「在特会等糾弾決議」をめぐる矢野・朝木両「市議」への「公開質問」


今日(24日)は東村山市議会3月定例会の初日でしたが、東村山市民新聞では、2月24日付更新(2010/02/23 20:58:28)に続き、「最終更新日」が2月25日付に修正されただけでした(2010/02/24 19:39:35)。市議会関連で取り上げたいネタがいくつか貯まっていますが、順次触れていきます。


一方、「柳原滋雄コラム日記」裁判(「重要容疑者」裁判)における原告・被告のやりとりが、りゅうオピニオンで明らかにされました。両者の準備書面を見ると、原告である矢野穂積「市議」はいったい何を主張したいのか、依然としてよくわかりません。
「原告は本件コラム日記の記述により、いかなる犯罪の重要容疑者であると決めつけられたと主張するのか、当該犯罪の罪名を明らかにされたい」
と求釈明を受けているのに、「釈明の必要はない」というのはどういうことなのか。訴状のあちこち「朝木明代議員の転落死に関し犯罪の重要容疑者であると決めつけ」「・・・決めつけて事実を摘示し」に訂正しているのですが、いったいどのような「事実」が摘示されたと主張しているのか、いささか不明確です。


そもそも、昨年12月22日付の記事でも指摘したように、矢野「市議」は今回の訴状では一貫して「殺害」ではなく「転落死」という表現を用いているのですが、これでは「殺害」の事実などなかったことを自認したものと看做されてもしかたがない。だったら、市議会で何の脈絡もなく「殺害」などと騒いで時間を無駄にするのは、そろそろおやめになってはいかがでしょうか(たとえば昨年9月定例会における矢野「市議」の一般質問を参照)。


さて、あちこちで暴れ回る在特会(在日特権を許さない市民の会)主権回復を目指す会について、「連帯ユニオン議員ネット」が糾弾決議を採択したとの話なので、今日はこれについて無所属・政権交代派を名乗る矢野穂積朝木直子両「市議」の見解を質したいと思います。以下、決議の全文。

<民族差別を煽り立て、卑劣な暴行・襲撃を繰り返す「在特会」と「主権回復会」を厳しく糾弾し、かかる蛮行を許さない特別決議>
2010年 2月9日 
「連帯ユニオン議員ネット」2/9 大会参加者一同
1:近年、「在特会」(「在日特権を許さない市民の会」)や「主権回復会」(主権回復を目指す会」)なる団体が、民族差別、とりわけ中国・韓国・朝鮮を中心とした在日アジア人への差別と憎悪の感情を煽り立て、各地で差別言辞を声高に叫び示すデモを行なったり、それら在日外国籍住民やそれらの人々と共同する日本人の運動や集会を襲撃する事件が頻発している。
時には全くの個人を路上で白昼堂々と集団暴行したり、その自宅や事務所を集団で襲撃したり、朝鮮初級学校を脅迫襲撃したりするなど、その蛮行の悪質さと非人間性エスカレートするばかりである。
2:こういった蛮行は完全に違法な暴力行使であり、人権の侵害、平和的生存権の侵害、名誉毀損、脅迫、民族差別であって、絶対に許す事ができない。かかる蛮行は日本人として、およそ人間として恥ずべき悪行であり、こういった蛮行を根絶する事は良識ある社会人の当然の責務である。
3:我々は「在特会」と「主権回復会」らの民族差別蛮行を根絶するために奮闘する事を自らの良心に賭けて宣言する。
4:同時に我々は、警察司法当局が「在特会」と「主権回復会」らの暴力行為や脅迫・名誉毀損行為を厳しく取り締まると共に、政府機関や、各地の自治体当局、教育委員会が、人権擁護行政・教育の一環として、「在特会」と「主権回復会」の蛮行を民族差別事件と認定し批判する見解を広く表明し、指導・啓発を社会的に展開する事を強く求めるものである。
例えば「朝鮮人は出て行け!」と公園のトイレに落書きがあったら、学校で生徒が在日生徒にそういう言葉を吐いて攻撃したら、「差別・人権侵害事件」として問題になり、行政当局も見解表明・指導に乗り出すはずである。
それなのに、公衆の面前で民族差別言辞を集団で叫び、プラカードに書き立ててデモをしても、子供たちの民族学校を襲撃しても、公機関がこれを放置したままにするなどあっていいはずがない!
以上、決議する。
連帯ユニオン議員ネット
(杉並からの情報発信です〈「連帯ユニオン議員ネット」が全国大会で「在特会糾弾特別決議」を採択〉より)


