自治基本条例をみんなで考えるための手続条例に反対した「草の根」の「市民派」度は?


ジュネーブで開かれている国連・人種差別撤廃委員会で、2月24日午後〜25日午前(現地時間)にかけて、日本の人種差別撤廃条約の履行状況が審査されました(この委員会に提出する報告書をめぐる意見交換会で西村修平が行なった発言が問題とされ、後に裁判に発展したのが、婚外子差別発言裁判)。2月24日付〈「在特会等糾弾決議」をめぐる矢野・朝木両「市議」への「公開質問」〉で「このあたりの話は、もうじき国際的にも話題になる可能性が高い」と書いたのは、この件です。まさかジュネーブまで行って騒ぎはしないだろうと思っていましたが、いちおう終わるまで黙っていました。


毎日新聞読売新聞朝日新聞NHK共同通信等が簡単に報じていますが(追記〔2月28日〕:共同通信英語版The Japan Timesでも報道)、国連のプレスリリースを見ると、インターネット上のものを含む排外主義(xenophobia)やヘイトスピーチなどの問題にもかなり焦点が当てられたようです(前田朗氏による詳細なメモも参照)。Thornberryという委員が
ヘイトスピーチに対してかなり寛容なアプローチがとられている」
「いわゆる公的議論の『粗雑化』
(coarsening)には社会にとっての危険がある」
などと発言していることからして、3月12日に公にされるという委員会としての正式見解でも、何らかの対応を求められることになるでしょう(前回の見解は外務省のサイトを参照)。委員会の見解が公表されたら、また触れるかもしれません。


さて、東村山市議会3月定例会では代表質問が終了し、月曜日から一般質問が始まります。3月3日(水)になると予想される矢野・朝木両「市議」の一般質問までに、いくつか市議会関連のネタを片付けておくことにしましょう。


定例会初日(24日)の様子については、佐藤市議島崎市議が報告してくれています。


まず1月20日の政策総務委員会で全会一致で採択された「東村山市の『(仮称)自治基本条例』をみんなで考えるための手続に関する条例」について。この条例については、1月23日付の記事でいくつか関連記事を紹介しておきました。


「注目は政策総務委員会に委員を出していない草の根市民クラブの動きだが、さすがに会派名に『市民』が入っているだけに、今回の条例に対して反対はしないと思う」という薄井市議の希望的予想に反し、「草の根」は何ら理由を示すこともなくこれに反対したそうです。島崎市議の報告によれば、次の通り。

また、『東村山市の「(仮称)自治基本条例」をみんなで考えるための手続に関する条例』が委員会審査の結果、挙手全員で可決されたと内容とともに報告がありました。こちらの委員会に所属していない会派は質問できる権利がありますが、草の根はなんら質問することなく討論もなく、手を挙げず反対の意思表示。この議案は、ケッコウ大きな意味を持つものですから、草の根がどのように考えているのか明らかにしてほしかったと私は思います。


2009年9月22日付〈実際に行動する市民への敵意すら感じられる「草の根」〉で、「草の根」について
「総じて、自分達の思い通りに動いてくれない市民に対する苛立ちや敵意のようなものが感じ取れます」
と評しておいたのですが、やっぱり市民参加の拡大には反対なのでしょうか。


昨日(25日)は東村山市民新聞の更新はなく、今日も「最終更新日」の修正だけで済ませたようですが(2月27日付、2010/02/26 18:27:25)、東村山市政とは何の関係もない小沢vs検察問題で東村山市民新聞(無所属・政権交代派)は告発する!〉と(中身のない)大騒ぎをする暇はあったのですから、参院選には出馬せずにあと1年市議会議員を務める気があるなら、少しは市民に説明していただきたいものです。


と書いたら、「いのちとこころの人権の森宣言」に唯一反対したことをばらされた途端にヒステリックな弁明を始めたときのように(2009年9月26日付〈【総括】いのちとこころの人権の森宣言:何の取り組みもせず、当事者の気持ちを無視し、因縁だけをつける矢野・朝木両「市議」〉参照)、何やら見解を明らかにしていただけるかもしれません。それとも、高笑いで逃亡するだけかしら。


なお、今回の議会には「東村山市人権の森構想推進基金条例」も上程されています。これも政策総務委員会に付託されたということで、同委員会に所属していない「草の根」の賛否・見解は最終日(3月26日)に明らかにされることになりそうです。


