矢野・朝木両「市議」の情報操作に乗せられっぱなしの哀しいゼリーグループ


東村山市民新聞の10月16日付更新(2009/10/15 20:54:44)更新は、「最終更新日」の修正のみでした。


また、まきやすとも・写真著作権侵害裁判の第2回口頭弁論は、あっさり終了した模様です*1。裁判を長引かせたら損害賠償の金利が膨らむだけですから、裁判官忌避申立てとか反訴とかやってないで、なるべくサクサク進めた方がいいと思うんですけどね。


被告のまきやすともは、今日は関西人を小馬鹿にしながら「『大阪』って所」に行くみたいですから、裁判の報告は後日になるのでしょう*2。「異性人の惑星」には、私もちょっと行ってみたいかな。



いろいろネタがたまっているのですが、今日は軽めの記事で済ませることにして、街宣名誉毀損裁判における被告(西村修平)側の主張につっこんでおくとしましょう。以下、エアフォース〈西村修平事件第5回口頭弁論(その1)〉より、準備書面3の要旨を順次抜粋。

1 朝木明代の万引き被疑事件は冤罪であり、転落死事件は殺人事件である。ところが千葉は、捜査責任者として当然なすべき基礎的な捜査もしないまま書類送検し、転落死事件については、捜査もしないうちから「万引き事件を苦にした自殺で事件性は薄い」と広報した。
 転落死事件は東京地検八王子支部が殺人被疑事件として司法解剖の手続をとっていながら、司法解剖の鑑定結果が出る前に東村山署は「自殺」として捜査を打ち切り、地検八王子支部も不起訴処分とした。これは捜査機関が遵守すべき犯罪捜査規範の規定に違反した著しい不公正な捜査であって、日本国民の警察及び検察に対する伝統的な強い信頼を根本から揺るがすもので、許されない。


朝木明代の万引き被疑事件は冤罪であり、転落死事件は殺人事件である」という主張も、千葉さんの責任のもとで行なわれた捜査および広報が著しく不公正な(または違法な)ものであったという主張も、これまでの一連の裁判で片っ端から真実性を否定されてきています。


矢野・朝木両「市議」や瀬戸サンたちが頼みの綱にしている『東村山の闇』事件控訴審判決にしても、千葉さんが「捜査の早期の段階から本件転落死事件について自殺説を採り、また明代が本件窃盗被疑事件の犯人であると判断していた事実」を認めたに過ぎず(判決書35ページ、アンダーラインは引用者=3羽の雀)、千葉さんが「捜査責任者として当然なすべき基礎的な捜査」を行なっていないとか、「捜査もしないうちから・・・広報した」ことまでは認定していません。瀬戸サンは、このような認定が行なわれたことをもって、
「千葉元副署長は証拠もないのに万引きの犯人は朝木明代さんであると断定していた」
「東村山署が朝木さんを証拠もないのに万引き犯として、早期の段階から自殺と断定してしまった」

とまで言ってしまうわけですが、どこまでオッチョコチョイなのかと。


司法解剖の鑑定結果が出る前に東村山署は『自殺』として捜査を打ち切り、地検八王子支部も不起訴処分とした」という主張も間違っています。司法解剖鑑定書の作成日が1998(平成10)年7月21日であることに基づく主張と思われますが、この点については宇留嶋さんが次のように説明している通りです。

・・・通常、司法解剖鑑定書が作成されるのは他殺が強く疑われる場合(公判に必要な場合)である。明代の転落死については、救急車の出動を断ったなどの捜査結果から、ほぼ自殺と断定されていた。だから司法解剖はしたものの鑑定書の作成までは要求しなかったということにすぎない。
 矢野らは「司法解剖鑑定書が作成されていないのに自殺と結論づけたのは根拠がない」などとも主張しているが、警察は司法解剖に立ち会い、解剖医の説明を基に司法解剖鑑定書に匹敵するほどのきわめて詳細な「解剖立会報告書」を作成している。したがって、司法解剖鑑定書が作成されないままに「自殺」と結論づけたとしても、そのことをもって捜査が不十分だという根拠にはならない。解剖立会報告書が司法解剖鑑定書に代わるものとして捜査書類とともに送検され、その結果、東京地検は〔1997年4月14日に〕「自殺の疑いが濃い」とする結論を公表したのである。
(エアフォース〈エフエム東村山・東村山市民新聞併合事件最高裁判決〉)


次に、被告(西村修平)側は報道の問題を取り上げています。これまた、矢野・朝木両「市議」が盛んに喧伝し、瀬戸サンらがまんまと乗せられてきた主張です。

2 創価学会の機関紙及び創価学会寄りのライターは、確たる根拠もないにもかかわらず、千葉が万引き事件による書類送検を広報すると、「朝木市議は万引きをするような卑劣な人物である」といっせいに報道。転落死事件については、「万引きを苦にした自殺」といっせいに報道、宣伝した。


資料屋 ◆bfimNvQTbのブログ〈市議が異状死した直後の聖教新聞を検証してみた〉でだいぶ前に指摘されているように、そしてりゅうさんがあらためて関連記事を紹介しているように、このような事実はありません。


