否定された「検察官発言」を平気で宣伝し続ける司法無視の「東村山/北多摩市民新聞」


6月8日午後9時47分ごろ、「東村山市民新聞」の「最終更新日」が6月9日付に修正されました。〈「変えよう!議会を 親創価に」〉のページに、こんな囲みが登場しています。

「サンバ×スズ メ」が「スルー」したとき
 日本の「政治の恥部」が、おびえ、おののくさま、実に痛快じゃないか。「サンバ×スズ メ」が「スルー」したときは、都合がわるい、事態が悪化している証左だ。しっかり、みてや ろうじゃないか!


私が昨日付の記事で、「当の中村克サンは論談TVにクソみたいな駄文(8)(9)を掲載していましたが、今日はスルー」と書いていたのを見て「スルー」という言葉を覚えたような感じですが、どうして「サンバ×スズ メ」と一部を伏字にしたり空白を入れたりするのかは、よくわかりません。検索封じだとしたら矢野サンらしいですが、無駄だと思いますけどね。


ともあれ、矢野・朝木両「市議」が都合の悪いことをスルーしまくるのは、「事態が悪化している証左」であることはわかりました。そういえば、「北多摩市民新聞」でも、朝木明代市議の転落死を「殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」と認定した「創価問題新聞」事件は華麗にスルーして、
「(上腕部の皮膚変色痕に関する司法解剖鑑定書を)複数の法医学の専門家が調べ、『加害者と争った跡』といえるという鑑定をして以来、両議員側勝訴が続いている
なんて宣伝してましたね。


それにしても、東村山市議会6月定例会が開催中だというのに、これしか書くことがないんでしょうか。昨日はお2人とも委員会があり、まとまった記事を書く時間がなかったとしても理解できますが、7日(日)は、「集団ストーカー被害者」であり、「NPO法人テクノロジー犯罪ネットワーク」会員であり、日蓮正宗妙観講にも所属する方などといっしょに、「北多摩市民新聞」の配布にいそしまれたそうじゃありませんか。

昨日のポスティングの場所は、『朝木明代議員殺害事件』東村山市隣の、東大和市周辺地域を、日護会の黒田代表一行7名と矢野穂積市議、朝木直子市議と合同で配布いたしました。
〔中略〕
創価学会被害者の私がポスティングするとあって、前夜もかなりきつい電磁波での睡眠妨害があり睡眠不足状態でしたが、ですので、当日も相当な妨害工作が予想されており、私もかなり証拠撮影撮り等に気合が入っていたのですが、
黒田代表と朝木市議の防御作戦で、びっくりするくらい、妨害工作が殆どありませんでした。*1
(文字サイズの大小およびアンダーラインは原文ママ


このエネルギーを少しでも東村山市政の方に振り向けていただければいいんですけどねえ。(追記TINさんの記事を見て気付きましたが、その後、矢野・朝木両「市議」への言及は削除されていました。何かまずいことでもあったんですかねえ。ところで、「北多摩市民新聞」が置いてあるのは議会控室のテーブルらしいというのは、本当なんでしょうか。)


さて、このあたりで、「北多摩市民新聞」第2面でも〈創価本部が矢野議員に敗訴! 「創価側(信者)が事件に関与した疑いは否定できない」〉として大々的に取り上げられている『FORUM21』座談会裁判について、あらためて簡単に触れておきます。


すでに指摘しておいた通り、同記事はウェブ版「東村山市民新聞トップページの〈創価逆転敗訴確定判決」に関するアピール〉を若干アレンジしたものです。裁判および判決公表までの経過については、5月16日付〈東村山市政そっちのけで“○ンチ創価”を必死にアピールする矢野・朝木両「市議」〉で一通りまとめておきました。


要するに、4月19日付〈やっぱり“創価が殺したとまでは言ってない”という理由で勝訴したに過ぎなかった『FORUM21』座談会裁判〉で指摘した通りの裁判に過ぎず、どのへんが「カルト撲滅」につながるのかはさっぱりわからないのですが、矢野「市議」は、「創価側(信者)が事件に関与した疑いは否定できない」という、すでに裁判で信憑性が否定された「検察官発言」をいまだに持ち出し、情報操作を続けています。


すなわち、2月20日付〈「検事発言」の宣伝は“選挙が近くなるまであっためる”と言う矢野「市議」の真意は〉で推測しておいたことは、おおむね当たっていたということです。「選挙」というのが2年後の東村山市議会議員選挙ではなく今度の都議会議員選挙を指していた点は外れましたが、これとて、私が指摘しなかったら2年後まで“あっため”続けていた可能性もありましょう。


