やっぱり「『自殺』を否定」したわけでも「他殺」を認定したわけでもない『潮』『月刊タイムス』判決 ※追記&資料追加


私が「交換日記」(苦笑)に付き合わされている間に、凪論に〈東京都東村山市のりんごっこ保育園の運営団体である特定非営利活動法人林檎の木のその後〉という興味深い記事が掲載されていました。NPO法人「林檎の木」の公告を官報のほか紙版「東村山市民新聞」で行なうというのは、確かに斬新な手法です。私も余裕ができたら定款や財産目録を見てみようと思います。
【追記】その後、今日行なわれた千葉vs西村裁判第3回口頭弁論の傍聴記もさっそくアップされていました。このフットワークの軽さ、頭が下がります。なお、本日は32件の証拠が提出されたそうですが、第2回口頭弁論で証拠説明書なしに提出されたものとだいたい同じではないかと思われます。


さてサイト版「東村山市民新聞」ですが、昨日は1日出かけていて深夜に帰ってきたら、トップページに長々と反論(文末資料参照、以下「本件反論」)が掲載されていて(4月21日付)、ちょっとびっくりしました。珍しくいちおう反論らしく見える反論で、「アッハハハハハ・・・」をはじめとする余計な修辞はともかく、これ自体は歓迎すべきことでしょう。


しかしまあ、橋本さんXENONさんも言うように非常にわかりにくい文章で、起きてからあらためて読んでみても、いったい何を問題にしたいのかがなかなかつかめません。


要は、朝木明代市議が「万引きを苦に自殺した」ことの真実性は認められていない(=「万引きを苦に自殺した」と断定することはできない)ということを強調したいらしいのですが、私もそのこと自体は否定しておらず、それを前提とした上で、


(1)『潮』事件判決や『月刊タイムス』事件判決は「『自殺』を否定」したものではない
(2)ましてや「他殺」を認定したものではない


と指摘しただけの話です。本件反論は、(1)はいちおう認めつつ(追記参照)、「真実性はない」「真実性が否定された」と繰り返すことによって“「自殺」が否定された”という印象を与え、さらに一部の人々が“「他殺」が認定された”と勘違いするように仕向けている、というところでしょうか。


『月刊タイムス』判決(PDFファイル)について、本件反論では次のように書かれています(アンダーラインは引用者=3羽の雀)。


最高裁確定判決はすでに、被告ライターが信じた警察捜査結果では朝木明代議員は『万引き苦に自殺した』とはいえる証拠はないと断定しています


断定」というよりは「認定」とか「判断」という表現の方が適切だとは思いますが、これ自体は間違ってはいません。『潮』事件判決でも同様の認定が行なわれています。


他方で宇留嶋さんは、2008年3月7日の和解協議の席で、


『潮』判決でも『自殺の証拠はない』といっているだけで『他殺』と認定されたわけではない


と述べたと報告しています。これも間違ってはおらず、特に、「証拠はない」ことが裁判で認定されているという認識は共通です。


確かに、橋本さんが検証したところによると、宇留嶋さんはその後も「朝木明代が万引きを苦に自殺」という表現を複数回用いているようです。これは、「月刊タイムス事件判決が確定した以降は、朝木議員が自殺したと断定する記事を書くことはできない」という、別件事件の裁判長の「注意喚起」なり「警告」なりに従っていない、ということになるのかもしれません。それはそれとして、宇留嶋さんなり、同様の表現を用いている他の論者なりに具体的に指摘・抗議・反論なさればよいのではないでしょうか。その点だけの反論で済むかどうかはわかりませんが。私は「朝木明代が万引きを苦に自殺」と断定した記憶はありませんが、気付けば修正しておきましょう。


一方、上述したように、本件反論では「真実性はない」「真実性が否定された」という表現がしきりに用いられています。


「以下の『万引き苦に自殺』という事実の真実性がないことに関する確定判決」
「被告ライターが記述した『万引き苦に自殺』という事実には真実性はない(客観的真実ではない)」
「判決は審理の結果、警察の捜査結果では『朝木明代議員が万引き苦に自殺した』とはいえず、被告ライターが記述した『万引き苦に自殺した』との事実が真実ではない、すなわち、『万引き苦に自殺した』との事実の真実性はないと断定した」
「『万引き苦に自殺した』との事実の真実性が否定された」


