東村山「大本営」発表にすがりつく前に瀬戸サンが認めなければならない「厳然たる事実」の数々


クロダイくんは、移送申し立ての時に援用した「濫訴」の主張“本件には関係ねえよ”(意訳)と一蹴されたのが悔しかったのか、しきりに千葉さんに「濫訴」のレッテルを貼っています。「殺害事件の真相解明を求める国民を濫訴している・・・千葉英司」とか「濫訴男」とか、こんな印象操作で勝ってるつもりになりたいんですかね。


最新エントリーにも、「当方と濫訴男(千葉英司)との対決のご報告は次号にて」と書いてあります。もっとも、「虚構判事」の話(2月7日)が「次号へ持越し」(2月10日)になり、「再延期⇒次号以降で」(2月12日)になり、そのままうやむやになってしまった経緯を踏まえれば、この予告も当てになるかどうか。


そのクロダイくんが「千葉英司の敗訴の歴史」として毎回のようにリンクしているのが、東村山市民新聞〈訴訟経過報告〉のページです。瀬戸サンも、3月31日付4月7日付エントリーで、〈朝木議員謀殺関係訴訟結果報告〉のうち「C 千葉英司元副署長提訴事件」の部分をまる写ししています。


このリストが、真実を明らかにするどころか情報操作のための代物でしかないことについては、〈朝木議員謀殺関係訴訟結果報告〉リストの検証(1)〜(5)で検討しておきました(記事へのリンクはTomatotic-jellyさん作成の一覧表参照)。確かに、千葉さんが起こした裁判では、形式的には敗訴したものの方が多いことは事実です。しかし、そのほとんどは“名誉毀損には当たらない”“独立して損害賠償を命じるほどの違法性はない”と認定されたに過ぎず、朝木明代市議万引き被疑事件・転落死事件をめぐる矢野・朝木両「市議」の主張を実証・補強するものは見当たりません。


それなのに、瀬戸サンは何を得意げになっているのか、〈黒田大輔『日本を護る市民の会』代表の裁判支援行動(2):千葉英司の控訴審敗訴を受け、前進あるのみ。〉という、どことなく悲壮感が漂う副題がついたエントリーの中で『東村山の闇』事件の逆転勝訴判決に触れ、


「この千葉英司の訴えが全面的に退けられたという厳然たる事実を先ずお認めになるべきでしょう」


などと書いています。


瀬戸サンが判決を誤読していい加減なことを書き散らかしていることについて批判している人々は、当然その「厳然たる事実」(矢野・朝木両「市議」の記述についていちおうの相当性が認定されたこと)を認めた上で批判をし、あるいは凪さんのように警告を発しているわけです。「私の書いていることが、全てデタラメであるかのような主張は、もう論評にも値しないと言っておきます」などと言う前に、とりあえず凪さんの一連の指摘*1を理解しようとする努力でもしてはいかがでしょうか。


私もあらためて瀬戸サンの誤読を批判するつもりですが、その前に、瀬戸サンがまず認めなければならない「厳然たる事実」が山ほどありますので、そちらを先に指摘しておきましょう。


第1に、P2Cさんも指摘するように、「矢野穂積氏、朝木直子氏は、万引き被疑事件及び転落死事件について、ただの一度も、万引き被疑事件が『冤罪』であること、及び、転落死事件が『他殺」であることの真実性の立証には成功していない」こと。矢野・朝木両「市議」の宣伝にも関わらず、転落死事件を「他殺」(あるいは他殺の可能性が高い)と認めた判決はひとつも存在しません。


まして、1・29東京高裁判決では、「本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」とまで指摘されているのです。『東村山の闇』事件控訴審判決がこの認定を覆したものでないことは、3月30日付〈「他殺」の証拠にならない「法医学の専門家の鑑定意見書」にすがりつく矢野・朝木両「市議」〉等ですでに指摘した通り。まずはこの「厳然たる事実」を認めてもらいたいものです。


第2に、矢野・朝木両「市議」は、創価学会との間で争われた一連の裁判では惨敗しており、謝罪広告まで掲載する羽目になって、もはや「創価学会が殺した」などとは言えない状況になっていること。


瀬戸サンも、このところ朝木明代市議万引き被疑事件・転落死事件への創価学会の関与を臭わせるような表現は避けているのではないかという印象がありますが、危ないと自覚しているのなら、「朝木明代さん殺害事件関連裁判のお知らせ」と題したエントリーで「薄汚いカルト創価とその工作員を懲らしめるため」などと書いてしまうクロダイくんにも忠告してあげた方がいいのではないでしょうか。やはりP2Cさんが指摘しているように、「名誉毀損訴訟においては、相当性の判断基準時は、名誉毀損とされる行為がなされた時なのです」から。


第3に、洋品店との関係で争われた事件関係の裁判においては矢野・朝木両「市議」側が全敗しており、洋品店店主が万引き「でっち上げ」に関与したなどという主張には一片の真実も認められていないこと。


〈朝木議員謀殺関係訴訟結果報告〉リストではこのことが(おそらく意図的に)わかりにくくされていますが、これらの裁判については、2008年10月3日付〈市民の「恐怖心」に想像力を働かせようとしない公職(志願)者たち〉や同10月31日付〈まずは洋品店店主に公的に謝罪せよ〉等で繰り返し取り上げてきました。瀬戸サンは頬かむりを続けるばかりですが、少なくとも、洋品店店主が万引き「でっち上げ」に関与したなどという主張が裁判で一度も認められたことがないという「厳然たる事実」ぐらいは、そろそろ公式にお認めになってはいかがなのでしょうか。


