りんごっこ保育園:繰り返される視察拒否


北久保市議島崎市議が私立認可保育園視察について簡単に報告しています。北久保市議はいつものように大変簡潔な報告なので、島崎市議のブログより引用(太字は引用者=3羽の雀)。

市内私立保育園の視察を行いました。市議会厚生委員会の所管事務調査事項になっている「私立保育園の職員配置と処遇について」、園長先生のお話を聞き、現場を見せていただく目的(こちらから)です。
東村山市内には公立公営保育園7園、私立8園、公立民営1園の認可保育園があります。
今日伺ったのは、花さき保育園、わくわく保育園、東大典保育園、つばさ保育園、久米川保育園。
厚生委員会の要望を快く受け入れていただきました。りんごっこ保育園は、「留保」というお返事で中を見せていただくことは出来ませんでしたので、通過しただけ。
〔中略〕
明日は第八、つぼみ、ふじみ保育園へ行きます。


視察対象が9箇所ということで、れんげ荻山保育園(小平市)も加えたのかと思っていましたが、そうではなく、公立民営の第八保育園もあわせて視察することにしたのですね。


また、あえて確認するほどのことでもありませんが、「留保」という表現で事実上の“視察拒否”を行なったのは、やっぱり、りんごっこ保育園でしたね。「保育の確からしさ」を自慢するなら、市議会議員にも堂々とお見せすればよろしいのに。「留保」の理由は明らかにされていませんが、「職員配置と処遇」について何かよほど重大な問題でも抱えているのだろうと推測されてもしかたありませんね。


留保」が事実上の“視察拒否”であることは、前にも同じようなことがありましたから、間違いないでしょう。ちょっと長くなりますが、「りんごっこ保育園設置者の資質及び特定議員の関与に関する調査特別委員会」(以下、特別委員会)の議事録を抜粋しつつ、振り返っておきます。


まずは、平成16〔2004〕年9月17日、りんごっこ保育園開園直前に開かれた会議です(太字は引用者=3羽の雀、以下同)。

◎木村委員長 最初に、きょうはりんごっこの視察の日になっておりましたけれども、後ほど議会事務局次長から報告していただきますが、中田国際法律事務所、高野博子代理人弁護士、中田康一さんから、園舎視察についての回答が来ております。今、報告の前に皆さん方に、弁護士さんからの回答文については、後ほど次長の方から読んでいただきますが、参考にお渡しいたします。
  このりんごっこの視察につきましては、議会事務局並びに柿沼保健福祉部長も大変、設置者に対して何回か要望したんでございますが、結果的にこうなっておりますので、それでは早速、議会事務局の中岡次長から報告をお願いいたします。事務局次長。
△中岡議会事務局次長 本日、行政視察ということでの予定でしたけれども、これができなくなったということでの、今までの経過を説明させていきたいと思います。
  まず、その前提といたしまして、これからお話する中で高野博子さんにつきましては、恩多町と野口町にいらっしゃるので、その使い分けをさせていただきます。
  つまり、恩多町といいますのは(仮称)りんごっこ保育園の関係です。野口町といいますのはりんごっこ第一保育園の関係で、恩多、野口という表現を使わさせていただきます。
  説明させていただきます。
  8月26日木曜日、午後3時15分、事務局の方から、恩多町の方に電話をさせていただきました。
  内容は、本特別委員会で、きょう9月17日に「園舎の視察をお願いしたい」旨の依頼をいたしました。そのときには高野博子さんが出られまして、「弁護士に相談しないと返事ができない、再度連絡を願いたい、9月7日以後にしてほしい」という返事がございました。
  そのまま電話を切りましたけれども、8分後の、8月26日の午後3時23分、本人の高野さんから、事務局へ折り返し電話がありました。内容は「先ほどの件については、書面にして弁護士に郵送してほしい」という返事でした。したがいまして、当日午後3時半以降、市役所の文書係を通しまして、弁護士あてで文書を郵送いたしました。その文中は、「視察可能かどうかを含めて、8月31日までに文書での回答をお願いしたい」という依頼文です。
  次に、9月3日まで飛びます。9月3日、午後5時18分、回答がありませんので、恩多町の保育園の方に電をいたしました。高野さんは留守でしたので、留守番電話に「視察についての返事をもらいたい」との伝言を入れました。
  その伝言を入れたんですけれども、それは恩多町の方でしたけれども、野口町にひょっとしてはということで、14分後に、5時32分に、野口町の保育園の方に電話いたしました。そうすると、高野博子さんはいらっしゃいました。その返事は、「まだ自分は文書を見ていないけれども、弁護士に連絡をしてほしい」という返答でした。
  その後、今お手元にございます「ご連絡」ということで、9月7日付の文書が、9月8日、事務局に郵送で届きました。その内容につきまして、朗読をさせていただきます。
  あて先は、議会事務局長、生田正平様。発信人は、東京都渋谷区猿楽町にあります中田国際法律事務所〔引用者注・現在は千代田区平河町〕、高野博子代理人弁護士、中田康一氏。
  表題といたしまして、「りんごっこ保育園・園舎視察についてご回答」ということです。