「連帯ユニオン議員ネット」とは、「連帯ユニオン(全日建連帯労組)と連携する議員+候補予定者の団体」で、「国・地方自治体の議員および候補予定者と連帯ユニオンとが、公共工事などから不正・違法行為をなくし、行政や地元中小企業の健全化を進め、地域住民の生活・安全の確保を進めること」を目的として2005年2月に結成された団体だそうです。加入者リストを見ると、「(革新)無所属」を称する人達が少なくありません。


正直あまりお友達になりたくないタイプの人が多い感じなのですが、上記「特別決議」の趣旨には賛成ですし、このような決議を採択したことには敬意を表したいと思います。抜粋元の記事の前半で触れられている「河村官房機密費」事件についても、陰謀論めいた臭いがして鼻白む思いなのですが、最高裁の中にスパイがいるなどと平気で主張し、「クーデター」関係者の処分を声高に訴える矢野「市議」などはむしろ共感を覚えるのではないでしょうか。


で、矢野穂積朝木直子両「市議」は、上記決議(またはその趣旨)に賛成なさるでしょうか。あるいは、上記決議とは別の表現で、在特会主権回復を目指す会の行動を批判するつもりがあるでしょうか。回答がない場合、次のような表現で洋品店襲撃を積極的に擁護したときと同様、彼らの行動を支持していることを自認しているものと看做します



東村山市民新聞〈「変えよう!議会を 親創価に」〉より(2009年6月4日付更新


関連リンクはいろいろあり過ぎて困るほどですが、とりあえず以下の記事を参照。


このあたりの話は、もうじき国際的にも話題になる可能性が高いので、あらためて取り上げることもあるでしょう。


ちなみに、生徒の父親に「消え失せてほしい」「いい加減しょうてん(昇天)しなさい」などの差別文書を送りつけた高校教諭が脅迫や偽計業務妨害等の容疑で逮捕されたという報道がありましたので、関連資料として紹介しておきます。

生徒宅に差別文書6通 部落中傷「消え失せろ」 久留米の高校教諭 脅迫容疑などで逮捕
西日本新聞 2月21日配信
 福岡県久留米市の高校の男性教諭が、同校男子生徒の父親あてに被差別部落を中傷し、「消え失(う)せてほしい」などと書いた内容のはがきや封書計6通を送り付けていた疑いが強まり、久留米署は21日未明、脅迫などの疑いで、同市国分町、高校教諭吉田威(たけし)容疑者(37)を逮捕、吉田容疑者が勤務する高校を家宅捜索した。捜査関係者によると、執拗(しつよう)な脅迫を受けた父親は体調を崩すなどしており、同署は「極めて悪質な差別事件」とみて強制捜査に踏み切った。
 逮捕容疑は昨年9月上旬から10月上旬までの間、計6通の差別文書を生徒宅に送付して生徒の父親を脅し、同9月以降、久留米市教委に対策会議を開かせて本来の業務を妨害した疑い。捜査関係者によると、吉田容疑者は逮捕容疑を認めているという。
〔後略〕


なお、ナショナル・フロントの室岡徹郎と有門大輔らとの間で起きたトラブルについては、大きく取り上げるほどのものでもないので昨日付の記事に追記しておきました。