ジャーナリズムは「飯の種」か、それとも「方法」「精神」か


東村山市民新聞」は、10日・11日付で「最終更新日」が修正されたのみ。多少なりとも中身のあった更新は、9月23日付の〈勝訴判決確定!〉がいまのところ最新で、市民に報告できるようなことをいかにやっていないかがわかります。この件については、C.I.L〈CAが矢野相手の判決をアレで確定させてしまったらしい。(笑いアリ)〉および〈例の送信防止処置についてご報告〉、ミハルちっく〈C.I.LとCAとミハル読み〉も参照。


さて、一部で波紋というか失笑を巻き起こした瀬戸弘幸氏の“オレは公人じゃないもん”宣言ですが、これについては松沢さんが〈お部屋1675/瀬戸弘幸、引退か?〉でつっこみ尽くしてくれました。引退する前に、『FORUM21』座談会名誉毀損裁判の地裁・高裁・最高裁判決を掲載してくださると助かります。〈創価本部に勝訴確定!〉という画期的な判決なんですから載せない理由はないはずなのに、「東村山市民新聞」は訴状提訴対象記事しか載せてくれないんですよね(8月11日付〈早く判決を掲載してください〉等参照)。


ところで瀬戸氏は、“オレは公人じゃないもん”宣言と同時に、“このブログはジャーナリストとして書いてるわけじゃないもん”宣言も行ないました。もともと自称「ジャーナリスト」に過ぎなかったわけですが、「行動するジャーナリストが現下の祖国日本に渾身の愛と力を込めて筆を揮う!」というブログのうたい文句も、修正を余儀なくされるでしょう。


発端は、10月9日付の記事のコメント欄(“オレは公人じゃないもん”宣言が行なわれたのと同じ場所)に投稿された、“編集者”を名乗る人物による問いかけでした。

初めてコメントを記します。
はじめまして。こんにちは。


瀬戸先生におたずねしたく思います。
先生は「ジャーナリスト」を自称されていらっしゃいますが、
日ごろからどのような「取材」をされているのでしょうか。
先生のブログは新聞からの記事引用ばかりで、
いうなれば「雑感」のみによって構成されております。
事件・自称の波紋を追うことも仕事のひとつかとは存じますが、
水中の石を掴むことこそ、ジャーナリスト本来の使命ではないでしょうか。


ネタを取る。掴む。調べる。関係者に当てる。ウラを取る。
さらに十分に咀嚼し、吐き出す(執筆する)。
その一連の流れをこなしてこそ、「ジャーナリズム」だと理解しております。
先生の一連の「仕事」には、その形跡を見ることができません。


また、先生は「世界戦略研究所」の代表を名乗っておられますが、
どうにも名前負けしているような印象も抱きます。
たとえば先生の「雑感」には、なんのウラ取りもありません。
これでは保守系論壇誌であっても、「商品」として流通させることはできません。


「ジャーナリスト」を自称されるのであれば、
一度、商業紙・誌でお仕事をされたらいかがでしょうか。
取材の手順、ウラ取りの方法、あるいは文字の運び方、
さらには著作権法まで(先生の著作権に対する姿勢は中国並みです)、
お勉強できることかと思います。


先生が日ごろからバカにしていらっしゃる「大手マスゴミ」の記者諸氏にしても、少なくとも「足で稼ぐ」ことの有効性は理解しているはずです。
「発表モノ」にせよ、「発生モノ」にせよ、動いてナンボの世界ですよ。


先生のご健筆をお祈り申し上げます。

Posted by 編集者 at 2008年10月09日 14:37


これに対する瀬戸氏の返答は、次のとおりです(参照しやすいよう、“編集者”氏の投稿を引用している部分は太字にした)。これに続いて若干の反論と逃亡宣言も行なわれていますが、それは文末に資料として掲載しました。

編集者さんへ


>日ごろからどのような「取材」をされているのでしょうか。
今日の夕方のエントリーをご覧下さい。単なる取材だけではなく、社会に役立つことをしていると自負しています。


>その一連の流れをこなしてこそ、「ジャーナリズム」だと理解しております。先生の一連の「仕事」には、その形跡を見ることができません。
本来の仕事をここに書くことはありませんよ。考えても見てください。私もそれで食べているのです。ブログに書くこととはまったく別なことですよ。


>一度、商業紙・誌でお仕事をされたらいかがでしょうか。
ご心配に及びません、そのような仕事も十分やってきました。


Posted by せと弘幸 at 2008年10月09日 18:43


商業紙・誌での仕事も「十分やってきました」というわりに、商業誌の「発行日」と実際の発売日が異なることも知らないのかというつっこみはさておき、まずは2番目の回答にご注目ください。ブログで書いていることは「ジャーナリズム」とはまったく無縁だそうです。「ジャーナリスト」を自称する瀬戸氏にとって、ジャーナリズムとは、“方法”や“精神”や“生き方”ではなく、あくまでも“飯の種”に過ぎないことが明らかになってしまいました。


