多くの町民を津波から救った女性職員を引き合いに出して京都朝鮮学校襲撃を正当化しようとする下劣さと、「殺戮戦」を煽る桜井誠・在特会会長のカルト的手口


東村山市民新聞では相変わらず「最終更新日」のみの修正が断続的に続けられています*1。ちょっとバタバタしている間に、いろいろとネタが溜まってきてしまいました。


まず、まきやすともと黒田大輔クロダイ)が110万円の損害賠償の支払いを命じられた対創価学会街宣名誉毀損裁判控訴審判決の概要が、宇留嶋さんによって明らかにされています。簡単に要約すれば、
矢野穂積朝木直子『東村山の闇』「推測にすぎない」
瀬戸弘幸サンの「内部告発」ネタ“採用できない”
*後藤元組長の尋問は“やっても無駄”
上腕部のアザをめぐる鈴木意見書“信用できない”
というもので、これまでの矢野・朝木両「市議」および瀬戸弘幸サンの主張をすべて一蹴した、まさにコテンパンとも言うべき内容です。これについてはあらためて取り上げようと思っていますが、とりあえず、りゅうオピニオンの以下の記事も参照。


次にせと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判の和解問題ですが、解決金10万円の支払い期限(5月10日)の翌日になって、瀬戸弘幸サンが、いろいろとみっともない言い訳をしながらようやく和解の成立を認めました。これについても、〈大山鳴動して死屍累々〉という感じのタイトルで別途ゆっくり取り上げるつもりなので、とりあえずTogetterまとめ〈【瀬戸っち失笑シリーズ(16)】自称ジャーナリスト・瀬戸弘幸サン、あれこれ言い訳しながら結局和解を認める〉およびそこに掲げた関連リンクを参照。


とりわけ瀬戸サンが4月7日に提出した陳述書の内容が気になるところで、早く全文をアップしてほしいものですが、果たして瀬戸サンにそれを期待できるかどうか。概要はWAW〈【詳報】「内部告発」者の素性明らかに〉で明らかにされていますし、宇留嶋さんもそのうち詳しい内容を報告してくれるでしょうから、それをもとにコメントするしかないかもしれません。瀬戸サンが全文を公開できないならできないで、それはそれでひとつの真実がまた明らかになるだけです。それにしても瀬戸サン、和解に関する情報を「ガセネタ」と決めつけた管理部の対応について、ブログ主としてどう責任をとるつもりなのでしょう。とるわけないか。


さて、少し前の話になりますが、5月7日(土)、在特会京都支部主催の「京都・徳島事件 報告集会」が開催されました。



当初の予定では、徳島県教組襲撃事件で有罪判決(確定)を受けたクロエ/ジェリーこと中谷良子(懲役2年・執行猶予5年)をはじめ、京都朝鮮学校襲撃事件徳島県教組襲撃事件の襲撃犯が勢揃いする旨告知されていましたが、けっきょく西村斉、川東大了、荒巻靖彦、中谷辰一郎だけが出席することになったようです。


冒頭、桜井誠在特会会長から、予算がないこと、逆転勝訴の見込みもないことを理由として、西村・川東・荒巻については控訴を断念したという報告がありました。検察側も控訴しなかったため、これにより、徳島県教組襲撃事件で有罪判決を受けた3名を含め、中谷辰一郎を除く6名について有罪が確定したということになります。

被告人     求刑(懲役)     判決/執行猶予
西村斉 2年 2年/4年
荒巻靖彦 1年6カ月 1年6カ月/4年
川東大了 1年6カ月 1年6カ月/4年
中谷辰一郎 1年 1年/4年
中谷良 2年 2年/5年
星エリヤス 8カ月 8カ月/3年
慶次郎(通称) 8カ月 8カ月/4年


5月7日に東京・渋谷で行なわれた脱原発デモ
呼びかけたのは市民グループということですが、その市民グループの正体とは警察官と揉めて現場で逮捕されるような連中であった訳です
などと揶揄していた瀬戸弘幸サンは、この結果をどのように受けとめるのでしょうか。最近はもっぱら捨て台詞的擁護しかできなくなっていたとはいえ、このような犯罪を全面的に支持してきたことには変わりがないわけですから。


報告集会の模様は、Togetter〈【在特会】京都朝鮮学校・徳島県教組襲撃事件で反省の色なし(でも控訴は1人を除き断念)〉としてまとめておきました。3月22日の求刑後に行なわれた生放送でもそうでしたが、本当に反省の色がありません。中谷良子は、集会に寄せた手紙でいちおう「女性2人を取り囲んで罵声を浴びせたのは悪いことと思っている」と述べていましたが、それでも日教組も過去にやってきたことだから無実だと思っている」などと意味不明の理屈をこねていました。京都新聞社への街宣(4月11日)、京都市教育委員会への恫喝まがいの抗議(4月27日)を見ても、このような連中に執行猶予をつけた裁判所の判断には疑問を抱かざるを得ませんが、まあこういうものなのでしょう。