しかし、言うまでもなく、「万引き苦に自殺」という記述の真実性が認められなかったことと、「万引き苦に自殺」の可能性が否定されたことは、イコールではありません。


亡明代が自殺したことを裏付ける事情が存在することは確かである」(『月刊タイムス』事件)、あるいは「亡明代の死因が自殺であるとみる余地は十分にある」(『潮』事件判決)けれども、真実性を認定するに足る証明はなされなかったというだけの話です。法律にはまったくの素人だと思われるXENONさんが正しく理解しているように、これらの判決は「『自殺』ではない」と判断したのではなく、「『自殺』という認定はできない」と判断したに過ぎません。


ベテラン弁護士が書いていると思われるPractice of Law〈証明度と判決書の表現〉に参考になる記述があったので、整理して紹介しておきましょう。争点事実A(たとえば「万引き苦に自殺」という争点事実)の存在が争われた場合に、裁判官の心証の程度は判決書の表現に次のような形で反映されるそうです。


〔1〕存在するとの心証度が100%に近い場合
(例)「Aという事実の存在は明らかである。」
(例)「Aの事実が優に認められる。」 
〔2〕それなりの証拠はあるが、今ひとつ証明度には到達しない場合
(例)「・・・・などAの事実の存在に沿う証拠もあるが、・・・の証拠(あるいは間接事実)に照らすと、いまだAの事実を認めるに足りない。」
〔3〕100%に近い心証度で否定される場合
(例)「・・・到底、Aの事実を認めることはできない。」
(例)「Aの事実はこれは認めることができず、かえって、・・・の証拠によれば、Bの事実(Aと両立しない事実)の存在が認められる。」


『潮』事件判決や『月刊タイムス』事件判決では〔2〕の表現が用いられています。「それなりの証拠はあるが、今ひとつ証明度には到達しない場合」に該当するというわけです。


したがって、「真実性はない」「真実性が否定された」という表現もまったくの誤りではないかもしれませんが、真実を公正に追求しようとする姿勢があるのであれば、『潮』事件判決や『月刊タイムス』事件判決は「『自殺』を否定」したものではないことを明記しておくべきでしょう。当然、〈朝木議員謀殺関係訴訟結果報告〉における「判決理由が『万引き・自殺』を否定」(『潮』事件判決)という記述も、1・29東京高裁判決にしたがって修正しておくべきですね。私も、昨日付の記事では、「万引きを苦に自殺した」ことの真実性は認められていない(=「万引きを苦に自殺した」と断言することはできない)ことを明記していませんでしたので、公正を期すために追記しておきます。


他方、「他殺」の問題については、1・29東京高裁判決は「本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」として、その真実性を強く否定しています。上記の分類(〔3〕)に従えば、「100%に近い心証度で否定され」ているわけで、これは“高裁判決が「他殺」を否定”と表現しても間違いではないでしょう。


矢野・朝木両「市議」はこの判決に「暴走」などと難癖をつけるばかりで、本件反論でも「高裁7民判決の暴走はこの点でも明らかですね」と書いていますが、何がどう明らかなのか、さっぱりわかりません。同判決がどのように「08.06.17最高裁確定判決に逆ら」っていることになるのかも、不明なままです。


いずれにせよ、『潮』事件判決、『月刊タイムス』事件判決、第1次FMひがしむらやま事件判決のいずれについても、これまで宣伝されてきたような“「他殺」の決定的根拠”にはならないことが1・29東京高裁判決によって明確にされたわけですから、疑問があるなら判決内容を具体的に批判するか、新たな決定的証拠を出すか、捜査機関を動かすに足る説得力のある議論を展開しながら再捜査要求でも何でもやればいいだけの話です。現在の状況では、橋本さんが〈『東村山市民新聞』における「命がけ」の作業とは〉と首をひねるのも無理はありません。


なお、本件反論では「相当性」云々についてもいろいろと述べられていますが、これまた誰のどのような記述について何を問題にしているのか、いささか不明確です。どっちにしても昨日付の記事ではこの点については特に触れておらず、参考までに『月刊タイムス』判決の概要を紹介した中に相当性に関する認定も含まれていただけですので、ここでは取り上げません。