  拝啓、初秋の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
  さて、上記の件について、貴会事務局からの平成16年8月26日付、「(仮称)りんごっこ保育園・園舎視察について(お願い)」を拝見致しました。
  貴会特別委員会が希望されるりんごっこ保育園(以下、当園という)の園舎視察については了承いたしました。
  しかしながら、貴会特別委員会のご希望される日程、平成16年9月17日金曜は、当園の開園直前時期にあたり、園職員研修、園児説明会、健康診断等の開園準備に忙殺され、時間を確保することが困難です。
  上記の次第ですので、大変申し訳ございませんが、10月後半以降には貴会特別委員会のご視察を受け入れる準備が整うと思われますので、日程のご再考を願いたく、何卒宜しくお願い申し上げます。
  敬具。


  この回答文書が届きました。
◎木村委員長 今の件で、何か特にありますか。
  ただいま次長から報告があったとおりでございまして、来月ですね、10月の後半以降に特別委員会の受け入れをすると、準備が整うと思われますということでございます。
  罍委員。
○罍委員 今、委員長が、後半ということで日にちを言われましたけれども、この文面からはそれは出てこないんだけれども、それはどこにそういうのがあったんですか。後半ということで、その後の詰めは何か進んでいるんですか。
△中岡議会事務局次長 今、罍委員の言われました内容につきましては、ここにございます「10月後半以降」ということだけでありまして、この文書が届いて以降の接触につきましては、議会事務局は何もやっておりません。
○罍委員 事務局に対してはないと。所管の方は、別に取り次ぎしていないの。
△柿沼保健福祉部長 取り次ぎというよりも、この間のときから視察の話がありまして、当然、施設長そのものが窓口に来たときに我々として、9月17日、特別委員会の視察をさせてほしい、こういう旨は口頭で、2回ばかり私が言わせていただきました。
○罍委員 今、きょうの視察ができなかった経過のことが説明がありました。これはまさしく、この設置者の資質の問題にかかわってくる問題ではないかと思います。後でまた、皆さんと十分議論した方がいいと思います。
  本人にこういうものを決められなくて周りから指示されるような、まして自分で電話に出ながら対応できなくて、こんな経過ということはとんでもない話ですよ。これこそまさしく、設置者の資質を疑われる問題だと思います。また後でやらせてもらいます。
◎木村委員長 ほかに質疑ございませんか。木内委員。
○木内委員 今、私もちょうど言わんとしたところだったんですけれども、8月26日に、高野氏に議会事務局の方から電話をしたところ、いわゆる弁護士に相談しないと返事ができないということを言っているんですよね。
  それで、また言うなら、折り返し高野氏から電話があり、それで書面で弁護士に出してほしいということだったんですけれども、いわゆるここに、中田弁護士が9月7日の回答の中で、「開園直前時期に当たり、園職員研修とか園児説明会、健康診断等の開園準備に忙殺され」、こう書いてあるわけですよ。これは、設置者あるいは保育者そのものが、まさしく返事があるんだったらば言わなくてはいけないところですよ。
  いわゆる、弁護士に相談しないと返事ができないとか、それから弁護士を通してでなくては―書面を弁護士に出してほしいとか、これは本当に私、これを聞いただけで、本当にこの人がそれだけの資質があるのか、あるいは自覚があるのかというのが問題なんですよ。