転落死事件の第1報は9月3日付聖教新聞(第10面)ですが、次のように、かなり控えめな報道に留まっています。

万引き容疑、書類送検
東村山女性市議 飛び降り自殺か 東京

 一日午後十時四〇分ごろ、東京都東村山市本町二のマンション敷地内に、女性が倒れているのを通行人が発見。女性は全身を強く打っており、間もなく死亡した。
 東村山署の調べで、女性は同市諏訪町、同市議、朝木明代さん(五〇)と分かった。現場前の六階建てビルの五階と六階の間の階段踊り場から飛び降り、自殺を図ったとみられる。
 朝木さんは今年七月、同市内の洋品店でTシャツを万引きしたとして書類送検されたが、容疑を否認していた。


万引き被疑事件についても触れていますが、「容疑を否認していた」とも書かれており、「朝木市議は万引きをするような卑劣な人物である」などというニュアンスはまったく感じられませんね。


一方、朝木(明代)・矢野両「市議」は、書類送検直後から、万引き被疑事件が創価学会の陰謀であると臭わせる(または断言する)宣伝を、メディアを通じてしきりに行なっていました。このあたりの話は松沢呉一さんの黒子の部屋〈お部屋1632/朝木明代という人間〉でも取り上げられていますが、宇留嶋瑞郎『民主主義汚染』86ページ以下をもとに、もう少し詳しく見ておきましょう。


たとえば、朝木明代は日刊ゲンダイの記事(7月15日付)でこう話しています。


「当日午後は同僚市議と別の場所にいたから、万引きは私ではない。事件は公明市議と創価学会員のブティック経営者によるデッチ上げ。私が三年前から公明・学会グループの人権侵害を追及してきたことを恨んで、万引き犯に仕立て上げたのです」


そして、「草の根」側の言い分を最も積極的に垂れ流したのは、夕刊フジでした。

  • 7月14日付の記事で、「今度の事件には政治的な背景が感じられます。私は市議として草の根運動を続けていますが、公明党と戦争状態なのです。洋品店の女性店長も党員なのです」などとする明代のインタビューを掲載。
  • 7月28日付の記事で、「警察(東村山署)はろくに事情調書もせず、調書もとらないお粗末さ」などと断定する内藤國夫の記事を掲載。同時に、矢野「市議」が何者かから暴行を受けたという話を紹介するとともに、「創価学会公明党の関係者」が「草の根グループの市議会からの追放をたくらむ陰謀を始めた」ことを示唆する朝木・矢野両「市議」のコメントを掲載。
  • 7月29日付で〈万引き市議は潔白か ナゾ深まる東村山の怪〉と題する記事を掲載し、「この事件は創価学会の陰謀としか考えられない。一九〇〇円のシャツ一枚。商品がなくなったわけでもなく、実害もない事件に警察が被害届を取り上げたこと自体、政治的動きといわざるを得ませんが、私にはアリバイがありますし、必ず無実の罪を晴らします」という明代のコメントを掲載。


その後、週刊朝日(7月28日号・8月4日号)、『フライデー』(8月4日号)、週刊ポスト(同)、週刊新潮(8月17日・24日合併号)等の週刊誌も万引き被疑事件について報道しますが、いずれもどちらかといえば(あるいは明らかに)「草の根」寄りの内容であったといいます。


特に、週刊ポストは〈東村山女性市議たった一九〇〇円万引き送検騒動の「ヤブ」〉というタイトルで朝木・矢野両「市議」側の言い分を大々的に掲載。週刊新潮に至っては、松沢さんも呆れ果てた「替え玉」説までぶち上げました。


これほどデタラメな宣伝をされながら、9月3日付聖教新聞では「朝木さんは今年七月、同市内の洋品店でTシャツを万引きしたとして書類送検されたが、容疑を否認していた」と控えめに報じるのですから、むしろ創価学会もよく我慢したというべきでしょう。その後、殺人犯とまで決めつけられるに至って反攻に転じたのは、当たり前です。


ちなみに、矢野・朝木両「市議」側の主張を鵜呑みにして創価学会「謀殺」説の宣伝に加担した記事は計52本にものぼるとされていますが、矢野・朝木両「市議」や瀬戸サンは、そのことにまったく触れようとしません。2008年9月1日付〈【中間総括】朝木明代市議転落死事件「再捜査」要求騒動〉、同11月8日付〈時を駆ける(そしてコケる)瀬戸弘幸ネオ【宣伝工作編】〉をはじめ、この点については何度も指摘してきたんですが、矢野・朝木両「市議」は、
「この間、『朝木明代議員は何者かによって殺害されました』と御報告してきました。・・・『朝木明代議員を殺害した』のは誰か、を特定して指摘することは控えてきました」
などとウソを言うばかりです。