瀬戸サンは3月27日付エントリーで「朝木市議万引き被疑事件・転落死事件 まとめWiki」に言及しており、すでに同サイトの存在はご存知です。主要な裁判例についてはだいたいそこに網羅されています。もはや、矢野・朝木両「市議」の大本営発表を盲信することは言い訳にはなりません。


ついでに、〈黒田大輔『日本を護る市民の会』代表の裁判支援行動(2)〉の最後に次のように書かれていることについても触れておきますかね。

 千葉英司氏が当時副署長の時代に、この朝木さんの転落死を自殺として処理しましたが、その根拠は非常に曖昧です。
 「大丈夫ですか、救急車を呼びますか?」
 このように聞いたら、「いいです。」と朝木さんが答えたから、自殺で処理したなどと言うなら、東村山署はその人の名前を明かすべきです。
 ビルの上から転落してうずくまって呻いている人を見て、「救急車を呼びますか」
 そんな話は信用できません。
 誰だって大変だと思って、直ぐに救急車を呼びます。当時の東村山署の捜査は一切信用ならないものでした。


この点についてはXENONさんが的確なつっこみを入れていますが、そもそも第1発見者であるモスバーガーの店員や店長は、朝木明代市議が転落した瞬間を目撃したわけではありません。この点についてはいくつかの裁判で事実認定が行なわれていますが、ここでは「聖教新聞」裁判の地裁判決から引用しておきましょう(関係者氏名は適宜修正)。

第三 争点に対する判断(その3)
四【被告東京都関係】(被告東京都の責任の有無)について
1 本件窃盗広報及び本件死亡広報に至る経緯
 丁一、二号証、三号証の一、二、四号証の一から六まで、証人千葉の証言及び弁論の全趣旨によれば、本件窃盗広報及び本件死亡広報に至る経緯は次のとおりであったことが認められる。
〔中略〕
(三)その後、同年九月一日午後一〇時四二分ころ、本件交番において、本件モスバーガー店のアルバイト店員から、「店のビルの裏にあるごみ置き場に女性が倒れている。」との訴え出を受けたK巡査長が、右店員とともに本件マンションの北側外階段の下にあるごみ置き場(本件現場)に赴くと、右モスバーガー店の店長がいて、その傍に年齢五〇歳くらいの女性が倒れていた。K巡査長らは、午後一〇時五六分ころ、救急車で右女性を本件病院に搬送したが、同女は翌二日午前一時ころに至って死亡が確認された(本件死亡事件)。
〔中略〕
 千葉副署長は、前記店長や店員らから、亡明代の発見状況等を聴取したところ、〔1〕九月一日午後一〇時ころ、本件モスバーガー店の店員が一度本件現場に行き、人が横になっているのを見かけたが、酔っ払いではないかと思い気に止めず、店に戻ったこと、〔2〕午後一〇時三〇分ころ、本件モスバーガー店の店長が本件現場に行ったところ、血を流して倒れている亡明代を発見したこと、〔3〕右店長が、何度か「大丈夫ですか。」と声を掛けたところ、亡明代はその都度「大丈夫。」と答えるとともに、店長が「落ちたのですか。」と尋ねたのに対しては、左右に顔を何度も振りながら、「違う。」とはっきり否定したほか、本件モスバーガー店の店員が「救急車を呼びましょうか。」と申し出たのに対しても、「いいです。」と拒否したこと、〔4〕本件マンションの北側路面に設置されている鉄製フェンスが亡明代を発見する前には異常がなかったのに対し、亡明代を発見した時点では大きく折れ曲がっていたこと、等の事実が判明した。


このように、地面にうずくまっている明代市議を見たモスバーガー店員は、不幸なことに、当初は「酔っ払いではないか」と思って気に留めなかったのです。その後、血を流して倒れている明代市議をあらためて同店の店長が発見したわけですが、意識があるかどうか確かめるために「大丈夫ですか」と声をかけ、意識があったら「救急車を呼びますか」と尋ねることに、まったく不自然さはありません。XENONさんが指摘するように、「問答無用に救急車を呼ぶ」方がむしろ不自然です。


瀬戸サンは「東村山署はその人の名前を明かすべきです」とも書いていますが、発見者であるモスバーガーの店長・店員の名前は朝木直子「市議」がとっくにご存知であり、瀬戸サンも、かつて「事件現場ビル一階モスバーガー店主の共同記者会見」なるものの資料を紹介していましたから、そのことは当然承知しているはずです。この上「その人の名前を明かすべきです」などと書いたら、またいらぬ勘繰りをされることになりかねませんよ。


こんなことで「当時の東村山署の捜査は一切信用ならないものでした」などと断言してしまうのですから、どっちが「信用ならない」かは明らかと言うべきです。まあ、ここで「千葉」という個人名ではなく「東村山署」という組織を批判しているあたり、自分だけは訴えられないようにしようという配慮がうかがえて興味深いですけれども。


ちなみに、東村山署が「事件性が薄い」「犯罪性はない」と判断した根拠は明代市議が救急車を辞退したことだけではありませんから、お間違いなく(まとめWiki事件の経過(1995年9月1日、2日)〉等も参照〉。


〔この記事は4月8日の夕方にアップしたものです。〕