このあと、別の問題についてひとしきり審議が続き、最後にあらためて視察の問題が取り上げられています。

◎木村委員長 ほかに、最後、罍委員。
○罍委員 すみません、もう時間ですから。
  きょうのこの視察を申請して、結局、弁護士経由で断られてきたわけですけれども、この中で理由として、職員の研修それから園児の説明会、それから健康診断等の開園準備に忙殺され時間がとれないと、きょうのこの日の例えば1時間、2時間でもとれないという話ですよ、この理由をつけて。
  そこで、さっきの話をちょっと確認したいんですけれども、この職員研修会というのはいつやられることに掌握しているのか。それから園児の説明会は、園児が決まらなければこの説明会はできないわけだから、この説明会はいつと読んでいるのか。もう一つ、健康診断も含めて、どう今、その日にちを読んでいますか、それを教えてください。
石橋保健福祉部次長 先ほどもお話ししましたけれども、9月8日に私と児童課長が行ったところ、高野さんは一人で作業をしていたと。それが忙殺かどうかはわかりませんが、一人で作業をされていました。
  今後の日程ですが、先ほど言ったように、きのう審査会を開かせてもらって59名を選出しました。それをもとに決裁を受けて、その一覧表を高野氏の方に送ることになっています。高野氏はそれをもとに、それぞれの日程を内定の子供たちに出して、9月23日に健康診断と園児説明会をやる、これは把握できています。
  健康診断の結果、入園に適しているという報告が高野氏からこちらに来ます。それを受けて、本決定を市が子供たちに送る、そういう流れになっておりまして、園児説明会、健康診断、あるいはそういう事務的な流れについては確認はできておりますが、職員研修に関しては確認はとれておりません。
○罍委員 それで、この弁護士から来た「ご連絡」という断り状ですね、これは弁護士から来ているとはいうものの、高野さんの代理人ですから、これは多分、高野さんが言っているということですよね。
  これを、普通であれば10月1日に開園したい、こういう特別委員会が疑惑を持っているんですから、どうぞこんなふうですから見てくださいと。こんな1日も2日も張り込むわけではないんだから、1時間かそこらで済む問題でしょうが。
  それを、こう弁護士を通じて断ってくる、ましてこの日にちが、園児説明会とか健康診断がきのうきょうでというのなら、これは無理かもしれませんけれども、これはこの後の話ですよね。だから、これもまやかしの文書ですよ。こういうことを指摘して、本当にこの資質の問題についてはますます疑義が大きくなったと、私は、こういう感覚で終わります。
◎木村委員長 質疑についてはきょうは終わります。まだ、委員会はずっと継続しますので。
  皆さんにちょっとお諮りしておきたいんですが、次回は、ここにありますように、10月後半だと見学してもいいということですから、やはり1回、現地を見た方がいいと思うんですよね。どうでしょうか。
  休憩します。
〔中略〕
◎木村委員長 再開します。
  今、休憩中にあれしたんですが、りんごっこ保育園が、きょう私たちの視察を受け入れなかったということですが、10月にできそうだというような回答もありますので、これはまた事務局、保健福祉部にお骨折りいただいて、日程は向こうの都合もありますので、決まり次第、また次回の委員会の案内を出したいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎木村委員長 では、次回は、現地視察をするということでよろしくお願いいたします。


議会事務局ではその後、12月14日に視察を行ないたい旨、あらためて申入れを行ないましたが、りんごっこ保育園側は次のような理由で再延期を求めました。以下、りんごっこ保育園からの回答書の抜粋(特別委員会平成16〔2004〕年12月14日議事録より)。

保育園視察等について(ご回答)


  東村山市議会議長
  川上隆之殿


高野博子代理人
弁護士 中 田 康 一


  前略


  平成16年12月1日付けで貴議会事務局長より、16名の貴議会関係者の方々が、りんごっこ保育園を12月14日に視察したいとの申し込みがありましたので、下記のとおり、ご回答申し上げます。


草々



  先ず、視察については、先般お伝えしましたとおり、承知いたします。
  しかしながら、お申し越しの12月14日は、保育現場での事情及び訴訟進行上の下記理由1及び2から、残念ながら、お受けしかねますので、来年4月以降に、保育現場に支障が生じない時点での視察を計画されるようその旨ご了承いただきたく、ご連絡申し上げます。なお、裁判所において近々口頭弁論が再開されますが、紛争終結が早期実現するよう、下記の指摘事項につき速やかに改善されるよう申し入れます。
  1.10月1日から園児が登園しているものの、2ケ月を経過したにすぎず、園での生活にようやく慣れてきた園児、まだ不十分な状態にある園児など保育現場では懸命に努力しているところであり、保育者でない外部の方の集団による視察は園児に不安をきたすなど保育に支障が生じ、とりわけ16名もの団体視察は到底受け入れる事情にはないこと。
  2.東京地裁に係属する訴訟が、当方の指摘している保育園を開園させるという合意の実質が履行されていない以下の問題点につき、東村山市及び市議会の代理人が釈明等していないため、訴訟の終結ができない事情にあり、先般ご回答を送付した当時と同じ、園長と市議会は未だ紛争の当事者の関係にあること。
〔後略〕


