第2次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判:嫌がらせとしか思えない写真掲載に公共性・公益性は認められるか


東村山市民新聞は相変わらず「最終更新日」の修正のみです(6月25日付〔2011/06/24 17:00:31〕・6月26日付〔2011/06/25 17:04:46〕)。2008(平成20)年12月定例会2010(平成22)年6月定例会の場合と同様、一度も市議会の話をしないままで終わってしまうようです。もっとも、市議会の話をしたとしてもせいぜい1〜2回触れるに留まることがほとんどですが。


他方、昨日(25日)は在特会東京支部による反パチンコ街宣が新宿でありましたので、Togetter〈【在特会】朝からブーメラン連発の反パチンコ街宣(6月25日)〉としてまとめておきました。参加者がわざわざ女性店員に肩をぶつけに行ったくせに、軽くやり返されたら集団で「手を出した」だの何だのと騒ぎまくり、トラメガも使いながら「土下座して謝れよ!」などと強要する当たり屋まがいの手口には、いつもながら唖然とさせられます。街宣では、店内での話し合いで謝罪があったから収めたという趣旨のことを述べていましたが、自称桜井会長の報告ではこの件に何ら触れられていないところを見ると、実際はどうだったのやら。拡声器を使って至近距離で怒鳴る行為自体が暴力であり、場合により傷害罪が成立することもありますので(有門もそれで逮捕されそうになったことがある)、在特会から標的にされそうな人達は証拠保全の態勢を整えておくのがよろしいかと思います。


なお、瀬戸弘幸サンは6月18日付エントリーでこの街宣のお知らせを転載していましたが、その後はまったく触れず、協賛にも名を連ねませんでした。排害社は協賛したようですが(ただし在特会公式サイトの告知には協賛団体は掲載されていない)、金友隆幸代表は姿を見せなかったようです。また何か隙間風でも吹いているのでしょうか。


さて、その瀬戸弘幸サンが、弟子の有門大輔とともにまた訴えられました。


 自分の姿が写った画像や動画を無断でブログに掲載され、大きな精神的苦痛を受けたとして、埼玉県に住むジャーナリストの男性A〔宇留嶋瑞郎〕氏が、ブログを編集、管理する元政党副代表のB〔瀬戸弘幸〕氏ら2人を相手取り、100万円の損害賠償と画像の削除を求める民事訴訟をさいたま地裁川越支部に起こしたことが分かりました。第1回口頭弁論は7月27日午前10時から行われる予定です。
 A氏が肖像権を侵害されたと主張しているのは、2008年(平成20年)9月4日の記事中でリンクを張られた8本の動画のうちの1本と、同12日と10月11日、11月8日の画像それぞれ1枚ずつです。同年9月1日に東京都西部の私鉄駅前でB氏らによって行われた街頭宣伝活動をA氏が取材していた様子を中心に撮影したもののようです。
 動画や画像には、A氏について、「特定宗教団体(原文では実名)を擁護している」とか、「(街宣に)集まった人たち全ての写真を取り(ママ)まくっていた」、「特定宗教団体御用ライター」と説明するキャプションも添えられていますが、A氏は「事実に反する」などと反論しています。
〔後略〕


訴えの対象とされた記事については、まとめWiki〈第2次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判〉でリンクを張ってあります。訴状ではキャプション等についても触れられているようですが、請求ではあくまでも肖像権侵害に焦点を当てているようです。


宇留嶋さんの写真を掲載したことによる肖像権侵害の問題については、すでに第1次落書き名誉毀損裁判(被告=黒田大輔)や第3次「御用ライター」裁判(被告=西村修平)で宇留嶋さんの請求が認められ、それぞれ10万円・20万円の損害賠償が被告側に命じられています(確定)。また、瀬戸サン自身、千葉英司さんから肖像権侵害や名誉毀損で訴えられた際には、千葉さんの写真はさっさと削除していました(第1次せと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判)。