【追記】(4月23日)
上記反論が4月23日付で修正され、小見出し等もついて多少は読みやすくなりましたので、下記に資料2として掲載しておきます。また、『月刊タイムス』判決はあくまでも「『自殺』を否定」したものであるというのが矢野・朝木両「市議」の主張であることも明らかになりましたので、その点も訂正しておきます。しかし、


「なお亡明代が自殺したと断じるにはなお疑問が残るところであり、上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情をもって、自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない」


という判示内容のうち、「なお亡明代が自殺したと断じるにはなお疑問が残るところであり」という箇所には触れずに主張を展開していること、「推認するに足らず」を「推認することもできません」(=推認することさえできない)*1と恣意的に解釈していることなどからも、相当に無理のある主張だと言わざるを得ません。


現段階では、上記本文にこれ以上付け加えるべきことは特にないでしょう。別件事件の裁判長も、矢野・朝木両「市議」の記述には変遷がありますが、けっきょく「断定する記事」を書くことに対して「注意喚起」なり「警告」なりを行なったに留まったようですし、それが普通の理解の仕方というものです。


なんにせよ、4月9日付の記事でまとめておいた3つの「厳然たる事実」を修正する必要は依然として認められませんし、Tomatotic-jellyさんも私の言いたいことを代弁してくれていますので、本件についてはとりあえずこのぐらいにしておきます。



【資料】4月21日付〈「月刊タイムス」事件判決をめぐる記述の興味深い変遷〉に対する(と思われる)「東村山市民新聞」の反論(4月21日付)
*なお、原文で強調されている部分(青字)はここには反映させていないので、その点は原文を確認されたい。

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判決はキチンと理解してから公表するんですね。親創価組の一知半解ぶり!
最高裁確定判決(「月刊タイムズ」事件)認定の真実性、相当性とは。