次に移りましょう。

3 東京地検八王子支部長も担当検事もともに創価学会員であり、不公正な捜査をした疑惑が極めて濃厚である。一般国民からみれば、千葉の捜査指揮も地検八王子支部の不公正な捜査と符節を合わせたものである。千葉は国会において、「捜査もしないうちから自殺で事件性は薄いと広報した千葉は捜査のイロハも知らない」と名指しで批判された。


これまた1年以上前に取り上げておいた話です(2008年8月30日付〈またまたおとぼけ上手な瀬戸センセイ〉および同9月1日付〈【中間総括】朝木明代市議転落死事件「再捜査」要求騒動〉)。衆議院・宗教法人に関する特別委員会(1995年11月7日)で、熊代昭彦議員から、
「人が事件死した場合に、・・・まず他殺を疑ってとことんそれを調べる、そして、それをつぶしていって初めて自殺という結論に達するのです。ところが、この東村山署は、特に副署長さんというふうに言われておりますが、直ちに自殺説を出して頑張っている」
「特に素早く自殺説を打ち出してしまったというのは、私は捜査のイロハを心得ないことであると思います」

という発言があったことは事実ですが、深谷国家公安委員長(当時)から、
「この副署長は広報担当でございまして、見通しについて記者に聞かれたので、事件性は薄いと説明しているのでございまして、格別直ちに事故死と断定したわけではありません。現に、現在も自殺、他殺いずれか断定をしない状態で捜査を一層進めているという状況でございます」
と説明されています。


最後に、4については省略して、5について簡単に。

5 「東村山の闇」判決により、「創価問題新聞」判決は覆されている。よって、西村の演説には相当の理由がある。


クロダイくん(行政書士黒田大輔)が第2次落書き名誉毀損裁判第4回口頭弁論(9月28日)でこういう主張を行なっているのは聞いていましたが(10月5日付〈マジっすか〉も参照)、ちゃんと弁護士がついてる西村修平裁判でもやってたんですね。矢野・朝木両「市議」の苦し紛れの主張について、裁判所で決着がつけられる日も遠くなさそうです。


なお、エアフォースの記事では、西村側の主張を紹介した後、〈朝木直子の「回答」〉と題し、西村側の弁護士と朝木直子「市議」とのやりとりについての解説が掲載されています。私が昨日付の記事で「面白いなあ」と書いたのはこの部分についての感想なのですが、これは直接記事をお読みください。2008年8月24日付〈朝木明代市議転落死事件の「最大の謎」〉も参照。


◆今後の新風連関連裁判日程
クロダイ第2次御用ライター裁判(原告・宇留嶋さん):10月19日(月)午後2時〜、さいたま地裁川越支部ソース*3
西村修平第3次御用ライター裁判(原告・宇留嶋さん):11月2日(月)午前10時〜、さいたま地裁川越支部ソース
西村修平婚外子差別発言裁判:11月4日(水)午後3時〜、東京地裁霞が関)626号法廷 ※原告への尋問あり 〔ソース
クロダイ第2次落書き名誉毀損裁判(原告・千葉さん)第5回口頭弁論:11月9日(月)午前11時半〜、東京地裁立川支部ソース
西村修平街宣名誉毀損裁判(原告・千葉さん):11月11日(水)午後1時30分〜、東京地裁立川支部 〔ソース
*まきやすとも&クロダイ東村山等街宣名誉毀損裁判(原告・創価学会):11月13日(金)午前10時〜、東京地裁霞が関)526号法廷〔ソース
クロダイ第2次御用ライター裁判(原告・宇留嶋さん):11月16日(月)午前11時〜、さいたま地裁川越支部 ※判決言い渡し(予定)〔ソース*4
*まきやすとも・機関紙名誉毀損裁判(原告・千葉さん):11月18日(水)午後1時30分〜、東京地裁立川支部404号法廷〔ソース
*まきやすとも・写真著作権侵害裁判:12月11日(金)午前10時半〜、東京地裁霞が関)721号法廷〔ソース
クロダイ第1次落書き名誉毀損裁判控訴審(原告・宇留嶋さん/控訴人・クロダイ)(期日未定)〔第1審判決

*1:【追記】(10月17日)りゅうオピニオン〈【槇氏VS写真家裁判】傍聴席で「お喋り」作戦を実行していた西村修平氏ら応援団〉に詳細な傍聴報告が掲載されています。西村修平をはじめとする支援者は、あいかわらず幼稚で無意味な嫌がらせをやっていたようですね。婚外子差別発言裁判の第5回口頭弁論(11月4日)では原告に対する証人尋問が予定されていますが、裁判所は原告保護のための対策を検討するべきでしょう。

*2:追記かと思いきや、〈著作権を侵害されたんですか?〉と題する報告がありました。「一般に著作権に関しては、著作物を無断で使用した人間が利益を得た場合に賠償義務が成立する。・・・しかし、今回のケースでは、箱崎はなんら損害を受けていないし、私も利益を上げていないのだ」などと、著作権のことをまったく理解していない主張を振り回しているようでは、敗訴はますます鉄板ですね。

*3:10月19日、口頭弁論終了後に取消線処理。

*4:10月19日追記。