名誉毀損の自覚と自白


「最終更新日」は18日午後6時ごろ早々と「19日」に修正されたのですが、それ以外のページについては修正はなさそうです。やはり薄井市議に名誉毀損で訴えられたことについてはダンマリを通すのでしょうか。無駄なのに。


しかし、「請願潰し裁判」に矢野・朝木両「市議」側が出してきた第1準備書面の要旨を見ると、少なくとも「セクハラ」ねつ造問題については名誉毀損を自覚しているのではないかと思われます。まずは被告側の第2準備書面から、「第4 被告らの主張(8)」を抜粋しておきましょう(マル付数字は〔 〕付数字に修正)。

〔2〕なお、今回の「薄井(前職)問題」は、昨年4月の東村山市議会選挙に、被告薄井氏が新人として立候補したときから、選挙での政敵である原告らが大きく取り上げてきた。
 その選挙の結果、・・・薄井氏は14位当選と検討〔健闘〕し、原告矢野は最下位当選と大きく票を減らした。
 これが一連の請願や本件裁判に関係しているかどうか不明であるが、本来このような問題は、司法の場ではなく、地方議会や選挙民に対して訴えられるべき問題であろう。
〔3〕また、念のために、「薄井問題」について、原告朝木が東村山市に対してなした、東村山市男女共同参画苦情等申出について、東村山市長は、人権侵害の事実はないと判断している。


これが全文ですが、矢野・朝木両「市議」側の第1準備書面では、「第3 背景事情」としてずいぶん力を入れて反応しています。むしろ過剰反応とも思えます。順序が逆になりますが、まずは薄井市議について述べている部分を先に抜粋しましょう。

3.薄井問題
 要旨>被告薄井に関する問題の中で「アダルト専門出版業者社員だった前歴」を特段批判した事実はない。
 被告薄井は、07年4月の市議会選挙に立候補・当選し、市議会議員任期開始の5月1日の後も、前職務で行っていた成人向け動画サイトに実名で出演し続けていた。
 原告らが非難したのは下記の点である

  • 被告薄井がサイト内で「特殊性風俗」の職業紹介・求人募集をした事←職安法63条2号所定「公衆道徳上有害な業務」に該当し処罰される
  • 「特殊性風俗」は公共福祉に反し憲法22条が定める「職業選択の自由」の対象外であり、訴外薄井が市議任期開始後も成人サイトの宣伝行為を中止させなかった事
  • 原告朝木は同じ市議会内に「特殊性風俗」を肯定する訴外薄井に対する批判活動を行った
  • 被告薄井の前勤務先は、違法ドラッグ「姫アグラ」販売者検挙事件が発生した07年6月25日に、初めて成人動画サイトから被告薄井の出演部分を削除した
  • 被告薄井は、市議任期開始後、前勤務先に出演部分の削除をするような働きかけをしなかった

 よって被告薄井の「前職」は問題にしていない


これは被告側を支援している市民有志による要約のようで、原文の趣旨が正しく伝わっているかどうかは保証のかぎりではありません。しかしまあ、おおむねこのようなことを主張しているのでしょう。「被告薄井」と「訴外薄井」が混在しているのも気になりますが(もちろん「被告薄井」が正しい)、要約のときにわざわざこんなところを間違えるとも思えませんので、原文は相当とっちらかっているのではないかと推測されます。


さてこれを見てみると、ここでは「セクハラ」という言葉は使われていません。原告朝木の「批判活動」に含めているのかもしれませんが、直接「セクハラ」という言葉は出していない。被告側準備書面の〔3〕で言及されている「東村山市男女共同参画苦情等申出」(「セクハラ」の言いがかり)についても、まったく触れていません。


やはりこれは名誉毀損になりかねないと自覚しているのでしょう。わかってて悪質な言いがかりを続けてきたという証拠です。ちなみに〈被告薄井の「前職」は問題にしていない〉などと言っていますが、「『相手が女性をどう見ているか』を考えると、同僚として働くことに大変苦痛を感じる」(「セクハラ」ねつ造文書を却下した市長の通知書より)=「薄井の存在自体がセクハラ」などという主張をしておきながら、よく言うよ。


他方、職安法「違反」の問題は臆面もなく持ち出しています。よくもまあ法廷に提出する文書でこんなことを堂々と主張できるものです。矢野・朝木両「市議」側にも弁護士がついているはずですが、少しは助言してやろうという気にはならないのでしょうか。「姫アグラ」の問題で薄井市議を犯罪者のように印象づけようとしたことについても、恥じるところはないようです。


つまり、自分たちが名誉毀損をしていた事実を、その名誉毀損性には無自覚なまま、法廷に提出した文書で堂々と自白しているわけですね。薄井市議も、自分の裁判では立証作業や裁判官の心証形成にあまり苦労しなくて済みそうです。よかったよかった。


ついでに、被告側準備書面の〔2〕に対する矢野・朝木両「市議」側の反応も取り上げておきましょう。どうしてこんなにむきになって反論するのでしょうか。

1.「選挙の政敵」
 要旨>被告らは「去年4月の市議会選挙に被告薄井氏が新人立候補して以来、政敵である原告らが大きく取り上げた。選挙結果は薄井氏は14位当選し、原告矢野は最下位当選と減票した」と主張した。
 しかし、この主張は客観的真実に反し、原告らを誹謗し虚偽を並べている。
 第一に「政敵」というが全く根拠がない。東村山市在住30年以上・原告朝木の実母の時代から通算20年以上も議員活動経歴のある被告らが、在住わずか数年・何の実績もない被告薄井を「選挙の政敵」等と認識したこともなく、被告薄井の全くの思い上がりにすぎない。
2.「選挙の結果」
 要旨>被告らは「原告矢野は最下位当選・得票数大減」というが、原告矢野は前回より得票数は増えている(141票増)。
 また『草の根市民クラブ』全体では原告朝木が第2位当選している上、『草の根』会派得票数合計では前回より584票も増えている客観的事実を、被告らはここでも虚偽事実を主張し原告らを誹謗している


確かに矢野「市議」の得票数は1498票から1639票に増えていますが、増加率は約9.4%で、投票者数も約9.2%増えていますので、ほとんど自然増のようなものです。また、24位から最下位へと順位を落としているわけですから、相対的には「票を減らした」といっても間違いではないと思われます。


まあどうでもいいことなのですが、こんな瑣末なことにこれほどむきになって反論していると、やはり薄井市議を「政敵」と認識しているのだと思われてしまいますよ。「越境通勤市議」と言いがかりをつけてきた佐藤市議が再選してしまったこともあり、とりあえずつぶしやすそうな薄井市議に目をつけたんだろうということぐらい、みんなもうわかっていますが。


それに、いくら「議員活動経歴」が長くても、「実績」とはまた別の話で、矢野・朝木両「市議」が議員としてまともな仕事をしてきたのかどうか、それどころか議員の立場を利用して何をしてきたのかについても、市民はとっくに気づき始めているみたいですよ。せいぜい敗訴判決を積み上げてくださいね。


最後に告知をひとつ。この機会に〈「セクハラ」ねつ造問題〉のカテゴリーを廃止して〈薄井市議「問題」〉に統一しました。これまでは、「セクハラ」ねつ造問題について矢野・朝木両「市議」が説明責任を果たしていないことを強調しようと思って独立のカテゴリーにしていましたが、薄井市議が職安法・薬事法「違反」の問題もひっくるめて提訴しましたので、一括して扱うほうが面倒がないと思ってのことです。