 最高裁で敗訴確定した月刊タイムズ事件の被告ライターが、別訴事件裁判長から直接わざわざ注意喚起され警告されたのは、被告ライターが記述した以下の「万引き苦に自殺」という事実の真実性がないことに関する確定判決の判示の内容ですが、どうもこれが理解できないネット族がいるようです。。
 そして、この最高裁確定判決を勝手にきりとり、重要な部分をわざと無視した上で、「相当性」が認定されている!などといって、前記「確定判決の判示」を理解できない人たちが、自覚もなく知ったかぶりの一知半解で恥の上塗りをくりかえしているようですので、手間がかかりますが、解説をしてあげることにしておきましょう。
 まず、この最高裁確定判決が言っている「相当性」とは、あのチバ副署長指揮による東村山署の捜査結果を信じたことに責任は問えないとしたにすぎないもので、被告ライターは強がってますが全く意味がないのです。
 この最高裁確定判決は、この「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」では、「万引き苦に自殺」という事実の真実性を裏付けることはできす、他に証拠はない、つまり、被告ライターが記述した「万引き苦に自殺」という事実には真実性はない(客観的真実ではない)と下記のとおり断定しています。
 創価系ネット族は、この裁判の被告ライターのご都合主義を受け売りして、確定判決のうち、下記のBの部分からしか引用しませんが、Bの直前のAの部分が、Bの判示の大前提で重要な部分ですので、これを無視すること自体が手前勝手な解釈の始まりです。
 そして、Bの「前記(3)イで認定した・・・亡明代が自殺したことを裏付ける事情」というのは「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」(前記(3)イ)であることは判決書を読めばすぐにわかりますから、判決書のBの青字部分が「「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」であることも一目瞭然です。
 そうすると、「上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情」(=「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」)をもって、「自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。」つまり、判決は審理の結果、警察の捜査結果では「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」とはいえず、被告ライターが記述した「万引き苦に自殺した」との事実が真実ではない、すなわち、「万引き苦に自殺した」との事実の真実性はないと断定したのです。
 そして、つぎに問題は、被告のライター、創価系ネット族らが、「相当性」が認定されていると必死に叫んでいる「相当性」なるものの中身です。残念ながら、彼らが力説し言ってきたことは全く意味のないものだったことが、次のとおり明らかです。
 (C)の部分に、被告ライターが、単に、警察発表がなされ、普通の場合は信用性があると思うから、被告ライターがこれを信じたにすぎないと認定されています。
 無論、再度指摘するまでもなく、最高裁確定判決はすでに、被告ライターが信じた警察捜査結果では朝木明代議員は「万引き苦に自殺した」とはいえる証拠はないと断定しています(Bの結論部分)。被告ライターが何か「万引き苦に自殺」の証拠を見つけ出したから相当性があるというものでは全然ないのです。残念でしたね。
 したがって、このような前記確定判決があるからこそ、後に、別訴事件の裁判長から被告ライターは直接「月刊タイムス事件判決が確定した以降は、朝木議員が自殺したと断定する記事を書くことはできない」と注意喚起され、警告されたのです。
 被告ライターは自分が当事者被告である訴訟の確定判決で「万引き苦に自殺した」との事実の真実性が否定されたのですから、にもかかわらずこれを「知りませんでした」というわけにはいきません、これを信義則違反というのですが、最高裁確定判決の判示認定を無視して同じことを蒸し返して記述すれば、名誉毀損が成立しますよ、ということを別訴事件の裁判長がおしえてくれているのが理解できない人たちが、まだいるんですね。高裁7民判決の暴走はこの点でも明らかですね。
 「月刊タイムズ」事件確定判決より前に確定した「潮」事件判決でもすでに同様の判示がなされていて、他の最高裁確定判決でも引用されていることを付け加えておきましょう。判決書の読み方がわからない創価系ネット族のみなさん、しっかり、アップロードしてある判決書を熟読玩味して、被告ライターのご都合主義を受け売りし、「相当性」で「真実性」を否定したり、おきかえようとするようなこれ以上の恥さらしはやめたほうがおよろしいですね。アッハハハハハ・・・。
(A)
「(イ)他方、被告会社らは、本件警察発表において、亡明代の自殺の動機として本件窃盗被疑事件の容疑で書類送検されたことが挙げられており、同書類送検に至った理由の一つが、亡明代が原告矢野と共謀してアリバイ工作を行ったことであるとのチバ副署長のインタビューが報じられていたことを主張しており、亡明代が、本件窃盗被疑事件を苦に自殺したことは真実であると主張していると解されるので、同事実が真実であるかを検討する。」 (判決書33頁22行以下)
(B)
「前記(3)イで認定した現場の状況、亡明代の死亡直前の言動、死体の状況及び関係者の供述を総合考慮すると、亡明代が自殺したことを裏付ける事情が存在することは確かである。
しかしながら、他方で、証拠(甲5、25、乙44)及び弁論の全趣旨によれば、司法解剖の結果、亡明代の左右上腕内側部に皮膚変色が認められたこと、亡明代の事務所の鍵が、平成7年9月2日夕方になってから、本件マンションの2階踊り場付近で発見されたこと、亡明代の靴がいまだに発見されていないこと、亡明代が同年8月において本件窃盗被疑事件が冤罪であると主張して徹底的に闘う決意を表明していたことが認められ、これらの事実に照らせば、なお亡明代が自殺したと断じるにはなお疑問が残るところであり、上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情をもって、自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。」(判決書34頁3行以下)
(C)
「そこで、次に、被告会社らにおいて、亡明代が、原告矢野の関与のもとに主張していたアリバイも虚偽であることが判明し、本件窃盗被疑事件を苦に自殺したことが真実であると信じるにつき相当な理由があったかを検討する。前記(3)ウ(ウ)で認定したとおり、被告宇留島は、平成7年12月22日、本件死亡事件の捜査を担当した東村山署長が、本件死亡事件は犯罪性はないと認定した旨の本件警察発表を行ったことを知ったものであるところ、警察が犯罪性の有無について公式発表を行った場合には通常の場合それが相当程度信用性があるものといえることからすれば、被告会社らにおいて、亡明代が自殺したと信じるにつき相当な理由があったと認められる。」(判決書34頁16行以下)

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【資料2】上記反論の修正(4月23日付)
*本文の太字が加筆部分。最後の判決抜粋には特に修正がないので省略した。