一方、「都市再生機構賃貸住宅への定期借家契約導入反対の意見書提出に関する請願」については「草の根」も手を挙げて賛成し、これに基づいて「都市再生機構賃貸住宅への定期借家契約導入・拡大方針の撤回を求める意見書」が可決されました。
草の根市民クラブは、記録に残さず、正々堂々の議論もせず、ムラ議会の舞台裏で、こそこそ談合して間に合わせの『意見書』をつくるようなやり方は、謀殺された朝木明代議員以来、一貫して、拒否している
という説明(2009年6月2日付更新)はとっくに破綻しているような気がしますので、あらためて一貫した説明をしていただきたいものです(「東村山市民新聞」の迷宮〈矢野穂積・朝木直子「市議」の議員活動〉の市議会が採択する意見書等への対応も参照)。


今回の請願・意見書については、「収入が減り管理費等を払えない区分所有者Kさん」を引き合いに出して久米川駅東住宅管理費未払い斗いを続けてきた矢野「市議」としては、反対するわけにもいかなかったのかもしれません。ところで、矢野「市議」の主張は東京高裁でも退けられてしまったわけですが(エアフォース久米川駅東住宅管理費等不払い事件控訴審判決 〉その1その2その3)、けっきょく大人しく払うことにしたのか、それとも上告・上告受理申立てを行なったのか、そろそろ斗いの結果を報告してもいいんじゃないでしょうか。(追記〔2月27日〕:被告のうち、矢野穂積「市議」と高野博子・りんごっこ保育園長のみ2月1日付で上告したそうです。エアフォース・その3の追記参照)。


面倒くさくなってきたので、後は佐藤市議の報告を引用して簡単につっこむだけで済ませておきます。

委員長報告後は、当初議案のうち6本を各常任委員会へ、22年度予算関係は予算特別委員会へ付託を決め、予算委員会の正副委員長の互選に移りました。
互選の結果、委員長については、島崎洋子議員(自民自治)21票、矢野穂積議員2票、白紙投票2票。副委員長は山川昌子議員20票、朝木直子議員2票、白紙投票3票。となりました。
余談ですが、予算特別委員会や決算特別委員会の設置を本会議で諮る際には必ず反対する矢野・朝木議員。それでいて出てきた上で自分たちに互いに投票する…相変わらず摩訶不思議な人たちです。


こんなことばかりやっておきながら、「変えよう!議会・東村山」の議員が議長選挙で公明市議に投票したら「変えよう!議会を『親創価に』」という本音とおりの態度でした!などと騒ぐのですから、呆れたものです(2009年5月31日付〈他の市議へのレッテル貼りに終始する矢野・朝木両「市議」〉参照)。


佐藤市議の報告の続きです。

最後に審議された「教育委員会委員の選任について同意を求める件」は、私と矢野議員だけが質疑に立ちました。
〔中略〕
矢野議員は「提案されている人物は、石原都知事と同じく、日の丸君が代を強制することを是認する立場にあるのか否か」等と、前にも聞いた台詞で迫っていました。


あいかわらずですね。2008年4月2日付〈〈「草の根」の斗い〉(笑)こそ、単なるポーズだけ〉参照。そんなことより、日の丸を振りかざして洋品店やら市議会議員の事務所やら朝鮮学校やらを襲撃している連中との関係について、早く見解を明らかにしていただきたいものです。


まあ、今日(26日)の代表質問では、朝一番に傍聴席を指さして
「ゴキブリがいないじゃないか。ゴキブリが!」
と叫んだという話(たぶん宇留嶋さんのこと)もありますし、要は似たもの同士ということでしょうか。京都朝鮮学校襲撃事件のときにも、こんなことを言ってる人間がいましたよ。


〔略〕
◆この女、馬鹿キャスターは意味が解らず、差別的発言は許されないと言ってますが、こいつの「差別的発言」定義はお前らだけの中で勝手に独断と偏見で決めたこと、広く一般ではそんなもの存在しないのです、ゴキブリをゴキブリ!、蛆虫を蛆虫!と呼んで差別ならゴキブリは何てお呼びすれば宜しいのですか?キッチンないし台所の片隅におわします 黒くて光沢が御ありに為り大変すばやく御移動される御蟲の方様か?蛆虫を捕まえてゴキブリ!て言ったら蛆虫から言わせりゃ名誉毀損!ゴキブリからすれば差別だ!てことに為るのか?そんなこと言って問題にしてるお前みたいな奴が本当は一番差別をしてるんだよ!馬鹿はスッ込んでろ!泥棒を泥棒!スパイをスパイ!人攫いを人攫い!嘘吐きは嘘吐き !犯罪者は犯罪者!是を差別と言うのではない区別であり真実を述べた迄


今日はこのぐらいにして、引き続き矢野穂積「市議」の一般質問の内容を検討していきたいと思います。りんごっこ保育園名誉毀損(平成18年附帯決議)裁判をめぐって同じような質問を繰り返していることについて、とりあえずまとめWikiの方に項目を作っておきました