というわけで、この「検察官発言」の真実性・相当性をともに否定した地裁判決(PDFファイル)を簡単に見ておきます。なお、後述するように、「検察官発言」の真実性・相当性に関わる地裁判決の認定は控訴審でも覆されてはいません。


P2CさんがまとめWikiで整理してくれているように、矢野「市議」がその耳で聞いたという「検察官発言」の真実性・相当性は、東京地裁では、主に次の理由から否定されました。


(1)被告矢野の検察官の発言内容の趣旨に関する供述には著しい変化があること
(2)被告矢野は、その本人尋問において、平成10年7月5日に担当検察官と井田弁護士(創価学会側の弁護士)との間でなされた会話について、本件検察官発言以外に特に記憶していない旨供述するが、これは現場で検察官の発言を聞いていたとすれば不自然な供述であること
(3)井田弁護士は、証人尋問において、担当検察官が上記のような発言をした事実はない旨明確に供述している


東京地裁の認定内容は次の通りです(判決書〔PDFファイル〕20〜22ページ)。証拠挙示は省略し、読みやすいように適宜改行を入れました。太字は引用者(3羽の雀)によるものです。

 被告らは、本件検察官発言が真実であることの根拠として、(1)被告矢野が現認した事実であることのほか、(2)上記発言は、本件雑誌が発行される以前から東村山市民新聞等に掲載されていたにもかかわらず、これに対し原告が訴訟を提起するなどの対抗手段をとっていなかったことや、井田弁護士が、裁判所に提出した陳述書・・・に虚偽を記載してまで上記発言を否定しようとしたことは、いずれも、原告自身において上記発言が真実であると自認している証左であると主張し、被告矢野本人尋問の結果中にはこれに沿う供述部分がある。
 しかし、被告矢野は、上記認定のとおり、自ら現認したと主張する担当検察官の発言は本件不起訴処分がされた平成10年7月15日直後には、東村山市民新聞第97号(平成10年9月1日付け)や別件訴訟の本人尋問(平成11年11月15日実施)においては、原告が、朝木市議転落死事件そのものではなく、上記事件に至るまでの事件・嫌がらせに関与した疑いは否定できないとの趣旨であると述べていたところ、東村山市民新聞第125号(平成14年4月30日付け)以降は、「東村山の闇」(平成15年11月10日発行)、さらに本件検察官発言にあるように、原告が朝木市議転落死事件そのものに関余したとの趣旨であると主張するようになったもので、被告矢野の検察官の発言内容の趣旨に関する供述には著しい変遷があり
また、被告矢野は、その本人尋問において、同10年7月5日に担当検察官と井田弁護士との間でされた会話について、本件検察官発言以外に特に記憶していない旨供述するが、これは現場で検察官の発言を聞いていたとすれば不自然な供述といわざるを得ないのであり、
加えて、井田弁護士は、本件における証人尋問において、担当検察官が上記のような発言をした事実はない旨明確に記述していることにも照らすと、本件検察官発言を現認したとする被告矢野の供述は信用することができず、他にこれを認めるに足りる証拠もない
 上記1認定のとおり、原告は、本件検察官発言が本件雑誌が発行される以前に東村山市民新聞等に掲載されていたにもかかわらず、これらに対して訴訟を提起するなどしていないが、このような事情をもって、原告において上記発言が真実であると自認していることの証左であるなどということもできない。
〔中略、2009年8月29日付〈「検察官発言」をめぐり矢野「市議」が隠していた裁判例〉参照〕
 以上のとおり、被告らが本件検察官発言が真実であることの根拠とするところは、いずれもこれを採用することができず、他に本件検察官発言を真実であると認めるに足りる証拠はない
〔中略〕
 ・・・また、上記のとおり、被告乙骨〔『FORUM21』発行人〕は、本件検察官発言を掲載するにあたり、被告矢野に対する取材しか行っていないが、これは、上記発言を含む本件記事が、原告が朝木市議転落死事件に関与したとの極めて社会的影響の大きい事実を摘示するものであることに照らすと、裏付け取材として十分なものであったとは言い難い。そうすると、被告らの本件検察官発言を真実であると信ずることについて相当の理由があった旨の主張は理由がなく、他にこれを認めるに足りる証拠もない
 以上のとおりであって、朝木市議転落死事件が他殺であり、これに原告が関与しているとの摘示事実につき、その重要な部分について真実であることの証明はなく、また、被告らにはこれを真実と信じたことについて相当の理由もないから、被告らは、原告に対し、連帯して名誉毀損による不法行為責任を負うというべきである。


地裁判決では、『FORUM21』の座談会が「朝木明代市議転落死事件は自殺ではなく他殺であり、これに創価学会が関与しているとの事実を摘示し、もって、一般人にその旨の印象を与えるものであると認められる」(判決書18ページ)という前提に立って以上のような認定を行ない、「検察官発言」についても、「朝木明代市議転落死事件は自殺ではなく他殺であり、これに創価学会が関与している」という主張についても、その真実性・相当性を否定しました。