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 最高裁で敗訴確定した月刊タイムズ事件の被告ライターが、別訴事件裁判長から直接わざわざ注意喚起され警告されたのは、被告ライターが記述した以下の「万引き苦に自殺」という事実の真実性がないことに関する確定判決の判示の内容ですが、どうもこれが理解できないネット族がいるようです。。
 そして、この最高裁確定判決を勝手にきりとり、重要な部分をわざと無視した上で、「相当性」が認定されている!などといって、前記「確定判決の判示」を理解できない人たちが、自覚もなく知ったかぶりの一知半解で恥の上塗りをくりかえしているようですので、手間がかかりますが、解説をしてあげることにしておきましょう。
 まず、この最高裁確定判決が言っている「相当性」とは、あのチバ副署長指揮による東村山署の捜査結果を信じたことに責任は問えないとしたにすぎないもので、被告ライターは強がってますが全く意味がないのです。
(1)被告ライターが記述した「万引き苦に自殺」との事実には真実性はない=月刊タイムズ事件最高裁確定判決は「万引き苦に自殺」を否定
 この最高裁確定判決は、この「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」では、「万引き苦に自殺」という事実の真実性を裏付けることはできす、他に証拠はない、つまり、被告ライターが記述した「万引き苦に自殺」という事実には真実性はない(客観的真実ではないと「万引き苦に自殺」を否定)と下記のとおり断定しています。
 創価系ネット族は、この裁判の被告ライターのご都合主義を受け売りして、確定判決のうち、下記のBの部分からしか引用しませんが、Bの直前のAの部分が、Bの判示の大前提で重要な部分ですので、これを無視すること自体が手前勝手な解釈の始まりです。で、いまだにこの最高裁確定判決が「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」との事実を否定していることが、わからないようです。記述された「事実」に「真実性」がないということは、その「事実」が客観的真実ではなく、その「事実」が否定されたことを意味することがわからないんですね。事実といっても「虚偽の事実」と「真実の事実」があることからご説明するようでは、あまりにも初歩的レベルというほかありませんし、これ以上のおつきあいはできかねます。自分で勉強するしかないですね。
 そして、Bの「前記(3)イで認定した・・・亡明代が自殺したことを裏付ける事情」というのは「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」(前記(3)イ)であることは判決書を読めばすぐにわかりますから、判決書のBの青字部分が「「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」であることも一目瞭然です。
 そうすると、「上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情」(=「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」)をもって、「自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。」つまり、判決は審理の結果、警察の捜査結果では「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」とはいえず、被告ライターが記述した「万引き苦に自殺した」との事実が真実ではない、すなわち、「万引き苦に自殺した」との事実の真実性はないと断定なく、「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」との事実を否定したのです
(2) チバ副署長指揮の「警察捜査結果」を否定、厳しく批判
 要するに、この最高裁確定判決の最も重要な点の一つは、矢野・朝木両議員を何件も提訴したチバ元副署長が指揮した東村山署の捜査結果について、「上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情(=「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」)をもって、自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。」(判決書34頁3行以下)と認定していることです。つまり、審理の結果、最高裁確定判決は、警察の捜査結果では「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」とは推認することもできません(=「推認するに足らず」)とし、警察の捜査結果では「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」とはいえませんよ、としていることです。チバ副署長はその指揮した捜査結果が強く批判されていることを知る必要がありますよね。
 そして、「自殺以外にない」と一貫して主張してきた創価を擁護する*2創価ネット族は、この最高裁確定判決が「上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情」=「チバ副署長指揮による東村山署の捜査結果」を否定し、警察の捜査結果では「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」とはいえないし、他に証拠はないとしている事実をしっかり読まなきゃいけません。まだまだ、意味を理解してないですね。
(3)「相当性」というのは、被告ライターが単に「警察発表」を信じただけ

 そして、つぎ問題は、被告のライター、創価系ネット族らが、この最高裁確定判決で被告ライターの記事の「相当性」が認定されていると必死に叫んでいる点ですが、問題は「相当性」なるものの中身です。残念ながら、彼らが言い分がさも認められていると喜び、力説し言ってきたことは全く何の意味のないものだったことが、次のとおり明らかです。
 (C)の部分、被告ライターが、単に、警察発表がなされ、普通の場合は信用性があると思うから、被告ライターがこれを信じたにすぎないと認定されています。月刊タイムズに「朝木明代議員が万引き苦に自殺」と記事を書いたのは、「警察捜査結果」発表を知り、これを単に信じて書いたもので、普通の場合は、警察発表には信用性があると思うから、この記述の直接的責任は「警察発表」にあるので、被告ライターが「警察発表」を信じたことに責任は問えないとして「相当性」がある、と最高裁確定判決は認定したのです。
 これが、被告ライターや創価系ネット族はたまた高裁7民判決までが暴走しもちだした「相当性」なるものだったのです。

