「中立公正」を騙るまきやすとものお粗末な主張


引き続き日付順に記事を埋めていくとして、まきやすとも・機関紙名誉毀損裁判について。この界隈では唯一自分の裁判情報を積極的に公開しているまきやすともですが、その中身はこれまでの矢野・朝木両「市議」の主張を丸々コピーしているだけで、とりたてて目新しい点はありません(以下、洋品店名等にぼかし処理を施したSS画像)。


そこでは、「万引き事件は冤罪であり、自殺ではなく殺人事件であると断じる」根拠としておよそ14項目が挙げられています。どう考えてもまきやすとも本人がまとめたものとは思えないこれらの主張については、なた5963さんが逐一つっこんでいることもあり、ここではとりあえず触れません。いずれにせよ、これらの主張も踏まえた上で、
「明代が万引きをしていない(本件窃盗被疑事件がえん罪である)と認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」
「本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」

という集大成的判決(「創価問題新聞」事件)が出されたわけで、2009年6月23日の段階で過去の裁判資料をまともに読んでいないと自白したまきやすともには、真実性はおろか、相当性でさえ立証することは困難でしょう。もちろん、自分がしがみつきたい見解に反する事実には一切目を向けないまきやすともが「中立公正な立場に立って」いるなどというのは、ただの寝言に過ぎません。


もっとも、この14項目のまとめについては、P2Cさんの〈朝木明代市議万引き被疑事件・転落死事件 まとめWiki〉における「万引きが冤罪であるという主張」「故明代が他殺である(自殺ではない)とされる根拠」を補完するものとして有用ではあります。そのうち気が向いたら、私のまとめWikiの方に検証付で転載することも考えてみましょう。(追記:そういえば「朝木明代殺害事件・真実のまとめWiki」の話はどうなったんでしょうね。)


また、『潮』事件判決(平成14年3月28日・東京地裁)で「朝木明代議員が万引きしたという事実もなく、朝木明代議員が同僚の矢野議員とアリバイ工作をした、という事実もない」などという認定が行なわれていないことについては、りゅうオピニオン〈「中立公正な立場」に立つと主張するまきやすとも氏は矢野穂積市議らの「一方の当事者側の立場」に立った代弁者に。矢野市議は川越の裁判官を「創価系判事」と中傷〉参照。『潮』事件で「万引き・自殺」が否定されたなどという矢野・朝木両「市議」の虚偽宣伝は、「創価問題新聞」事件・東京高裁判決により、
「明代が万引きをし、万引きを苦にして自殺したことは同判決で否定された旨の控訴人らが出版した書籍・・・の記述は、当たらない」
と、はっきり否定されています。


アリバイ工作」については、『潮』事件以降に判決が言い渡された『月刊タイムス』事件でも主要な争点のひとつとして争われましたが、やはり、
「亡明代が虚偽のアリバイ主張をしていたと信じるにつき相当の理由があったと認められる」
「原告矢野が亡明代の虚偽のアリバイ工作に関与したと信じるにつき相当の理由があったと認められる」

と認定されました(平成15年11月28日・東京地裁判決)。かろうじて、「矢野が亡明代の悪質なアリバイ工作に関与したにとどまらずこれを主導的に考え出した」という点について相当性が否定されたにすぎません(平成16年9月29日・東京高裁判決)。


というわけで、いくらまきやすともが「万引き事件は冤罪であり、自殺ではなく殺人事件である」と勝手に断定しても裁判では通用しそうにないわけですが、それを自覚しているのか、まきやすともは、政経通信」の記事が千葉さんの社会的信用及び評価を低下させたか否かというところに当面の争点を絞ろうとしているようです。

しかしながら、本事件は殺人事件であったか、自殺であったかを問うものではない。
被告槇の「本件記事」が原告千葉の「社会的信用及び評価を低下」させたか否か、そしてこれが損害賠償の対象になるか否かを問うものであり、
これ以上の検証は不要であると判断される。
(まきやすともブログ〈千葉英司、元・東村山警察署副署長の全面敗訴は決定済み〉、太字は原文ママ