「仕事」という言葉についても、非常に狭いとらえ方をしていますね。大辞泉を見ると、「仕事」という言葉には次のような意味があると解説されています。

し‐ごと【仕事】
《「し」はサ変動詞「す」の連用形。「仕」は当て字》
1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。「やりかけの―」「―が手につかない」
2 生計を立てる手段として従事する事柄。職業。「将来性のある―を探す」「金融関係の―に就く」
3 したこと。行動の結果。業績。「いい―を残す」
4 悪事をしたり、たくらんだりすること。しわざ。所業。「掏摸(すり)が集団で―をする」
〔後略〕


“編集者”氏が1ないし3の意味をこめて「先生の一連の『仕事』には・・・」という表現を用いたのは明らかですが、瀬戸氏は2の意味でしか「仕事」を理解していないというわけです。


次に、1番目の回答に戻りましょう。「日ごろからどのような『取材』をされているのでしょうか」という“編集者”氏の問いかけに対し、瀬戸氏は、「今日の夕方のエントリーをご覧下さい。単なる取材だけではなく、社会に役立つことをしていると自負しています」と答えています。


今日の夕方のエントリー」とは、〈東京入国管理局に要望を伝達:韓国人ホステスの偽装結婚を厳しく取り締まれ!〉という記事を指します。その書き出しは、こうです。


本日、午後1時に東京都品川区にある東京入国管理局に、偽装結婚をして日本に不法に居座っている韓国人女の拘束を直ちに行なうよう求めて取材と抗議に出向きました


ジャーナリストを名乗ろうがライターを名乗ろうが、少しでも「ジャーナリズム」をわきまえている者であれば、「取材と抗議」を同時に行なえるなどとは決して考えないでしょう。最初から「偽装結婚をして日本に不法に居座っている韓国人女の拘束を直ちに行なう」べきであるという結論を出しているのであれば、「取材」などという言葉を弄するべきではありません。


この人は、一事が万事この調子ですね。あらかじめ予断を持ち、あるいは一方的に結論を下しておきながら、それを修正するつもりもないくせに「取材」などと口にする。だから“瀬戸氏の「取材」は「恫喝」(ツラ貸せ)に過ぎない”などと言われるのです。


たとえば、佐藤市議と薄井市議について次のように書いていることがありました(9月5日付の記事)。

 このお二人はどうも皆さん方とお仲間のようです。実はこのお二人は創価学会とは何の関係もないーと語っておられるようです。
 いずれと言うか、近いうちに取材でお邪魔をしたいと考えています。
 創価学会と全く関係がない。
 そうですかね。直接なくとも、間接的くらいにはあるんじゃないんですか。勿論、その確証を得ているからこそ出向いて見ようと思っています。


サイバーエージェントについてもこんなことを書いていましたね(9月8日付の記事)。

 このようなブログ上の書き込みを許しているアメーバ・ブログを運営する株式会社サーバーエンジェント(社長:藤田晋)に対して、そのブログ契約者の発信者情報開示等請求事件に今回判決が下った。
 先ず、この大手プロバイダ(特定電気通信提供者)の余りにも社会常識に外れた今回の対応について先ずお知らせします。この判決が出たことで、私もこの会社に対しては近く訪問し、取材をさせて頂こうと思っています。


まあ、瀬戸氏がいかに「ジャーナリスト」の資質を欠いているかについては、今後も橋本玉泉さんがねちっこく明らかにしていってくれるでしょうから、私はこのぐらいにしておきます。とりあえず、「行動するジャーナリストが・・・」に代わるうたい文句を募集なさればいいのではないでしょうか。



【資料】“編集者”氏への回答の続き

編集者へ
>先生が日ごろからバカにしていらっしゃる「大手マスゴミ」の記者諸氏にしても、少なくとも「足で稼ぐ」ことの有効性は理解しているはずです。


これはトンデモナイ誤解ですね。私は取材している記者をたくさん知っており、そのような若い記者をバカにしたことは一度もありません。


あなたは、私のブログを余り読んでいませんね。というか、ほとんど読んだことがないでしょう。


 文部科学省の施設部関係者の事件の時に、ほとんどのマスコミが私のところに取材に来ました。そのことはブログに書いてあります。私はどの新聞社の記者にも平等に情報を提供しました。「足で稼ぐ」記者には優しく接していますよ。


Posted by せと弘幸 at 2008年10月09日 18:53




編集者さんへ
前のコメントが編集者へとなっていました。編集者さんへと訂正します。
この私のコメントへの返答は要りません。あなたとこのようなことで時間を無駄にしたくはないので、今は非常に忙しいので申し訳ありません。


Posted by せと弘幸 at 2008年10月09日 18:58