報告集会での発言について逐一論評するのは控えますが、中谷辰一郎が、よりにもよって遠藤未希さん(宮城県南三陸町職員)を引き合いに出して自分たちの犯罪の正当化を図っていたことには愕然としました。町の防災無線で最後の最後まで避難を呼びかけ続け、津波にのみこまれて亡くなった方ですが、自分達も「国民に危険な集団について理解してもらうためにやった」のだから同じだと言うのです。自分たちの犯罪を正当化するためにアパルトヘイトを持ち出したときにも底抜けの恥知らずだと思ったものですが、もはやド外道としか言いようがありません。


もうひとつ、桜井会長が「殺戮戦」などと大騒ぎして、在日韓国・朝鮮人しかも子供)や(想像上の)「反日極左」との「命のやりとり」を煽っていることにも唖然としました。
ニューナンブで俺を撃て!!!
私を刺せ!!!

などと大見栄を切ることで有名な桜井ですが、ますますカルト化が進んでいるようです。2ちゃんねる該当部分の文字おこしをしてくれた方がいますので、転載しておきます(改行は適宜修正)。

在特会 全国連続講演会 第三部 平成23年5月7日(土)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv48274703?ref=ser
桜井誠・在日根絶やし宣言 3:03:00〜3:08:00
 殺戮期を乗り越えた時に国家は変わるんです。(中略)私は歴史を専門に見てきた。だからこそはっきり分かるんですよ。必ずこの国には殺戮戦が訪れる。在日韓国人朝鮮人・そして反日極左、今ここで工作活動やってるバカとね、本気で命のやりとをやって叩き殺さなきゃいけない時が必ず来るんです(ここで大きく頷く荒巻)。
 その時に皆さんにね、心の強さが問われる。泣いて許しを乞う相手を貴方達本当に一刀両断で切り捨てることが出来るか?と。大変厳しい選択です。朝鮮人であってもまだ子供です。この子供をでも生かしておいたらね、また同じ事を繰り返される。徳川家康が豊臣家の6才の子供まで打ち首にし、根絶やしにした例を出し)生かしておいたら徳川幕府に必ず仇を成す、と。(中略)でも、その厳しさが無かったら徳川280年の太平は無かったんですよ。(中略)その覚悟を問い続けてきたのがこの4年半の『行動する保守運動』なんです。
 いずれこの『行動する保守運動』も『戦う保守運動』に変化します。必ずです。その時我々が戦う相手はね、ひょっとしたら反日勢力だけじゃないかもしれない。冗談抜きで警察とやり合わなきゃいけなくなるかもしれない。さっき言ったようにね、京都府警どんなに拳銃持ってる公のヤクザたってたかが3千人ですよ。1万人で取り囲んだら我々の勝ちなんです。
 敵を敵として認識しなさい。ただし、今は戦うだけの力が我々にはないから。今は一人でも多くの味方をどんどんどんどん引き寄せること。
(中略)(殺戮戦まで)多分そんなに時間がないと思うんですよ。(中略)『日常覚悟』という言葉を皆さんの胸に刻み込みなさい。


口だけは威勢がいい有門大輔も、〈日本人が殺すか、殺されるか!〉と題したエントリーでこの演説の趣旨を引用し、
「およそ一日に一人の在日朝鮮人が殺傷されれば、それは凶行として社会的にも断罪され差別問題に摩り替えられる!(中略)一ヵ月も続けば殺戮の応酬が『日常』とさえなる!」
「どんどん殺し合っていけば良いし、現実問題としてそれ以外にない!」

と殺人を煽っていました。


在特会等の右翼・右派系市民グループはすでに警察庁からも「テロ等を引き起こすおそれ」がある危険な団体として認知されているようですが、引き続き警戒を怠らないでいただきたいものです。


また、『ハガネの女』問題をめぐって街宣を受けたテレビ朝日(街宣の模様はTogetter〈【在特会】『ハガネの女』抗議で電波ゆんゆんのブーメラン連発街宣/吉瀬美智子事務所への抗議も予告〉参照)はけっきょく在特会と交渉の機会を持ったようですが、このような団体をまともな交渉相手と見なすことは誤っており、暴力団に準じた対応をとるべきではないかと思います。提訴されたら「訴訟能力がない」などと主張して法的責任を回避しようとする情けない団体でもあることですし。


なお、裁判における当事者能力についての在特会側の主張については、京都朝鮮学校裁判(民事)をめぐる「はやく仕事しろ>俺」の下記報告も参照。

*1:5月8日付(2011/05/07 17:04:04)、5月9日付(2011/05/08 16:12:30)、5月10日付(2011/05/09 13:37:18)、5月12日付(2011/05/11 19:33:18)。