証人尋問を「取調べ」って(笑)


3月18日付でシンブンのトップページが修正され、これまで〈前代未聞!「越境通勤市議」追及 ◎当選無効裁判で、佐藤まさたか「市議」本人の証人尋問決定!(東京高裁)〉だった見出しが次のように変わりました。


「草の根」の斗い 
◎当選無効裁判
−佐藤まさたか「市議」本人を取り調べ
証人尋問は3月21日(金)13時40分から (東京高裁第22民事部法廷)


真ん中の行はむやみに文字が大きくなっています。「取り調べ」と言っても、これは矢野・朝木両「市議」の申請に基づく証人尋問です(佐藤市議のブログの記事参照)。


証人尋問も「証拠調べ」の一環には違いありませんが、「取り調べ」と言われたら普通の人は「捜査機関が、被疑者や参考人の出頭を求めて犯罪に関する事情を聴取すること」(大辞泉)と思うでしょう。佐藤市議が犯罪容疑者であるという印象を強めたいわけでしょうか。ほんとに愚劣な印象操作にだけは知恵が回る人たちです。それとも検察官気取りですか?


矢野・朝木両「市議」の主張は東京都公報平成19年10月24日号(PDFファイル)に要約されていますが、これがなかなかユニークなので紹介しておきましょう。


要は佐藤市議の「生活の本拠」が東村山市内にあるとは言えないと言い張っているわけですが、その根拠は次のとおりです。ごくごく簡単につっこみを入れておきます。


(1)佐藤市議は家族と別居しており、家族は日野市内に住所がある。しかし家族は佐藤市議の当選後に2DKのアパートから3LDKのマンションに転居している。「家族構成が減ったにもかかわらず、間取りが広く家賃が高いマンションに転居することは経験則上ありえない」。
(勝手な「経験則」。2人の子どもも大きくなったからそろそろ個室にしようかとか、いろいろ考えることはあるでしょう。)
(2)佐藤市議は家族が住む「マンションの直近に駐車場を貸借しているし、離婚もしておらず、妻に財産分与したこともないと考えられる。/以上からすれば、佐藤は、日野市にその管理すべき財産を所有しているというべきであるから、生活の本拠は日野市にあり、東村山市にはないというべきである」。
(財産所在地が生活の本拠地であるという論理の飛躍。)
(3)佐藤市議の家族の住居から東村山市議会までは車で約30〜40分である。佐藤市議は「現に、日野市の家族の住居から自動車で東村山市に行っていることが認められる」から、「佐藤の生活の本拠は日野市にあるというべきである」。
(在職中に別居家族を訪問することは一切まかりならんというわけでしょうか。)
(4)申立人が「平成18年6月以降に佐藤の住所について独自の実体調査を実施したところ、当該期間の佐藤の生活の本拠が東村山市にないことが判明した」。佐藤市議は「東村山市議会議員選挙に立候補するために形式的に住民登録したにすぎないから、生活の本拠である住所は東村山市にはないというべきである」。


最後の「独自の実体調査」というのは、たとえば佐藤市議の家族が暮らすマンション前でストーカーまがいの張り込みをしていたことを指すのでしょうか(「東村山市民新聞」152号、2006年10月31日付)。佐藤市議によれば、こんな感じだったようです。

昨年秋、朝木直子市議は、私の家族が暮らす日野のマンション前にカメラ片手に張り込みを続けました。
家族は不安と恐怖におびえる毎日でした。
私は現在でも必要に応じて日野へ向かいますが、その頃は不安がる娘からよくSOSが来て、飛んで帰ることもありました。するとまたその姿を撮影され、ビラや彼らが主宰するFM番組で報じられました。


これが市議のやることですかね追記:おはら汁(当時)の荒井さんによる佐藤市議へのインタビューも参照。


そういえば、矢野・朝木両「市議」が「請願潰し裁判」で紹介議員のひとりである佐藤市議を訴えたときも、日野市の家族の住所に訴状が送られるよう手配して、わざわざ日野市まで取りに行かせたそうです(佐藤市議ブログ〔2007年9月19日付〕「請願者とともに訴えられました。」)。これが大人のやることですかね


ともあれ、東京都選挙管理委員会は以上のような主張を「独自の見解」であり「合理的かつ客観的根拠に基づいた主張とは認められない」と一蹴しました。矢野・朝木両「市議」はそれを不服として東京高裁に訴え、このたび佐藤市議を証人尋問に引きずり出したわけです。本当に粘着質な人たちです。


朝木「市議」は、1995年4月の市議会選挙後、落選した矢野氏を繰り上げ当選させようと画策して松戸市に住民票を移し、最高裁でこの議席譲渡が認められなかったら今度は「自分は議員だった」と厚顔無恥な主張をして市議会に復帰したわけですが、この前代未聞の「議席譲渡事件」について彼らが反省の意を表したとは寡聞にして耳にしません。それでいながら根拠のない訴えを起こして佐藤市議を追い落とそうとしているわけですから、本当にご立派な人たちです。

(参考)職業差別を許しません!:朝木・矢野両市議関連裁判まとめスレッドより
議席譲渡事件関連】
●1997.08.25 最高裁(確定)
 1995年4月に実施された東村山市議会議員選挙において、当選した朝木直子が、任期開始直前に住民票を松戸市に移すことで当選を辞退し、次点の矢野穂積を繰り上げ当選させようとしたところ、矢野の繰り上げ当選を無効とした。理由は、朝木の任期開始直前の住民票移転が実質を伴わず、議員身分が発生しているとしたため。原告は熊谷清治を代表とする市民有志、被告は東京都選管。
判決文:http://www.ilc.gr.jp/saikousai/hanrei/50.htm
●1999.07.08 最高裁(確定)
 矢野穂積の繰り上げ当選を無効とした最高裁判決(1997.08.25)のあと、東村山選挙会は朝木直子の議員身分につき協議し、結局これを認めない決定をした(朝木が、松戸市への転居後にさらに二度、松戸市内で転居していることから、生活の本拠は松戸市に移っており、したがって東村山市の被選挙権を失ったことを理由とする)。これに対して朝木直子が、東京都選管に対して決定取消を訴え、認められた。


3月21日の東京高裁で矢野・朝木両「市議」がどのような「取り調べ」をするのか、見ものですね。


追記:この記事をアップしたあとに、シンブンの別のページに次のような記述が追加されていることに気づきました。


★ 東村山市議会の3月17日予算委員会は、さながら「犬は吠えても、歴史は進む!」っていうありさまでした。


これだけ。17日の様子はまだよくわからないので、とりあえず、吠えてる犬って矢野「市議」のこと?とだけ言っておけばいいでしょうか。だって14日の予算委員会の様子を読むとそうとしか思えないので。