「朝木明代議員は限りなく他殺だ」――瀬戸サン、ごくろう様でした


何だよ「もやもや軍団」って。何だよ〈ミスター・ロンリー(2)〉って。


それはさておき、どうやら『東村山の闇』事件も確定したようで、瀬戸弘幸サンが7月24日午後6時45分に〈<活動報告>最高裁判所への抗議行動(前編)〉と題するエントリーをアップしたかと思えば、「東村山市民新聞」が同午後7時52分ごろトップページを更新し(7月25日付)、〈最高裁がついに最終判断!「東村山の闇」訴訟で、チバ副署長の逆転敗訴確定。(090714)〉という囲み記事(文末資料参照)を掲載しました。仲のおよろしいことで。


その内容はあまりにも予想通りで、脱力するほどです。脱糞まではしないで済みましたが。


「7月3日の「創価問題新聞」事件の〕確定よりも14日の『東村山の闇』事件の〕確定のほうが断然重いのは当たり前である」瀬戸サン


最高裁は・・・7月14日の決定で、これら「創価問題新聞」事件における認定内容〕をすべて否定する最終的判断を下したことになります。 チバ元副署長、ごくろう様でした」(「東村山市民新聞」)


案の定、『東村山の闇』事件判決によって「創価問題新聞」事件判決が覆されたかのような姑息な印象操作を行なおうとしているわけです。あたかもこのような騒ぎを見越したかのようにエアフォースで〈「創価問題新聞事件」最高裁判決〉の連載を開始した宇留嶋さんは、超能力者でしょうか(〈創価問題新聞事件〉の連載も参照)。あるいは、宇留嶋さんがこの連載を始めたから、何らかの理由で様子見していた矢野・瀬戸一派も我慢できなくなって口を開くことにしたんですかね。


このような対応は7月5日付〈「他殺」説を粉砕した1・29東京高裁判決が確定〉で予想した通りであり、P2Cさんの言葉を借りてあらかじめ粉砕済みです。あらためて、2つの判決に関するP2Cさんのまとめを掲げておきましょう(追記:この記事を書いた後に確認したら、P2Cさんがすでに〈「東村山の闇」事件の東京高裁判決の確定に思うこと〉という記事をアップしていました。まとめの表現がより厳密になっていますので、以下の引用も差し替えておきます。太字は引用者=3羽の雀)。

(1) 矢野市議や朝木市議が、「本件転落死について他殺の『可能性を示す』証拠がある」と信じたことに相当性がなかったとはいえない。
 しかし,両事件の審理において矢野市議及び朝木市議が提出した証拠によっては、「本件転落死が殺人事件であること」が真実であるとは到底認められないし,また、そのように信じる相当性も認められない。
(2) 矢野市議や朝木市議が,「明代が犯人でないことを『うかがわせる』証拠がある」と信じたことに相当性がなかったとはいえない。
 しかし、両事件の審理において矢野市議及び朝木市議が提出した証拠によっては、「明代が万引きをしていないこと(本件窃盗被疑事件がえん罪であること)」が真実であるとは認められないし、また、そのように信じる相当性も認められない。


さらに詳しくは、P2Cさんの連載〈『創価問題新聞』事件と『東村山の闇』事件〉を参照。


無知と妄想にいよいよ磨きがかかっている瀬戸サンのエントリーに対してはいちいちつっこむ気も起きませんが、どうやら後編があるみたいですから、それを見てまた考えます。「東村山市民新聞」の記述は、矢野穂積朝木直子両「市議」の虚偽宣伝体質のサンプルとして少し詳しく検討する価値がありますが、もはや歴史的検証の対象に過ぎませんから、これも日を改めてやります。


それにしても、瀬戸サンたちが最高裁のお仕事を邪魔しに行ったときの写真を見ると、瀬戸サン、西村サン、クロダイくん、槇泰智(まき・やすとも)を始め、オールスター総出演といった趣ですね。当の矢野・朝木両「市議」の姿は見当たらないようですけれども。


その中でひときわ目立つのが、左上の写真に写っている横断幕の文字です。

殺人を「自殺」にすり替えた最高裁
創価学会に屈服した最高裁を許すな
朝木明代議員は限りなく他殺だ


内容からして、7月3日の「創価問題新聞」事件確定を受けて作られた横断幕ですが、「限りなく他殺だ」ですか。


矢野・朝木両「市議」は、『潮』事件『月刊タイムス』事件および第1次FMひがしむらやま事件の3つの判決で「他殺がはっきりした」などと宣伝してきていますけれども、それがデタラメであることには何となくお気づきになったようですね(1月31日付〈東京高裁に“判決の誤読”を厳しく指摘された矢野・朝木両「市議」〉、6月17日付〈他人を「ど素人」呼ばわりする矢野穂積「市議」の「判決書を読む力」〉参照)。


