判決も公表しないで稚拙な情報操作を続ける矢野・朝木両「市議」


クロダイくんは、明日(6日)の八王子街宣についての告知の中で「悪質な工作員については、その場で取り押さえて警察に突き出します」と書いていますが、その前にお友達が逮捕されてしまいました。瀬戸サンがクロダイくんとともに「ニューリーダー」などと持ち上げていた遠藤健太郎氏(真・保守市民の会代表)が、「教育再生 地方議員百人と市民の会」*1の事務局長である増木重夫氏とともに、暴力行為法違反容疑で逮捕されたそうです。


報道(産経新聞神戸新聞)によると、両容疑者は、兵庫県西宮市内の公立小学校の校長に対してある男性教師を処分するよう求め(ストを計画していたらしい)、校長が断ると、「入学式に街宣車を出して抗議活動をする」などと脅したとのこと。


これについて瀬戸サンは、最新エントリーで「大阪では『真・保守市民の会』代表の遠藤健太郎さんらが逮捕されたという報道がありました」と簡単に報告するとともに、事実もろくろく確かめないまま、


「不当な逮捕と考えられます」


と表明しました。コメント欄には、同会の代表代行が、「警察の不当な逮捕かどうかも、何も一切わかっていないため/不当逮捕だと勘違いして警察に抗議などされる方が出られませんよう/瀬戸先生、何卒ご協力よろしくお願いします」(Posted by dandy(川西)真・保守市民の会 代表代行 at 2009年04月05日 17:12)と書き込んでおり、よほど冷静な対応を見せています。


私も現段階では特にコメントしませんが、今後の展開によっては、瀬戸サンをはじめとする「行動する保守」とやらの活動手法が厳しく問われることにもなるでしょう。洋品店店主、千葉さん、宇留嶋さんらを攻撃するためにこんな人達と手を組み、彼らの行動を一切批判してこなかった矢野・朝木両「市議」についても同様です。
【追記】関連リンクはでぶちんさんがよくまとめてくれています。


さて「東村山市民新聞」ですが、4月6日付でトップページが更新され、〈訴訟1〉の大見出しの下に次のような小見出しが加えられました。


〈法医学の専門家の鑑定を否定した原判決(相当性はない)を全面否定。〉


また、その下の方のごちゃごちゃした記述では、「形状を図示したものでないことくらいは」が「具体的形状を・・・」に修正されたほか、「まともにチバさんのいうことを信じた創価系応援団も大変お気の毒というほかありません。」の後に「同等レベルということです。」が加えられています。けっきょく、上腕部のアザが長方形ではなかった(楕円形/類円形であった)ことの根拠は示すことができないということのようです。


それはそれとして上記の小見出しの件ですが、こんなことを書くなら原判決控訴審判決の両方をきちんと掲載してからにしてほしいものです。何か都合の悪いことでもあるんでしょうか。あるんでしょうね。


そもそも、原判決は「法医学の専門家の鑑定を否定」などしておりません。上腕部のアザに関わる原判決の認定は、次のとおりです(太字は引用者=3羽の雀、誤字脱字は適宜修正)。

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(2) 真実性について
 ・・・証拠(甲13,31,乙6〜9,17〜19,25)及び弁論の全趣旨によれば,・・・本件転落死につき明代の遺体を司法解剖した医師による鑑定書は平成10年7月21日に作成されたが,その中に,上肢に認められる損傷として,左上腕部内側下1/3の部に上下7cm,幅3cmの皮下出血,右上腕部内側,腋窩の高さの下方11cmの部を中心に,上下に5cm,幅9.5cmの皮下出血がある旨の記載があり,これについて,上腕を強くつかまれた際の圧迫によって生じたものと推認することができ,救急隊員が明代を担架に乗せる際に明代が既に心肺停止状態であったとすると,血圧が零で,つかまれても出血しないので,転落の前に他人と揉み合った可能性も推認できるとの医師の意見書が作成されていること(ただし,上記の皮下出血がいつ生じたかについては,これを正確に認定するに足りる証拠はなく,他人と揉み合うという状況以外に自分以外の者から腕を強くつかまれるという事態が一切生じたことがなかったと認めるに足りる証拠もなく,また,上記意見書は,皮下出血の位置が自分の手の届く範囲内にあることを前提として,それが生じた原因となる事態の可能性については言及していない。)が認められる
 しかし,上記認定の事実によっても,原告が本件窃盗被疑事件について真実に反して明代を書類送検し,また,本件転落死が殺人事件であるにもかかわらず,それを知りながら,捜査で判明した事実を意図的に偽るなどして,本件転落死を自殺扱いするなど公正な捜査・広報を行わなかったとの事実までは認めることができず,他にこの事実を認めるに足りる的確な証拠はない。
 したがって,本件記述1〜3について,その重要な部分において真実であることの証明があったとは認めることはできない。
(3) 相当性について
 前記認定のとおり,本件転落死時,明代の上腕内側部に誰かに強くつかまれたことによりできた可能性があるアザ(淡赤紫色及び淡赤褐色皮膚変色部・皮下出血あり)が存在していたこと・・・が認められるが,上記認定の事実によって,原告が本件窃盗被疑事件について真実に反して明代を書類送検し,また,本件転落死が殺人事件であるにもかかわらず,それを知りながら捜査で判明した事実を意図的に偽るなどして,本件転落死を自殺扱いするなど公正な捜査・広報を行わなかったと被告らが信じたことに相当の理由があると認めるのは躊躇せざるを得ないのであり,他に上記事実が真実であると信じるのが相当であると認めるに足りる客観的かつ的確な証拠はなく,結局,被告らが,本件記述1〜3で摘示した事実が真実であると信じるにつき相当な理由があったとまでは認め難いといわざるを得ない。

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このように、原判決は、上腕部のアザが他人に強くつかまれたことにより生じた可能性もあることを前提として判決を言い渡したのです。真実性に関する認定箇所では、このようなアザが他殺を推認させる根拠となるかどうかについてカッコ書きで若干の疑問も表明していますが、いずれにせよ鈴木医師の意見書を否定はしていない。鈴木医師の見解を前提としてもなお、真実性・相当性は認められないという判断に至っただけです。


これに対し、控訴審判決はどうでしょうか。控訴審判決については瀬戸サンが部分的に公表しているに過ぎないので十分な検証ができませんが、公表されている判決文を見る限り、


明代の司法解剖鑑定書には他人と揉み合った際に生じることがある上腕内側の皮膚変色部が存在したことが記載されている(ウ(ア))」(33頁)


と書かれています。ウ(ア)でもう少し詳しい認定が行なわれているはずですが、公表されていないので詳細は不明。


いずれにせよ、この点に関わる事実認定は両判決とも特に食い違ってはおらず、高裁ではこれ以外の要素も考慮して相当性が認定されただけの話だと思われます。しかも、上記小見出しにわざわざ「(相当性はない)」と書かれているところを見ると、高裁でも真実性が認められたわけではないらしい。というより、WAWの記事によると、真実性については特に踏み込まなかったということのようです。


どっちにしても「他殺」の「決定的証拠」にはならない法医学の専門家の鑑定」にどうあってもすがりつきたいようですが、こんな稚拙な情報操作をやっていては、かえって逆効果というものでしょう(追記1・29東京高裁判決の関連箇所も参照)。