法的措置の可能性を忠告してもらったらマジで「殺害予告」と思っちゃったらしい在特会副会長【追記・マジで警察にまで行っちゃった】


在特会の「4・11 外国人犯罪撲滅デモ in 蕨市」とそれに対するカウンター行動は、無用な騒ぎを起こさないようにカウンター側が相当の配慮を行なったこと、そしておそらく警察もこれまでの経緯を踏まえてそれなりの姿勢で臨んだこともあってか、それぞれ平穏に終了したようです。カウンター側の報告としては、とりあえずエクストラレポート・ルーム〈【わらパレ2010】【在特会蕨デモ・カウンターアクション】THANKS!!〉を参照。


私もニコニコ生中継を見ながら実況を試みたのですが、昨年のようにカルデロン・のり子さんが関係する小学校・中学校をあえて標的としたコース設定をすることもなく、わずか30分ほどでデモは終了しました。これ以上の批判を免れるためにそういうコース設定にしたのか、警察から許可が下りなかったのか、それとも下手なことをやって法的措置をとられることを恐れたのかは知りませんが、何よりです。


デモ中も、カルデロン一家の件にはほとんど触れることなく、もっぱら「犯罪外国人」反日左翼」を糾弾する内容の演説・シュプレヒコールばかりでした。よーめん
シュプレヒコールを聞いて分かるように『犯罪・不逞外国人』を日本から叩き出せ!と言っている訳で“在日外国人”を日本から叩き出せと言っている訳では無い」
「冒頭のミニ集会の演説で東京支部長さんが言っていましたが『我々は犯罪外国人・不逞外国人を出て行け』と言っているのであって普通の在日を排斥しているのではないので勘違いしないようにと念入りに言ってます」

と言い訳がましく書いているところを見ても、批判はそれなりに堪えていると思われます。


もちろん、このような言い訳は通用しません。入管法違反とその他の刑法犯を意図的に混同している点はおいておくとしても、彼らが
外国人が日本で暮らしたいなら温情に感謝して大人しくしてろ、調子に乗って権利保障や生活改善を主張するようなら叩き出すぞ
と集約できる主張の持ち主であることは、これまでの数々の言動から明らかです。


そして、その排外主義は外国人にだけ向けられたものではありません。今回のデモも、外国人犯罪を問題にするというよりは、むしろ自分達の意に沿わない主張をする反日左翼」を排斥するシュプレヒコールの方がメインになっていました*1。よほど鬱憤がたまっているのだろうなと、生中継を見ながら感じたものです。


「不法滞在などの外国人犯罪を支援する反日左翼をニッポンから叩き出せー!」
反日集団・犯罪者左翼を東京湾に叩きこめー!」
反日左翼は日本から出ていけー!」
反日左翼は脱日せよ!」
「不法滞在は犯罪じゃないなどとぬかすキチガイ左翼を精神病院に叩きこめー!」


その他、「刑務所」やら「ゴミ処理場」やら「産業廃棄物処分場」やらも、反日左翼」らを叩きこみたい場所として挙げられていました。いったい何のデモなのか、何で蕨でやる必要があったのか、蕨市民の多くも首をひねったことでしょう。有門大輔は、ノリコ・カルデロンが居住し、犯罪外国人とそれらを支援する在日朝鮮人・反日左翼の最拠点となっている蕨市などと、例によって下衆の極みと言うべきことを書いていましたけれども。


その他、デモの模様を現場から中継してくれたmiracleさんの報告〈有門さんは後方待機〉も参照。また、在特会側の報告としては、これまでに引用したよーめんと有門大輔のエントリーを含め、以下の記事を参照。


桜井誠在特会会長は、カウンター側が節度ある行動をとったために被害者面ができなくなったことが大変残念だったらしく、次のように書いています。


同日埼玉県蕨市で行われた在特会主催「外国人犯罪撲滅デモ」についても、かなり物騒な脅迫など各地の反日左翼団体・個人から妨害予告(というより犯罪予告)がでていたのですが、現地からの報告では昨年のようにデモ隊に突撃する左翼はまったくいなかったようです。昨年、執拗にデモ隊に突撃し2名逮捕という輝かしい武勇伝を誇った犯罪左翼は、妨害予告を出すだけ出していざ蕨市に行ってみるとあまりの警察官の多さに恐れおののき逃げ出してしまったのでしょうか?


けっきょく敵失によらなければ、あるいは反日左翼や犯罪朝鮮人たちのように火炎瓶やゲバ棒、鉄パイプ、九条ナイフなどを持たない丸腰の非力な市民のように“最強最悪の敵と戦っているか弱いボクたち”というフレームアップをしなければ、自分達の行動を正当化できないのですね。


ところで、ここでいう「犯罪予告」とは、ひょっとして桜井誠ブログのコメント欄で次のような騒ぎになった件でしょうか。



下の方のコメント(23)でも指摘されているように、3のコメントは、P2Cさんが「小さな正義を信じて」本館〈[http://p2chigashimurayama.blog37.fc2.com/blog-entry-58.html:title=思いやりの気持ちを失った可哀想な人々 〜在特会4.11蕨デモに寄せて〜]〉で「おまけ」として書いた内容を誰かが転載したものです。「送達場所」と書いてあることからして、この「直撃弾」というのが仮処分決定書なり内容証明なり訴状なりを意味していること、そしてP2Cさんがこう書いた背景には[http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20100329/p1:title=在特会側が京都地裁の仮処分決定書を受け取っていないなどと言い訳してきた経緯]があることぐらい、即座にわかりそうなものです。


