東京高裁に“判決の誤読”を厳しく指摘された矢野・朝木両「市議」
1月29日の東京高裁については、多くのブログが一斉に取り上げています(文末資料参照)。これほど関心が集中したのは昨年11月の「なめてんじゃねえぞこら」事件以来ではないかと思いますが、そのときよりもさらに注目度は高い模様。エアフォースでも〈創価問題新聞事件〉の連載が始まりましたので、この判決の持つ重大な意味が徐々に明らかになっていくでしょう。
高裁判決の速報が流れて丸1日経ちましたが、「東村山市民新聞」は「最終更新日」を1月31日付に修正しただけ。瀬戸サンもあいかわらず話をそらすばかりです。それにしても、いまごろ太田竜(龍)の名前を目にするとは思いませんでしたよ。
クロダイくんも同様です。「朝木明代(当時、東村山市議会議員)が転落死した事件」を無理やり「(以下、「殺害事件」という。)」と略した請願書*1を検察庁や警視庁に提出して気勢を上げたら、その翌日に東京高裁から
「本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できない」
とつっこみを入れられちゃって、あらあらまあまあ。本日31日の池袋街宣はどうするんでしょうね。今回の判決を無視して今後も「請願書」とやらの提出を呼びかけ続けるなら、数少ない支持者に対する背信行為であるとともに、職業倫理の観点からも重大な問題が提起されることになると思うんですけど。誰かコメント欄に投稿している人もいるとは思うんですが、承認してないんでしょうね。
高裁判決の話に戻りますが、すでに指摘されているように、今回の高裁判決の重要なポイントのひとつは、矢野穂積・朝木直子両「市議」が、過去の判決について誤った理解ないし宣伝をしてきたと明言していることです。
両「市議」は、『潮』事件判決、『月刊タイムス』事件判決、「第1次FMひがしむらやま裁判」判決の3つを「他殺」の決定的根拠として宣伝してきました。紙版「東村山市民新聞」最新号(161号、2009年1月15日付)第4面にも、あいかわらず次のように書かれています。
〈★「潮」「タイムス」「千葉副署長」判決で、他殺がはっきりした朝木議員殺害事件。犯人逮捕へ御協力を。〉
このうち「千葉副署長」判決というのが「第1次FMひがしむらやま裁判」判決です。「東村山市民新聞」では、トップページで次のように宣伝し、東京高裁判決(確定)も全文掲載しています。ただし、争点を同じくする「エフエム東村山・東村山市民新聞併合事件」(矢野・朝木両「市議」の敗訴が確定)については、いっさい報告していません(11月2日付〈千葉さん関連裁判で連戦連勝を偽装する矢野・朝木両「市議」〉参照)。
★07年6月20日、東京高裁判決で、矢野議員が勝訴確定!
▼自殺説強調のあの千葉元副署長が、また敗訴。判決書掲載
2007年6月20日の東京高裁判決では、確かに、
「少なくとも被控訴人が本件のアザを他殺を疑わせる証拠となるようなものであると信じたことについて、相当な理由があるというべきである」
と認定されています。しかしこれは、荒井さんがとっくの昔(2007年7月30日)に指摘している通り、そして私も2008年3月7日付〈議会でうっぱん晴らしをするのはやめてください〉等で指摘してきた通り、“矢野が他殺だと思い込んだとしても仕方がない面はある”というだけの話です。今回の東京高裁も、次のように述べて、このような理解を確認しました。
「本件損傷が他殺を疑わせる証拠となるようなものであることについての相当性について判断しただけで、その真実性については判断しておらず、まして、本件転落死が殺人事件であるとしたものでない」
もっとも、判決を嬉々として全文公開しているところから見て、矢野・朝木両「市議」は、この認定が他殺の証拠になると本気で思い込んでいた可能性はあります。だとすれば、両「市議」の無能さ(判決読解力や情報検証力のなさ)が証明されたというだけの話で済むかもしれません。
しかし、『潮』事件判決についてはそれでは済まない。今回の東京高裁判決では、同判決について次のように認定されています。
