千葉さんの提訴を「理解できない」と言う瀬戸弘幸の、理解できない主張


アジビラ」からついに「チラシの裏」と呼ぶ方がふさわしくなった「東村山市民新聞」は、2月10日付で「最終更新日」が修正されていました。


昨日付の記事でも注記しておいた通り、ブログランキングからは速攻で放逐されたようですが(当たり前)、〈東村山市民新聞を人気ブログランキング〉という呼びかけは削除されていません。登録時に用いた、


朝木明代議員謀殺事件を徹底究明! 疑惑の集団の必死の抵抗をはねのけ、謀殺事件を許さない社会正義を実現する地域新聞


という幻のキャッチコピー(もんさんなた5963さんが画像をキャプチャしています)は、サイトでは使わないんでしょうか。それとも、さすがに使えないんですかね。ちなみに、他のキャッチコピーとしては次のようなものがあります。どれをとっても羊頭狗肉の見本です。


徹底した調査・取材で税の使途や違法・不正、政治倫理違反に鋭いメス。行政・議会を市民が監視、コントロールするための辛口情報紙〉(トップページ
市民が行政・議会・一部のネット族を監視するための辛口情報紙・東村山市民新聞〉(他の一部ページ


さて、いまさらですが、瀬戸弘幸余りにも酷い不当な判決:「再現写真」の存在を消しにかかってきた。〉のうち、「前置き」と称する本文についてもいくつかつっこんでおきましょう。

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 東村山市の故朝木明代さんの万引き冤罪事件やビルから落とされて殺害された事件で、遺族の朝木直子市議と同僚の矢野穂積市議と、事件当時の東村山警察署の副所長であった千葉英司氏(以下敬称略)の間で民事訴訟が行われています。
 それも一つや二つではありません。事件発生から13年以上が経過しているというのに、事件の当事者の遺族を相手取って当時の副署長が訴えるなどというのは異常そのものです。
 千葉氏にしてみれば、「創価学会の手先などと言われて事件を隠蔽した」と書かれたことが、名誉の毀損に当たるということでの告訴なのでしょう。このような裁判は前述したようにいくつも行われており、互いに勝ったり負けたりでかなり複雑な展開が続いています。

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創価学会の手先などと言われて事件を隠蔽した』と書かれたことが、名誉の毀損に当たるということでの告訴」だと、ちゃんとわかってるじゃありませんか。どうして「異常そのもの」などと言うのでしょうね。


ただし、「互いに勝ったり負けたりでかなり複雑な展開が続いています」と認めているのは、ある程度評価できます。何しろ矢野・朝木両「市議」は千葉さんに敗訴した裁判については一切報告しませんしクロダイくんも、移送に関する意見書の中で、「訴訟の殆どが自身の敗訴確定や自らの訴えの取下げ」で終わっているなどとデタラメを書いているそうですから。


もっとも、「勝ったり負けたり」などと裁判を勝ち負けでしかとらえていないところは、やっぱり浅すぎます。最終的には“(何点差で)勝ったか負けたか”が問題になる野球やサッカーでさえ、ゲームの内容を無視して語ることはできないわけですが、裁判ではそれ以上に“判決の中身”を検討しなければなりません。


そして、2008年11月2日付〈千葉さん関連裁判で連戦連勝を偽装する矢野・朝木両「市議」〉でまとめておいた通り、矢野・朝木両「市議」側が勝ったと言っても、それは単に“名誉毀損とまでは言えない”と判断されただけです。けっきょく、内容的には矢野・朝木両「市議」が負け続けていると言わざるを得ません(ちなみに、勝ち負けだけを見ても、千葉さんの方がやや優勢です)。


それにも関わらず「誤認送検」だの「謀殺」だのと言い続け、他人にも虚偽情報を吹き込み、千葉さんが裁判という手段に訴えざるを得ない状況を作り出している矢野・朝木両「市議」の行動こそ、「異常そのもの」と評するにふさわしいと言えるでしょう(2008年10月18日付〈矢野・朝木両「市議」の3大“あきれた提訴!”〉も参照)。

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 しかし、最近千葉英司を支持している人達の間では、一番新しい地裁〔ママ〕の判決で、千葉への名誉毀損を認め10万円の支払いを矢野・朝木市議に命じた判決は画期的なもので、これは我々の主張を全て否定したものであるなどというコメントが見られました。
 さて、この件については何度も書いて来ましたが、我々はこの事件の再捜査を検察庁に求めていくと言う立場であり、それは理由があるからであって、この民事裁判で千葉が勝ったこととは全く関係のないことです。

