「エンドレスの斗い」がいきなり終わってしまったかのような感もある西村修平・街宣名誉毀損裁判判決(千葉さん勝訴)


東村山市民新聞では、4月28日付で「最終更新日」の修正が行なわれた(2010/04/27 16:06:26)後、4月29日付でトップページに若干の加筆がありました(2010/04/28 20:08:17)。まず一つ目の囲み(〈緊急告知〉の下)。


職権濫用検察(国家公務員法100条違反)を告発し徹底追及を!
違法に捜査情報を垂れ流しマスコミ総出の情報操作の結果が、「素人審査会」の審査結果であることは明らか。直ちに、刑事告発し、彼ら「検察・マスコミ・民主内不満分子」のクーデターの全貌を国民に知らせよう!市民新聞も「国家公務員法100条違反」で刑事告発する用意はある。職権濫用検察関係の情報を共有し斗おう。


「用意はある」んですか、そうですか。まあ頑張ってくださいね。今日は疲れているのでいちいちコメントしませんが、検察審査会の「起訴相当」決議を本当に疑問に思っている皆さんは、「情報を共有し斗おう」という呼びかけに乗っかっちゃう前に、いろいろ考えた方がよろしいかと思います。そんな人もそうそういないでしょうけれども。


もう一つ、公訴時効廃止問題に関わって次のような加筆が行なわれています(加筆部分のみテキスト化)。


◎ 2010年4月27日殺人関係公訴時効廃止可決成立、即日施行!
 朝木議員殺害犯とはエンドレスの斗いの幕開けです。


◎ 殺人関係公訴時効廃止、即日施行の法相判断を高く評価する。


おかしいな、2008年12月23日の段階ですでに実行犯の絞込みが進んでいると説明し、2009年5月14日付更新でも「殺害事件の首謀者・実行者らに対する『包囲網』は狭まってきて」いると宣言しているのですから、予定されていた公訴時効(今年9月1日)までに逮捕はできなくとも、「エンドレスの斗い」にはならないはずですよね。矢野・朝木両「市議」が「エンドレス」と言う意味は私にはよーくわかりますが、果たしてそれは「斗い」と呼ぶに値するかどうか。


ところが、矢野・朝木両「市議」が「エンドレスの斗いの幕開け」を宣言したまさにその日に、西村修平・街宣名誉毀損裁判で次のような判決が言い渡されてしまったというのですから、皮肉なものです。

 右翼団体「主権回復を目指す会」代表の西村修平(=威力業務妨害罪の前科あり)が街宣活動の内容などを名誉棄損で訴えられていた裁判で28日、東京地裁立川支部は西村に対し、10万円の損害賠償を支払うよう判決で命じた。
 問題となったのは2008年9月1日、東京・東村山駅東口公園で同人が演説を行い、95年同日に起きた東村山女性市議転落死事件について、計画的な殺害であり、東村山署がそれを自殺事件に仕立て上げ、女性市議の万引き事件を捏造したなどと断定したもので、「四悪人」として、転落死当時、東村山署副署長だった男性などを名指しししたもの。
 これに対し、元副署長は、100万円の損害賠償を求める名誉棄損裁判を提起し、審理がつづいてきた。判決文は38ページにおよぶ長さで、西村による摘示事実はいずれも真実性がなく、相当性もないと判断した。
 判決文では、「被告の主張するその余の点を考慮しても、亡明代が殺害されたことや、これが計画的なものであったことを認めることはできない」と結論づけ、さらに「本件転落死当時、亡明代に自殺の動機がなかったとはいえない」と明言し、原告側の主張を全面的に認める内容となった。
 被告の西村はこの事件で弁護士に委任していたが、判決に代理人は同行せず、西村ひとりが被告席に(原告側は所用で欠席)。傍聴者は19人。ほとんどが右翼関係者で占められたが、たいした混乱はなかった。
(柳原滋雄コラム日記〈デマにたかった右翼「西村修平」を断罪 東京地裁立川支部〉、太字は引用者=3羽の雀)


