国連・人種差別撤廃委員会の勧告で朝鮮学校襲撃事件を取り上げられた「国辱」団体=在特会/主権の会


在特会公式サイトがダウンしたままの状況が続いています。けっきょく、2010年1月28日までに支払うべきお金を払っていなかったのが原因だったようですが、桜井誠会長はそんなことはおくびにも出さず、
現時点では復旧にどれくらいかかるか不明ですが、一両日中にはある程度の目処が付けられると思います
在特会公式サイトがみられない状況が一昨日より続いていましたが、IT班より『15日中に復旧しそうだ』との連絡がありました

と説明。そんな空気をまったく読まずに朝鮮総連サイバーテロだ!!”と騒ぐ人間が登場するのは、もはやお約束です。


「在特会のHPが朝鮮総連からサイバーテロを受けていて見れなくなっております」


そういえば、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20091221/p1:title=「東アジア反日武装戦線『雷』」を名乗る者による「殺害予告」](2009年12月7日着)も「朝鮮人」のせいにしていましたが、その後どうなりましたかね。あと、[http://ameblo.jp/doronpa01/:title=桜井誠会長のブログ]で、在特会公式サイトのリンク先がいまだに[http://zai.japan.aikotoba.jp/:title=旧サイト]のままになっているのはどういうことか。


さて、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20100226/p1:title=国連・人種差別撤廃委員会]の正式見解もそろそろ発表されることと思いますが、一足先にその要旨が明らかになりましたので、簡単に触れておきましょう。



ここで紹介されているのは、[http://www.unog.ch/unog/website/news_media.nsf/(httpNewsByYear_en)/985A88A2AEDA81C0C12576E4004E7284?OpenDocument:title=国連が3月12日付で発表したプレスリリース]の、日本に関する部分です。
「朝鮮学校に通う子供たちを含む諸集団に向けられた、あからさまで露骨な発言および行動の継続的発生」(the continued incidence of explicit and crude statements and actions directed at groups, including children attending Korean schools)
について懸念が表明されていることがわかります。[http://maeda-akira.blogspot.com/2010/03/blog-post_14.html:title=ブログ主の前田朗氏も次のように述べている]通り、これは、名指しこそしていないとはいえ、[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20100120/p1:title=在特会および主権回復を目指す会による京都朝鮮学校襲撃事件]を念頭に置いたものであることは明らかでしょう。

第2に、朝鮮学校の子どもなどに対する人種主義的表現による攻撃のことが取り上げられています。従来のいわゆる「チマ・チョゴリ事件」の時とは表現が違いますので、これは「在特会」による朝鮮人襲撃を念頭に置いたものでしょう。2月24日のNGOブリーフィングで、在特会の蛮行映像を上映しましたので、それが反映したといってよいでしょう。


この襲撃においていかに「あからさまで露骨な発言および行動」が行なわれたかについては、次の動画をご覧ください。



京都弁士会会長声明(2010年1月19日付)には、その「あからさまで露骨な発言」がありありと記録されています。


「朝鮮学校、こんなものは学校ではない」
「こらあ、朝鮮部落、出ろ」
「お前らウンコ食っとけ、半島帰って」
「スパイの子どもやないか」
「朝鮮学校を日本から叩き出せ」
「北朝鮮に帰ってくださいよ」
「キムチくさいねん」
「密入国の子孫やんけ」


桜井誠・在特会会長はさすがにこのような罵声を正面から正当化することはできず、「表現の自由」という一般論に逃げることしかできませんでしたが(反論声明)、主権回復を目指す会はこれらの罵声に「もっともなる道理」があると強弁しています(抗議文)。挙句の果てに国連の場で上記のような指摘を受けてしまうのですから、まったく「国辱」ものの連中です。


この件についてはどうやら小林よしのりからも批判されたらしく、有門大輔が次のように吠えています。

 同放送での行動する保守論の冒頭、小林よしのりは中核団体の一つ、在特会が京都で行なった朝鮮民族学校への抗議行動に言及。
 朝鮮民族学校が隣接する児童公園を数十年にわたって学校のグラウンドとして不法占拠・不正使用していたことに対し、主権回復を目指す会と在特会の両関西支部を中心とする人々が抗議した一件で、これについて小林よしのりは「朝鮮学校の子供達に罵詈雑言を浴びせた」としているが、罵詈雑言とは一体何なのか?
 何らの理由もなく外国人に罵声を浴びせたと言うなら、行動する保守・行動する運動は小林よしのりが自身の発言をオブラートに包みながら述べたように「排外主義」「ネオナチ的」とされても仕方がないが、外国人が集団的に不法・不正行為に及んでいたとしたら国民として怒りの声をあげるのは当然であろう。
 いかに朝鮮民族学校に通う子供たちがその怒声に晒されようとも、元を正せばそのような状況を招いた朝鮮民族学校の教師や生徒の保護者ら大人たちにこそ責任がある。
(有門大輔ブログ〈〔運動論〕小林よしのりにゴーマンをかます!〉)


「罵詈雑言とは一体何なのか?」って、「ウンコ食っとけ」「スパイの子どもやないか」等の発言に決まっているじゃありませんか。おまけに、大人達がやった(と在特会らが主張する)ことを理由に子供達に怒声を浴びせることに、何の疑問も持っていないらしい。なるほど、婚外子について本来、日陰者として分を弁えて生きるべき者らと言い放つ有門だけのことはあります(2009年9月8日付〈常に弱者に矛先を向けながら、巨大な敵と闘っているつもりらしい「行動する保守」運動〉も参照)。また、子供を引き合いに出して都議や中野区議に脅しをかけるまきやすとものお仲間だけのことはあります。


そういえば、2月24日付で公にした矢野穂積・朝木直子両「市議」への公開質問にはいまだに回答がありませんな。どうやら、選挙の時にはアムネスティや自由人権協会の会員であることをアピールしているにも関わらず、在特会や主権回復を目指す会の行動を支持していると見なしてよさそうですね。


なお、国連・人種差別撤廃委員会は、
「特に部落民に対して向けられた、インターネットを通じた有害な人種主義的表現および攻撃」(harmful, racist expressions and attacks via the Internet aimed, in particular, against Burakumin)
についても懸念を表明しています。「特に部落民に対して向けられた」というのがどのような現状認識に基づいているのかわかりませんが、政府としても、何らかの対応を検討する必要には迫られるでしょう。もちろん、ヘイトスピーチ規制の是非・態様については十分に議論する必要があるにせよ。


最後に、高校無償化問題については、
「公的援助、補助金および免税措置等に関連して外国人学校ならびに在日韓国・朝鮮人および在日中国人の子孫向けの学校が異なる取り扱いを受けていることを含む、子どもの教育への差別的効果」(discriminatory effects on children’s education, including the differential treatment of schools for foreigners and descendants of Korean and Chinese persons residing in Japan with regard to public assistance, subsidies and tax exemptions)
について言及した箇所があります。あまり具体的ではありませんが、この点、正式な勧告ではどのように触れられているのか、あらためてチェックしてみることにしましょう。


〔この記事は3月15日のお昼過ぎにアップしたものです。〕