しかし、第3次「御用ライター」裁判の第1審・控訴審判決時には次のようにコメントしていましたので、瀬戸サンとしては今回は争うつもりなのかもしれません。

 ところで、ジャーナリストの肖像権を裁判所は認めています。写真の慰謝料は一枚10万円との事ですから、それ以上の額は認められないでしょう。私も掲載しているので、或いは写真の削除とその部分だけの名誉毀損を起こしてくるのかも知れません。
 ただ、宇留嶋氏だって私に無断で私の写真を雑誌に掲載しています。自分が写されるのは嫌だと言いながら、自分は勝手に撮りまくって自らの商売用に使っている訳ですから、筋が通らないと思います。
 彼は我々の抗議集会にまとわりついて、私や西村さん以外の人に関しても一人一人を執拗に写していました。そのような必要性はどのように考えても、普通のジャーナリストであるならば必要ないことです。
 参加者全員の顔写真が何故必要なのか分かりません。ただ個人的な趣味で撮っていたのでしょうか? それだけ変わった人なのかも知れません。
 私の掲載している写真は主権回復を目指す会サイトから頂いたものです。同会サイトの写真が高裁で削除を求められるまでは掲載しておきます。
 その前にこの写真の件で裁判を起こされたら、その時は負けを覚悟で、先に述べたような彼の執拗なカメラ撮影に遭った被害者にも協力を頂き、反訴して彼が撮影した我々の仲間の写真の返還を求めるつもりです。
 だって、どこにどう使われているか、心配ですよね。撮られた人は皆さん、不気味だと言っていました。
 現場での映像を見たら、宇留嶋氏が我々の仲間を撮影している様子が克明に映っていました。
(瀬戸弘幸ブログ〈宇留嶋瑞郎「御用ライター」裁判:認められたのは肖像権だけ。〉。第1審判決を受けてのコメント)

 私も西村氏が掲載した写真と同じものをブログの中に掲載しており、今後私に対しても同様に肖像権の侵害として賠償請求を提起してくる可能性も大です。
 その時には取材するジャーナリストの肖像権が本当に法によって守らなければならない程に重要なのかを争ってみたいと思います。多くのジャーナリストと名乗る人達が、自らの顔写真を公開しており、堂々とブログでも公開している現在、何故に一部のジャーナリストの顔写真が肖像権で保護されるべき対象となるかについて、明確な判断を裁判所に求めることになると思います。
(瀬戸弘幸ブログ〈「御用ライター」裁判・不当判決(1):ジャーナリストの肖像権は、そんなに保護されるべきなのか?〉。控訴審判決を受けてのコメント)


瀬戸サンは、街宣主催者・参加者と取材者の立場の違い、撮影行為と公表行為の違いなどいろいろなことを十分に(あるいはまったく)理解していないようですが、まあ争うなら争えばよろしいかと思います。ちなみに第3次「御用ライター」裁判の控訴審判決は、次の通り、西村修平が宇留嶋さんを撮影したことについては違法性を否定しつつ、それをホームページに掲載したことについては「公共性、公益性があるとまでは認めることができない」などとして違法行為と認定しました。

 人は、みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて法律上の利益を有するが、控訴人〔西村〕が被控訴人〔宇留嶋〕を撮影したのは公道上であり、その撮影の方法も、控訴人が本件街頭宣伝活動の状況をビデオに撮影していることを被控訴人は知りながら、本件街頭宣伝活動に参加した控訴人の関係者に近づき取材したところを控訴人が撮影したものであるから、控訴人による撮影が、被控訴人の承諾を得ずに行われたとしても控訴人による被控訴人の撮影行為が被控訴人の人格的利益を侵害したものであるということはできない。
〔中略〕
 証拠(乙28)と弁論の全趣旨によれば、朝木市議関連事件等を巡って、控訴人がホームページ上で主張している見解は、被控訴人がその著書で主張している見解とは相容れない立場に立つものであることが認められる。控訴人と被控訴人の立場の相違を考えると、被控訴人の承諾を得ないままにビデオで撮影した写真を控訴人の開設するホームページ上に載せる行為は、その写真説明と合わせて、控訴人が被控訴人の見解を批判する目的によるものであったと認められる。朝木市議関連事件等についての控訴人の意見の表明が社会の関心事の1つであったということができるとしても、上記目的で控訴人が被控訴人の写真を承諾なく掲載することについては、公共性、公益性があるとまでは認めることができないから、被控訴人の写真をその承諾なく掲載した行為は、被控訴人にとって社会生活上受忍の限度を超えたもので、被控訴人の人格的利益を侵害する違法な行為であると認めるのが相当である。


そもそも、第1審判決の時は「同会〔主権回復を目指す会〕サイトの写真が高裁で削除を求められるまでは掲載しておきます」と書いていたのですから、控訴審判決が出た時点で、あるいはせめて上告棄却・不受理により控訴審判決が確定した昨年11月30日の時点で大人しく写真を削除しておけば、新たに訴えられることはなかったのかもしれないのに、御苦労様なことです。さっさと遺憾の意を表して和解金を払って収めるのが賢明だと思いますが、まあ、どう見ても単なる嫌がらせとしか思えない写真掲載の公共性・公益性をがんばって主張なさればよろしいのではないでしょうか。


なお、23日には西村修平が千葉英司さんから訴えられた第2次街宣名誉毀損裁判の第5回口頭弁論がありました。動画がアップされていたのでざっと流して見てみましたが、第1次街宣名誉毀損裁判で問題にされたプラカードを相変わらず首からぶら下げ、同裁判の判決で完膚無きまでに否定された「謀殺」説を壊れたレコードのように主張し続けるだけで、裁判がどうなっているのかはさっぱりわかりません。いずれ宇留嶋さんがまとめて報告してくれるでしょうから、それを待つしかなさそうです。