それなのに、八木康洋・在特会副会長は何とデモ前の演説でこれを「殺害予告」などと宣伝してしまいました。どうも本気で言っていたようです。このように日本語が不自由な人達のために、P2Cさんはわざわざ追記までして解説してくれています。


(おまけ)
 今年の4.11蕨デモは、在特会・副会長の八木康洋氏が指揮を執るようですが、この方、インターネット上にある情報のみで送達場所を探し当てることができますねえ。下手なことをやって直撃弾が来ても知りませんよ、八木さん。
【4.11午前に追記】
 上記のおまけをわざわざ在特会の桜井誠氏のブログに転載された方がいらっしゃるようですが(私ではない)、「送達場所」って書いてあることから分かるように、「下手なこと」はカルデロンのり子さんに対する不法行為、「直撃弾」は訴えの提起のことです。あまりにもカルデロンのり子さんに酷い言動をすると、訴えられるかもしれないなあ、という個人的感想を述べているだけですので。誤解しないようにお願いします。


それとも、在特会を訴えることが「犯罪」であり「殺害」なのでしょうか。ひょっとしたら、彼らはそう考えているかもしれない。確かに、仮処分申立てや訴訟の提起こそが、襲撃する運動の活動にとっては致命的だと思われます。まきやすともも(いまのところ)おとなしくしてるみたいですし。


それにしても、「反日集団・犯罪者左翼を東京湾に叩きこめー!」とか「犯罪外国人は土に還れー!」などと叫び回る連中が何を言ってるんでしょうね。友好団体である主権回復を目指す会も、『ザ・コーヴ』の配給会社である(株)アンプラグドに対して堂々と報復テロを予告していますが、こちらの方がよほど明確な犯罪予告です。


 上映は日本人へのテロ攻撃に他ならず、上映を強行するならば我々は、(株)アンプラグドと加藤武史・代表取締役をテロリストと断定する。その結果が如何なる事態を招いたとしても、責任の全ては貴殿らテロリストにこそあれ誰の責任でもない。
 何故ならば、その精神テロから我々日本国民は自らの生命・財産・安全、民族の誇りを守り抜く義務があるからだ。


なお、「精神テロ」云々というこのような騒ぎ方が朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』とそっくりであることについて、瀬戸弘幸ブログ〈朝鮮総連が政治テロと日本を批判:民族差別の対価を払わせると宣言〉を参照。


また、矢野穂積・朝木直子両「市議」や中村克サン(『最後のパレード』著者)も、八木康洋・在特会副会長と同様に「殺害予告」などと騒いできた過去があることについて、2009年11月7日付〈なるほどね、やっぱりね〉など参照。本当に、哀しくなるほど似た者同士です。


〔この記事は4月13日の朝にアップしたものです。〕


【追記】(4月15日)
八木副会長は心底「殺害予告」だと思い込んだらしく、警察にまで相談に行っちゃったそうです。警察官は、「自主防衛に努めなさい」などとあしらうのではなく、
「日本語と法律を勉強しなさい」
「郵便局員が仮処分決定書や訴状を持ってきても、読まずに食べちゃったりしてはいけません」

とアドバイスするべきでした。


デモ行進から一夜明けて、本日、警察に行ってきました。「小さな正義を信じて」本館というブログに「今年の4.11蕨デモは、在特会・副会長の八木康洋氏が指揮を執るようですが、この方、インターネット上にある情報のみで送達場所を探し当てることができますねえ。下手なことをやって直撃弾が来ても知りませんよ、八木さん。」と書かれた事について、茨城県警つくば北署に行ってどう対処して良いのか相談しました。警察官には、デモ行進の当日の朝にそのブログをプリントアウトしたものを見せたのですが、事件として取り扱ってはくれず、自主防衛に努めなさいとアドバイスを受けました。さすがにどこから飛んでくるかわからない「直撃弾」に警戒するというのはきついのですが、一応、警察からのアドバイスに従って朝も昼も夜も寝ている間も「直撃弾」に警戒するようにいたします。
もし左翼に殺されるとしたら会長の方が先だろうと思っていましたが、こういった形で私の方が「直撃弾」の標的にされており、もしかしたら私の方が先なのかもしれません。四億円もの大金をたんす預金している政治家さんがいるそうですが、その大金をしまっておくための金庫がたくさん必要であろうから、
http://store.shopping.yahoo.co.jp/first-jp/1404nob2.html
↑このようなキーホルダーをその政治家さんにプレゼントし、金庫の鍵を束ねてもらうように役立ててもらったら面白いのではないかと考えておりました。よりによってアイデアを練っていた私本人のところに本物の「直撃弾」がやってくる事になるかもしれないとは、考えが及びませんでした。「小さな正義を信じて」本館のブログ主は京都朝鮮学校への抗議活動を知って以来、情報収集をしながら成り行きを見守っているとのことです。左翼の連中が3月28日の集会で出した宣言の中に「在特会を大きく社会的に包囲し、封じ込めていかねばなりません」とあります。情報収集した結果、その封じ込める一環として今回の脅迫文を出したのかもしれませんが、こういう悪ノリの感覚で人の生活を乱してやろうという人間がいるかもしれないとの認識で宣言文の内容も言葉を選んでいただきたいものです。この宣言を出した集会の呼びかけ人である弁護士の方々は、このように敵側の人を恐怖に陥れる事が仕事なのでしょうか。理解に苦しみます。


