多摩レイクサイドFMの「ウソ・おおげさ・まぎらわしい」


矢野・朝木両「市議」が黙々と「最終更新日」を修正し続ける一方、しばらくお休みしていたエアフォースで待望の新連載「りんごっこ保育園問題とは何か(第2部)」が始まりました。りんごっこ保育園側はけっきょく5月16日を過ぎても職員名簿等の必要書類を提出せず(5月24日付「改善指導を『なかったこと』にしようとするりんごっこ保育園」参照)、それどころか東村山市に「質問書」を送りつけてきたそうです。その内容はまだ不明ですが、説明すべきことを説明してから質問なり抗議なりしてはどうなんでしょうね。


そちらは詳細が明らかになるのを待つとして、昨日に引き続き、多摩レイクサイドFMについて。「多摩レイクサイドFMのあゆみ」というページには次のような記述があります。

《公認のミニFM局》
 約20年前には、盛り場や地域にたくさんの「ミニFM」局がありました。しかし大半が法制度を気にしないものでしたが、「FMひがしむらやま」は、その発射電波の強さ(電界強度)を測定し、当時電波監理局から認められた数少ない「ミニFM局」で、1984年1月に開局しました。
 これが今回「コミュニティ放送局」を開局した「NPO法人ひがしむらやまFM」の前身です。


しかし昨日の記事でも紹介した「多摩レイクサイドFMへの苦言」(Je suis l'homme qui aime la nature 2006年6月28日付)によると、これがでたらめだというのですね。

多摩レイクサイドFMの前身であるミニFM局「ひがしむらやまFM」は、当時の電波管理局が認めた数少ないミニFMと今でも主張し続けておりますが、ミニFM自体に許認可制度はなく、これは当時の関東電波管理局の方が言っておられたことですが、「公認した記憶も記録もない」とのことです。


私もうっかり流していましたが、よく考えれば、それはそうです。そもそもミニFMとは「電波法で規制されていない微弱電波を使ったFM放送及びその無線局」(Wikipedia)を指しますから、免許や許認可は必要なく、当然そのための制度もありません。「微弱電波を超える出力にすれば違法となり電波関連の当局(日本では総務省総合通信局)による取締りの対象となる」(同)だけの話です。


他のミニFM局の「大半が法制度を気にしないものでした」というのも、実に失礼な言い草ですね。他のミニFM局は「大半が」違法な電波を発信していたということでしょうか。他人をこきおろして自分たちをよく見せようとするのは、りんごっこ保育園の場合と同様です。さすが〈邪(よこしま)教〉グループだけのことはある。


そりゃ微弱電波とは言えない出力にして摘発された例も存在するでしょうが、多くは法の規制内でメディアの可能性を探っていたのだと思います。市民によるオルタナティブ・メディアとしての自覚と誇りを持って、「自由ラジオ」を名乗っていた人たちも少なくなかったと記憶しています。それにひきかえ、「公認のミニFM局」などとでっちあげまでして当局にすりよるとは、何と志のない人たちなのでしょうか。


多摩レイクサイドのあゆみ」については、松沢呉一さんが「職業差別を許しません!」の〈多摩レイクサイドFM〉スレッドで次のような指摘も行なっていました。

このページには、【全国で初めてNPO法人として、放送局免許申請受理第1号となり】とあって、あたかも矢野代表が困難なこの道を日本で初めて切り開き、初めて開局したかのようですが、多摩レイクサイドFMの前に、2003年3月、「京都三条ラジオカフェ」が開局しています。・・・同じようなことを考えた人たちはあちこちにいて、開局は2番目なのですね。そういうところを正確に書かないのは、「東村山市民新聞」と同じです。


そのとおりなのですが、あらためてよく読んでみると、ここでは「放送局免許申請受理第1号」となっていて、「開局第1号」とは書いてありません。「全国初のNPO法人による放送局免許の申請受理」というページでも、「2002年5月7日、ついに、NPO法人では全国で初めて『コミュニティ放送局』の免許申請が受理され、株式会社による放送局以外の民間放送局誕生の扉が開いたのです」と書かれており、どうやら「申請受理第1号」というのは事実のようです。


もちろん、「京都三条ラジオカフェ」の開局の件にまったく触れていないのは、多摩レイクサイドFMが初めて開局したかのような印象を与えるための、意図的な省略でしょう。さすがに印象操作に長けた矢野「市議」です。


そしてまた、印象操作に引っかかったのか、それとも矢野「市議」が取材ではそう述べたのか、『週刊文春』や『週刊新潮』のようなメディアがよく調べもせずに「日本初」とか「全国初」とか記事にしていたのですね。この点については、京都三条ラジオカフェのメルマガのバックナンバー(2004年)で事情説明が行なわれています。貴重な資料だと思うので、文末に転載しておきます。