略した部分は、当時、りんごっこ保育園と東村山市との間で係争中だった訴訟に関わる「指摘事項」で、視察とは何の関係もない内容です。ただ、
りんごっこ保育園園長が弁護士に委任して東村山市側と協議、連絡するのは何ら問題とされるべきことがらでないのはもちろんであって、とりわけ訴訟係属中という紛争当事者の関係にある以上は、受任した代理人を通して意思表示するのは当然のことがらであるにもかかわらず、これを園長の資質の問題等として根拠なく非難する例がなおみられること
という項目は、9月17日の会議における木内委員や罍委員の発言を意識したものでしょう。この裁判については、エアフォース〈りんごっこ保育園問題とは何か(第2部)第18回以降を参照。


りんごっこ保育園側のこのような対応については、委員や保健福祉部長も不快感を露にしています。ただ、このころはまだ、市所管が訪問すれば中に入ることはできたようです。

○罍委員 弁護士を通じて、りんごっこから、きょうの視察を断ってきた文書を見まして、これ支離滅裂ですよね。前段階で最初に断ってきたときは、まだ開園前だし、それから開園の準備があって、健康診断等のことがあって、この日はできない。開園して、10月半ば過ぎなら対応できます。こういうことで回答があったわけです。そのときは、不満ではありましたけれども、それをのんだわけですけれども。今度はちゃんと開園していますから、ちゃんと受け入れるという前提で考えておりましたけれども、またまたわけのわからんことを言ってきております。これは我々おかしいと思うのですけれども、行政はこれについてどう、感想を聞きたいのです。行政側の、部長でもいいし、だれでもいいですから。感想ですから。
△柿沼保健福祉部長 感想と言われれば、非常に不納得です。今言うように、開園して、たしかあのときの約束事では、しばらくたったら見せていただけるということを聞いていたものですから、再度、今委員会で、12月の中で、我々も見せてくれると思っていましたから、それが4月以降というのは、何の根拠だか我々にもわからないですね。それが、今、率直な感想です。
○罍委員 まして、今度は4月以降なら見せる。今、部長も言われていましたけれども、根拠がわかりませんね。こういうでたらめをずっと続けているわけです。これを、設置者の資質、どうのこうのと言うと、また、今度これに対して、何か書いてありますけれども、本当にこんなもので通ると思って出してくること自体が、本当によろしくないと思います。それは、私の感想ですけれども。
◎木村委員長 ほかに質疑ございませんか。佐藤委員。
○佐藤委員 確認ですけれども、やはり所管の方も、全然、開園後は現地へ、現地へというか、中はごらんになれていない。入園説明会と開園式に行かれたのは承知しているのですけれども、その後は、2カ月半は全然園の方には行かれていないのですか。
△柿沼保健福祉部長 そういうことはないです。我々が行けば入れてくれます。ですから、私も何回か行っています。現地確認はしております。
〔中略〕
○高橋委員 今、視察の問題に関してですけれども、先ほど罍委員の方からも話がありましたけれども、最初のときの視察に対する回答と今回の回答は、また内容が全然違っていますね。その文章の中の1つで、来年4月以降に保育の現場に支障が生じない時点でということがありますけれども、そうしますと先ほど文面の中にもありましたけれども、保護者でない外部の者が視察に来たら園児に不安を与える、まだ開園して間がないのだからという話ですけれども、4月になると、今度、新しい子供が入りますね。そうすると、やはり新入園児の気持ちがまだ安定していないのに、そういうのは困りますというような、これは延々として続いてしまう可能性があります。そうしますと、委員会として、ではどこをもって視察というのを実施するかというのは、きっちりとこれから研究してやる必要もありますし、法的にも、専門的にまた打ち合わせを、また委員長の方にもお願いしたいと思います。
◎木村委員長 いいですか、回答はいいですね。
○高橋委員 はい、私は要望しておきます。
◎木村委員長 わかりました。
  今、高橋委員からありましたように、委員会も含めて、法的とか、あるいは視察について、所管も含めて研究をひとつよろしくお願いいたします。


なお、この後、特別委員会は約1時間の休憩をとって「りんごっこ保育園の現地周辺」視察を行ないました。今回も、市議会厚生委員会視察団はりんごっこ保育園を「通過しただけ」だったとのことですが、本当に同じことが繰り返されているんですね。


ちょうど1年後の平成17〔2005〕年12月14日に開かれた特別委員会で、けっきょく視察は拒否されたことが明らかにされました。りんごっこ保育園の回答は以下の通り。

2005(平成17)年10月13日 ご回答 東村山市議会議長 丸山登様 りんごっこ保育園 園長 高野博子。


拝啓 錦秋の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。2005(平成17)年9月27日付け事務連絡1件(視察)について、以下の通りご回答申し上げます。



