デンパな「市議」は東村山の夢を見るか?


東村山市民新聞」は、「最終更新日」が4月18日付に修正されただけでした。


他方で瀬戸サンは、都議選・衆院選同日選挙問題に関するエントリー(以前の記事のコピペがほとんど)の最後に、なぜか「創価学会のジャーナリストのブログをリンクをして紹介している『東村山薄井市議応援団ブログ』なども焦っているように見えますね」などと付け加え、「東村山薄井市議応援団ブログ」として私のところに、「創価学会ジャーナリストブログ」として柳原滋雄コラム日記に、リンクを張っていました。


柳原さんはどうか知りませんが、私は同日選になろうがなるまいがどうでもいいですし、公明党が都議会や国会で議席を減らしても全然構わないんですけどね。ちなみに「東村山市民新聞」によると、いまや創価学会の「都議選重視はフェイントにすぎ」ないそうですよ。


ともあれ、何も反論できずに捨て台詞を書くしかないなら、見ていないふりをした方がまだましでしょう。それとも、普通の人には見えないものが見えているのでしょうか。「内部告発」も、聞こえないものが聞こえただけだったのかもしれません。ところで、その柳原さんも何度も取り上げている『週刊新潮』誤報問題については、このまま頬かむりし続けるんでしょうか。


さて、いろいろ取り上げるべき話題がありますが、ここ数日続けてきた“意味ありげなタイトル”シリーズの締め括りとして、前回の東村山市議会選挙(2007年4月)の話をすることにしましょう。他の市議を攻撃することに熱心な矢野穂積朝木直子両「市議」は、選挙で何を公約として掲げ、それをどのように実行してきたのでしょうか。


まずは両「市議」の選挙公報をご覧ください。





ああ、ほとんど何も公約していなかったんですね。


いちおう公約のように読めるのは、次の2箇所(両者共通)と、プロフィールの一部だけです(後述)。


市川房枝・朝木明代議員を受け継いで――「ムラ」議会・行政の改革を――〉
〈議員特権廃止、利権腐敗政治根絶、「政教一体集団」へ徹底批判を!〉


非常に抽象的で、東村山市の具体的問題をどのように解決していこうとしているのかについては、ほとんど何も語っていませんね。


市川房枝・朝木明代両議員の後継者であるかのように書いていますが、2人の何を受け継ごうとしているのかについてはほとんどわからない(そもそも「議員を受け継いで」という表現は日本語として変)。まあ、朝木明代はともかく、市川房枝の何をどう受け継げばいいかについては両「市議」ともろくにわかっておらず、単に名前を利用しているだけと思われますから、しょうがないのでしょう。このあたりの話については、松沢呉一さんが〈お部屋1313/今日のマツワル44〉と〈お部屋1314/今日のマツワル45〉でも取り上げていますので、そちらを参照。


政教一体集団」というのは創価学会公明党を指しているのだと思われますが、2007年〜08年にかけては、この問題をまともに取り上げたことはほとんどなく、むしろその存在を利用している、もっと言えば創価学会に寄生しているとしか思えない対応が目立っていました(2008年8月25日付〈矢野・朝木両「市議」は「公明党と厳しく対決」しているか(いやない)〉、同12月26日付〈「親創価」のレッテル貼りに狂奔する矢野・朝木両「市議」の“創価寄生虫”ぶり〉など参照)。そのことは、2008年の「東村山市民新聞」更新状況(1)(2)(3)(4)を見てもよくわかります。


今年になって、お友達に気を遣ってか、ずいぶん声高に創価学会を攻撃するようになりましたが、橋本玉泉さんが最近も〈目的不明な「草の根会派による『反創価学会』」プロパガンダ〉や〈目的不明な「宇留嶋こきおろし」のプロパガンダ〉で指摘しているように、その内容はいささか具体性・説得力を欠いており、「徹底批判」などと呼べるような代物ではありません。何より、こんなアジテーションを続けることによって東村山市の状況がどのように改善されるのか、それがまったく明確にされない。


公明党にもいろいろ問題はあるでしょうが、少なくとも東村山においては、“我田引水私怨集団”とも呼ぶべき「草の根」ほど有害な存在ではないでしょう。選挙公報では「『ムラ』議会」の「改革」などとのたまっていますが、松沢さんが指摘するように、こんな選挙公報でも「草の根」が当選できるのは「東村山市がムラ社会だから」です。そもそも、