八木副会長が問題にしている「左翼の連中が3月28日の集会で出した宣言」も、ついでに抜粋しておきましょう。やっぱり仮処分決定がよほどショックだったようですが、「社会的に」の意味もわからないまま八つ当たりをしても、ますます笑われるばかりですよ。

民族差別・外国人排斥に反対し、多民族共生社会をつくりだそう!朝鮮学校への攻撃をゆるさない!3・28集会 集会宣言
 私たちは今日、民族差別・外国人排斥に反対し、真の多民族共生社会をつくりだしていくために、この集会に結集しました。〔中略〕
 昨年12月4日に京都朝鮮第一初級学校を襲撃した「在日特権を許さない市民の会」(在特会)らもまた、このような日本社会の排外主義的土壌のなかから生みだされ、それを肥やしとして成長してきたものです。在特会らは、「朝鮮学校をたたきだせ」などと叫び、朝鮮学校を攻撃し続けてきました。また、昨年12月20日にはウトロ街づくりプランに反対してウトロでのデモを行い、3月6日には在日コリアン生活センター・エルファを攻撃し、3月9日には朝鮮会館を攻撃するなど、在日コリアンへの襲撃をくり返してきました。その攻撃の対象は、フィリピン人や中国人などアジア系を中心とした在日・滞日外国人にまで及んでいます。他方で在特会らは、「水曜デモ」や地方議会での決議など、元日本軍性奴隷問題に取り組む運動を目のかたきとして、襲撃をくり返してきました。そして、外国人排斥の立場から外国人の地方参政権を何としてもおしつぶそうとしてきました。
 本日、在特会らは朝鮮学校へデモをしかけるという形で、三度目の朝鮮学校への攻撃を行おうとしています。私たちは、子どもたちが誰もいない休日だとしても、このような在特会らによる朝鮮学校への攻撃を絶対に許すことはできません。京都朝鮮第一初級学校では、在特会らの襲撃に備えて今なお学校の教職員らが警戒態勢をとり、保護者が子どもたちを送り迎えし、警察が巡回するなど厳しい緊張が続いています。朝鮮学校への襲撃、そして在日・滞日外国人や日本人の運動への襲撃にしっかりと対決するとともに、在特会らを大きく社会的に包囲し、封じ込めていかねばなりません。〔中略〕
 日本に生きる在日・滞日外国人がますます増えていくなかで、いま日本社会は大きな試練に直面しているのだと言えます。日本社会においては、今なおかつての朝鮮植民地支配や侵略戦争を正当化する動きや在日コリアンへの民族差別が存在しています。そして、日本軍性奴隷とされた女性たちや強制連行の犠牲者に対する国家としての謝罪と補償も実現できてはいません。このような根深い排外主義的土壌を変革し、真の多民族共生社会へと歩みだしていくのか、それともますます民族差別や外国人排斥が横行する息がつまるような社会となっていくのか、私たちはその分かれ道に立っています。在日・滞日外国人は、それぞれが独自の民族性や文化をもっています。すべての在日・滞日外国人がその民族性や文化を尊重され、ともに生きていくことができる多民族共生社会をつくりだしていくために力をあわせましょう。それはまた、一人ひとりの個性と尊厳が尊重された、日本人にとっても生きやすい社会をつくりだすことです。いま深刻な不況のなかで、貧困と将来への不安に苦しむ日本の青年たちが、在特会らに引きつけられていくという危険な徴候も始まってきています。貧困や生きづらさは、決して外国人のせいではなく、また自らの責任でもありません。日本に生きる外国人は、この生きづらい社会を変えていく仲間なのです。在特会らによる昨年12月4日の朝鮮学校襲撃事件以降の4ヶ月になろうとする過程を通して、日本人と在日コリアンの連帯、共同のたたかいが大きくつくりだされてきました。私たちは、これをすべての在日・滞日外国人との連帯へとおし広げていきたいと願っています。ここにこそ、私たちの未来への希望があります。ともに頑張りましょう。
2010年3月28日
民族差別・外国人排斥に反対し、多民族共生社会をつくりだそう!朝鮮学校への攻撃をゆるさない!3・28集会参加者一同

*1:【追記】(4月14日)うっかり書き忘れていましたが、ミニ集会では誰かが「反在特会の者=略してハンザイシャ」という駄洒落を飛ばし、こういう連中は「日本の敵」「人類すべての敵」だから日本から叩き出さなければならないと訴えていました。