  私どもは、法令に基づき園児のために保育園の運営に全力を挙げて邁進しておりますが、監査等により、すでにご案内の通り、認可権者東京都からも「都内でもよい保育園である」とのご評価を頂いているところでございます。にもかかわらず、貴議会特別委員会は、その名称からして予断と偏見が表現されているだけでなく、会議録を拝見させていただきましたが、これまでの審議の内容は公平を欠くだけでなく私個人及び当園の社会的評価を著しく低下させかねない偏った内容であり、保育について根本的にお立場が異なるものと判断せざるをえません。すでに園舎設計図も市が公表しており、現在に至っても「視察」をなおご希望なのかは甚だ理解に苦しむところでございます。
同業他保育所の職員の方も構成員となっているようでございますが、この同業他保育所は、市議会議員の「見学」をすでに拒否した事実も残されておりますので、公平なお取扱いをお願いいたします。
本園は入所希望者には予約の上見学して頂いておりますし、市役所職員、議員の方であれ一般市民であれ、予断や偏見からではなく、真摯に保育園の主役は園児であるとの前提に立って、園児の保育に支障が生じないよう、予約の上、見学されるのは大歓迎でございます。現に、東京都や市役所の職員の方々、一般市民の方々は何回も訪問されています。しかしながら、貴議会特別委員会の方々については、事前に、当面は無理であるとの事情をお伝えしていたにもかかわらず、本園の意向を無視され、大勢の方がまわりを取り囲み保育時間中の園舎に向かって無断で写真を撮影するなど、保育中の園児たちや職員に大きな不安を与え、保育に支障が生じました。
園児が主役の保育の現場において、このような園児の保育に支障の出る一方的な行動をおとりになった以上は、このことについて、何らかのご説明あるいは釈明がなければ、もう一度「視察したい」というような申し入れは、常識ある社会人としてはできないのではないかと思料するところです。
上記につき釈明がない以上、保育に支障が生じる恐れがありますので、繰り返しになりますが、ご再考をお願いしたいと存じます。以上。


要するに、視察の受け入れを延々と引き伸ばした末に、特別委員会が苦肉の策として実施した「現地周辺」視察に難癖をつけ、視察拒否の口実にしたというわけです。「常識ある社会人」が聞いて呆れます。


ちなみに、「同業他保育所の職員の方も構成員となっているようでございますが」というのは、佐藤まさたか市議のことを指しているのでしょう。佐藤市議が東京都認証保育所「空飛ぶ三輪車」の職員だったのは事実ですが、市議になるにあたっては当然辞職をしているはずであり、これまたおかしな表現です。


本件視察拒否については、委員から次のような要望が出されています。

○高橋委員 後ほどお願いいたします。それから、回答書の中にも、毎回出てきておりますが、視察の目的はあくまでも議会としては、新設された園舎の視察ということをお願いしているわけですが、それに対しまして設置者の方では、都内でもよい保育園であると東京都から評価を受けている。言うなれば、堂々としたお墨つきだろうと思うんです。であれば、設置者はもっと毅然と、やはり視察を受け入れるべきではないかと思います。なぜならば、それによって、経営の中において東京都もこう認めてます、視察を受けてもらって、議会も認めましたということになれば、経営にとっては大きな宣伝にもなるんではないかと思いますので、そういうことをぜひ、今後の折衝の中で所管の方からも言っていただきたいと、これは要望しておきますのでお願いいたします。それから、園児の保育に支障が生じないようにということであれば、時間外、終わってからでも園舎の視察ということになってくれば、目的は達せられるんではないかとありますので、時間的な指定があるんであれば、その辺もあわせて視察という中において伝えていただきたいと思います。その2点を要望しておきますので、よろしくお願いいたします。


その後、視察の件がはたしてどうなったのかは、特別委員会議事録を精査していないのでわかりません。ここまで振り返ってきていい加減げんなりしたので、気が向いたら機会を改めて検討します。厚生委員会による今回の視察も実質拒否したわけですから、どうせ視察の受け入れなどしていないのでしょう。


なお、市議会厚生委員会に所属する委員には、さっそくブログで報告してくれた島崎市議北久保市議のほか、福田かづこ市議(委員長)、大塚恵美子市議山口みよ市議石橋光明市議がいます。ブログをお持ちの福田市議や大塚市議はいずれ今回の視察の件も報告してくれるものと期待しますが、ともあれ、りんごっこ保育園の「留保」の件は視察報告書や議事録に残しておいていただきたいものです。