また、この期に及んで「限りなく他殺だ」などと言っているということは、3名の「犯人」(または「犯人と思われる人物」)が特定されていたなどという「内部告発」はガセネタであった(または存在しなかった)ことを、全面的に認めたということですね。


槇泰智も、6月14日に東村山周辺で行なった街宣では「明らかに創価学会による犯罪」と断定しておきながら、7月22日の街宣では
創価学会の犯罪であるということが強く懸念されている」
「限りなく創価学会による殺人に近い犯罪」

などと発言をトーンダウンさせているようですし、みなさん、本当にごくろう様でした。


もっとも、「限りなく」さえつければ名誉毀損が成立しないというわけではありませんから、どうせ後退するならもっと徹底的に後退した方がいいですよ。少なくとも、矢野・朝木両「市議」の水準ぐらいまでは後退する必要があるでしょう。


ちなみに、東京高裁が『東村山の闇』の記述についてかろうじて「相当性」を認めたのは、同書の出版時点(2003年11月)で存在していた資料に基づく判断であったことに注意する必要があります(詳しくはP2Cさんの〈名誉毀損訴訟における相当性の判断基準時(1)〉を参照)。


また、「創価問題新聞」事件の東京高裁判決では、「〔朝木〕明代が転落前に人と争った気配はないこと、明代が転落後に意識があるのに、救助を求めていないこと、明代が落ちたことを否定したこと、明代が転落箇所から真下に落下していること等」、他殺でないことをうかがわせる事実があるのに、「これらの事実を無視又は等閑視して、・・・本件転落死が他殺であると信じるについて相当の理由があったということはできない」とも認定されています。いちいち細かくは申し上げませんが、この点にも注意しておいた方がよろしいでしょう。



【資料】東村山市民新聞トップページに登場した囲み記事(7月25日付)

最高裁がついに最終判断!
「東村山の闇」訴訟で、チバ副署長の逆転敗訴確定。

(090714)
 95年9月1日に東村山駅前ビルから落とされ殺害された朝木明代議員殺害事件に関して、矢野議員と朝木直子議員が出版した著書「東村山の闇」の記述が名誉毀損だとして、事件当時の捜査を指揮した千葉英司・東村山警察署元副署長が、矢野、朝木両議員を提訴していた裁判で、千葉英司元副署長が東京高裁の逆転敗訴判決(090325)を不服として、珍しく代理人(佐竹俊之弁護士)を立てて、最高裁に上告受理申し立てを行っていましたが、7月14日、最高裁は、千葉元副署長の申し立てを却下する決定を行い、最終的に、矢野、朝木両議員の勝訴が確定しました。
 この結果、千葉元副署長が、これまで矢野、朝木両議員を提訴した合計11件の裁判がすべて終了し、最高裁の最終的な朝木明代議員殺害事件に対する判断が示されたことになります。
 千葉元副署長は、朝木明代議員殺害事件に関して、矢野議員と朝木直子議員が出版した著書「東村山の闇」の記述が名誉毀損だとして提訴していましたが、第1審東京地裁判決は千葉元副署長を勝訴させていました。しかし、東京高裁はさる3月25日、この第1審判決を全部取り消し、矢野議員と朝木議員の逆転勝訴の判決を言渡しました。これを不服として千葉元副署長が最高裁に上告の手続きをとっていたものです。
 千葉元副署長が最高裁に上告した後、東京高裁から最高裁に関係書類が届いたのは6月22日でしたが、最高裁は、わずか20日あまりの審理で、千葉元副署長の上告受理申し立てを却下しました。いかに、東京高裁の判決に全く問題がなかったかが裏付けられる経過だったということができます
 最高裁で確定したこの判決は、朝木明代議員殺害事件を「万引き苦に自殺」と結論づけた千葉元副署長の指揮した捜査が不十分と言われても仕方がない点があり、朝木明代議員殺害事件に関する、矢野議員と朝木直子議員が出版したこの「東村山の闇」という著書の記述には、違法性がなく不法行為は成立しないとし、矢野議員らが逆転勝訴が確定しました。
 この最高裁決定の11日まえの7月3日には、同じく千葉副署長が提訴していた「創価問題新聞」で、最高裁は、東京高裁(7民)の事実を意図的に書き換えた判決を追認する決定をだしていましたが、最高裁はその直後の7月14日の決定で、これらをすべて否定する最終的判断を下したことになります。 チバ元副署長、ごくろう様でした。