法廷の様子については、宇留嶋瑞郎さん橋本玉泉さんの速報も参照。


西村修平が代表を務める主権回復を目指す会は、判決言い渡しの前日に次のように宣言していました。


〔前略〕
当会の西村修平代表が東村山署元副署長・千葉英司から訴えられていた名誉毀損裁判に判決が下される
口頭弁論、証人尋問などで千葉英司の捜査が如何に杜撰を極めたかが白日の下にさらけだされた。また「謀殺」捜査に創価学会の検事が深く関わった疑惑も公にされるなど、裁判の過程で埋もれていた新事実も次次に明るみに出された。「東村山の闇」に光りをが〔ママ〕、 謀殺が「自殺」に変わった真相に光りがあてられのだ〔ママ〕。
その経緯をふまえて明日(28日)いよいよ判決が下される。
〔後略〕


「新事実」と言っても私には「カギ束」の話ぐらいしか思いつかないのですが、それもどうやら役に立たなかったようです。〈いよいよ事件は、大詰めに!〉と騒いだ矢野・朝木両「市議」の立場(2009年12月12日付更新)はどうなるのか。



第3回口頭弁論で西村代理人が「(書証の提出については)朝木さんと相談します」と回答したこと、西村代理人による電話照会に朝木「市議」が応じていること、千葉英司さんの準備書面を読んだ矢野「市議」が西村代理人にメールを送付していることから明らかなように、矢野・朝木両「市議」は、この裁判を通じて西村修平を全面支援してきました。この判決についてのコメントも、「エンドレスの斗い」の一環として、近いうちに明らかにされることを期待しましょう。


なお、瀬戸弘幸サンは次のように報告しています。

 本日の東京地裁立川支部において、千葉英司副署長(事件当時)が「主権回復を目指す会」の西村修平代表を名誉毀損で訴えた民事訴訟で判決がありました。
 被告(西村氏)は原告(千葉氏)に十万円を払え・・・と言うもので第一審については原告側の主張を認めるものです。しかし、裁判所が認めた部分は100万円の請求に対して、その10分の1でも分かるように原告側の主張が全面的に認められたものではありません。
 我々の主張は千葉氏が事件当時の副署長として、事件の捜査に関して、その杜撰な捜査状況を批判追及したものであり、その部分においては名誉毀損は認められてはいません。
 創価学会の信者ではないと主張した千葉氏に対して「創価学会の四悪人の一人である原告が・・・」という部分が千葉氏の精神的な苦痛をもたらしたとして、慰謝料として10万円という金額が認められたということのようです。
 尚、今後控訴の手続きが取られるものと思いますし、訴状〔ママ〕の写しが届きしだい問題点を取り上げて行きたいと考えております。
(瀬戸弘幸ブログ〈国民との対決を選択した民主党〉)


今回の判決で「原告側の主張が全面的に認められたものでは」なかったとして、被告(西村修平)の主張はもちろんそれ以上に認められなかったから敗訴してしまったはずなのですが、このあたりについては判決書が公開されるのを待つことにしましょう。


なお、今回の裁判で西村側は、
『東村山の闇』判決により、『創価問題新聞』判決は覆されている。よって、西村の演説には相当の理由がある
という趣旨の、矢野・朝木両「市議」とそっくり同じ主張を行なっていました。今回の判決でこの点に関する裁判所の判断が示されているなら、同様の根拠に基づいて提出された「朝木明代議員殺害事件に関する請願」の審査でも参考にすることができるでしょう。5月6日(木)に議会運営委員会が開かれるようですが、この時に同請願もあわせて審査されるのでしょうか。


◆今後の新風連関連裁判日程
*西村修平・婚外子差別発言裁判控訴審:5月12日(水)午前11時〜、東京高裁822号法廷〔ソース
*まきやすとも・写真著作権侵害裁判:5月21日(金)午前11時半〜、東京地裁(霞が関)721号法廷〔ソース
*まきやすとも&クロダイ・対創価学会街宣名誉毀損裁判(原告=創価学会):5月21日(金)午後1時半〜、東京地裁(霞が関)〔ソース
*まきやすとも・機関紙名誉毀損裁判(原告=千葉さん):5月26日(水)午後1時30分〜、東京地裁立川支部404号法廷〔ソース
*クロダイ・第1次落書き名誉毀損裁判上告受理申立て中