議会でうっぱん晴らしをするのはやめてください


3月7日付で〈「草の根」の斗い〉(笑)がひとつ増え、トップページに〈「朝木明代議員殺害事件」という文言の、戦前並みの発言取消しをやめさせました!〉という誇らしげな見出しが登場しました。あわせて新規ページも設けられています。


■公明らの戦前並み「発言取消し」要求ついに破綻!
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page161.html


要は、市議会で「不当な発言取消」について質問したけど答弁・反論がなかったのでオレ様の勝ちという話のようです。


SLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation=市民の言論・政治参加を妨害するために意図的に起こす訴訟)という現代的形態の言論封殺を繰り返していると言われてもしかたのない人たちが、例によって自分たちの主張を正当化するためだけにろくろく考えずに「戦前並み」という大仰な表現を使っているのも驚きですが、これ、本当に勝ったんでしょうか。まあ個人的には、「朝木明代議員殺害事件」と言いたい人には言わせておいて、議事録で「殺害」にカギカッコでもつけてればいいのではないかと思いますが。


しかし「破綻」しているのが矢野「市議」の論理であることはだれの目にも明らかなんですよね。


昨年(2007年)6月20日の東京高裁判決で、「少なくとも被控訴人が本件のアザを他殺を疑わせる証拠となるようなものであると信じたことについて、相当な理由があるというべきである」という判示認定がなされた
  ↓
だから「朝木明代議員が何者かによって東村山駅東口のビル上層階から何者かによって落とされて殺害されたのは明白」(注・「何者かによって」が繰り返されているのは原文ママ


ここにものすごい論理の飛躍があることは一目瞭然です。おはら汁の記事で指摘されているように、東京高裁は 「矢野が他殺だと思ってもしょうがないかもね」と言っているだけで、「朝木明代議員は何者かによって殺害された」とは一言も言っていません。


つまるところ、宇留嶋氏による次のようなまとめは依然として有効だということです。

故朝木明代の転落事件については平成7年12月22日、警視庁東村山署が「犯罪性はない」として捜査を終結、平成9年4月には東京地検が「自殺の疑いが濃い」とする結論を発表しており、また多くの民事裁判において「他殺」を主張していた故朝木の同僚市議、矢野穂積氏、故朝木氏の長女、朝木直子氏らの訴えはすべて排斥されている。すなわち、故朝木氏の転落死事件は「自殺」というのが刑事・民事ともに共通する結論となっている。


それにしても矢野「市議」の質問内容、威勢のいい調子とは裏腹に負け惜しみ感がたっぷり漂っていて憫笑さえ浮かんできます。千葉英司・東村山警察署元副署長について、次のように言っている部分です。

殺害事件当時の捜査の責任者である東村山警察元副署長は、一貫して朝木明代議員が自殺したと主張してきた以上、捜査のあり方に重大な疑問がでるのでありますから、敗訴判決はひとつでも確定することなどは許されない立場にあったのでありますが、殺害事件でなく自殺だと指摘した同僚議員の私を名誉毀損で訴えたにもかかわらず、……副署長の敗訴判決は昨年6月20日確定したのであります.
ということは、いまや、朝木明代議員殺害事件の捜査のあり方に重大な疑問がでていると言わざるをえない。敗訴判決はひとつでも確定することは許されない立場にあったのでありますが、副署長の敗訴判決はこれだけではなく、朝木明代議員遺族及び私どもを提訴しながら、3件も自ら取り下げているのであります。


ご覧のように、「敗訴判決はひとつでも確定することは許されない立場にあった」と繰り返しています。たとえ他の裁判で負けても、1回でも勝訴すればオレ様の勝ちと言いたいようです。いくら今年2月7日に東京高裁で敗訴し、一般質問の直前に給与を差し押さえられたからと言って(エアフォース参照)、市議会の議場でうっぷん晴らしをするのはみっともないのでやめたほうがいいんじゃないでしょうか。(ちなみにこの記事は3月10日に書きました。)


追記:つっこもうと思って忘れていましたが、矢野「市議」は「殺害事件でなく自殺だと指摘した同僚議員の私」と言ってますね。やっぱりわかってるんだ?