 無論要するに、再度指摘するまでもなく、最高裁確定判決はすでに、被告ライターが信じた警察捜査結果では朝木明代議員は「万引き苦に自殺した」とはいえる証拠はないと断定しています(Bの結論部分)から、被告ライターが何か「万引き苦に自殺」の証拠を見つけ出したから相当性があるというものでは全然全くないのです。
「万引き苦に自殺した」とはいえないのに、警察捜査結果を被告ライターがそのまま信じた結果、記述しちゃったので、「相当性」があるといっているだけなのです。直接の責任は「警察発表」だ、といっているにすぎないのです。残念でしたね。「相当性」の意味がぜんぜんわかんない人たちがまだいるのは驚きですが、そろそろ理解してもいいように思うんですがね。
(4) 『月刊タイムズ事件』最高裁確定判決の判示の柱
 結局、この最高裁確定判決は、月刊タイムズに記事を載せた時点では、被告ライターは「警察捜査結果」を信じたので相当性は認めるけれど、実際は、警察捜査結果では「朝木明代議員は万引き苦に自殺した」とはいえず、他に証拠はないので、被告ライターが記述した「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」という事実には「真実性」(客観的真実)はなく、訴訟当事者(被告)として被告ライターがこのことを知った以上、この最高裁確定判決以降には、被告ライターは「朝木明代議員が万引き苦に自殺した」と記述できないことを判示しているのです。

 したがって、このような前記確定判決があるからこそ、後に、別訴事件の裁判長から被告ライターは直接「月刊タイムス事件判決が確定した以降は、朝木議員が自殺したと断定する記事を書くことはできない」と注意喚起され、警告されたのです。(あの被告ライター「裁判長は『潮』事件判決のことを言った」などとウソ、デタラメを公表!最近も「サンバ××××」がこの「ウソ」をそのまま受け売りし、ブログに転載して「恥の上塗り」をやらかしているそうです。どーするつもり!?責任とれる?!それとも、すでに決定的証拠を持っている被告ライターに確認して、ウソの「受け売り」か否か黒白をつけたらどうですかね。結論はみえてますがね。問題は、自分達が勝手に参入して、「ウソ」の「受け売り」をしていること、わかってますかぁ?!)*3
 被告ライターは自分が当事者被告である訴訟の確定判決で自分が記述した朝木明代議員は万引き苦に自殺した」との事実の真実性が否定されたのですから、にもかかわらずこれを「知りませんでした」というわけにはいきません、これを信義則違反というのですが最高裁確定判決の判示認定を無視して同じことを蒸し返して記述すれば、名誉毀損が成立しますよ、ということを別訴事件の裁判長がおしえてくれているのが理解できない人たちが、まだいるんですね。高裁7民判決の暴走はこの点でも明らかですね。
 「月刊タイムズ」事件確定判決より前に確定した「潮」事件判決でもすでに同様の判示がなされていて、他の最高裁確定判決でも引用されていることを付け加えておきましょう。判決書の読み方がわからない創価系ネット族のみなさん、しっかり、アップロードしてある判決書を熟読玩味して、被告ライターのご都合主義を受け売りし、「相当性」で「真実性」を否定したり、おきかえようとするようなこれ以上の恥さらしはやめたほうがおよろしいですね。恥さらしだけでは済まなくなりますものね。*4アッハハハハハ・・・。
(5) 最高裁確定判決の主要な部分
〔略〕

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*1:引用の際のミスで、実際に「=推認することさえできない」と書いてあったかのような表現になっていたので、修正した(4月25日追記)。

*2:この下線部分は4月27日付の更新で付け加えられたもの。

*3:このカッコ内の記述のうち、「・・・デタラメを公表!」までは4月25日付更新で、「・・・責任とれる?!」までは4月26日付更新で、「・・・わかってますかぁ?!」までは4月27日付更新で、それぞれ付け加えられたもの。4月28日付更新では「『受け売り』かか」の誤字が修正されるとともに、「それとも、・・・みえてますがね。」の文字色が変更された。4月29日付更新では、「それとも、すでに決定的証拠を持っている被告ライターに確認して」の下線部が追加され、「黒白をつけたらどうですかね」の最後の「」が削除された。

*4:この「恥さらしだけでは済まなくなりますものね。」は、4月24日付更新で付け加えられたもの。