〔本件記事では〕冒頭の朝木市議殺害事件の内容を説明する過程で東村山警察署による他殺を自殺にすり替えた問題を論じている。
更にその中で捜査の責任者として当時の副署長であった原告千葉の氏名が登場したに過ぎない。
〔中略〕
本件記事の主体はタイトルにあるように「創価学会の犯罪を許さない」であり、原告千葉が自らを「創価学会の会員でもシンパでもなく」と、断じるのであれば、原告千葉に対する「社会的信用及び評価を低下」せしめることにはならない。
(まきやすともブログ〈次回の第二回口頭弁論は1月27日〉)


前にも、〈千葉英司の「社会的信用と評価」とは?〉という記事で、「千葉自身が如何なる『社会的信用と評価』をお持ちなのか」という主張をしていましたね(これが矢野穂積「市議」の発想とよく似ている件については、10月2日付の記事で指摘しておきました)。訴訟戦略上は当然の対応でしょうが、裁判で被告となっている他のメンバーと同様、朝木明代市議万引き被疑事件・転落死事件の「真相」解明などどうでもいい(あるいは少なくとも二次的な関心しかない)ことの表れでもあります。


まきやすともは、しかし、
「捜査の指揮をとった東村山警察署の千葉英司副署長(当時)は創価学会による殺人事件を〕強引に自殺として処理〔した〕
「自殺事件にすり替えた張本人・千葉英司」
〔千葉は〕警察を退職した今でも創価学会シンジケートで繋がり、店主を装って用心棒を演じていた」
などと、明らかに千葉さん個人を標的にした記述を行なっています。


原告である千葉さんは、このような記述が
「原告が、創価学会が関与した殺人事件を自殺と捏造した」
「原告が、創価学会の犯罪組織に所属する人物である」

という理解につながり、自分の社会的信用・評価を低下させる不法行為であると主張しているのであって(訴状参照)、裁判を入口のところで終わらせようとするまきやすともの企みは、まず通らないでしょう。


弁護士費用のご支援に感謝いたします〉では、弁護士から何か注意でもされたのか、いまさら「私の発言も多少は慎重でなければなりません」などと書いていますが、だったらまずは〈へえ、こういう気狂いが警察署の副署長だったんだね、〉という記事のタイトルぐらいは修正しておいてはいかがでしょうね。リチャード・コシミズを「気違い」呼ばわりした記事は、あんまり変わらないような気もするとはいえ、さっさと「気が変」に修正していたんですから(10月5日付の記事の追記3参照)。また、千葉さんが「創価学会の手先として、反創価学会勢力を裁判で訴える事で創価学会からお手当てをもらっている」などという「仮定」(というより妄想)も、少し控えておいた方がよろしいんじゃないでしょうか。


なお、この「弁護士費用のご支援」が政治資金規正法に抵触する可能性を排除できていないことについては、まきやすともも、「郵便局の振込み明細書にお名前だけしか記入されていない方が結構いらっしゃいます」と書いて認めています。そこには、外国人による寄附(政治資金規正法22条の5)や「本人の名義以外の名義又は匿名」による寄附(同22条の6)が紛れ込んでいるかもしれない。


凪さんが〈朝木直子東村山市議会議員でもわかる政治資金規正法〉や〈千葉市議会議員補欠選挙に立候補する「千風の会」の渡辺ゆういち氏に政治資金規正法違反のおそれ〉で指摘してきたように、政治資金規正法について何の説明もせず、口座番号を公表して広くカンパを募るというやり方そのものに問題があると思うのですが、自分達がやることについてはずいぶん甘いんですね。コメント欄で凪さんが問題を指摘しても、逆ギレして「二度と(ここへは)来るな」と連発するばかり。



