カンパは集めるのに「訴訟能力がない」などと主張して法的責任を回避しようとする、情けなさ満点の在特会


統一地方選の後半戦に突入しました。東村山市では定数25に対して34人が立候補しています(東京新聞ザ・選挙)。東村山市民新聞も、4月13日(2011/04/13 18:58:50)に「最終更新日」を4月14日付に修正して以降は動きがありません。


ともあれ、私としては書くだけのことは書いたつもりなので、後は24日の投開票を見守るだけです。個人的には、お馴染みクロダイくん(行政書士黒田大輔〔ダイスケ〕)がサブマリン出馬した新宿区(東京新聞ザ・選挙)、矢野穂積朝木直子候補者と連携してきた天目石要一郎候補が出馬している武蔵野市東京新聞ザ・選挙)にも一応注目しています。


さて、昨日(19日)は京都朝鮮学校襲撃事件(民事裁判)の第4回口頭弁論がありましたが、組織として訴えられている在特会在日特権を許さない市民の会)が、自分達には「訴訟能力」がないと主張して法的責任を回避しようとしていることが明らかになり、失笑を買いました*1


訴訟能力がないと見なされるのは通常は未成年者や成年被後見人ですので(民事訴訟法第31条)、要は当事者能力を欠いているから在特会に対する訴えは無効だと言いたいのでしょうが、通用しないでしょう。


映画『ザ・コーヴ』上映粉砕街宣で訴えられた西村修平主権回復を目指す会代表)も同様の主張を行なおうとしたようですが、通用せず、第1審では西村修平個人と主権回復を目指す会の双方に計110万円の損害賠償が命じられました(西村側が控訴し、係争中)。りゅうオピニオンに掲載された傍聴記から、関連のやりとり(趣旨)を抜粋しておきましょう。

裁判長 主権回復を目指す会は法人ではないから団体ではない・・・と書いてあるけれど、団体なんでしょ? まさか個人のことを主権回復を目指す会と読んでいるわけじゃないですよね? 別に規約を持っているわけです。例えば、口座も別にあるのでしょう? それはそうですよね?
西村 はい。
裁判長 ここに法人格を有しないと書いてありますけれども、法人格がなくても「みなし団体」となるわけです。財産も責任能力も団体があるわけですよね? カンパをしてもらったら、それは団体に入るわけですよね?
西村 ・・・そこは、かなりあいまいです。団体として、呼びかけたときに集まったものです。
裁判長 民事訴訟法の29条に、法人格がなくても団体を訴えられると書いてあるんです。会に対して訴訟が起こされているんですが、「団体ではない」ということを争っているわけではないですよね。
西村 はい。


同様に、在特会も当然に権利能力なき社団として扱われ、不法行為が認定され、他の被告と連帯して損害賠償を支払うよう命じられることになると思われます。昨年3月24日に行なわれた街宣活動等禁止の仮処分決定でも在特会が債務者(禁止命令の対象者)として名指しされており、同年5月19日には仮処分決定違反1回あたり100万円の制裁金も命じられていることからして、これ以外の結末になる可能性は考えにくいでしょう。後は金額がいくらになるか、判決で朝鮮学校の民族教育についてどのような理解が示されるか、です。


それ以前に、このような主張をすること自体がそもそも情けない。「はやく仕事しろ>俺」のaramasanさんが、
「散々に在特会は全国で1万人の会員がおり、桜井誠氏(本名 高田誠)を頂点に副会長らが地方組織をまとめ各支部があると吹聴し、在特会の口座によるカンパも集め、組織活動として各地でデモや集会を運営してきたのではないのか?桜井誠氏(高田誠)は、最後は自分の命令が在特会の最後の決定であり、会長命令は絶対だとこの間どれほど啖呵をきってきたのだ?」
と指摘している通りです。


国連・人種差別撤廃委員会に対しても在特会として書面を送りアパルトヘイトだGHQだと屁理屈をこねていたではありませんか。責任回避のための見苦しい言い訳を述べている暇があったら、裁判でも堂々と同じ主張をすればよろしい。それができないなら、国連に提出した文書を撤回するべきです。


前掲仮処分決定についても
断じて認めることはできません。当然のことながら、法的対抗措置を取って徹底的に朝鮮学校と戦う所存です
と宣言していたではありませんか。ここまで言うからには保全異議ぐらい申し立てるかと思っていましたが、結局逃げ回るだけですか?


こんな連中が、日本遊技関連事業協会(日遊協)に対して在特会として」申し入れを行なうというのですから笑わせてくれます。団体名も略称も間違ってるし。



ちなみに、
「日本の電力を守るため原発の火を消させないぞ! 国家破壊を目論む反日左翼を福島沖に叩き込め!」
などと主張する在特会の反・反原発デモ(4月17日、主催・原発の火を消させない国民会議〔代表=桜井誠〕)については、Togetter〈【在特会】「原発の火を消させない国民会議」の反・反原発デモに数十人が結集【脂肪遊戯】〉としてまとめておきました。


なお、瀬戸弘幸サンは日本の原子力発電にはもう未来はないと思いますとして在特会らの主張と一線を画す姿勢を暗に示しましたが、在特会の反・反原発行動についてのコメントはありません。4月15日付エントリーでは、桜井会長がパチンコ問題について取り上げた記事を嬉しそうに紹介していましたが、上記デモにも参加した金友隆幸(排害社代表)から
「よほど普段から思想も覚悟もなかった人たちだろう」
などと罵られて自転車発電要員の一人に数えられても、素知らぬ顔でつるみ続けるのでしょうか。


そういえば今日はせと弘幸Blog『日本よ何処へ』裁判の第6回口頭弁論もあったはずですが、瀬戸サンからは事前のお知らせはありませんでした。今回も代理人に任せて出廷しなかったと思われますが、3月31日が提出期限とされていた陳述書は果たして提出したのでしょうか。内部告発について原告である千葉英司さんから出されている、
「朝木事件の真相解明のため、そして、内部告発情報の顛末を注視する人々のためにも、本裁判で内部告発情報の詳細を公表すべきである」
という求釈明への対応も注目されますが、これについてはそのうち宇留嶋さんが報告してくれるでしょう。


また、明日21日には対創価学会街宣名誉毀損裁判・控訴審(被告=まきやすとも・黒田ダイスケ)および徳島県教組襲撃事件京都朝鮮学校襲撃事件(刑事裁判)の判決言い渡しも予定されています。賑やかな1日になりそうです。


【追記】(4月21日)
瀬戸弘幸サンが〈統一地方選挙に関して:反創価候補、草の根、日護会の健闘に期待する〉というつっこみどころ満載のエントリーをアップし、その中でご自分の裁判のことにも少し触れていましたので、とりいそぎいくつかつっこんでTogetter〈【瀬戸っち失笑シリーズ(14)】自称ジャーナリスト・瀬戸弘幸サン、ほぼ本当なはずのFBI情報を裁判所に堂々提出〉にまとめておきました。まあお元気そうで何よりというか何ちゅうか本中華。

*1:本文では触れませんでしたが、原告側第9準備書面の内容にもご注目ください。