それにしても、申請は2002年5月に受理されたというのに、2004年1月にようやく予備免許が与えられ、正式開局は同年6月だったというのですから、ずいぶん時間がかかったものです。「多摩レイクサイドFMのあゆみ」では、「申請の審査は慎重につづけられ・・・」と書いてありますが、慎重な審査を行なうだけの、よほどの理由があったということなのでしょう。


最後に、これは「多摩レイクサイドFM」のサイトに掲載されているものではありませんが、同放送局をめぐり、矢野「市議」がある裁判で奇怪な主張をしていたことも想起しておきましょう。エアフォースで「久米川東住宅『電波障害』事件」として報告されている件です。


矢野「市議」が住んでいる久米川東住宅では、平成14(2002)年にJ−COMによる有線ケーブル敷設工事が行なわれました。しかし矢野「市議」は、そのせいで「総務大臣が免許を交付して東村山市ほか6市などを放送区域としてFM放送をする『多摩レイクサイドFM』(79MHz)は全く聴取ができない状態となった」として、原状回復等を求めたというのです。多摩レイクサイドFMの放送開始は平成16(2004年)6月30日で、2002年には予備免許すら得ていなかったのですから、まったくおかしな話です。


ひょっとしたら矢野「市議」の耳には何か聞こえていたのかもしれませんが、そんな立証不可能なことを裁判で持ち出されても困りますし、そもそもそれは「多摩レイクサイドFM」の電波ではありません。


ことほどさように、「多摩レイクサイドFM」およびその周辺からは怪しげな電波が発信されている、という話でした。


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【資料】京都三条ラジオカフェのメルマガ・バックナンバー(2004年)
NPO放送局」に関する問合せについて ■□■
週刊文春』『週刊新潮』の記事に関連して


 7月1日号『週刊文春』51頁に「ひがしむらやまFM」に関する記事が掲載され、その中で「NPOのFM局認可は、この局が日本初だ」という記載がありました。また、7月15日号『週刊新潮』37頁にも「ひがしむらやまFM」に関する記事が掲載され、「全国で初のNPO法人として運営されている」という記述があります。
 この記事掲載を前後して、NPO京都コミュニティ放送京都三条ラジオカフェ」に対し「日本初のNPO放送局は京都三条ではなかったのか」という問合せが多くあり、ここで少し解説しておきます。


 まず、『週刊文春』に対しては、「NPOのFM局認可は、この局が日本初だ」との記載は明らかに誤りなので訂正を促しましたが、誤りは認めつつも訂正記事は掲載しないとのご返答でした。『週刊新潮』に対しては、現時点でまだ連絡しておりませんが、「全国で初のNPO法人として運営されている」との記載も明らかに誤りです。


 日本の放送行政は歴史的に規制が厳しく、放送免許の取得には高いハードルが用意されてきました。戦前〜戦後を通じ、民間放送局は全て「株式会社」への認可でしたが、1998年の「特定非営利活動促進法」の制定を受け、5年後の2003年3月27日に出された「特定非営利活動法人京都コミュニティ放送」への放送免許の交付が、日本における「NPO放送局」認可の初ケースとなりました(開局は2003年3月31日)。
 「ひがしむらやまFM」は、日本における「NPO放送局」認可の2例目として2004年6月30日に放送を開始。制度的には、日本における「NPO放送局」定着の流れを予見させる貴重な動きをつくり出したと言えます。「NPO放送局」3例目となる動きは現在、山形県で1件申請されており、今後の動きが注目されます。


 また、『週刊新潮』の「全国で初のNPO法人として運営されている」との記載は、いずれにしても誤りですが、「運営」の意味が問題です。
 実は、株式会社による「コミュニティ放送局」設立であっても、実質的にNPO法人が放送局を「運営」するケースは「京都三条ラジオカフェ」が誕生する以前から存在しています。「運営」という言葉の意味には幅があるものの、神戸長田「FMわいわい」(1996年1月17日認可)や奈良「ならドットFM」(2000年6月1日開局)、札幌「さっぽろ村ラジオ」(2003年4月1日開局)などはその例としてよく名前が上げられますし、NPO法人が何らかの形で「運営」に関わるケースは多いと思われます。


 そもそも、「コミュニティ放送」とは、1992年に放送法の一部改定によって制度化された市区町村をエリアとする小出力(20ワット以下)のFMラジオ局で、総務大臣が放送免許を交付します。地域メディアとしての「コミュニティ放送」が12年前に制度化されたこと自体、日本の放送史のひとつの画期であり、現在までに全国で170局が開局しています。
 『週刊文春』ではその名称を、全く意味の違う「ミニFM」と記述するなど、今回の両誌記事執筆者は、この分野に不慣れな方が書かれたようです。


 以上、NPO京都コミュニティ放送京都三条ラジオカフェ」に対する問合せに応える意味から、最低限の解説をさせて頂きました。