他方、東京高裁は、「本件記事は、朝木市議転落死事件は、創価学会が朝木明代市議を殺害した『他殺』事件であるとの事実を、明示的にも黙示的にも摘示するものとはいえないから、創価学会の名誉を毀損するものということはできない」(判決書〔PDFファイル〕9〜10ページ)、すなわち“矢野「市議」らは創価学会が朝木明代を殺したとまでは言っていない”と認定しましたので、「その余については判断するまでもな」い(判決書10ページ)として、「検察官発言」についても、朝木明代市議の転落死が自殺か他殺かについても、その真実性・相当性については何ら踏み込んでいません。


したがって、地裁判決のうち、「検察官発言」の真実性・相当性を否定した部分、そして「朝木市議転落死事件が他殺であり、これに原告が関与しているとの摘示事実につき、その重要な部分について真実であることの証明はなく、また、被告らにはこれを真実と信じたことについて相当の理由もない」と認定した部分は、矢野「市議」らの言う「最高裁確定判決」(東京高裁判決〔PDFファイル〕)によっても覆されてはいないというわけです。


それなのに、矢野「市議」らは、「最高裁確定判決が、・・・創価側(信者)に事件関与の疑いが『否定できない』とした検察官発言について、はっきりと言及している」などと書いて、「検察官発言」の信憑性が否定されたままであることをごまかそうとしています。そりゃ、争点になっているわけですから判決で「言及」されるのは当たり前ですが、そこでどのような認定が行なわれたかについては触れないのが姑息なところです。


では、東京高裁判決(PDFファイル)が「検察官発言」にどのように「言及」しているのか、あらためて見ておきましょう。

(3)本件問題部分については、その内容が、控訴人矢野が別件で担当検察官と話していた際、たまたま創価学会代理人から架かってきた電話を聞いたというものであり、電話の相手である井田弁護士の発言を直接聞いたものでなく、検察官発言部分がどのようなやり取りの中でされたものであるかが明確でないことは、本件問題部分の文面から明らかであること、検察官発言部分に続いて井田弁護士がこのような会話があったことを否定している旨が記載されていることに加えて、問題とされている検察官の発言が「創価学会側(信者)が」事件に関与した「疑い」が「否定できない」というものであることに照らすと、本件問題部分を一般読者の普通の注意と読み方を基準として読んだ場合、創価学会が朝木明代市議を殺害したとの印象を持つことはないと認められる。(判決書9ページ)

要するに、座談会で「検察官発言」に触れている箇所は創価学会に対する名誉毀損とは認められないから、その真実性・相当性については東京高裁として判断するまでもないということです。


5月16日付〈東村山市政そっちのけで“○ンチ創価”を必死にアピールする矢野・朝木両「市議」〉でも指摘したように、被告である乙骨・矢野「市議」側が“創価が殺したとまでは言ってませんよ”などと逃げたりせず、“ええ、確かに創価学会が殺したと言っているのです”と堂々と主張していれば、このような結果にはならなかったでしょう。「検察官発言」についても、朝木明代市議転落死事件が「他殺」であったかどうかについても、東京高裁および最高裁でその真実性・相当性に関する判断が下されることになったはずです。


それをしなかったのですから、『FORUM21』座談会裁判を“創価学会との闘い”に位置づけることには根本的に無理があります。普通の人なら、「適当な情報を吹き込みやがって、なめるな」とか「こんな宣伝はかえって敵を利することになる」などと怒り出すところですが、矢野・朝木両「市議」の周辺に集まるのは、もはやその程度の判断力もない人ばかりです。


「北多摩市民新聞」には、さらに次のような記述もあります。

創価本部はこれまで朝木明代議員殺害事件を「東村山デマ事件」など〔と〕呼んできましたが、この確定判決で「デマ」とはいえなくなりました。


この記述自体がデマであることについては、もはや説明を要しないでしょう。これと同類のデマが他にも山のように存在すること自体、朝木明代市議転落死事件の本質を示していると判断することができます。

*1:【追記】(6月11日)ちなみに、これの下の方には、「PM0:05 有志の1人の方が、1時間くらい遅刻してしまったので、朝木市議の車で、最初の配布地域の、清原団地に向かう」、「PM2:32 近くのサイゼリアまで移動したのだが、満席だったので、東大和駅付近に移動する為に、朝木市議に迎えに来てもらう為に待っていたら」、「PM2:49 朝木仕儀〔ママ〕に、東大和駅まで送って頂き」との記述も見られる(太字は引用者=3羽の雀)。