


ところで、かの議席譲渡事件のとき、矢野穂積朝木直子両氏はどのような主張を行なっていたでしょうか(以下、敬称略。また、細かい事実関係は宇留嶋瑞郎『民主主義汚染』74〜79ページによる)。


議席譲渡事件で朝木直子がいかに不自然な住民票の移動を行なったかについては、とりあえず3月23日付〈「生活の本拠がない」といえば議席譲渡事件〉などを見ていただければと思いますが、ともあれ、朝木直子は1995年4月26日に松戸市に転出したので議員資格を失った、したがって矢野穂積を繰り上げ当選させるべきだというのが当時の〈草の根〉の主張でした。


これに疑問を抱いた「草の根グループの議席の私物化を許さない会」は、同年5月25日、朝木直子の最初の移転先を実際に訪問し、移転時期の確認を行なっています。その家には朝木大統(直子の父親)が住民登録をしていましたが、実際に住んでいるのは、大統が役員を務める会社の部下でした。その家の居住者に確認した結果、朝木直子がその家に移り住んできたのは、議員資格が発生する5月1日よりも前ではなく、5月3日であったことが判明したのです。


このような調査活動は、前記の矢野・朝木両「市議」の主張および実際の行動によれば当然正当化されるはずですが、矢野・朝木両「市議」は、1995年6月1日に市内にまいたビラで、次のように非難したといいます。

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新聞にコメントを発表した通り、朝木直子は松戸に住み、松戸市内で働き、生活している。第一、草の根・朝木直子公選法九九条適用に問題を生ずるような「間抜け」をするはずがない。市外に転出し、被選挙権喪失の事実を当選人・朝木直子自身が認めているのに、これに異議を申し立て、市選管の仕事を増やす、まるで法律の「ほ」の字も知らない支離滅裂! (or偏執症!?)……これに加えて、朝木直子の父親の会社まで電話する破廉恥なプライバシー侵害まで平気でやるのだから、よっぽど焦っているのだろうが、いくら嗅ぎ回っても、何も出てくるはずがない。今度は、これらの違法行為の責任を、〔許さない会〕関係者がとる番だ……

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いやはや、毎度のことながら、呆れますね。ミハルさんは、このような〈草の根〉の行動ぶりを「転写」というキーワードで分析していましたが、まことにおっしゃるとおりです。「草の根返し」(自分たちのやったことを「やっていない」というだけでなく、「それは他人がやって自分たちに汚名をきせてる」と相手への攻撃に利用すること)いう言葉もあります。


もっとも、「許さない会」関係者の調査には当然のことながら違法性はなく、矢野・朝木両「市議」が主張するような「違法行為の責任」をとらされることはありませんでした。一方、佐藤市議に対する「越境通勤市議」の言いがかりについては、矢野・朝木両「市議」の「違法行為の責任」を問う名誉毀損裁判が進行中です(佐藤市議の訴状参照)。


矢野・朝木両「市議」は薄井市議からも訴えられているわけですが、そろそろ「東村山市民新聞」でもこのあたりのことを報告してはいかがでしょうね。荒井さんに向かって「逃げ隠れしています」などと言っていますが、報告すべきことを報告せずにダンマリを決め込むのも立派な「逃げ隠れ」だと思いますよ。