【メモ】司法による仮処分決定を無視して『ザ・コーヴ』配給会社・社長宅への襲撃を続ける「主権回復を目指す会」
映画『ザ・コーヴ』の上映を阻止する目的で主権回復を目指す会が行なってきた街宣(配給会社(株)アンプラグド事務所および同社社長宅の襲撃)について、東京地裁がこれを禁止する仮処分決定を行ないました。主権回復を目指す会はこれに対して保全異議を申し立てており、5月11日(火)に保全審理が行なわれる予定です。関連記事をまとめておきます。
まずは、主権回復を目指す会による一連の報告から。
- 〈大和魂で反日映画・『ザ・コーヴ』の上映を粉砕せよ!! 『ザ・コーヴ』上映は日本人への精神テロ攻撃だ<欧米白人の下僕を演ずる配給会社・(株)アンプラグドを解散に追い込め>〉(4月9日)
- 〈反日映画・『ザ・コーヴ』の上映を粉砕せよ !第二弾 『ザ・コーヴ』上映は日本人への精神テロ攻撃だ<欧米白人の下僕を演ずる配給会社・(株)アンプラグドを解散に追い込め>〉(4月19日)
- 〈【街宣・第三弾】!『仮処分を粉砕して日本民族の誇りを守れ!』 映画『ザ・コーヴ』上映は人種差別の扇動だ (株)アンプラグドの人種差別を粉砕せよ!〉(4月27日)
見たい人間が見に行くに過ぎない映画上映を「精神テロ攻撃」などと位置づけるのは、朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』が朝鮮学校無償化除外を「政治テロ」と決めつけたこと以上に無理がある発想なのですが、ともあれ彼らはそのような前提に立ち、次のように報復テロを予告・正当化しています。
主権回復を目指す会>行動・活動 via kwout
上映は日本人へのテロ攻撃に他ならず、上映を強行するならば我々は、(株)アンプラグドと加藤武史・代表取締役をテロリストと断定する。その結果が如何なる事態を招いたとしても、責任の全ては貴殿らテロリストにこそあれ誰の責任でもない。
何故ならば、その精神テロから我々日本国民は自らの生命・財産・安全、民族の誇りを守り抜く義務があるからだ。
第2回街宣では、(株)アンプラグドの事務所だけでは収まらずに同社社長の自宅を襲撃しましたが、
「街宣に先立ち、公開質問状を登記簿謄本に記載されている本店、加藤武史社長宅へ届けた」
「事務所ではなく、登記簿謄本に記載されている・・・本店に公開質問状を持参。加藤武史社長は在宅中にも関わらず、『おはようございます』と呼び掛けても反応しなかった」(写真解説)
などと、登記簿上は社長宅が同社の本店であることをしきりに強調しているのは、何らかの正当化を図る必要があると感じたためでしょうか。
なお、私が確認できる範囲では、問題の「公開質問状」はネット上では公開されていないようです。どこで「公開」しているのでしょう。
この第2回街宣の後に、(株)アンプラグド事務所および同社社長宅周辺での街宣を禁じる仮処分決定が出たと思われますが、主権回復を目指す会は平気でこれを無視して第3回街宣を行ないました。4月24日付の声明「仮処分を粉砕して日本民族の誇りを守れ!」でも、
「仮処分の決定などで我々の強固な意志は微塵も揺るぎはしない。主権回復を目指す会並びに<『語る』運動から『行動する』運動へ>は公言したことを必ず実行する」
と予告していることから、司法決定を無視するという確固たる意志のもとに行なわれた行動であることは明らかです。当日も、街宣開始前に警察から仮処分決定の件を指摘されたにも関わらず、
「西村代表は『警察は民事不介入である』として断固として抗議行動を強行開催した」
と報告されています。京都地裁による仮処分決定を無視して3・28京都デモを強行したときと同様の無法者集団らしい対応で、彼らには日本が法治国家であるという認識がないのでしょう。
この仮処分決定をめぐり、主権回復を目指す会の掲示板(現在は閉鎖)にこんな脅迫めいたコメントが投稿されていたことも、あらためて記録しておきましょう(太字は引用者=3羽の雀)。
ガキの喧嘩じゃあるまいし意味のないことをしているなー
弁護士にそそのかされてやっているのかもしれないが、結果を導けない対応を提案してくる弁護士に顧問料を払うなら、そのお金を道路上に放置しておいたほうがまし。
主権側は、会社と社長の自宅近辺での街宣ができなくなるということになると、従業員や社長の親兄弟や親戚や取引先や嫁の実家や・・・・って感じでエスカレートさせていくかもしれないのに。。。
そのたびに仮処分申請をしていたら破産しちゃうと思うな。
左系の弁護士って浅いよなー
このような経緯を経て、冒頭でも述べた通り5月11日(火)に保全審理が行なわれるというわけです。もっとも、主権回復を目指す会の保全異議が認められる可能性はほぼゼロでしょう。
なお、第3回街宣の際に危うく逮捕されそうになった有門大輔も、各街宣について主催者より詳細な報告を行なっています。
- 〈反日映画ザ・コーヴ上映を許すな!〉(4月9日の告知)
- 〈〔反日映画〕精神テロに加担した守銭奴を許すな!〉(4月9日の報告)
- 〈精神テロに加担する国賊社長を断罪!〉(4月19日の報告)
- 〈国内外からの反日テロに抗戦せよ!〉シリーズ(4月27日の報告)
瀬戸弘幸サンも街宣には参加しているようですが、なぜか告知の転載ばかりです(第1回・第2回・第3回)。
参考までに、有門が逮捕されそうになったときの動画はこちら↓(2分40秒あたりから)。
これに対し、主権回復を目指す会は
「明らかに『公務員特別暴行陵虐罪』に抵触した行為を我々は黙認しない」
などと吠えていますが、まあ法的措置をとったりすることはないでしょう。そもそも公務員特別暴行陵虐罪(刑法第195条)とは、警察官等が「その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたとき」に適用される罪名です。栃木県や奈良県の警察官が特別公務員暴行陵虐致死罪等で起訴された件で覚えた言葉ではないかと思いますが、今回の件でこれを主張するのは無理があり過ぎます。
ちなみに、有門大輔は警官にどんどん銃器を使ってほしいみたいですから、今後は遠慮なく発砲してあげればよろしいんじゃないでしょうか。嘘ですけど。
〔この記事は5月7日にアップしたものです。〕