「女性市議が窃盗被疑事件の犯人の可能性は相当程度に達するものと思われるが、なお女性市議を本件被疑事件の犯人と断定するには足りない、女性市議の死因が自殺であるとみる余地は十分にあるが、なお女性市議が自殺したとの事実が真実であると認めるには足りないとしたものであり、本件転落死が殺人事件であること、及び女性市議が万引きをしていないことが真実であるとしたものではなく、控訴人ら主張の真実性を否定する趣旨であることが明らか」
要するに、朝木明代が万引き犯人である可能性は「相当程度に達する」し、朝木明代が自殺したと考える余地も「十分にある」とはいえ、いずれも“断定するだけの証拠はない”ということです。当事者が死亡した上、事情を最もよく知るはずの人物が捜査に非協力的態度を貫いたのですから、断定するに至らないのも無理はありません。あくまでも断定ができないだけで、“朝木明代は実際に万引きをしたし、転落死も自殺である”と考えてほぼ間違いないことには、変わりないのです。
しかし矢野・朝木両「市議」は、『潮』事件判決から、
「これらの事実を総合すると、なお亡明代が自殺したとの事実が真実であると認めるに足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」
という部分だけを恣意的に抜き出して、「他殺」「謀殺」の宣伝に利用してきました。これは明らかに意図的な虚偽宣伝です。瀬戸サンも、検察庁に再捜査の要望書を提出するにあたり、資料の中でこの部分的抜粋を引用しています。こんな虚偽宣伝に乗せられる方も乗せられる方ですが、虚偽宣伝を行なう方がより悪質なのは、言うまでもありません。
もうひとつの『月刊タイムス』事件判決については、今回の東京高裁判決で触れられているのかどうか、現段階では不明です。もっともこれも、2008年11月18日付〈「真相究明」のポーズをとり始めた?矢野・朝木両「市議」〉等の記事で繰り返し指摘してきた通り、基本的には『潮』事件判決と同様であって、「他殺」の根拠となるものではありません。
朝木「市議」は、紙版「東村山市民新聞」最新号(161号、2009年1月15日付)第4面の〈インサイド・リポート〉で、次のように記しています。
このへんについてはまた2008年回顧特集【裁判編】でまとめますが、果たして今回の東京高裁判決については公表するつもりがあるのでしょうか。まあないでしょうね。2008年11月28日付〈もはや犯罪的な裁判情報の操作と、だまされ続ける側の罪〉で書いたことが、ますます妥当するということになりそうです。
【資料】1月29日の東京高裁判決を取り上げた主なブログ
*Autocrat Watcher〈【判決】控訴審で警視庁元副署長が勝訴〉
*3羽の雀の日記〈朝木明代「謀殺」説を東京高裁が粉砕:“屈辱的敗訴”で“地獄を見る”羽目になった矢野・朝木両「市議」〉
*ブログマガジン エアフォース〈創価問題新聞事件 第1回〉
*ミハルちっく〈決定打!【矢野の妄言】を木っ端微塵する【裁判所の判決(意訳)】〉
*同〈内部告発の重大性〉
*同〈裁判所をなめんじゃねーぞコラ。〉
*C.I.L〈『朝木明代"他殺説"全否定』東村山問題に関する、実に大きな意味を持つ判決が出た〉
*松沢呉一の黒子の部屋〈お部屋1770/瀬戸的妄想の広げ方〉
*断片的な日々〈事実からしか真実は見えない〉
*清風匝地〈矢野穂積&朝木直子両氏終了のお知らせ。〉
*天上天下唯我独尊〈千葉氏が勝訴したらしい。〉
*日護会(笑)〈これは(笑)〉
*Mauii.jp〈創価問題新聞事件 控訴審で千葉氏が勝訴〉
*めくるめく集団ストーカー被害者の世界にようこそ 出張所〈偉人伝より簡単〉
*同〈BAKAと呼ばれた特攻兵器〉
*瀬戸先生!グーの根も出ません!〈終わりの始まり〉
*miracleさん〈奴も奴らの一味〉
*1:1月26日付〈知事になった行政書士と、痴事に走る行政書士〉の追記2のほか、凪論〈全部まとめて新風関連〉、断片的な日々〈黒田大輔氏による「請願書」の内容に関する検証1〉も参照。