ついでですから、コメント欄でのやりとりを掲載順に抜粋しておきましょう(1行空きの部分は詰めた)。

槇泰智氏は公共心や遵法精神がかけらもありませんね。
資金管理団体への寄付であるなら寄付をどのように使用したかを世間に公開すべきでしょう。それを見て槇氏が寄付を正しい用途に用いているか国民が判断するのです。さっさと公開してはいかがですか。それとも政治資金規正法違反で告発されたいのですか?
凪 2009/11/20 10:45 PM


法に則って適切に処理公開しているよ。
一銭も寄付しないお前が他人の財布覗き込んでガタガタ抜かすな。
創価学会は存在そのものが法律違反。
人間としても異常人格者ばかりだ。
自分のブログでも作ってそこで言いたいこと書き並べておきなさい。
もう、二度とここへは来るな
まき やすとも 2009/11/20 11:05 PM


呆れましたね。
一銭も払っていなくともガタガタ文句を言うことができるのが政治資金規正法ですよ。
まともに政治活動をしていれば訴訟にならない創価学会との訴訟に対する弁護士費用のどこが政治活動なのかというのは当然の疑問でしょう。まさかとは思いますが、仮に敗訴した場合の賠償金に充てられたりはしないですよね。
凪 2009/11/21 1:22 AM


自分自身がよく分かっているじゃないか
>>ガタガタ文句を言うことができるのが
そう。お前の言っているのはガタガタの文句に過ぎない。
創価学会=蛆虫集団による嫌がらせである。
二度と来るな
これ以上、何か言いたいなら、直接私にいいなさい。若しくは朝日新聞の投書欄に投稿しなさい。
2009/11/21 8:00 PM


「>>ガタガタ文句を言うことができるのが
そう。お前の言っているのはガタガタの文句に過ぎない。」

「君子豹変」と批判されて「私は君子ではありません」と言った鳩山由紀夫を超える詭弁ですね。資金管理団体への寄附を呼びかけたのは贈与税対策ではないのですか。ただそうだとすると脱税に近い悪質なものだと言えますが。
凪 2009/11/22 9:39 AM


なお、まきが「法に則って適切に処理公開している」というその中身については、11月9日付の記事の本文末尾を参照。


また、まきやすともが掲げている「裁判官も検事も学会関係者だから出来る訴権濫用」の横断幕については、10月15日付〈闘う前から負けている人々〉参照。


〔この記事は11月23日の夜にアップしたものです。〕


◆今後の新風連関連裁判日程
*まきやすとも・写真著作権侵害裁判:12月11日(金)午前10時半〜、東京地裁(霞が関)721号法廷〔ソース
*クロダイ・第1次落書き名誉毀損裁判控訴審(原告・宇留嶋さん/控訴人・クロダイ):12月16日(水)午前10時〜、東京高裁424号法廷〔ソース〕【第1審判決
*クロダイ・第2次落書き名誉毀損裁判(原告・千葉さん):12月18日(金)午前10時45分〜、東京地裁立川支部〔ソース
*西村修平・婚外子差別発言裁判:12月24日(木)午後1時半、東京地裁(霞が関) ※判決言い渡し(予定)〔ソース
*西村修平・第3次「御用ライター」裁判(原告・宇留嶋さん):1月18日(月)午後2時〜、さいたま地裁川越支部〔ソース
*まきやすとも・機関紙名誉毀損裁判(原告・千葉さん):11月18日(水)午後1時20分〜(?)、東京地裁立川支部〔ソース
*西村修平・街宣名誉毀損裁判(原告・千葉さん):1月27日(水)午後1時30分〜、東京地裁立川支部 ※結審(予定)〔ソース
*まきやすとも&クロダイ・対創価学会街宣名誉毀損裁判(原告・創価学会):2月5日(金)午後1時半〜、東京地裁(霞が関)〔ソース