草の根2名当選のため、・・・町の方は矢野ほづみ(朝木直子)に投票を


などと居住地によって票の振り分けを図ること自体、典型的な“ムラ選挙”の手法じゃないんですかね。P2Cさんも「有権者をバカにしているとしか思えません」と憤っていましたが。私も農村部に住んでますので選挙のたびにそういう話が出ますが、それを堂々と選挙公報に書いてる候補者は見た記憶がありません。


いちおう公約のように読めるのは上記の2箇所だけで、選挙公報のほとんどはそれぞれのプロフィールが占めています。


一見して気づくことのひとつは、両者とも朝木明代市議「殺害事件」を前面に打ち出していることです。


朝木明代議員の連続当選の裏方として働き、朝木議員殺害事件解決に向け、渾身の努力を継続中」(矢野穂積
95年9月、母・朝木明代議員の殺害事件後、遺志を継ぎ、草の根庶民・弱者の生活を守り、事件究明と草の根民主主義のために斗うことを決意」(朝木直子


矢野「市議」は朝木明代の名前を出しているだけですが、朝木「市議」は、朝木明代の何を受け継ごうとしているのかについて、いちおう述べています。これも「公約」と理解することもできるでしょう。まったく実行されていませんけどね。何しろ、「草の根庶民・弱者の生活を守」るどころか、洋品店店主を標的とした弱い者いじめに加担したり、佐藤市議を攻撃するためにその家族まで巻き込んだりする人達ですから。


朝木「市議」のプロフィールを見ていて、もうひとつ気づくことがあります。あたかも朝木明代議員の死亡後に立候補を決意したかのように書くことにより、議席譲渡事件という黒歴史を隠蔽しようとしていることです。


1995年4月に立候補して当選した時は、「草の根庶民・弱者の生活を守り、・・・草の根民主主義のために斗うこと」は決意していなかったということでしょうか。だから簡単に議席を投げ出したんですかね。そう理解すれば、上記の記述は虚偽記載とまでは言えないでしょうが、それにしても恥知らずという印象はぬぐえません。


渾身の努力を継続中」とか「事件究明・・・のために斗う」という記述についても疑問がありますが、それはここでは措いておきましょう。「本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」と断じた1・29東京高裁判決がたとえ確定しても、次回の選挙公報でも平気で「殺害事件」と書くんでしょうね。


あとひとつ、両者のプロフィールに共通していることがあります。園名こそ出していないものの、りんごっこ保育園について次のように述べていることです。


保育園に入れない子供達のため、銀行から融資をうけ一円の税金も使わず保育園を完成させた園長を応援、妨害をはねのけ認可保育園開園。この保育園は東京都第三者評価でも『オールA』の高い評価をうける


両「市議」がどんな「応援」を繰り広げたかはエアフォース〈りんごっこ保育園問題とは何か〉を読んでいただくとして、両「市議」がりんごっこ保育園への利益誘導に狂奔することは、前回の市議選の時点で(間接的にとはいえ)表明されていたんですね。次回の選挙公報ではどのように書くのか、興味深いところです。


いずれにしても、東村山市のことなんかどうでもいいと考えているとしか思えないこんな選挙公報で当選してしまうのですから、大したものです。次回は果たして通用するでしょうか。


なお、両「市議」を推薦・応援しているのは、北野弘久(日大名誉教授)、先日亡くなった降旗節雄(筑波大名誉教授)、お馴染み乙骨正生段勲(「ジャーナリスト」)、そして両「市議」関係の裁判を一手に引き受けている中田康一(光一知)・福間智人弁護士(中田国際法律事務所)の各氏です。次回は「瀬戸弘幸」「西村修平」「黒田大輔」あたりが加わるんでしょうか。


また、両「市議」の選挙公報については松沢さんも何度か取り上げていますので、ご参照ください。


【余談】
久しぶりに 中田国際法律事務所のサイトをチェックしてみたところ、新しい弁護士が2人加わっていました。いずれも(ほぼ)新人さんですが、いつまでもちますかね。ところで、弁護士紹介のURLがあいかわらずlower***.html」なのはともかくとして、輦止慈子弁護士だけURLに名前を入れずに「lower_new4.html」とやってるのはひどくないですか。確かに難しい姓(たぶん「くるまど」)ですけど、だからこそ読み方を示しておく必要があるでしょうに。



【メモ的追記】(5月30日)
とはずがたり政策総研」というサイトに、東京都議選の開票結果データ(北多摩1区)があったので、とりあえずメモ。議席譲渡事件・朝木明代市議転落死事件(1995年)後の1997年に朝木直子が都議選に出馬したことは、松沢さんも何度か触れていますので承知していましたが、1993年にも出馬していたんだ。父親の朝木大統も2001年に出馬しているんですね。