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その「理由」というのはけっきょく「東京地方検察庁八王子支部への要望書及び質問書」に書いてあることに尽きるのですが、これまでの一連の裁判で、そして今回の1・29東京高裁判決で、その言い分がすべて粉砕されているということが問題なのです(1月31日付〈東京高裁に“判決の誤読”を厳しく指摘された矢野・朝木両「市議」〉および2月6日付〈東京高裁に証拠の信憑性を否定され、“事実に対する不誠実さ”まで指摘された矢野・朝木両「市議」〉も参照)。


したがって、あくまでも再捜査を要求するのであれば、今回の判決を引っ繰り返すだけの論拠を提示するか、新たな決定的証拠を提出するしかありません。それがなければ、再捜査を要求することには無理がありますし、不当な要求とさえ言えるでしょう。つまるところ「内部告発」が問題になってくるわけですが、P2Cさんが粛々と進めている検証作業(〈内部告発Returns(6)〜実際の捜査経過との不整合性〜〉もアップされました)を見ても、もはや期待はできないようですね。

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 私も同じような活動を行ってはいますが、現在のところ私への訴訟はありません。私の千葉英司に対する基本的な立場は明確に二つに分けてブログでも書き演説でもそのように訴えています。
(1)先ず万引き事件、転落死亡事件に関しては、千葉英司本人への批判ではなく、この事件を捜査した東村山警察署・八王子検察庁への捜査批判であり、個人的な批判ではない。
(2)万引き冤罪事件の舞台となった洋品店から出て来て、その現場を見に行った人に対しての発言、その行為に関しては、これは千葉英司本人の責任において行ったものであり、そのことに関しての記事や映像に関しては千葉英司個人への批判である。
 つまり、私は警察にいたときの千葉英司の件と、それ以外の件は明確に分けて考えるべきであると思っています。千葉が何故当時の公的な立場における捜査に関してまで、個人の立場で個人の名誉の侵害を主張するのかも、私には理解できない。

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*丸付数字はカッコ付数字に修正。


現在のところ私への訴訟はありません」という点については、名誉毀損を理由とする損害賠償請求の時効は3年であると、何度も指摘してきました。


千葉英司本人への批判ではなく、この事件を捜査した東村山警察署・八王子検察庁への捜査批判であり、個人的な批判ではない」という弁明も、おそらく通用しないでしょう。矢野・朝木両「市議」もしばしばこの種の主張を行なっており、確かにそれによって違法性を阻却されたこともありますが、その他の場合については千葉さん個人に対する名誉毀損の成立が認定されてきました。


瀬戸がこれまでに行なってきた批判にも、いちいち挙げませんが、千葉さん個人の名誉を毀損していると判断されそうなものは少なくありません。だいたい、西村裁判の第2回口頭弁論の告知で「第二回公判(対創価学会)のお知らせ」と書いていること自体、千葉さんが創価学会の一員ないし手下であると言っているようなもので、すでにアウトの可能性があります。ちなみに、第1回口頭弁論のときに用いていた、「訴えた人物は、何と疑惑の捜査を指揮した渦中の人! 千葉英司元副署長です」という表現を今回使っていないのは、何かの対策のつもりですかね。


公務員の場合、名誉毀損が認定される条件は確かに厳しくなりますが、だからといって何を言ってもいいというものではありません。刑法でも、公務員に対する名誉毀損が処罰されないのは、「事実の真否を判断し、真実であることの証明があったとき」に限られるとされています(第230条の2第3項)。真実性を立証できなければ、たとえ相手が(元)公務員であっても、名誉毀損は成立するのです。


公務員が「公的な立場」で行なった行動についてはどんなデタラメを言ってもいいということになれば、元軍人が大江健三郎岩波書店名誉毀損で訴えた「沖縄集団自決冤罪訴訟」も成り立たないということになります。瀬戸は、この裁判についてもやはり「私には理解できない」と言うのでしょうか。昨年12月6日の大阪街宣では、「大江健三郎は人権侵害を止めろ」などと書かれた垂れ幕の横で演説をしていたみたいですから、まさかそんなことはないでしょう。


それに、「千葉が何故当時の公的な立場における捜査に関してまで、個人の立場で個人の名誉の侵害を主張するのかも、私には理解できない」と言うのなら、市議としての言動を批判する請願を出されたら速攻で市民と紹介議員を提訴した矢野・朝木両「市議」をこそ批判していただきたいものです。


なお、瀬戸は洋品店襲撃事件についても「これを襲撃とかブログで書いている人に対しては刑事事件〔ママ〕に触れるものではないと申し上げておきます」などと書いていますが、これについては別途触れておきたいこともあるので、機会をあらためて取り上げます。


〔この記事は2月10日の夕方にアップしたものです。〕